JPH0347134Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、瞬間湯沸器を用いて即給湯ができる
ように工夫した給湯装置に関するものである。

［従来技術］ 瞬間湯沸器を用いた給湯装置の場合、水栓を開
いて所定の温度が得られるまでには待ち時間が必
要である。

この問題を解決するため、第２図に示すよう
に、湯沸器０１と水栓０２間に加熱装置を付設し
た貯湯ポツト０３を取り付けて先ず始めにこの貯
湯ポツト０３内の湯が出湯するように工夫した提
案がある。

しかし、この方式の場合、貯湯ポツト０３内の
水温が低いと、湯沸器０１から出湯する温度が十
分に高くなつても、逆に貯湯ポツト０３内の水温
でぬるめられて（温度が下げられて）、かえつて
高い出湯温度を得るまでに時間がかかるという問
題がある。

そこで、湯沸器０１からの出湯温度が所定の温
度に上昇した場合には、切り替えて直接水栓０２
に温水を廻わし、貯湯ポツト０３を経由させない
ことにより、待ち時間の最長は常に湯沸器０１の
立上り時間になるように工夫した提案がある（実
開昭61−79112）。

［従来技術の課題］ しかし、上記提案の場合、常に立上りまでの冷
水は貯湯ポツト内に入るため、この貯湯ポツト内
の水温をぬるめてしまう。このため、所定の温度
に上昇するまで、常に加熱装置が駆動せられ、こ
の分エネルギーを消費して省エネ的ではないとい
う問題がある。

本考案の目的は、省エネ対策を施した給湯装置
を提供することである。

［課題を解決するための手段］ 本考案の構成は次のとおりである。

瞬間湯沸器の出湯ライン内に、加熱装置を付設
した緩衝タンクを取り付けて成る給湯装置におい
て、前記緩衝タンクの入側に三方弁を取り付けて
この三方弁から緩衝タンクをバイパスして出湯口
に至るバイパスラインを付設すると共に緩衝タン
クに該タンク内の水温を検知し、この検知した水
温が設定水温に達していないときに前記三方弁を
バイパスライン側に切り替えて瞬間湯沸器からの
温水を直接出湯口側へ供給するように構成して成
る給湯装置。

［作 用］ 上記給湯装置においては瞬間湯沸器で加熱され
た高温水が一旦緩衝タンク内に貯湯されると共に
この緩衝タンク内に付加した加熱装置により常に
高温例えば80℃に加熱されており、この温水は直
接又は自動温度コントロール装置付の水栓又は手
動式の混合水栓を経由して出湯される。

上記作用は通常時であるが、夜間或いは外出に
際して緩衝タンクの加熱装置がOFFにされ、緩
衝タンク内が冷水化している状態で出湯栓が開か
れ、瞬間湯沸器が運転を開始したとする。このと
き、温度検知器で検知された緩衝タンク内の水温
が設定温度以上であるときはそのまま緩衝タンク
内の湯が出湯し、設定温度以下であるときは温度
検知器から三方弁に切り替え信号が送られて三方
弁がバイパスライン側に切り替わり、緩衝タンク
をバイパスして瞬間湯沸器の湯が直接出湯水栓に
供給されるようになる。このようにして、出湯が
継続し、緩衝タンク内の湯温が設定温度になると
温度検知器がこれを検知して三方弁を切り替えて
今度は緩衝タンク内の湯が通常のラインを経由し
て出湯水栓に供給されるようになる。

［実施例］ 第１図は上記本考案の一実施例を示し、１は恒
温型の瞬間湯沸器、２は台所、浴室等に設置され
ている出湯水栓３に至る給湯ラインである。

４は前記給湯ライン２内に取り付けられた緩衝
タンクにして、この緩衝タンク４はその内部に
ON，OFFスイツチ１３付の電気ヒータ５が挿入
してあり、この電気ヒータ５により温水の高温維
持が可能である。なお、実施例は電気ヒータであ
るが、その他の加熱源としてはガスを燃料とした
ものが考えられる。

６は給湯ライン２内に取り付けられたリモート
コントロール装置付の混合器にして、この混合器
６は前記緩衝タンク４から出湯された高温水に冷
水を混合することによつて設定された温水温度に
自動制御する機能を有している。即ち、緩衝タン
ク４から出湯されている高温水の温度をセンサで
検出し、更に冷水ライン７から供給される冷水の
温度を検出し、設定温度に低下させるために必要
な冷水量を計算して決め、これを混合して設定温
水を出湯水栓３に供給するものである。なお、こ
の設定温度は、各出湯水栓３の使用目的に応じて
あらかじめ決定される。例えば、台所で必要な温
水温度が45℃の場合には45℃に、浴室で必要な温
水温度が55℃の場合には55℃に設定される。この
温度設定はマニユアル方式としてもよいし、各水
栓の開閉により信号を自動温度コントロール装置
に送り、この信号により水栓を識別して自動設定
されるようにしてもよい。なお、出湯水栓３が同
時に複数の温度に設定してもよいし、中間の温度
設定になるようにしてもよく、この温度設定条件
は任意である。

８は給湯ライン２内であつて緩衝タンク４の入
側１１に取り付けた三方弁、９はこの三方弁８か
ら緩衝タンク４をバイパスして混合器６に至るバ
イパスライン、１０は緩衝タンク４内の水温を検
知し、この水温があらかじめ設定された温度以下
であるとき前記三方弁８に切り替え信号を送り、
給湯ライン２をバイパスライン９を経由して混合
器６に至るように切り替えるものである。そし
て、電気ヒータ５による加熱によつて緩衝タンク
４内の水温が設定温度に上昇するとこれを温度検
知器１０が検知して三方弁８に切り替え信号を送
り、給湯ライン２からの湯は緩衝タンク４、出側
口を経由して混合器６に至り、通常の運転状態に
戻る。

なお、上記実施例は緩衝タンク４と出湯水栓３
間に混合器６を取り付けた例であるが、緩衝タン
ク４から直接出湯水栓３に温水が至る給湯装置に
本考案を実施することも考えられる。

実施例に係る給湯装置は以上の如き構成から成
り瞬間湯沸器１で加熱された温水は一旦緩衝タン
ク４内に貯湯され、ここで電気ヒータ５により高
温水80℃に維持されている。出湯水栓３が開栓さ
れると、給湯ライン２内の流れをセンサが検出し
て瞬間湯沸器１の加熱源に自動着火を行うと同時
に緩衝タンク４内の高温水が混合器６に至り、こ
こで設定温度に温度調節され、この温度調節され
たものが出湯水栓３から出湯する。

出湯水栓３が閉栓されると、給湯ライン２内の
流水のストツプをセンサが検出して瞬間湯沸器１
の運転を停止する。但し、緩衝タンク４内の電気
ヒータ５はこのタンク４内の水温を検出してお
り、常に設定温度を維持するように自動的に
ON，OFF制御されている。なお、出湯水栓３が
複数同時使用された場合、混合器６を共通してい
ると出湯水栓３のうち一番高い温度のものに温度
が設定されてしまうので、この場合には出湯水栓
３で冷水を混合して夫々所定の温水を得ることが
できる。

［本考案の効果］ 本考案は以上のように、緩衝タンク内の水温が
所定の設定温度より低い場合には、この緩衝タン
クを通さず、直接水栓に給湯するようにした。

この結果、温水が得られるまでの最長待ち時間
は、湯沸器の立上りの時間に改善されるばかりで
なく、立上り前の冷水が緩衝タンク内に入り、更
にぬるめられることがないので、この分加熱に要
するエネルギーが節約できて省エネ的である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る給湯装置の一実施例図、
第２図は従来の貯湯ポツト付給湯装置の説明図で
ある。 １……恒温型瞬間湯沸器、２……給湯ライン、
３……出湯水栓、４……緩衝タンク、５……電気
ヒータ、６……混合器、７……給水ライン、８…
…三方弁、９……バイパスライン、１０……温度
検知器。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 瞬間湯沸器の出湯ライン内に、加熱装置を付設
   した緩衝タンクを取り付けて成る給湯装置におい
   て、前記緩衝タンクの入側に三方弁を取り付けて
   この三方弁から緩衝タンクをバイパスして出湯口
   に至るバイパスラインを付設すると共に緩衝タン
   クに該タンク内の水温を検知し、この検知した水
   温が設定水温に達していないときに前記三方弁を
   バイパスライン側に切り替えて瞬間湯沸器からの
   温水を直接出湯口側へ供給するように構成して成
   る給湯装置。