JPH0346352Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 Ａ 産業上の利用分野 本考案は車両自動運転装置の車内固定装置に関
し、簡単な作業で確実に固定できるように企図し
たものである。

Ｂ 考案の概要 本考案は、ベルトの先端に備えた係合金具を、
車両底面に突出した接合部リブに係合させ、ベル
トをベルトロツクで締めることにより、車両自動
運転装置を床面に押し付け、更に車両自動運転装
置の底面に摩擦力の大きなマツトを貼着して車両
自動運転装置が滑らないようにしたものである。

Ｃ 従来の技術 自動車の各種試験をするためには、自動車を自
動車性能試験装置に載せる。この試験装置のロー
ラに自動車の４つの車輪が載り、ローラの回転を
制御することにより、実際の道路を走行している
のと同じ状態が得られる。この試験は長時間行な
われるため自動車の運転は、人間によらずに車両
自動運転装置により行なう。

かかる試験において車両自動運転装置を固定す
る状態を第５図を参照しつつ説明する。同図に示
すように車両自動運転装置１は座板２上に固設さ
れている。座板２には油圧ジヤツキ３が起伏可能
に備えられており、油圧ジヤツキ３が伸びるとそ
の先端の湾曲面３ａがステアリングシヤフト４に
押し付けられるようになつている。また座板２に
はネジ式のジヤツキ(5)が起伏可能に備えられてお
り、このジヤツキ５が伸びるとその先端面５ａが
座席６の下部角部に押し付けられるようになつて
いる。つまりジヤツキ３，５が伸びることにより
車両自動運転装置１が車両の床面７上に固定設置
される。固定された車両自動運転装置１はその操
作ロツド１ａを動かすことにより各ペダル８を踏
み込んだり、図示しないシフトレバーを操作す
る。操作ロツド１ａにはポテンシヨメータ９の計
測ロツド９ａが連結されており、操作ロツド１ａ
の移動量をポテンシヨンメータ９で計測してい
る。なお上記車両自動運転装置１は電動式であつ
たが、油圧式の車両自動運転装置も同様にして固
定していた。

Ｄ 考案が解決しようとする問題点 ところでかかる従来技術では、車両自動運転装
置１の動作による振動や操作反力により車両自動
運転装置１自体がずれたり浮き上がつたりしない
ようにするため、座板２及びジヤツキ３，５の強
度を大きくとつていたため、重量が大きかつた。
また狭い車内でジヤツキ３，５を伸ばす作業をし
ていたため、この作業が面倒であつた。

本考案は、上記従来技術に鑑み、軽量で且つ固
定作業が簡単で済む車内固定装置を提供すること
を目的とする。

Ｅ 問題点を解決するための手段 上記目的を達成する本考案は、車両床面に対し
大きな摩擦力を生じるよう車両自動運転装置に貼
着されたマツト材と、車両底面の接合部リブに係
合する係合金具を備えた二本のロープと、この二
本のロープを締めることによりロープで車両自動
運転装置を車両の床面に押し付ける作用をするベ
ルトロツクとを有することを特徴とする。

Ｆ 実施例 以下本考案の実施例を図面に基づき詳細に説明
する。第１図は本考案の実施例を示す正面図、第
２図はその側面図である。両図に示すように車両
自動運転装置１の底面にはマツト材１０が貼着さ
れれている。このマツト材１０は車両の床面７に
張られたカーペツトに、大きな摩擦力で密着す
る。マツト材１０は、床面７上に張られるカーペ
ツトと同じ材質のものや、ラバーや、前記カーペ
ツトにからみつくよう毛羽立つた材質のものを用
いて製作する。

車両自動運転装置１には、ベルトロツク１１に
より相互に締めつけられたベルト１２ａ，１２ｂ
がかけられる。このベルト１２ａ，１２ｂの先端
には、第３図に示すように係合金具１３が備えら
れるとともに、この係合金具１３にはマグネツト
１４が固定されている。係合金具１３は、シルア
ウタパネル１５とフロアパネル１６との接合部で
あつて下方に突出している接合部リブ１７に係合
するものである。ベルト１２ａ，１２ｂは、ドア
１８とシルアウタパネル１５との間の隙間を通つ
て車内に導かれている。一方ベルトロツク１１
は、ベルト１２ｂが固定された固定部１１ａと、
この固定部１１ａに回動可能に支持されておりベ
ルト１２ａが巻き掛けられた回動部１１ｂとでな
り、ベルト１２ａが巻き掛けられた回動部１１ｂ
を固定部１１ａ側に倒すことによりベルト１２
ａ，１２ｂをワンタツチで締めつける。

かかる実施例を用いて車両自動運転装置１を固
定する手順を次に説明する。まずはじめに車両自
動運転装置１を床面７上に設置する。そうすると
マツト材１０と床面７上のカーペツトとが密着
し、車両自動運転装置１が水平方向にずれようと
しても、大きな摩擦力によりずれることはない。
その次にベルト１２ａ，１２ｂの先端の係合金具
１３を接合部リブ１７に係合させる。この場合、
マグネツト１４がシルアウタパネル１５に磁着す
るため、ベルト１２ａ１２ｂを引つばつておかな
くても、係合金具１３と接合部リブ１７との係合
状態が保持される。しかる後ベルト１２ａ，１２
ｂを引つばり張力をかけた状態でベルト１２ａ，
１２ｂ相互をベルトロツク１１で締める。さらに
ドア１８を閉めるとドア１８の下端がベルト１２
ａ，１２ｂに当たり増締めされる。そうすると車
両自動運転装置１はベルト１２ａ，１２ｂにより
床面７に押し付けられる。

かくて車両自動運転装置１が確実に固定され
る。つまり車両自動運転装置１が作動したときに
生じる操作反力の方向は、水平方向Ｘ、垂直方向
Ｚ及び回動方向θであるが、水平方向Ｘの力はマ
ツト材１０の摩擦力により阻止され、垂直方向Ｚ
及び回動方向θの力はベルト２ａ，１２ｂにより
阻止されるのである。

Ｇ 考案の効果 以上実施例とともに具体的に説明したように本
考案によれば、マツト材、ベルト及び係合金具と
いう部材で構成したため、きわめて軽量であり作
業が容易になる。また、実際に固定するときには
係合金具を接合部リブに係合し、ベルトをベルト
ロツクで締めるという簡単な作業をするだけでよ
く、作業時間が短縮される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す正面図、第２図
はその側面図、第３図は係合金具の係合状態を示
す断面図、第４図はベルトロツクを示す斜視図、
第５図は従来技術を示す構成図である。 図面中、１は車両自動運転装置、７は床面、８
はペダル、１０はマツト材、１１はベルトロツ
ク、１２ａ，１２ｂはベルト、１３は係合金具、
１７は接合部リブである。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 自動車の運転席の床面に設置されて各ペダル及
   びシフトレバーを操作する車両自動運転装置を固
   定する装置であつて、 車両自動運転装置の底面に貼着されており車両
   床面に対し大きな摩擦力を生ずるマツト材と、 車両底面から下方に突出する接合部リブに係合
   する係合金具が先端にそれぞれ備えられた二本の
   ベルトと、 二本のベルトの基端部相互をワンタツチで締め
   るベルトロツクとを有することを特徴とする車両
   自動運転装置の車内固定装置。