JP4109730B2 - トルクコンバータテスタのトルクメータ検定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車生産ライン用トルクコンバータテスタに関し、特にそのトルクメータの検定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は従来のトルクコンバータテスタの正面図を示し、1は取付台、2は取付台1上に立設された取付枠、3は取付枠2内において取付台1上に設けられたギヤボックスであり、後方に設けられた図示しない駆動モータと連結されている。ギヤボックス3の上方にはカップリング4を介して入力軸用トルクメータ5が連結され、トルクメータ5の上方にはカップリング6、及び軸受台29と軸受7に支持された入力軸を介してドライブプレート8が連結され、ドライブプレート8上には搬入されたトルクコンバータ9の入力側が嵌合される。
【0003】
一方、取付枠2内上部にはディスクブレーキ10の上端が支持され、ディスクブレーキ10の下端にはカップリング11を介して出力軸用トルクメータ12の上端が連結され、トルクメータ12の下端にはカップリング13及び出力軸14を介してスプライン軸15が連結される。16はスプライン軸15の軸受台、17はスプライン軸15に沿って移動する移動台、18は移動台17と連結されたスプライン結合部であり、スプライン結合部18はトルクコンバータ9の固定側と嵌合し、スプライン軸15はトルクコンバータ9の出力側と嵌合する。又、19a,19bはトルクコンバータ9を移動させる搬入,搬出レールであり、19cはトルクコンバータ9をレール19a,19b上に押圧移動させる押圧移動部、20は搬入コンベアである。
【0004】
上記構成において、搬入コンベア20により搬入されたトルクコンバータ9は持ち上げられて搬入レール19a上を押圧移動部19cにより押圧されて移動し、ドライブプレート8等と嵌合する。一方、トルクコンバータ9の出力側及び固定側はスプライン軸15及びスプライン結合部18と嵌合する。そして、駆動モータの駆動によりギヤボックス3及び入力軸用トルクメータ5等を介してトルクコンバータ9の入力側を駆動し、これによってトルクコンバータ9の出力側も駆動し、必要に応じてディスクブレーキ10を作動させるなどしてトルクコンバータ9のテストを行う。各トルクメータ5,12はそれぞれトルクコンバータ9の入力側及び出力側のトルクを測定する。
【0005】
ところで、各トルクメータ5,12はその検出値が正確か否かを検定する必要があるが、テスト時のように組み込んだままでは検定を行うことができないので、カップリング4,6,11,13を介して各トルクメータ5,12を取り外し、図13にしめした検定装置に取り付ける。即ち、図13(a),(b)はトルクメータの検定装置の左側面図及び正面図を示し、21は取付台、22は取付台21上に立設された固定ブラケット、23は取付台21上に取り付けられ、トルクメータ5(又は12)を支持する支持台であり、トルクメータ5(又は12)の一端は取付板24を介して固定ブラケット22に固定し、トルクメータ5(又は12)の他端には取付板25を介して検定アーム26を取り付ける。27は検定アーム26の一端に吊り下げられた検定錘である。このように予め重量が判明した検定錘27を吊り下げた際のトルクメータ5,12の検出値から、検出値が正確か否かを検定することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のトルクコンバータテスタ及びトルクメータの検定装置においては、トルクメータ5,12の検定の際にトルクメータ5,12を取り外す必要があり、その着脱に時間と労力を要し、特に取付時の芯出し作業に時間を要した。又、検定錘27の積卸しにも多くの時間と労力を要した。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するために成されたものであり、トルクメータの着脱や検定錘の積卸しを必要とせず、トルクメータの検定に際して時間と労力を大幅に軽減することができるトルクコンバータテスタを得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係るトルクコンバータテスタのトルクメータ検定方法は、入力軸用トルクメータの検定時に、入力軸の上端にドライブプレートに代わってパレット治具を介して検定アームの一端を取り付けるとともに、入力軸用トルクメータの駆動モータ側端部を固定する固定ブラケットを設け、かつトルクコンバータを搬入する搬入コンベア上に加力部の本体部を固定し、該本体部上に検定アームの長さ方向と直角方向に移動する移動部と該移動部を押圧又は引張る調整ねじが螺合された立設部とを設け、移動部には押圧力又は引張力を測定する測定部を介して検定アームの他端へ直接押圧力又は引張力を加える押圧部又は係合部を設けたものである。
【0009】
請求項2に係るトルクコンバータテスタのトルクメータ検定方法は、出力軸用トルクメータの検定時に、出力軸の下端にスプライン軸及びスプライン結合部に代わってスプライン治具を介して検定アームの一端を取り付けるとともに、トルクコンバータを搬入する搬入コンベア上に加力部の本体部を固定し、該本体部上に検定アームの長さ方向と直角方向に移動する移動部と該移動部を押圧又は引張る調整ねじが螺合された立設部とを設け、移動部には押圧力又は引張力を測定する測定部を介して検定アームの他端へ直接押圧力又は引張力を加える押圧部又は係合部を設けたものである。
【0010】
削除
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面とともに説明する。図1はこの実施形態による入力軸用トルクメータ検定時のトルクコンバータテスタの正面図を示し、駆動モータと連結されたギヤボックス3には図1の一部拡大図である図2に示すようにカップリング28を介して入力軸用トルクメータ5の一端が連結され、入力軸用トルクメータ5の他端はカップリング31を介して図3に示すように軸受台29と軸受7に支持された入力軸30に連結されている。カップリング28,31を構成する一方の部材にはそれぞれカラー32,33が埋設され、カラー32,33はテスト時はゴム製のものが使用され、検定時には金属製のものと交換される。カラー32には固定ブラケット36を挿通したボルト34が挿通され、ボルト34は他方の部材に埋設されたナット35に締着される。固定ブラケット36は取付枠2に固定されている。なお、固定ブラケット36はテスト時には設けられていない。
【0012】
入力軸30の上端には図4に示すようにドライブプレート8とセンターボス37が設けられ、テスト時にはトルクコンバータ9の入力側が連結されるが、検定時には図3に示すようにドライブプレート8とセンターボス37が取り外され、パレット治具39がボルト38により入力軸30に取り付けられ、パレット治具39にはアルミニウム製の検定アーム40の一端がボルト41により水平に取り付けられる。検定アーム40の長さ方向はローラ42上を移動する搬入コンベア68の移動方向と同一である。43は検定アーム40の先端付近で搬入コンベア68上に設けられた加力部である。
【0013】
図5及び図6は加力部43の平面図及び側面図を示し、44は本体部であり、本体部44には固定ねじ45,46が螺合されており、固定ねじ45,46を反対方向にねじ込むことにより本体部44は搬入コンベア68に固定される。47は本体部44上にガイド48に案内されて検定アーム40の長さ方向と直角方向に移動する移動部、49は移動部47上に設けられたデジタルフォースゲージ(デジタル的に力の表示をするもの)、50はデジタルフォースゲージ49の先端に設けられた押圧部である。又、51は本体部44上に設けられた立設部であり、立設部51には調整ねじ52が螺合されている。
【0014】
図7は検定アーム40に引張方向のトルクを発生させるための加力部43の平面図を示し、53は調整ねじ52に代わって立設部51に螺合した調整ねじであり、その頭部53aは移動部47と係合し、移動部47に挿通されている。54は押圧部50に代わってデジタルフォースゲージ49の先端にフローティングジョイント55を介して連結された係合部であり、検定アーム40の先端と係合する。
【0015】
図8(a),(b)は出力軸用トルクメータ12の検定時のトルクコンバータテスタの左側面図及び正面図、図9はその要部拡大右側面図を示し、56は取付枠2に取り付けられた支持枠、57は支持枠56に上下動自在に支持された移動枠であり、移動枠57には出力軸用トルクメータ12の上端が固定され、トルクメータ12の下端にはクラッチ58の上端が取り付けられ、クラッチ58の下端には出力軸59の上端が連結され、出力軸59は移動枠57に取り付けられた軸受台60及び軸受61により回転自在に支持される。テスト時には図11に示すように軸受台60の下部にはスプライン結合部63が取り付けられるとともに、出力軸59の下端にはスプライン軸62が連結されている。64はスプライン結合部63に取り付けられたカバーである。検定時には、図10に示すようにスプライン軸62,スプライン結合部63及びカバー64を取り外し、出力軸59の下端にスプライン治具65の上端をボルト66により取り付け、スプライン治具65の下端には検定アーム40の一端をボルト67により取り付ける。加力部43の構成は入力軸用トルクメータ5の場合と同様である。69はギヤボックス3と連結された駆動モータである。
【0016】
上記構成において、テスト時においては、ドライブプレート8にトルクコンバータ9の入力側を連結し、トルクコンバータ9の出力側にスプライン軸62を連結するとともに、トルクコンバータ9の固定側にスプライン結合部63を連結し、駆動モータ69によりトルクコンバータ9の入力側及び出力側を駆動し、必要に応じてクラッチ58を接続すると、出力軸用トルクメータ12の一端が移動枠57に固定されているので、ブレーキ状態となる。これらの際に各トルクメータ5,12によりトルクを測定する。
【0017】
次に、入力軸用トルクメータ5の検定時には固定ブラケット36をカップリング28に取り付けてトルクメータ5の一端を固定する一方、ドライブプレート8、センターボス37を取り外し、入力軸30にパレット治具39を介して検定アーム40の一端を取り付け、検定アーム40の他端付近で搬入コンベア68に加力部43を取り付ける。そして、調整ねじ52の押圧により押圧部50が検定アーム40の先端を水平方向に押圧し、検定アーム40を介してトルクメータ5にトルクを発生させる。どの位の力を加えたかをデジタルフォースゲージ49により検出し、この値と中心からの距離とからトルクを検出し、トルクメータ5の検出値を比較することによりトルクメータ5の検定を行うことができる。又、調整ねじ53と係合部54を用いて、調整ねじ53の螺進により移動部47を引張り、係合部54により検定アーム40を引張ると、引張トルクが発生し、この場合もトルクアーム5の検定を行うことができる。
【0018】
又、出力軸用トルクメータ12の検定時には、スプライン結合部63、スプライン軸62及びカバー64を取り外し、出力軸59にスプライン治具65を介して検定アーム40の一端を取り付け、加力部43は前記と同様に取り付ける。この場合、クラッチ58を接続するとトルクメータ12の一端は固定されているので、トルクメータ12に押圧と引張の両方向のトルクを発生させ、その検定を行うことができる。
【0019】
上記実施形態においては、トルクメータ5,12の検定をトルクメータ5,12を取り外すことなく行うことができ、また検定錘27も用いないので、トルクメータ5,12の取り外し、取り付け、及び検定錘27の積卸しが必要なくなり、時間と労力を大幅に軽減することができる。又、検定アーム40をアルミニウム製としたので、軽量にでき、検定作業を容易にすることができる。
【0020】
なお、ブレーキ手段として、出力軸用トルクメータ12の一端を移動枠57に固定するとともに、クラッチ58を設けたが、従来のようにディスクブレーキ10などを設けるようにしてもよい。
【0021】
【発明の効果】
以上のようにこの発明の請求項1によれば、入力軸用トルクメータの検定を、当該トルクメータを取り付けたまま行うことができ、その取り付け、取り外しが必要なくなり、時間と労力を軽減することができる。又、検定錘の積卸しも必要なくなり、やはり時間と労力を軽減することができる。
【0022】
請求項2によれば、出力軸用トルクメータを取り付けたままその検定を行うことができ、請求項1と同様な効果を有する。
【0023】
削除
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による入力軸用トルクメータ検定時のトルクコンバータテスタの正面図である。
【図2】 図1の一部拡大図である。
【図3】 図1の要部拡大図である。
【図4】 この発明によるトルクコンバータテスタの試験時の要部正面図である。
【図5】 この発明による加力部の押圧時の平面図である。
【図6】 この発明による加力部の押圧時の側面図である。
【図7】 この発明による加力部の押圧時の側面図である。
【図8】 この発明による出力軸トルクメータの検定時のトルクコンバータテスタの左側面図及び正面図である。
【図9】 この発明による出力軸用トルクメータ検定時のトルクコンバータテスタの要部拡大右側面図である。
【図10】 図8(b)の要部拡大図である。
【図11】 この発明によるトルクコンバータテスタの試験時の要部正面図である。
【図12】 従来のトルクコンバータテスタの試験時の正面図である。
【図13】 従来のトルクメータ検定装置の左側面図及び正面図である。
【符号の説明】
2…取付枠
5…入力軸用トルクメータ
7…軸受
8…ドライブプレート
9…トルクコンバータ
10…ディスクブレーキ
12…出力軸用トルクメータ
30…入力軸
36…固定ブラケット
39…パレット治具
40…検定アーム
43…加力部
49…デジタルフォースゲージ
57…移動枠
58…クラッチ
59…出力軸
62…スプライン軸
63…スプライン結合部
65…スプライン治具
68…搬入コンベア
69…駆動モータ
Claims (2)
- 回転自在に支持された入力軸の上端にドライブプレートを取り付けるとともに、ドライブプレート上にトルクコンバータの入力側を係合載置し、入力軸に入力軸用トルクメータを介して駆動モータを連結し、トルクコンバータの出力側にはスプライン軸を介して出力軸を連結するとともに、この出力軸に出力軸用トルクメータとブレーキ手段を連結し、かつトルクコンバータの固定側と係合する固定側のスプライン結合部を設けたトルクコンバータテスタのトルクメータ検定方法において、入力軸用トルクメータの検定時に、入力軸の上端にドライブプレートに代わってパレット治具を介して検定アームの一端を取り付けるとともに、入力軸用トルクメータの駆動モータ側端部を固定する固定ブラケットを設け、かつトルクコンバータを搬入する搬入コンベア上に加力部の本体部を固定し、該本体部上に検定アームの長さ方向と直角方向に移動する移動部と該移動部を押圧又は引張る調整ねじが螺合された立設部とを設け、移動部には押圧力又は引張力を測定する測定部を介して検定アームの他端へ直接押圧力又は引張力を加える押圧部又は係合部を設けたことを特徴とするトルクコンバータテスタのトルクメータ検定方法。
- 回転自在に支持された入力軸の上端にドライブプレートを取り付けるとともに、ドライブプレート上にトルクコンバータの入力側を係合載置し、入力軸に入力軸用トルクメータを介して駆動モータを連結し、トルクコンバータの出力側にはスプライン軸を介して出力軸を連結するとともに、この出力軸に出力軸用トルクメータとブレーキ手段を連結し、かつトルクコンバータの固定側と係合する固定側のスプライン結合部を設けたトルクコンバータテスタのトルクメータ検定方法において、出力軸用トルクメータの検定時に、出力軸の下端にスプライン軸及びスプライン結合部に代わってスプライン治具を介して検定アームの一端を取り付けるとともに、トルクコンバータを搬入する搬入コンベア上に加力部の本体部を固定し、該本体部上に検定アームの長さ方向と直角方向に移動する移動部と該移動部を押圧又は引張る調整ねじが螺合された立設部とを設け、移動部には押圧力又は引張力を測定する測定部を介して検定アームの他端へ直接押圧力又は引張力を加える押圧部又は係合部を設けたことを特徴とするトルクコンバータテスタのトルクメータ検定方法。
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JP03448197A JP4109730B2 (ja) | 1997-02-19 | 1997-02-19 | トルクコンバータテスタのトルクメータ検定方法 |
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Family Applications (1)
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JP03448197A Expired - Lifetime JP4109730B2 (ja) | 1997-02-19 | 1997-02-19 | トルクコンバータテスタのトルクメータ検定方法 |
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