JPH034531Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、例えば電子秤に組み込まれたラベル
プリンタ等の各種のプリンタの改良に関する。

この種のプリンタは、ロール受け部から引き出
された帯状のシート（ジヤーナルプリンタにあつ
ては単なるシート、ラベルプリンタにあつては台
紙にラベルを貼着してなるシート）を印字ローラ
と該印字ローラに圧接される印字ヘツドとの間に
挿通することによつて、該シート又は該シートに
貼着されたラベルに印字する構成である。然して
従来のプリンタにおいては、上記印字ローラ及び
印字ヘツドがその両側方に位置する支持フレーム
に両側端部を夫々支持される構成であつたため、
該ローラとヘツドとの間にシートを挿通する場合
には、両者間の狭い間隙にシートの送り方向に沿
つて該シートを先端部から差し込むように挿通し
なければならなかつた。特に、電子秤と一体化さ
れたプリンタのように比較的小型のプリンタにあ
つては、シートを挿通するための広いスペースが
ないため該シートの装着作業が著しく面倒な作業
となつており、しかもシートロールの収容容量が
小さいためこの作業を頻繁に行わなければならな
かつた。

本考案は、従来のプリンタにおける上記のよう
な問題に対処し、シートの装着作業を容易化する
ことを目的とするもので、印字ローラと印字ヘツ
ドとの間に帯状のシートが挿通されるプリンタに
おいて、上記印字ローラと印字ヘツドとをその一
側方においてフレームに片持ち状に支持させる構
成とする。これにより、印字ローラと印字ヘツド
との間の間隙を他側方に開放し、シートを該側方
から差し込んで挿通し得るようにして、該シート
の装着作業を著しく容易化する。

以下、本考案を電子秤に一体的に組込まれたラ
ベルプリンタについての実施例に基づいて説明す
る。

第１図は電子秤の外観を示すもので、該電子秤
１の筐体は、下部ケース２と、上部ケース３と、
該上部ケース３の前面一側部に取り外し可能に装
着されたプリンタカバー４と、これらの一側面を
覆う着脱可能なサイドカバー５とから構成されて
いる。そして、上記下部ケース２の前面には被計
量物の単価や風袋重量等のデータを入力するテン
キーを始めとする各種のキー６…６が配設されて
いると共に、該下部ケース２の下面四隅には水平
調節用の脚７…７が具備されており、また上部ケ
ース３の前面及び後面（後面については図示せ
ず）には被計量物の単価、重量及び価格を夫々デ
ジタル表示する表示部８…８が設けられている。
更に上部ケース３の上方には計量皿９が備えら
れ、該計量皿９と下部ケース２との間に介設され
たロードセル（図示せず）によつて計量皿９に載
置される被計量物の重量が測定され、その測定重
量値や上記キー６…６によつて入力されたデータ
に基づいて算出される価格、及び単価が上記表示
部８…８に表示されるように構成されている。然
して上記の如き構成の筐体内には、プリンタカバ
ー４及びサイドカバー５が装着されている方の側
部にラベルプリンタ１０が内蔵されている。次に
該プリンタ１０の構成を説明する。

第２図に示すように、ラベルプリンタ１０の各
構成部材は下部ケース２に立設されたプリンタフ
レーム１１上に配設されている。即ち、該フレー
ム１１の一方の面（上記サイドカバー５に対向す
る面）１１ａにおける一側部右側にはロール受け
部１２が、同側部左側にはヘツド支持装置１３と
印字ローラ支持装置１４とからなる印字部１５が
夫々設けられていると共に、該ロール受け部１２
と印字部１５との間にはシート案内部１６が、ま
た印字部１５の下方には台紙巻き取り部１７が
夫々設けられており、更にシート案内部１６の下
方にはモータ１８が取り付けられている。そし
て、印字部１５の前方に位置する上記のプリンタ
カバー４にはラベル取り出し口４ａが設けられて
いる。

上記印字部１５におけるヘツド支持装置１３
は、第３〜５図に示すように上下面及び両側面と
からなるフレーム２１と、該フレーム２１の両側
面２１ａ，２１ａ間に架設された支軸２２と、該
支軸２２に後部を枢支されて前部が上下に揺動可
能とされたヘツド押し付け板２３と、該押し付け
板２３の下方において同じく支軸２２に後部を枢
支されて前部が上下に揺動可能とされたヘツド取
り付け板２４と、該取り付け板２４の下面に固着
されたサーマルヘツド２５とを主たる構成要素と
する。そして、第４図に示すように上記押し付け
板２３の前部中央に設けられた孔２３ａにネジ２
６が挿通され、該ネジ２６の先端部が上記取り付
け板２４に螺締されていると共に、該ネジ２６の
周囲に押し付け板２３と取り付け板２４とを互い
に離反させるように作用するバネ２７が装着さ
れ、これによりバネ２７に外力が作用していない
場合には押し付け板２３と取り付け板２４とが離
反した状態で上記支軸２２を中心として一体的に
揺動し、且つ外力によりバネ２７に抗して両板２
３，２４を接近させ得るように構成されている。
ここで、取り付け板２４の上面には補助取り付け
板２４ａが重ね合せられている。また、押し付け
板２３の両側部には後方への突出部２３ｂ，２３
ｂが設けられ、該突出部２３ｂ，２３ｂと上記フ
レーム２１の下面２１ｂとの間に戻しバネ２８，
２８が装着され、該戻しバネ２８，２８が押し付
け板２３ないし取り付け板２４及びサーマルヘツ
ド２５を前部が上方に揺動するように付勢してい
る。

更に、第４、５図に示すように押し付け板２３
の両側面２３ｃ，２３ｃ間には平面形状が状の
開放レバー２９が具備され、該レバー２９の両側
面２９ａ，２９ａ間に架設されたロツクピン３０
の両端部が上記押し付け板２３の両側面２３ｃ，
２３ｃに形成された長穴２３ｄ，２３ｄに係合さ
れていることにより、該レバー２９及びロツクピ
ン３０が押し付け板２３に対して一定範囲で前後
にスライド可能とされている。また、ロツクピン
３０と押し付け板２３との間に、複数の引張バネ
４２が装着され、該バネ４２によりロツクピン３
０を長穴２３ｄ，２３ｄの支軸２２側の端面方向
へ常時付勢している。一方、上記フレーム２１に
おける両側面２１ａ，２１ａの前縁下方部には第
２図に示す如き切り込み２１ｃ，２１ｃが形成さ
れ、上記レバー２９によつてバネ４２に抗してロ
ツクピン３０を前方に引き出した状態で押し付け
板２３を所定位置まで下方に揺動させ、第２図に
示すように該ピン３０の両端部が引張バネ４２の
引張力により上記切り込み２１ｃ，２１ｃに係合
する。これにより、押し付け板２３が戻しバネ２
８に抗して所定位置に保持される。

また、ヘツド支持装置１３の下方に位置する印
字ローラ支持装置１４は、第４，６図に示すよう
に逆三角形状の一対の側板３１，３１を３本の軸
３２，３３，３４によつて連結し、且つ前方の軸
３２の稍後方において両側板３１，３１間に印字
ローラ３５を回転自在に軸支した構成である。そ
して、上記前方の軸３２は丸棒の上半部を削除す
ることによつて断面形状が半円状とされたラベル
剥離軸とされている。ここで、該印字ローラ支持
装置１４と上記ヘツド支持装置１３との位置関係
は、ヘツド支持装置１３における押し付け板２
３、取り付け板２４及びサーマルヘツド２５を下
方に揺動させた時に、先ずサーマルヘツド２５の
下面２５ａが印字ローラ３５の上部周面に当接
し、更に押し付け板２３をバネ２７に抗して下方
に揺動させた時にロツクピン３０が引張バネ４２
の引張力によりフレーム２１の切り込み２１ｃ，
２１ｃに係合するように設定されている。

然して、上記の如き構成の支持装置１３及び印
字ローラ支持装置１４は第３図に示すようにプリ
ンタフレーム１１に片持ち状に取り付けられてい
る。即ち、前者はフレーム２１の一方の側面２１
ａがプリンタフレーム１１の面１１ａに固着さ
れ、また後者は一方の側板３１がプリンタフレー
ム１１の面１１ａに固着されて、上記サイドカバ
ー５側に向つて突出されている。従つて両支持装
置１３，１４間の間隙ａはサイドカバー側の端部
において開放されているのである。

尚、上記印字ローラ３５はモータ１８によつて
ベルト３６を介して駆動され、また上記台紙巻き
取り部１７における巻き取りローラ３７も該モー
タ１８によつてベルト３８を介して駆動される
が、該ローラ３７による台紙巻き取り速度が印字
ローラ３５によるシート送り速度に常に一致する
ように、回転が設定され且つローラ３７の駆動部
にスリツプ機構（図示せず）が設けられている。

また、図示の実施例においては、サーマルヘツ
ド２５と印字ローラ３５との当接状態の調整のた
め、ヘツド支持装置１３における支軸２２の一端
部がフレーム２１に対して上下にスライド可能と
された調整板３９を介して架設されており、ま
た、該ヘツド支持装置１３及び印字ローラ支持装
置１４とプリンタフレーム１１との結合部の剛性
を確保するため、該フレーム１１の裏面に補強板
４０が当てがわれている。更に、第２図に示すよ
うにシート案内部１６にはラベルシートに貼着さ
れたラベルの通過数をカウントし、或いは該ラベ
ルの送りと印字のタイミングを合せるためのセイ
サ４１が具備されている。

上記の構成によれば、第２図に示すようにロー
ル受け部１２に装着されたシートロールＡから引
き出された帯状のラベルシートＢは、シート案内
部１６を経て印字部１５に送り込まれる。そし
て、該印字部１５において、印字ローラ３５と該
ローラ３５に圧接されたサーマルヘツド２５との
間を通過する間に該ヘツド２５により所定の文
字、例えば第１図に示す計量皿９上に載置された
被計量物の重量や価格等が該シートＢに貼着され
たラベルに印字される。然る後該シートＢがラベ
ル剥離軸３２によつて前方から下方へ進行方向を
鋭角的に変えられる時に、ラベルB′が台紙B″か
ら剥離され、ラベルB′はプリンタカバー４の取
り出し口４ａから外部に取り出され、また台紙
B″は台紙巻き取り部１７のローラ３７に巻き取
られる。ここで、上記サーマルヘツド２５は、ヘ
ツド支持装置１３におけるヘツド押し付け板２３
がロツクピン３０よつてフレーム２１に固定され
た状態で、該押し付け板２３とヘツド取り付け板
２４との間に装着されたバネ２７によつて印字ロ
ーラ３５上のラベルシートＢに圧接される。従つ
て、該ヘツド２５とラベルとが適度な面圧で、し
かもラベルの全幅にわたつて均一に圧接し、良好
な印字状態が得られる。

然してラベルシートＢを第２図に示す状態に装
着する場合には、ヘツド支持装置１３におけるロ
ツクピン３０を開放レバー２９によつて引張バネ
４２に抗して前方に引き出してフレーム２１の切
り欠き２１ｃ，２１ｃとの係合を解除することに
より、戻しバネ２８の作用でヘツド押し付け板２
３、ヘツド取り付け板２４及びサーマルヘツド２
５を上方に揺動させ、該ヘツド２５の下面２５ａ
と印字ローラ支持装置１４における印字ローラ３
５との間に第３，４図に示すように間隙ａを生じ
させて、該間隙ａにラベルシートＢを挿通するこ
とになる。その場合に、上記ヘツド支持装置１３
及び印字ローラ支持装置１４はプリンタフレーム
１１に片持ち状に取り付けられ、上記間隙ａが一
側方に開放されているから、第３図に示すように
サイドカバー５を取り外せば、ラベルシートＢを
該間隙ａに側方から差し込んで挿通することが可
能となる。これにより、ラベルシートを印字ヘツ
ドと印字ローラとの間の間隙に該シートの先端か
らその移送方向に沿つて挿通する場合に比較して
該シートの装着作業が著しく容易化されることに
なる。

尚、本考案は実施例に示す電子秤に組み込まれ
たプリンタに限らず、単独のプリンタについても
同様に適用され、またシートに直接印字するジヤ
ーナルプリンタについても適用されるものであ
る。

以上のように本考案によれば、帯状のシートを
印字ヘツドと印字ローラとの間を通過させること
によつて該シートに印字するプリンタにおいて、
上記ヘツドとローラとの間にシートを挿通させる
作業が著しく容易になる。これにより、この種の
プリンタ、特にロール紙の収容容量が小さいため
頻繁にシートを装着しなければならない小型のプ
リンタにおいて、該シートの装着作業の面倒が解
消される。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
電子秤の全体斜視図、第２図は該電子秤に組み込
まれたプリンタの拡大側面図、第３図は同じく正
面図、第４図は第３図−線による要部縦断側
面図、第５図はヘツド支持装置の平面図、第６図
は印字ローラ支持装置の平面図である。 １０……プリンタ、１１……フレーム、２５…
…印字ヘツド（サーマルヘツド）、３５……印字
ローラ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ロール受け部から引き出された帯状のシートを
   印字ローラと該印字ローラに圧接される印字ヘツ
   ドとの間を挿通させることによつて該シートに印
   字するプリンタであつて、上記印字ローラと印字
   ヘツドとが一側方においてフレームに片持ち状に
   支持され、両者間に他側方からシートを挿通し得
   るように構成されていることを特徴とするプリン
   タ。