JPH0345309Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、たとえばビデオテープレコーダのテ
ープの走行状態を調整する調整機構に関する。

背景技術 第４図は従来からのテープガイド調整機構が用
いられているビデオテープレコーダの平面図であ
り、第５図は従来のテープガイド調整機構の平面
図であり、第６図は第５図の切断面線−から
見た断面図である。１はガイドローラ、２は傾斜
ポール、３はガイドローラ１および傾斜ポール２
が取り付けられているポールベースである。４
は、ポールベースを取り付けテープがカセツトに
収納された状態と、回転ヘツドドラム２１に装架
された状態との２つの位置を往復動作するスライ
ダである。５は、ポールベース３とスライダ４と
を固定するねじである。ポールベース３には、ね
じ５が緩挿される長孔３ａが穿設されており、ポ
ールベース３とスライダ４とはガイドローラ１を
中心に上記長穴３ａの範囲で回転でき、スライダ
４の穴４ａと、ポールベース３の切欠き部３ｂの
両方に係合する調整工具でスライダ４とポールベ
ース３の相対位置を変え、テープの装架状態での
ポールベース３の姿勢を変えることにより、傾斜
ポール２の傾斜方向を変え得る。６は、Ｖブロツ
クであり、スライダー４のテープ装架状態での姿
勢を決定する。以上の構成により、テープ装架状
態においてＶブロツク６により位置決めされたス
ライダ４上で、ポールベース３の取付け位置を調
整し、ねじ５を締め付けることにより傾斜ポール
２の傾斜方向を変えてテープの走行状態を調整す
る。

考案が解決しようとする問題点 上記先行技術ではテープを走行させた状態で調
整する場合、調整のための工具が２種（調整工具
とねじ５の締め付けに用いるドライバ）が必要
で、かつテープの走行ループ内に工具を入れて調
整する必要があり、作業性が悪く、テープを傷め
る可能性が高いという欠点があつた。またポール
ベース３とスライダ４の２つの部品の、互いに関
連する部分の非常に高精度な加工が必要であり、
コストダウンの障害要因となるという欠点もあつ
た。

本考案の目的は、上述の技術的課題を解決し、
一本の調整工具を用いて、しかも簡単な作業によ
つて調整作業を行なうことができ、しかも部品点
数の低減を図ることができるようにしたテープガ
イド調整機構を提供することである。

問題点を解決するための手段 本考案は、テープをカセツトから引き出し、回
転ヘツドドラムに装架するテープ引出しピンと、 前記引出しピンをテープを装架した後、所定位
置で所定の姿勢となるように案内保持する弾性材
料から成る位置決め部材と、 前記位置決め部材を弾性変形せしめる手段とを
含むことを特徴とするテープガイド調整機構であ
る。

作 用 本考案に従えば、押圧操作手段によつて位置決
め部材が弾性変形することによつて、その変形量
に応じてテープガイドピンの姿勢が変化する。し
たがつてこの変形量を調整することによつてテー
プガイドピンを所望の姿勢に変えることが可能と
なる。

実施例 第１図は、本考案に従うテープガイド調整機構
３０が用いられるビデオテープレコーダの一実施
例の平面図であり、第２図はテープガイド調整機
構３０の平面図であり、第３図は第２図の切断面
線−から見た断面図である。ポールベース４
０には、ガイドローラ４１および傾斜ポール４２
が取り付けられる。このポールベース４０は基台
４３に一対配置されており、案内溝４４に沿つて
往復移動可能である。カセツトテープが装填され
たときには、傾斜ポール４２は移動開始位置P1
から移動終端位置P2まで移動して、カセツトか
らテープを引き出して回転ヘツドドラム４５に装
架する。そして回転ヘツドドラム４５の回転によ
つてテープに所定の記録または再生が行なわれ、
記録または再生の完了時には、ポールベース４０
は移動終端位置P2から移動開始位置P1に復帰す
る。これによつて、テープは元の状態となる。な
お、このポールベース４０は、ガイドローラ４１
および傾斜ポール４２の基板であるとともに、案
内溝４４に沿つて移動するスライダの役目をも兼
用している。

案内溝４４の移動終端位置P2には傾斜ポール
４２を所定の姿勢となるように案内保持する位置
決め部材としてのＶブロツク４６が配置される。
このＶブロツク４６は、基台４３にボルト４７に
よつて固定される。このＶブロツク４６は、基部
４６ａと、ガイドローラ４１の支持部４８を挾持
するＶ字状の把持部４６ｂと、基部４６ａから案
内溝４４に沿つて水平に延びる当接部４６ｃとを
含む。このＶブロツク４６は弾性体たとえばプラ
ステイツクなどから成る。

前記当接部４６ｃ近傍には、前記当接部４６ｃ
に弾性変形をせしめる押圧調整手段４９が配置さ
れる。この押圧調整手段４９は、基台４３に植設
されたねじ部材５０と、このねじ部材５０に螺合
する調整部材５１とから成る。この調整部材５１
は、円筒部５１ａと、この円筒部５１ａに連なり
下方に向かうにつれて先細り状の円錐部５１ｂと
を含む。円筒部５１ａおよび円錐部５１ｂの中央
部には、前記ねじ部材５０に螺合するねじ部５１
ｃが刻設される。また円筒部５１ａには、ドライ
バなどの調整工具と係合するすり割り部５１ｄが
形成される。調整部材５１の外周面は、Ｖブロツ
ク４６の当接部４６ｃに当接可能である。従つて
調整部材５１をねじ５０に沿つて上下に変位調整
するときには、当接部４６ｃは、それに応じて弾
性変形される。

このような構成を有するテープ走行調整機構に
おいて、調整作業を行なうにあたつては、ドライ
バなどの調整工具により調整部材５１を基台４３
方向にねじ込む。そしてたとえば調整部材５１が
第３図の仮想線で示される状態から実線で示され
る状態に達すると、Ｖブロツク４６の当接部４６
ｃは、第２図の仮想線で示される状態からボール
ベース４０側に弾性変形し、実線で示される状態
に変形する。これによつてボールベース４０は、
ガイドローラ４１を中心にして回転し、これによ
つて傾斜ポール４２が仮想線で示される状態から
実線で示されるように傾斜方向が変化する。これ
によつてテープの走行状態が調整される。

こうして本実施例では、調整部材５１を締め付
けるドライバなどの調整工具だけで、傾斜ポール
４２の傾斜方向を変えることが可能となる。また
調整部材５１は、テープの走行ループ外に位置し
ているため、従来のようにテープの走行ループ内
に工具を入れて調整する必要がなく、従つて作業
性が向上するとともに、テープを傷めることが防
止される。また従来のように、ポールベースとス
ライダの２つの部品を用いる必要がなく、従つて
加工の簡素化、部品点数の削減を図ることができ
る。またこれによつてコストダウンをも実現する
ことができる。

効 果 以上のように本考案によれば、簡単な作業でし
かも正確な調整を行なうことができる。また部品
点数の削減および加工の簡素化などを図ることが
でき、そのためコストダウンを実現することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に従うテープガイド調整機構が
用いられるビデオテープレコーダの一実施例の平
面図、第２図は本考案に従うテープガイド調整機
構の平面図、第３図は第２図の切断面線−か
ら見た断面図、第４図は従来のテープガイド調整
機構が用いられる従来のビデオテープレコーダの
平面図、第５図は従来からのテープガイド調整機
構の平面図、第６図は第５図の切断面線−か
ら見た断面図である。 ４０…ボールベース、４１…テープガイド、４
２…傾斜ポール、４４…案内溝、４５…回転ヘツ
ドドラム、４６…Ｖブロツク、４６ｃ…当接部、
５０…ねじ部材、５１…調整部材、５１ｂ…円錐
部、５１ｃ…ねじ部、５１ｄ…すり割り部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 テープをカセツトから引き出し、回転ヘツドド
   ラムに装架するテープ引き出しピンと、 前記引出しピンをテープを装架した後、所定位
   置で所定の姿勢となるように案内保持する弾性材
   料から成る位置決め部材と、 前記位置決め部材を弾性変形せしめる手段とを
   含むことを特徴とするテープガイド調整機構。