JPH0345093Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は所謂逆セル型製氷機に関するものであ
る。

(ロ) 従来の技術 実公昭62−14547号公報には、製氷室に水を噴
水する水皿と、製氷室に供給される水を貯留する
製氷水タンクと、該タンクの水を製氷室に供給す
るポンプモータと、１回の製氷サイクル後に水皿
から排水される製氷残水を受ける排水皿を備えた
逆セル型製氷装置が開示されている。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 ところで、排水皿の下方に備わる貯氷庫は、容
積が大きいことが販売上のセールスポイントにな
る。従つて、排水皿をできる限り上方に配置し、
水タンク及びポンプに近づければ貯氷庫の容積が
大きくなるが、その反面、水皿の傾動による水タ
ンクの排水に伴ない、排水皿に排水された水がポ
ンプの一部に浸水してしまう危険性を伴なうた
め、上記従来技術のように、排水皿を下げ、ポン
プを排水皿の開口面より外側に位置させ、貯氷庫
の容積を犠牲にしてポンプへの浸水を防止するよ
うにしている。

そこで、本考案は貯氷庫の容積を大きくし、且
つポンプの浸水を併せて防止し得る逆セル型製氷
装置を提供するものである。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は上記従来技術の問題点を解決するため
に、下向きに開口する多数の製氷室を有する冷却
器と、該冷却器の開口面側に配設され駆動装置に
より傾復動せしめられる水皿と、該水皿の下側に
配設された水皿と共に傾復動する水タンクと、水
タンクの製氷用水を水皿を介して製氷室に噴水供
給するために、吸込み側を水タンクに接続すると
共に吐出側を水皿に接続してなる循環ポンプと、
水タンクの下方に配設され、製氷完了に基づく水
皿の傾動によつて水タンクから流出する水を外部
に排水する排水皿と、排水皿の下方に貯氷庫を備
えて成る逆セル型製氷機において、前記排水皿
は、前記ポンプの下部を前記排水皿の開口面より
内側に収納する排水皿の部位と前記水タンクから
流出する水を受ける排水皿の部位とに仕切る堰を
形成すると共に、該堰の一部に前記両部位の連絡
路を形成し、且つ前記水を受ける排水皿の部位側
底面を前記堰から離間する排水皿のコーナー部に
向けて低く傾斜せしめると共に、コーナー部の底
面に排水口を形成して成る逆セル型製氷機であ
る。

(ホ) 作用 本考案は、循環ポンプ１７が排水皿３の開口面
３Ａの内側に配置される位置まで排水皿３を上げ
ることにより、貯氷庫４の容積を大きくすること
ができ、しかも、排水皿３に形成した堰２２の作
用によつて排水皿３の開口面３Ａの内側に位置す
る循環ポンプ１７への浸水も防止することができ
る。

(ヘ) 実施例 以下に本考案の実施例を図面に基づき説明す
る。１は製氷機本体で、断熱構造の庫内上部には
逆セル型製氷装置２を配設し、その下側に本考案
の排水皿３を配設すると共に、該排水皿３の下方
を貯氷庫４としている。また、本体１下部の機械
室５には、冷凍系の電動圧縮機６、凝縮器７及び
凝縮器空冷フアン８を夫々配設している。

以下、製氷装置２の構造を説明すると、９は下
向きに開口する多数の製氷室９Ａを有する冷却器
で、その上壁外面には前記電動圧縮機６及び凝縮
器７と共に冷凍サイクルを構成する蒸発パイプ１
０を配設しており、この冷却器９の下側、即ち、
製氷室９Ａの開口面側には、後部に回動支点１１
を有し、前側部に駆動モータ１２Ａ、駆動カム１
２Ｂ及びコイル発条１２Ｃ等より成る駆動装置１
２を装設して傾復動可能にされる水皿１３が配設
され、該水皿１３の下側には水皿１３と共に傾復
動する水タンク１４を配設している。この水タン
ク１４の側方には、吸込み管１５を水タンク１４
に接続すると共に吐出管１６を水皿１３に接続す
ることにより、水タンク１４内の製氷用水を水皿
１３を介して製氷室９Ａに噴水供給する循環ポン
プ１７を配設している。また、水タンク１４の前
部には水タンク１４の前面に開口した排水口１８
から流出する製氷残水を前記排水皿３に導く排水
案内板１９を配設している。

次に、製氷装置２と排水皿３の位置関係及び排
水皿３の詳細構造について説明する。排水皿３は
インジエクシヨンによつて成型され、循環ポンプ
１７の下部を排水皿３の開口面３Ａより内側に収
納する収納部２０と前記排水案内板１９から排出
される製氷残水を受ける受水部２１とに仕切る堰
２２を形成しており、該堰２２の上端は開口面３
Ａより下側に位置し、堰２２の後部に収納部２０
と受水部２１を連絡する連絡路２３を形成してい
る。また、収納部２０の底面２０Ａは連絡路２３
のある後方に向かつて低く傾斜し、受水部２１の
底面２１Ａは堰２２から離間したコーナー部分に
形成した排水口２４に向けて低く傾斜している。
更に、排水口２４は導管２５を介して貯氷庫４の
底面に形成した融氷水の排水路２６と連通してい
る。

以上の構成において、製氷動作を終了すると駆
動装置１２が作動し、水皿１３は第３図の如く傾
動する。これにより水タンク１４内の製氷残水は
矢印で示すように排水口１８から流出し、排水案
内板１９を介して排水皿３の受水部２１に排出さ
れた後、受水部２１の排水口２４から導管２５を
通つて排水路２６へ導かれ外部に排水されてい
く。

この際、連絡路２３から製氷残水が収納部２０
側へ若干流れ込むものの、堰２２の作用により受
水部２１が水位上昇をほとんど吸収するため、収
納部２０が製氷残水によつて浸水するまでに至ら
ず、収納部２０に収納される循環ポンプ１７への
浸水を確実に防止することができると共に、斯か
る排水動作以外に製氷装置２から収納部２０へ落
下した水は連絡路２３から受水部２１へ流れて排
水口２４から排水することができる。

(ト) 考案の効果 本考案は以上の様に、ポンプの下部を排水皿の
開口面より内側に収納する収納部と水タンクから
流出する製氷残水を受ける受水部とに仕切る堰を
排水皿に形成したため、循環ポンプが排水皿の開
口面より外側に位置づけられるものと比較して、
排水皿を製氷装置へ近づけることができ、貯氷庫
の容積を本体を大型化することなく増大すること
ができる。

しかも、排水皿の開口面より内側に収納される
循環ポンプへの浸水も堰の作用により確実に防止
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の逆セル型製氷機の内部構成
図、第２図及び第３図は製氷装置と排水皿の関係
を示す拡大図で、このうち第３図は排水動作状態
を示す図、第４図は排水皿の平面図、第５図は排
水皿の正面図、第６図は排水皿の側面図、第７図
は第４図のＡ−Ａ断面図である。 ２……製氷装置、３……排水皿、３Ａ……開口
面、１４……水タンク、１７……循環ポンプ、２
０……収納部、２０Ａ……収納部底面、２１……
受水部、２１Ａ……受水部底面、２２……堰、２
３……連絡路、２４……排水口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 下向きに開口する多数の製氷室を有する冷却器
   と、該冷却器の開口面側に配設され駆動装置によ
   り傾復動せしめられる水皿と、該水皿の下側に配
   設され水皿と共に傾復動する水タンクと、水タン
   クの製氷用水を水皿を介して製氷室に噴水供給す
   るために、吸込み側を水タンクに接続すると共に
   吐出側を水皿に接続してなる循環ポンプと、水タ
   ンクの下方に配設され、製氷完了に基づく水皿の
   傾動によつて水タンクから流出する水を外部に排
   水する排水皿と、排水皿の下方に貯氷庫を備えて
   成る逆セル型製氷機において、前記排水皿は、前
   記ポンプの下部を前記排水皿の開口面より内側に
   収納する排水皿の部位と前記水タンクから流出す
   る水を受ける排水皿の部位とに仕切る堰を形成す
   ると共に、該堰の一部に前記両部位の連絡路を形
   成し、且つ前記水を受ける排水皿の部位側底面を
   前記堰から離間する排水皿のコーナー部に向けて
   低く傾斜せしめると共に、コーナー部の底面に排
   水口を形成したことを特徴とする逆セル型製氷
   機。