JPH0345031B2 - - Google Patents

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JPH0345031B2
JPH0345031B2 JP60126895A JP12689585A JPH0345031B2 JP H0345031 B2 JPH0345031 B2 JP H0345031B2 JP 60126895 A JP60126895 A JP 60126895A JP 12689585 A JP12689585 A JP 12689585A JP H0345031 B2 JPH0345031 B2 JP H0345031B2
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mullite
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crystals
furnace
sio
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Toshio Kawanami
Koji Oonishi
Hiroshi Murakami
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NIPPON KAGAKU TOGYO KK
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野 本発明は、ムライト焼結体からなる加熱炉用管
状部材及びその製造方法に関する。 従来の技術及びその問題点 加熱炉用管状部材とは、炉心管、保護管、ロー
ラーハースキルン用セラミツクローラー等の加熱
炉において使用する管状の耐熱部材である。 これらの管状部材のうち炉心管とは、電気炉、
ガス炉、重油炉等の加熱炉において、被熱処理材
料を該管中に装填し、被熱処理材料を熱源となる
発熱体、炉体材料、炉内雰囲気等から隔離し、或
いは被熱処理材料を所定温度域に保持するなどの
目的で炉内に設置する両端又は一端を開放したパ
イプ状の炉用部材である。炉心管は、その用途に
応じて反応管、均熱管、燃焼管などと称される場
合があるが、本発明においては、炉心管によりこ
れを総称する。 近年、機能性セラミツクスにおける微量成分の
精密制御、半導体工業における高集積化、アドバ
ンスドセラミツクスにおける高温かつクリーンな
環境での熱処理の必要性などの各種要望によつ
て、電気炉等における熱処理条件は非常に重要と
され、特に炉心管の材質等の重要性は著しく大き
くなつている。このため、炉心管は、優れた耐熱
性、高温における電気絶縁性、高い気密性、高い
機械的強度等の性質を満足すると共に、熱衝撃抵
抗、耐食性等に優れ、被熱処理材料と反応するこ
となく、かつ該材料を汚染することのない材質で
あつて、耐久性に優れたものであることが望まれ
ている。 また、上記管状部材のうちの保護管とは、PR
熱電対の保護のために用いる管状部材であり、ロ
ーラーハースキルン用セラミツクローラーとは加
熱炉で被熱処理材を移動させる炉床として用いる
管状部材であり、ともに炉心管と同様の特性が要
求されるものである。 従来、高温条件下や腐食性の高い環境下で使用
するガス透過の少ない管状部材としては、石英、
磁器、アルミナ、炭化ケイ素などを材質とするも
のが用いられている。 これらのうち、石英製の管状部材は高価である
ことに加えて、高温状態において、軟化やアルカ
リ元素の透過などが生じ、更に失透にともなう劣
化や破損が生じ易いという欠点がある。このため
使用温度は1300℃以下に限定されている。 また、磁器製の管状部材は、カオリン、シリマ
ナイトなどを主原料として、或いは、アルミナと
シリカを含む原料を電気溶融してムライトを合成
した後粉砕したものを主原料として製造され、ム
ライト結晶(3Al2O3・2SiO2)を含む構造となつ
ているが、その他に不純物、アルミナ結晶相等や
ガラスマトリツクスが多く存在する。通常、
Al2O3とSiO2とは拡散速度が非常に遅く、このた
め焼結し難い材料であり、不純物やガラスマトリ
ツクス相が結晶間に多く存在しない場合には、強
度が低くなり易く、また気密性のある緻密な材料
は得られない。このため、一般にムライト結晶を
含む加熱炉用管状部材では、その強や気密性を保
持するために不純物やガラスマトリツクス相の存
在が必要とされている。しかしながら、不純物や
ガラスマトリツクスは、高温では軟化し易く、気
密性低下の原因となり、また被熱処理材料と反応
して、被熱処理材料の汚染の原因ともなる。この
ため、このようなムライト結晶を含む管状部材
は、高純度材料の熱処理や半導体材料の酸化、拡
散、高温での熱処理などの用途には不適当であ
る。 また、炭化ケイ素製の管状部材では、導電性が
あるために絶縁のためのコーテイング処理を施す
ことが必要であり、コーテイングの欠陥によるリ
ーク事故が生じることがあり、また炭化ケイ素材
料は、高温において酸化され易く、特に開放雰囲
気化では酸化による管状部材の劣化や酸化膜と被
熱処理材との反応が著しいという欠点がある。こ
のため使用温度は、1400℃程度以下に限定されて
いる。 また、アルミナ製の管状部材は、1850℃程度ま
での高耐熱性を有するが、耐熱衝撃性に劣るとい
う欠点があり、急速な昇温、冷却ができない。ま
た1200℃以上ではアルカリ物質との反応によつて
劣化し易く、また1400℃以上では変形が生じるな
どの欠点もある。 問題点を解決するための手段 本発明者は、従来技術の問題点に鑑みて、上記
した如き各種の要求を同時に満足し得る加熱炉用
管状部材を見出すべく鋭意研究を重ねてきた。そ
の結果、Al及びSi化合物を含む溶液から、共沈、
乾燥、熱分解等の方法で得られる粉体を用いて、
これを焙焼した後成形、焼成して形成されるムラ
イト焼結体は、ガラスマトリツクス相が非常に少
ない場合にも高い強度を有し、従つて大部分がム
ライト構造からなるものであつても高強度を有す
る焼結体を得ることが可能であることを見出し
た。本発明者は、更に引き続く研究により、上記
した方法によつて得られるアルミナ晶を含まない
ムライト晶またはムライト固溶体の焼結体であつ
て、特定の組成を有し、かつガラスマトリツクス
相が5容積%以下であり、かさ密度が3.0g/cm3
以上という条件を満足するものは、加熱炉用管状
部材に対する各種の要求を同時に満足し得るもの
であることを見出し、ここに本発明を完成した。 すなわち、本発明は、下記の加熱炉用管状部材
およびその製造方法を提供するものである: (i) Al2O371.5〜75重量%及びSiO224.0〜28.5
重量%からなり、Al2O3及びSiO2の合計量が
98重量%以上であつて、 (ii) かさ密度が3.0g/cm3以上であり、かつガ
ラスマトリツクス相が5容積%以下であり、 (iii) アルミナ晶を含まないムライト晶又はムラ
イト固溶体 の焼結体から成ることを特徴とする加熱炉用管
状部材。 Al2O371.5〜75重量%及びSiO224.0〜28.5重
量%となるAl/Si比率のAl化合物およびSi化
合物を含む液状原料から粉体を調製し、1180〜
1350℃で焙焼してムライト晶を析出させた後、
粉砕し、分散して得られる平均粒径2μm以下
でBET比表面積1〜15m2/gの原料粉末を成
形し、常圧下で焼成することを特徴とする (i) Al2O371.5〜75重量%及びSiO224.0〜28.5
重量%からなり、Al2O3及びSiO2の合計量が
98重量%以上であつて、 (ii) かさ密度が3.0g/m3以上であり、且つガ
ラスマトリツクス相が5容積%以下であり、 (iii) アルミナ晶を含まないムライト晶又はムラ
イト固溶体 の焼結体から成る加熱炉用管状部材の製造方
法。 に係る。 本発明は加熱炉用管状部材におけるムライトの
焼結体とは、結晶相がアルミナ相を含まず且つ
3Al2O3・2SiO2(Al2O371.8重量%、SiO228.2重量
%)で表わされるムライト結晶からなる焼結体だ
けでなくムライト固溶体からなる焼結体も含み、
具体的には以下の条件を満足するものである。 (a) Al2O371.5〜75重量%及びSiO224.0〜28.5重
量%を含み、Al2O3及びSiO2の合計量が98重量
%以上である。 Al2O3が71.5重量%を下回る場合又はSiO2
28.5重量%を上回る場合には、焼結過程でSiO2
または非晶質相が増加する。このことは、焼結
性の向上、強度の向上などに有効であり、更に
高温状態で非晶質相の塑性流動による靭性の向
上につながるが、高温安定性、耐食性等が低下
し、材料の反応性が高くなつて加熱炉用管状部
材としても耐久性が低下することになるので好
ましくない。またAl2O3が75重量%を上回る場
合又はSiO2が24重量%を下回る場合には、ム
ライト結晶が針状から粒状すなわちアスペクト
比が小さい結晶となつたり、或いはムライトの
他にAl2O3が析出し、ムライトとアルミナの2
相の複合焼結体となることがある。アスペクト
比が小さい結晶となる場合には靭性の低下や高
温クリープの低下などが生じ易いので好ましく
なく、またムライトとアルミナの2相焼結体と
なる場合には、材料の靭性が向上し、かつ塩基
性材料に対する耐食性が向上するものの、高温
クリープの低下やムライトとアルミナの熱膨張
の相違による熱衝撃抵抗、耐久性などの低下が
生じ、アルミナ相の存在による欠陥が発生する
ので好ましくない。Al2O3及びSiO2の使用量
は、3Al2O3・2SiO2の理論組成と、ムライトの
論理組成よりもややAl2O3が過剰な組成との範
囲内にすることが好ましく、Al2O371.8〜73.5
重量%及びSiO226.5〜28.2重量%とすることが
より好ましい。またAl2O3とSiO2の合計量は、
全体の98重量%以上にすることが必要であり、
好ましくは99重量%以上にする。また、半導体
の酸化、拡散用に用いる炉心管の材料として
は、Al2O3とSiO2の合計量を99.5重量%以上と
することが好ましい。Al2O3及びSiO2以外の成
分としては、ZrO2、Fe2O3、TiO2、Cr2O3など
は靭性や強度の向上や焼結促進などに効果があ
り、合計量として全体の2重量%未満であれば
許容できる。また、アルカリ金属酸化物は、加
熱炉用管状部材としての特性を低下させる原因
となるので好ましくは0.1重量%以下、より好
ましくは0.05重量%以下とする。 (b) ガラスマトリツクス相が5容積%以下であ
る。 ガラスマトリツクス相が5容積%を上回ると
ガラスマトリツクス相が被熱処理材料と反応し
て、被熱処理材料を汚染し易い。またムライト
とガラスマトリツクス相との熱膨張の相違によ
つて歪が増大するなどして管状部材の耐久性が
劣るものとなり、更に高温での気密性の低下、
高温真空下での蒸発の増大、耐圧強度の低下な
どが生じるので好ましくない。尚、本発明にお
けるガラスマトリツクス相の含有率は、以下に
示す方法により測定した値である。 まず管状部材の任意の場所から厚さ1mm以上
の板状試片を切り出し、その表面を粗〜中仕上
げする。次いで、3μm以下のダイヤモンド粒
で鏡面になるまで試片表面の仕上げを行なつた
後、表面付着物を除去して測定試料とする。こ
の試料の表面に、常法に従つて蒸着膜を形成さ
せた後、走査電子顕微鏡により試料表面を3000
〜5000倍で写真撮影する。次いで、試料表面か
ら、蒸着膜を除去し、HF1%水溶液中に0〜
5℃で24時間浸漬した後、前記した場合と同様
にして顕微鏡写真撮影を行なう。HF水溶液へ
の浸漬前後の顕微鏡写真について1000μm2以上
の面積の同一部分において、凹状として観察さ
れる部分の面積を測定し、HF水溶液浸漬によ
つて増加した凹状部分をガラスマトリツクス相
として、面積割合を求める。ガラスマトリツク
ス相は、管状部材全体にほぼ均一に存在するの
で、このような方法によつて求められるガラス
マトリツクス相の面積割合をガラスマトリツク
ス相の容積%とすることができる。上記方法で
得られるガラスマトリツクス相は、実際のガラ
スマトリツクス相の他に未反応のSiO2分も含
むものである。 (c) かさ密度が3.0g/cm3以上である。 かさ密度が3.0g/cm3を下回ると高温におけ
る気密性、耐食性、寸法安定性等が低下するの
で加熱炉用管状部材としては好ましくない。よ
り好ましくは、かさ密度を3.05g/cm3以上とす
るる。 本発明管状部材は以下に示す方法により作製す
ることができる。 まず、アルミナゾル、アルミニウムの塩化物、
硝酸塩、硫酸塩等のアルミニウム化合物とシリカ
ゾル、エチルシリケート等のケイ素化合物とを所
定のAl/Siの比率になるように加えた液状の原
料を調整する。液状原料の濃度は、高くするほう
が経済的には好ましいが、画成分が均一に分散
し、ムライト結晶を生成し易くするためには、ゾ
ル溶液の場合には30%以下、塩溶液の場合には2
モル%以下程度とすることが望ましい。 次いでこの液状の原料を均一になるように混合
した後、この液状原料からアルミニウム化合物及
びケイ素化合物が均一に混合した粉体を形成させ
る。液状原料から粉体試料を得る方法としては、
アルミニウム化合物及びケイ素化合物を共沈させ
た後乾燥させる方法、液状原料から水分を蒸発さ
せて粉体試料を得る方法、液状原料を噴霧させて
熱分解する方法などを例示できる。 このようにして得られた粉体は、次に1180〜
1350℃、好ましくは1200〜1280℃で焙焼し、ムラ
イト晶を析出させる。焙焼温度が1180℃を下回る
場合には、未反応のSiO2、Al2O3、非晶質相など
が多量に存在するので、以後の工程において粉体
の凝集および成分の分離が生じ、結果として焼結
体中にアルミナ晶が析出したり、焼成工程での寸
法変動が大きくなる。このため焙焼条件は、粉体
試料のムライト化が進むような条件とすることが
必要であり、具的体には、焙焼後の粉体試料にム
ライトのX線回折ピークが生じるような条件で焙
焼させる。 次いで焙焼後の粉体試料を粉砕し分散させる。
粉砕により、粉体の平均粒度(ストークスの法則
に基づく沈降法または光透過法により測定)を
2μm以下且つ比表面積(BET法による)を1〜
15m2/gとすることが必要である。平均粒度が
2μmを上回ると焼結性が悪くなるため焼結体の
かさ密度が低下するとともに、粉体の成形・・焼
成時に成形体内部に欠陥が生じやすくなるので、
平均粒度が2μm以下になるように粉砕・分散さ
せなければならない。また比表面積が1m2/gを
下回ると焼結活性が劣化し焼結しにくくなり、15
m2/gを上回ると焼結体表面にクラツクが生じる
ので、比表面積を15m2/g以下としなければなら
ない。粉体の粉砕及び分散は常法に従えばよく、
例えばボールミル、振動ミル、アトリツシヨンミ
ル、遠心ミルなどを使用すればよい。 次いで、このようにして調製した粉体を用い
て、セラミツクスの製造における常法に従つて、
鋳込み成形、押出し成形、プレス成形などの方法
で所定の形状に成形した後、常圧下で1550〜1750
℃程度の温度で焼成することにより本発明加熱炉
用管状部材が得られる。焼成温度を高くするとガ
ラスマトリツクス相が多くなつたり、ムライト結
晶のアスペクト比が小さくなる傾向にあり、更に
かさ密度が大きくなる傾向にある。一方焼成温度
を低くするとガラスマトリツクス相が少なくな
り、かさ密度が低くなる傾向にある。従つて原料
組成に応じて適宜好ましい焼成温度を決定すれば
よい。 本発明加熱炉用管状部材では、前記した如く、
アルカリ金属等の不純物を一定値以下に制限する
ことが好ましく、このために、不純物量の少ない
原料を使用するか、或いは、粉体試料の調製工程
において脱アルカリ処理等を行なうことが好まし
い。 上記した方法によつて作製され、かつ前記(a)〜
(c)の条件を満足する本発明管状部材のムライト焼
結体は、SiO2結晶及びAl2O3結晶を実質的に含ま
ないものであり、X線回折によるSiO2結晶及び
Al2O3結晶の回折ピークは観察されない。これに
対して、従来法である固体状態の原料から調製さ
れた粉体を用いるムライト焼結体製造法では、粉
体原料の微小部分まで均一にSiO2やAl2O3が分散
されてなく、このためムライト焼結体中にSiO2
結晶やAl2O3結晶が生じ易い。従つて、このよう
な従来法によるムライト焼結体は、ムライト相と
SiO2相やAl2O3相とを含む2相以上の構造となつ
て、高温クリープ性、熱衝撃抵抗、耐久性等が低
下したり、或いは高温での気密性、耐圧強度等が
低いものとなり易い。 発明の効果 本発明加熱炉用管状部材は、高強度でかつ耐熱
衝撃性および高温安定性に優れたムライト焼結体
からなるものであつて、ガラスマトリツクス相が
極めて少ない。 従つて、本発明管状部材は、下記の如き優れた
特性を有する。 1 高温においても、電気絶縁性、気密性に優れ
たものである。 2 耐熱性に優れ、開放酸化雰囲気中で1750℃程
度まで使用できる。 3 耐熱衝撃性および高温安定性に優れ、急速な
昇温と冷却が繰り返されても、破損され難い。 4 熱源や炉材からの汚染に対して高い耐久性を
有する。 5 高温状態で石英ガラスと接触しても石英ガラ
スを失透させない。 6 高強度を有し、かつ高温耐クリープ性に優れ
たものである。このため軽量でかつ熱応答性に
優れた肉薄管として使用できる。 本発明加熱炉用管状部材は上記した如き極めて
優れた特性を有するものであつて、炉心管、PR
熱電対などの保護管、絶縁管、ローラーハースキ
ルン用セラミツクローラーなどの加熱炉用管状部
材に対する各種の要望を同時に満足し得るもので
ある。 実施例 以下実施例を示して本発明を更に詳細に説明す
る。 実施例1〜5及び比較例1〜5 第1表に示すAl2O3とSiO2の割合になるような
AlとSiの比率に原料を配合して溶液を調製した。
原料としては、実施例1、4及び比較例4は0.5
モル%濃度の硝酸アルミニウム及びSiO2分20%
濃度のシリカゾルを使用し、実施例2、8及び比
較例1、3は0.3モル%濃度の塩化アルミニウム
及び0.5モル%濃度のエチルシリケート使用し、
実施例5及び比較例2、5は0.5モル%濃度の塩
化アルミニウム及び10%濃度のシリカゾルを使用
した。 次いで、原料溶液をアンモニア水で中和共沈さ
せた後、乾燥して得た粉末を1250℃で8時間焙焼
して、ムライト化した粉末とした。ただし比較例
3は1150℃で3時間焙焼し、ムライト化してない
粉末とした。次いで樹脂製ボールミルにより粉砕
用ボールとしてZrO2ボールを使用して湿式で24
時間粉砕、分散を行なつて原料粉末を得た。平均
粒子径は全て1.5μm以下とした。 この原料粉末に2%のPVAを加えて成形圧
1ton/cm2の圧力で静水圧成形法によつて60×60×
5mmの板状に成形し、第1表に示す各々の温度で
3時間焼成してムライト焼結体を得た。この焼結
体のAl2O3量、SiO2量、ガラスマトリツクスの容
積%、かさ密度、アルカリ金属酸化物の合計量及
び曲げ強さを測定した結果を第1表に示す。曲げ
強さは、焼結体から4×3×40mmの大きさに切り
出した試料を面粗度0.8μm以下に仕上げた後、
1400℃で3点曲げ法により測定した。また、第2
表に原料粉末の比表面積と平均粒度をそれぞれ示
す。
【表】
【表】 比較例3及び4で得られた試料は、それぞれ第
1図および第2図に示したX線回折分析結果にお
ける2θが、43.2゜付近および43.3゜付近に現れた回
折ピークから明らかなようにα−アルミナの
[113]面が確認された。尚、第1図および第2図
の両図における41゜付近および42.5゜付近の回折ピ
ークは、ムライト晶の[121]面および[230]面
によるものである。 これに対して、実施例3で得られた試料は、第
3図に示したX線回折分析結果により、ムライト
晶の[121]面および[230]面による41゜付近と
42.5゜付近の回折ピークが現れただけで、アルミ
ナ晶およびシリカ晶は存在しないことが認められ
た。 また、その他の試料についても実施例3の試料
と同様にムライト晶のみであり、アルミナ晶およ
びシリカ晶の存在は共に認められなかつた。 試験例 1 実施例1〜5及び比較例1〜5によつて得た原
料粉末を用いて、前記した方法と同様にして成形
及び焼成して外径35±1mm、内径30±1mm、長さ
600±2mmの両端開放の炉心管を作製した。この
炉心管をランタンクロマイト発熱体を用いた環状
電気炉(ケラマツクス電気炉、西村工業(株)製)中
に、炉心管の両端100mmが炉外に出て外気に触れ
る状態となるように設置した後、電気炉の温度を
620℃/時間で1600℃まで昇温し、15分間保持し、
次いで1100℃まで45分間で冷却した後、炉心管を
炉外に取り出し室温下で放冷した。この昇温、冷
却の操作を1サイクルとして、昇温、冷却を繰り
返し、炉心管に亀裂が生じるまでのサイクル数を
求めた。結果を第3表に示す。
【表】 試験例 2 試験例1と同様にして設置した炉心管の両端に
水冷ジヤケツトを取り付け、シーリングを行なつ
て炉心管内を10-5トールの真空に保持して、電気
炉を昇温した。電気炉内の温度を1600℃で1時間
保持し、炉心管内が真空に保持されている場合に
は、更に1650℃まで昇温して、1時間保持した。
この状態で真空が保持されている場合には、更に
1700℃まで昇温して1時間保持した。この操作に
よつて炉心管内の真空状態が保持できなくなつた
温度及び時間を第4表に示す。
【表】 以上の結果から、本発明管状部材は、気密性に
優れたものであることが明らかであり、気密性が
要求される熱電対用保護管としても優れた特性を
示すものであることがわかる。 試験例 8 炉内幅30cm、炉外幅58cmの炉に試験例1と同一
のパイプを水平に挿入し、その両端面を炉外で支
持し、パイプに垂直に荷重を加えて加熱した。 100Kgの荷重を加えて1350℃に加熱した場合、
及び50Kgの荷重を加えて1500℃に加熱した場合の
いずれの場合にも、実施例1〜5のパイプは、全
て30分間のテストにおいて破損が生じなかつた。
これに対して、比較例のパイプでは、100Kgの荷
重を加えて1350℃に加熱した場合には比較例2、
3及び5のパイプは10分以内に破損し、比較例1
及び4のパイプは15分以内に破損した。また、50
Kgの荷重を加えて1500℃に加熱した場合には、比
較例2、3、4及び5のパイプは10分以内に破損
し、比較例1のパイプは20分以内に破損した。 以上の結果から、本発明管状部材は、ローラー
ハースキルン用ローラーとしてすぐれた特性を有
するものであることがわかる。 試験例 4 実施例1〜5及び比較例1〜5と同様にして得
た板状のムライト焼結体(25×40×4mm)の表面
を鏡面に仕上げた後、この焼結体2枚の間に透明
石英ガラスをはさみ、垂直方向から0.2Kgf/cm2
の荷重を加えて、電気炉中で1280℃で24時間保持
した後、放冷して焼結体の間にはさまれた石英ガ
ラスの状態を調べた。結果を次の記号により第5
表に示す。 A:焼結体と石英ガラスとが融着し、焼結体をは
ずすと石英ガラスにキズが生じた。 B:焼結体と石英ガラスとがわずかに融着してい
た。焼結体をはずすと石英ガラスにキズは生じ
なかつたが、石英ガラスの一部が失透してい
た。 C:焼結体と石英ガラスとの融着はないが、石英
ガラスがわずかに失透していた。 D:融着も失透もなかつた。
【表】 第5表の結果から、石英ガラスの汚染、失透、
破損等に対して、焼結体のガラスマトリツクス量
が密接に関係していることが明らかである。この
試験の結果は、シリコンウエハーの拡散、酸化工
程に用いる拡散炉の均熱管としての使用の適否を
決定づける大きな要因となる。Dランク、Cラン
ク、の順にこの用途に適し、Bランクのものも
1200℃程度以下では使用し得るが、Aランクのも
のはこの用途には不適である。ただし、比較例3
の試料は気孔を多く含んでいるので第4表から明
らかな如く、気密性に劣るものであり、有害物質
の吸着や炉壁からのアルカリ物質等の透過によつ
て半導体材料を汚染することがあるので好ましく
ない。 試験例 5 LPGを使用するガス炉中に、Na2Oを0.6%含有
する耐火物を内装し、該ガス炉中に実施例1、
2、3及び比較例3、4の原料粉末により作製し
た試験例1と同様の形状の炉心管を設置した。こ
のガス炉を1550℃で4時間保持して使用し、
Na2Oによる炉心管の汚染によつて生じる炉心管
の劣化の状態を調べた。実施例1〜3の原料粉末
を使用した炉心管は10回の繰り返し使用によつて
も異常は認められなかつた。比較例3の原料粉末
による炉心管は、8回の繰り返し使用によつて損
傷した。損傷部分を解析したところ、気孔部分に
多量のアルカリ金属が浸透すると共に、ガラス相
が増加したことが損傷原因であると推定できた。
比較例4の原料粉末による炉心管は、5回の使用
によつて損傷した。損傷部分の解析の結果、損傷
原因は、過剰のアルミナがアルカリ金属と反応し
てβ−Al2O3(Na2O・11Al2O3)が生成したため
であることが判明した。 実施例6〜7及び比較例6〜8 Al2O372.0重量%、SiO227.9重量%の割合にな
るように濃度30%の塩基性塩化アルミニウム水溶
液と濃度20%のシリカゾル溶液を混合した後、炭
酸アンモニウム溶液を加えてPH8に調整し、水和
物を中和共沈させた。 ついで、これを乾燥させた粉末を第6表に示す
ような条件で3時間焙焼し、ムライト化させて、
つづいて樹脂製ボールミルで第6表に示すような
時間で湿式粉砕した後、乾燥させ原料粉末を得
た。 この粉末の比表面積および平均粒度を第6表に
示す。 この原料粉末に、バインダーとしてメチルセル
ローズ3%と水24%を加えた後、混練し、押し出
し用坏土を作製し、真空押し出し機で外径60mm、
内径52mmのノズルを用いて長さ3mのパイプを成
形し、乾燥後1650℃で3時間焼成した。このパイ
プから実施例1と同様に試料を切り出し、かさ密
度と曲げ強さを測定した。その結果を第6表に示
す。
【表】 * 成形体には多数のクラツクが生じ、所
定のパイプが得られなかつた。
これらの試料のすべては、その結晶相がムライ
ト相のみからなるものであり、ガラスマトリツク
ス相も5容積%以下であつた。しかしながら、第
6表からわかるように、比較例6は成形体にクラ
ツクが生じ、実用に供することが不可能なもので
あり、比較例7、8で得られた成形体のかさ密度
は、本発明の必須の条件である3.0g/cm3を下回
るものであり、曲げ強度も低く、その成形体は本
発明管状部材として満足させるものではなかつ
た。 以上の結果から、本発明管状部材が耐久性に優
れたものであることが明らかであり、同様に耐久
性が要求される熱電対用保護管としても優れた特
性を示すことがわかる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、比較例3で得られた試料のX線回折
分析結果を示す。第2図は、比較例4で得られた
試料のX線回折分析結果を示す。第3図は、実施
例3で得られた試料のX線回折分析結果を示す。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (i) Al2O371.5〜75重量%及びSiO224.0〜
    28.5重量%からなり、Al2O3及びSiO2の合計量
    が98重量%以上であつて、 (ii) かさ密度が3.0g/cm3以上であり、且つガラ
    スマトリツクス相が5容積%以下であり、 (iii) アルミナ晶を含まないムライト晶又はムライ
    ト固溶体 の焼結体から成ることを特徴とする加熱炉用管状
    部材。 2 Al2O371.5〜75重量%及びSiO224.0〜28.5重
    量%となるAl/Si比率のAl化合物およびSi化合
    物を含む液状原料から粉体を調製し、1180〜1350
    ℃で焙焼してムライト晶を析出させた後、粉砕
    し、分散して得られる平均粒径2μm以下でBET
    比表面積1〜15m2/gの原料粉末を成形し、常圧
    下で焼成することを特徴とする (i) Al2O371.5〜75重量%及びSiO224.0〜28.5重
    量%からなり、Al2O3及びSiO2の合計量が98重
    量%以上であつて、 (ii) かさ密度が3.0g/m3以上であり、且つガラ
    スマトリツクス相が5容積%以下であり、 (iii) アルミナ晶を含まないムライト晶又はムライ
    ト固溶体 の焼結体から成る加熱炉用管状部材の製造方法。
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