JPH0344509Y2

JPH0344509Y2 -

Info

Publication number: JPH0344509Y2
Application number: JP17526486U
Authority: JP
Priority date: 1986-11-17
Filing date: 1986-11-17
Publication date: 1991-09-19
Also published as: JPS6380119U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、金型冷却液の熱膨張を吸収し得る装
置を備えた金型冷却システムに関する。

（従来の技術）プラスチツク等の射出成形は、一般に加熱した
シリンダ中で熱加塑性樹脂を加熱流動させ、これ
を射出ラムにより一対の金型間に送り込んで行な
われる。

この場合、金型は溶融樹脂からの熱で順次温度
が上昇するので、これを防止するために冷却手段
を設けている。この冷却手段は、冷却水を流しつ
放しにして金型を冷却する開放型と、水や油をポ
ンプによりパイプ内を循環させてくり返し金型の
冷却を行なう閉ループ型とがある。後者の場合、
冷却液は次第に温度上昇するから、冷却回路内に
ヒータタンクと蒸発器を設置し、所定の温度セン
サと制御手段を用いて冷却液の温度を一定に保つ
ている。

しかし、密閉された冷却回路内の冷却液は、金
型冷却に適した温度までヒータにより一旦加熱さ
れるので、従来では、冷却回路中にこの熱膨張分
を吸収するタンクやアブソーバを設置している。

（考案が解決しようとする問題点）しかし、従来の金型冷却システムでは、独立し
た吸収用タンクやアブソーバを要するから、この
分だけシステムが大型化する難点がある。

（考案の目的）本考案は、かかる事情に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、簡単な改良で吸収用タンク等
を省略し、ひいては全体の小型化が図れる金型冷
却システムを提供することにある。

（問題点を解決するための手段）上記目的を達成するため、本考案は、一対の金
型を通り閉ループの冷却回路をなすパイプと、パ
イプ内の冷却液を循環させるポンプと、冷却液を
冷却する冷却手段と、冷却液を加熱するヒータタ
ンクとを有する金型冷却システムにおいて、前記
ヒータタンクの内部に密閉された空気層を設けて
いる。

（作用）上記構成により、ヒータや金型からの加熱で冷
却液が熱膨張すると、ヒータタンクの液面が上昇
してこの膨張分が空気層に吸収されることにな
る。

（実施例）添付図面には、本考案に係る金型冷却システム
の冷却回路図が示されている。このシステムは、
冷却水用のパイプ１０、複数のバルブ１１，１
２，１３，１４、ポンプ１５、ヒータタンク１６
及び蒸発器１７から構成され、１８Ａ，１８Ｂは
樹脂成形用の金型、１９は温度センサを示す。

パイプ１０は、途中から二手に分岐して各金型
１８Ａ，１８Ｂを貫通し、再び合流して１つの閉
鎖ループをなしている。パイプ１０の経路中に
は、ポンプ１５が設置されており、冷却水２０が
パイプ１０内を循環するようになつている。パイ
プ１０の入口１０Ａには、バルブ１１が設けら
れ、このバルブ１１を開けるとパイプ１０内に冷
却水２０が導入される。また、分岐側の各パイプ
中にもバルブ１２，１３が設置され、冷却水２０
が各金型１８Ａ，１８Ｂ内に行きわたるようにな
つている。出口側１０Ｂのバルブ１４は、冷却水
２０の排出を行なうと共にパイプ１０内に冷却水
２０を充満させた際の空気抜きをも行なう。

一方、パイプ１０のポンプ下流側には、ヒータ
タンク１６が配置され、ヒータタンク１６内にヒ
ータ２１が収容されている。また、ヒータタンク
１６の冷却水２０は充満されておらず、液面の上
方に空気層２２が設けられている。

パイプ１０のポンプ上流側には、冷却水２０の
冷却を行なう蒸発器１７が設置され、図示してな
いがこの蒸発器１７は冷媒回路に接続されてい
る。

金型１８Ａに取付けられた温度センサ１９は、
図示してないが、制御装置に接続され、制御装置
はこの検出信号に基づきヒータ２１及び蒸発器１
７側のコンプレツサ（図示せず）を作動させて冷
却水２０の温度を調節する。

以上のように構成された金型冷却システムの作
用は次の通りである。

まず、バルブ１１〜１４を開放し、パイプ１０
の入口１０Ａに市水からのホースを接続して出口
側１０Ｂから冷却水２０が溢れるまで給水する。
この給水で冷却水２０は図中右側のパイプ１０に
充満するから（ポンプ１５の停止中、水は蒸発器
１７側には一部しか入らない）、バルブ１２，１
３を一旦閉じる。次いで、ポンプ１５を作動させ
ると入口１０Ａからの冷却水２０は蒸発器１７側
に向かい、ヒータタンク１６に入つた後、バルブ
１４を経て出口側１０Ｂから溢れる。このとき、
ヒータタンク１６の空気層２２は大気圧で密閉状
態にあるから、タンク内の水位はその出口１６Ａ
の高さで止まり、あとは出口１０Ｂから流出す
る。続いて、バルブ１１，１４を閉じ、バルブ１
２，１３を開けると、空気層２２が保たれた状態
で、ポンプ１６により冷却水２０がパイプ１０内
を循環する。

ここで、冷却水２０は、ヒータ２１により金型
冷却に適した温度になるまで一旦加熱される。従
つて冷却水２０は体積膨張するが、この膨張分は
空気層２２が圧縮することにより、即ち、水位が
想像線位置まで上昇して吸収される。金型１８
Ａ，１８Ｂによる射出成形が行なわれて、冷却水
２０の温度が設定値を超えると、前述したように
蒸発器１７が冷却水２０の冷却作用を行なう。

上記実施例では、冷却液として水を用いている
が油等を使用しても全く同様である。

（考案の効果）以上説明したように、本考案は、一対の金型を
通り閉ループの冷却回路をなすパイプと、パイプ
内の冷却液を循環させるポンプと、冷却液を冷却
する冷却手段と、冷却液を加熱するヒータタンク
とを有する金型冷却システムにおいて、前記ヒー
タタンクの内部に密閉された空気層を設けてこの
空気層が冷却液の熱膨張分を吸収するようにした
から、新たなタンクやアブソーバを省略でき、ひ
いてはシステム全体を小型化できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の金型冷却システムを示す冷却回路
図である。１０……パイプ、１５……ポンプ、１６……ヒ
ータタンク、１７……蒸発器、１８Ａ，１８Ｂ…
…金型、２０……冷却水、２１……ヒータ、２２
……空気層。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

一対の金型を通り閉ループの冷却回路をなすパ
イプと、パイプ内の冷却液を循環させるポンプ
と、冷却液を冷却する冷却手段と、冷却液を加熱
するヒータタンクとを有する金型冷却システムに
おいて、前記ヒータタンクの内部に密閉された空
気層を設けたことを特徴とする金型冷却システ
ム。