JPH0343186Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は包装容器の開口端からその内部に電気
製品等の物品を収納し、開口端部に緩衝材を挿嵌
固定してなる包装装置に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来、この種の包装装置は、第１図および第２
図に示すように、両端が開口した段ボール製の角
筒形包装容器１１内に、両端部を発泡樹脂製の緩
衝材１２，１２で被嵌された物品１４を収納し、
ポリプロピレン等の合成樹脂バンド１３を包装容
器１１の長さ方向に巻装、結束して緩衝材１２の
脱落を防止した状態にして梱包している。

しかしながら、このような構成によれば、輸送
時や取扱中に樹脂バンド１３が包装容器１１から
外れる虞れがあり、又、市場での再梱包時に、包
装容器１１に樹脂バンド１３を被せるようにして
挿入する作業が極めて困難で手間取るという問題
点があつた。

このため、角筒形状の包装容器の開口端角部に
内方に向かつて折込み可能な折込み片を形成する
と共に緩衝材の角部に前記折込み片が係合可能な
凹部を形成し、この緩衝材によつて両端部を保持
された物品を前記包装容器内に収納したのち、折
込み片を緩衝材の凹部に折込んで、バンドを使用
することなく包装容器からの物品の離脱を防止し
た状態に包装し得るように構成した包装装置が考
案されているが、折込み片を緩衝材の凹部に単に
係合させただけでは、輸送時や取扱時等に衝撃が
作用した場合には、折込み片が復元し易く、復元
すると緩衝材が包装容器から離脱して物品も抜け
出る虞れがあつた。

考案の目的 本考案はこのような問題点を解消し、樹脂バン
ドを使用することなく簡単且つ確実に梱包を行え
るようにすると共に市場での再梱包作業性の向上
を図り、又、安価に供給し得る包装装置を提供す
るものである。

考案の構成 上記目的を達成するために本考案の包装装置
は、長さ方向の両端面が開口した角筒形包装容器
の開口端角部に、開口端面から適宜小間隔を存し
て隣接する二側面に亘り切込みを設け、この切込
みを介して内方に折込み可能な折込み片を形成
し、さらに、この折込み片に対応して前記包装容
器の開口端部に挿嵌する緩衝材の隅角部に折込み
片が没入可能な凹部を形成すると共にこの凹部の
内端面に折込み片の前記切込み端面が係止可能な
突部を設け、該突部の突出端面を折込み片の折込
み方向に徐々に突出する傾斜面に形成してなるも
のである。

〔作 用〕

電気製品などの物品の両端部に緩衝材を嵌め込
んだのち、包装容器内に挿入、収納し、しかるの
ち、折込み片を凹部内に折込むと、折込み片の切
込み端面が突部の傾斜突出端面に摺接しながら該
傾斜突出端面を乗り越えて突部に係止し、緩衝材
が抜け止めされた状態で包装容器に固定させられ
る。

実施例の説明 以下、本考案の一実施例を図面に基いて説明す
る。

第３図乃至第６図において、１は長さ方向の両
端面が全面的に開口した段ボール製の角筒形包装
容器で、その開口両端部における対角線上で対向
する両角部に、包装容器１の稜線１ｃを中央にし
て直角に隣接する２側面に亘り周方向に切込み１
ａを入れ、この切込み１ａの両端から小間隔を存
した容器の開口端面にまで稜線１ｃに平行な折目
１ｂ、１ｂを設けて容器１の開口端面と切込み１
ａ及び折目１ｂ、１ｂで囲まれた部分を容器１の
内方に向かつて折込み可能な折込み片３に形成し
てある。

２は包装容器１の開口両端部内に挿嵌する方形
ブロツク状の発泡スチロール製緩衝材で、包装容
器１の前記折込み片３に対応する対角線上の隅角
部に段状の凹部２ａを切欠き形成してあり、折込
み片３の前記切込み１ａと対向するこの凹部２ａ
の内端面２ｃを切込み１ａと同一垂直面上に位置
させるか或いは僅かに深くなる部分に位置させて
凹部２ａ内への折込み片３の没入を容易に行える
ようにしてある。

さらに、この凹部２ａの内端面２ｃに、緩衝材
２の側面側から凹部２ａ内側に向かつて徐々に突
出する方向に傾斜２ｂした突部４を設け、この突
部４の先端垂直面と凹部２ａの対向垂直面間の間
隔２ｄを容器１の板厚１ｅと同等か若干大きくし
てある。又、凹部２ａの水平面と突部４の対向水
平面間の間隔２ｅも前記間隔２ｄに等しくしてあ
る。

このように構成したので、電気製品などの物品
（図示せず）の両端部に緩衝材２，２を嵌め込ん
だのち包装容器１内に挿し込んで収納し、次に折
込み片３を押圧すると、この折込み片３が折目１
ｂ、１ｂから緩衝材２の凹部２ａ内に向かつてＬ
字状に屈曲し、第５図および第６図に示すよう凹
部２ａの垂直および水平面に沿うと共に折込み片
３の折込み端面部が突部４の傾斜面２ｂを摺接し
ながら乗り越えて間隔部２ｄ、２ｅに嵌入し、突
部４に係止した状態となつて緩衝材２の抜けを阻
止するものである。

なお、以上の実施例においては、突部４の傾斜
面を緩衝材２の側面側から徐々に傾斜させたが、
緩衝材２の稜線部からこの稜線と対角方向の凹部
２ａの内隅部に向かつて斜め方向に傾斜させても
よく、要は、折込み片３の折込み方向に向かつて
徐々に突出するように傾斜させれば本考案を満足
させることができる。

考案の効果 このように本考案は角筒形包装容器の両端開口
部の角部に設けた折込み片を緩衝材の凹部に折込
んで没入させるようにしたので、凹部の内端面が
折込み片の端面に当接して樹脂バンドを使用する
ことなく包装容器からの緩衝材の抜けを阻止する
ことができ、しかも、折込み片の端面が凹部の内
端面に突設した突部に係止するので、折込み片が
確実にセツトされ、緩衝材を定位置に固定させて
おくことがでるものであり、このように折込み片
の折込み作業だけで緩衝材を包装容器に固定でき
るから、その梱包作業並びに市場での角梱包作業
を円滑且つ能率良く行えるものである。

さらに、前記緩衝材の凹部内端面に突設した突
部の突出端面を折込み片の折込み方向に徐々に突
出する傾斜面に形成しているので、折込み片の切
込み端面を前記突部の傾斜端面に摺接させながら
該折込み片を折損させることなく円滑に突部に係
止させることができ、このように緩衝材の凹部内
端面に突設した突部に包装容器の開口端角部に設
けた折込み片を係止させるので、運搬時や取扱い
中に衝撃を受けても、折込み片が復元することな
く突部に確実に係止させておくことができるもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の包装装置を示す斜視図、第２図
はその断面図、第３図乃至第６図は本考案の実施
例を示すもので、第３図はその斜視図、第４図は
要部の拡大斜視図、第５図は梱包した状態の斜視
図、第６図はその要部の拡大斜視図である。 １は角筒形包装容器、１ａは切込み、１a′は切
込み端面、２は緩衝材、２ａは凹部、３は折込み
片、４は突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 長さ方向の両端が開口した角筒形包装容器の開
   口端角部に、開口端面から適宜小間隔を存して隣
   接する二側面に亘り切込みを設けてこの切込みを
   介し内方に折込み可能な折込み片を形成し、さら
   にこの折込み片に対応して前記角筒形包装容器の
   開口端部に挿嵌する緩衝材の隅角部に折込み片が
   没入可能な凹部を形成すると共にこの凹部の内端
   面に折込み片の前記折込みによつて形成された端
   面が係止可能な突部を設け、この突部の突出端面
   を折込み片の折込み方向に徐々に突出する傾斜面
   に形成してなる包装装置。