JPH0340869Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、継ぎブーム又は継ぎジブ（以下、単
に継ぎブームという。）を使用したクレーンの作
業中に、巻上ロープがブーム連結ピンに引掛かる
のを防止するための装置に関するものである。

（従来の技術） 継ぎブーム使用クレーンでは、自由降下作業時
等でロープ張力が零となり巻上ロープが弛んでブ
ームの側方へ飛び出すことがあり、かつ飛び出す
と、その飛出し部分がロープ巻取りでブーム側面
上をずり上がりブームの上方へと戻るときに、ブ
ーム断面のコーナー部にてブームの外方（上方又
は側方）に突出しているブーム連結ピンに引掛か
つてしまう事態となる。かかる事態を回避するた
めに、従来、第４図に示す如く、ブーム上面に間
隔をおき対向する複数の門形枠を設け、これらの
枠内に巻上ロープを通すことにより、巻上ロープ
のブーム側方への飛出し自体を防止したものは知
られている。

（考案が解決しようとする問題点） しかし、従来の門形枠を設けたものでは、その
枠が巻上ロープの振れ範囲を規制することにな
り、これに巻上ロープが当ることは避け難く、巻
上ロープが激しくかつ頻繁に衝突することにより
門形枠が破損して周囲に飛ぶおそれがあつて危険
であると共に、破損すれば所期の目的も達成でき
ないという不都合がある。

（問題点を解決するための手段） 本考案の継ぎブーム使用クレーンの巻上ロープ
引掛り防止装置は、ブームの外方に突出したブー
ム連結ピン端部に装着リングを嵌合させて該端部
に設けられた止め孔を介し着脱可能に取り付ける
と共に、前記ブーム連結ピン端部を覆うように該
端部より外方に張出し、かつ、ブーム側面及び上
面と連続するブーム方向視山形の外周部を有する
ロープガイドを前記装着リングに一体に設けたこ
とを特徴としており、かかる構成によつて、ロー
プをロープガイドに沿いスムーズに滑動させ巻上
ロープをブームの上方に復帰させ、ブーム連結ピ
ンに引掛かるのを確実に防止するものである。

（実施例） 以下本考案の一実施例を図面により説明する。

図中１は継ぎブームで、複数のブーム構成部材
２を互に係合させ、かつ、ブーム連結ピン３によ
り係止して構成されている。４，５は係合片で、
隣合うブーム構成部材２の接続端のコーナー部に
互に係合可能に設けられている。これらの係合片
４，５には対応するピン孔６が設けられている。

ブーム連結ピン３は、隣合うブーム構成部材２
の係合した係合片４，５を貫通している。そして
そのピン先端部には止め孔７が設けられている。

８は丸棒を円弧状に湾曲させた側面視山形のロ
ープガイドで、該ガイド８の対向部間には、装着
リング９を設けた支持片１０が架設されている。
また、装着リング９の対向部にはボルト通し孔１
１が設けられている。そして、装着リング９は前
記ブーム連結ピン３の先端部に嵌合され、かつ、
ボルト１２はボルト通し孔１１と止め孔７に挿通
され、該ボルト先端部に螺合したナツト１３によ
り締め付けられている。かくして、装着リング９
はブーム連結ピン３の先端部に着脱可能に取り付
けられてブーム連結ピン３の抜止めとなつてい
る。ロープガイド８は、前記装着リング９に一体
に設けられてブーム連結ピン３の先端部を覆うよ
うに該端部より外方に張出し、かつ、ブーム側面
及び上面と連続するブーム方向視山形の外周部を
有している。

尚、本実施例では、ロープガイド８をフレーム
構造のものとした例について説明したが、プレー
ト構造のものであつても良いことは言うまでもな
い。

（作用） 巻上ロープ１４が継ぎブーム１の上方で弛んだ
場合、ロープガイド８の一端部がブーム側面より
外方に張り出しているため、巻上ロープ１４がロ
ープガイド８に引掛かつて継ぎブーム１上から落
ちにくくなる。また、継ぎブーム１の側方へ飛び
出しても、巻上ロープ１４はブーム側面上をずり
上がり、次いで該ブーム側面と連続するロープガ
イド８上をずり上がり、ロープガイド８によつて
ブーム連結ピン３に引掛かることなく継ぎブーム
１の上方へと案内される。

（考案の効果） 以上の通り本考案は、ロープガイドにより巻上
ロープをスムーズに案内してブーム連結ピンとの
引掛かりを確実に防止でき、それでいて従来の門
形枠の如き破損による危険もない。また、ロープ
ガイドを設けた装着リングをブームの外方に突出
したブーム連結ピン端部に嵌合させて該端部に設
けられた止め孔を介しボルト等で着脱可能に取り
付けており、装着リングの嵌合及びボルト等での
止着で済むから、熟練者でなくてもブーム連結ピ
ン端部に安定した状態で容易に取り付けることが
でき、既存のクレーンへの適用も簡単である。更
に、装着リングがブーム連結ピンの抜止めとなる
から、部品点数を少なくすることができる。更
に、構成上、簡単に低コストで製作できるという
利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２
図は第１図のＡ部拡大詳細図、第３図は第２図の
Ｂ〜線断面図である。第４図は従来例を示す斜視
図である。 １……継ぎブーム、２……ブーム構成部材、３
……ブーム連結ピン、４，５……係合片、６……
ピン孔、７……止め孔、８……ロープガイド、９
……装着リング、１０……支持片、１１……ボル
ト通し孔、１２……ボルト、１３……ナツト、１
４……巻上ロープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ブームの外方に突出したブーム連結ピン端部に
   装着リングを嵌合させて該端部に設けられた止め
   孔を介し着脱可能に取り付けると共に、前記ブー
   ム連結ピン端部を覆うように該端部より外方に張
   出し、かつ、ブーム側面及び上面と連続するブー
   ム方向視山形の外周部を有するロープガイドを前
   記装着リングに一体に設けたことを特徴とする継
   ぎブーム使用クレーンの巻上ロープ引掛り防止装
   置。