JP5693934B2 - 吊上金具および碍子装置 - Google Patents

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本発明は、碍子連を有する碍子装置本体を鉄塔のアーム近傍まで吊り上げてその碍子装置本体をそのアームに取り付けるために、その碍子装置本体に連結される吊上金具、およびその吊上金具を備えた碍子装置に関する。
鉄塔間に送電線を架け渡す延線作業が終了すると、例えば、耐張碍子装置を用いる線路では、その送電線を本留めする緊線作業が行われる。この緊線作業では、鉄塔のアームに耐張碍子装置を取り付ける。耐張碍子装置は、碍子が延線方向にいくつも連なった碍子連を有し、碍子連の両端には、ヨーク金具等の金具が連結されており、全長10数メートル、重量数トンにも及ぶことがある。これまでの緊線作業では、碍子連と、ヨーク金具等の金具を地上から鉄塔のアーム近傍まで別々に吊り上げ、金具を鉄塔に取り付けるとともにその金具と碍子連を連結することがある(例えば、特許文献1等参照)。
特開平11−234826号公報
ところが、鉄塔上での金具と碍子連の連結作業は思いの外大変であり、地上で金具と碍子連を連結しておき、金具と碍子連が連結した状態、すなわち耐張碍子装置ごと地上から鉄塔のアーム近傍まで吊り上げて、鉄塔のアームにその耐張碍子装置を取り付ける方法が採用されるようになってきている。耐張碍子装置を吊り上げるには、鉄塔のアームに金車を取り付け、その金車にワイヤを巻き掛ける。ワイヤの一端側は、いわゆる玉掛け作業により耐張碍子装置に取り付けられる。ワイヤの一端側を耐張碍子装置に取り付けるにあたり、ヨーク金具にワイヤを取り付けることが考えられるが、ヨーク金具にワイヤを通す孔が無いことが多く、ヨーク金具にワイヤを巻き付けて取り付けようとすると、ヨーク金具の縁でワイヤが痛んでしまう恐れがある。そのため、実情では、碍子連のうち、鉄塔側になる碍子にワイヤを巻き付けて、ワイヤの一端側を耐張碍子装置に取り付けている。ワイヤの一端側を碍子に巻き付ける玉掛け作業は、煩雑な作業であり、ワイヤを碍子にしっかりと巻き付けるにはそれなりの熟練度が必要になる。
ここでは、耐張碍子装置を用いる線路における玉掛け作業について説明したが、懸垂碍子装置等を用いる線路における玉掛け作業も、煩雑な作業であり、ワイヤを碍子にしっかりと巻き付けるにはそれなりの熟練度が必要になる。
本発明は上記事情に鑑み、ワイヤの取り付けを容易にする吊上金具およびその吊上金具を備えた碍子装置を提供することを目的とする。
上記目的を解決する本発明の吊上金具は、碍子連を有する碍子装置本体を鉄塔のアーム近傍まで吊り上げてその碍子装置本体をそのアームに取り付けるために、その碍子装置本体に連結される吊上金具において、
上記碍子装置本体よりも鉄塔側になる位置に配置され、
上記碍子装置本体を上記鉄塔のアーム近傍まで吊り上げるためのワイヤを取り付けるワイヤ取付部を有することを特徴とする。
本発明の吊上金具によれば、上記ワイヤ取付部を専用に有するため、ワイヤの取り付けが容易になる。
また、本発明の吊上金具において、上記鉄塔のアームに上記碍子装置本体を取り付けた場合に碍子連中心軸の延長線に沿って延在する延在金具と、該延在金具に取り付けられたプレート部材を有し、
上記ワイヤ取付部は、上記プレート部材に設けられたものであってもよい。
上記鉄塔に向かって延在する延在金具に上記ワイヤ取付部を取り付けることで、上記ワイヤ取付部の姿勢が鉄塔上で安定する。
また、本発明の吊上金具において、上記プレート部材は、上記延在金具の幅よりも広いものであることが好ましい。
上記プレート部材は、鉄塔に碍子装置本体を取り付けた後の作業時に、碍子装置本体と鉄塔のアームとの間における作業者の足掛けとしても機能する。このプレート部材は、足場として十分な広さをもったものでなくても、作業者の足裏の、土踏まずよりもつま先側の部分を載せることができる程度の広さをもっていれば、作業者が碍子装置本体と鉄塔のアームとの間を跨ぐ際に、片足を置くことができ、作業者の移動の際の安全性を向上させることができる。
ここで、上記プレート部材は、上記延在金具を水平に配置した場合に、水平方向に拡がる水平面をもったプレート部を有するものであることが好ましい。また、上記プレート部は、表面に滑り止め加工が施されたものであることも好ましい。
さらに、上記プレート部材は、上記プレート部の厚み方向に突出した補強板を有するものであってもよい。こうすることで、作業者が上記プレート部材に片足を置いた際の荷重をより安定した状態で受け止めることができる。
また、本発明の吊上金具において、上記ワイヤ取付部が、この吊上金具を上記碍子装置本体に連結しそのワイヤ取付部にワイヤを取り付けて吊り上げたときに、そのワイヤと上記延在金具との間に間隔が生じるように、その延在金具の延在方向に延びる中心軸線からオフセットした位置に設けられた態様であってもよい。
すなわち、上記ワイヤ取付部は、上記延在金具が、ワイヤから離れる方向に向かって延在するように、そのワイヤが取り付けられたものであってもよい。より具体的に言えば、上記ワイヤ取付部が、この吊上金具を上記碍子装置本体に連結しそのワイヤ取付部にワイヤを取り付けて吊り上げたときに、鉄塔のアームに取り付けられそのワイヤが巻き掛けられる金車側とは上記延在金具を挟んで反対側になる位置を除く位置に設けられたものであってもよい。
上記態様によれば、碍子装置本体を吊り上げる際に、ワイヤと上記延在金具が擦れてしまうことを防止することができる。
さらに、本発明の吊上金具において、上記プレート部材は、上記延在金具の延在方向に対して直交する直交方向からその延在金具を挟み込む固定部を有するものであって、
上記固定部は、上記直交方向に貫通した貫通孔を有するものであり、
上記延在金具は、上記貫通孔に挿入されるボルトが通されるボルト孔を有するものであってもよく、例えば、上記固定部は逆U字状のものであってもよい。
こうすることで、上記プレート部材が上記延在金具に対して着脱自在に取り付けることができ、利便性が向上する。
ここで、上記延在金具は板状のものであってもよく、例えば、一枚板のリンク金具であってもよい。また、上記延在金具は、直角クレビス金具を延在させたものや平行クレビス金具を延在させたものであってもよい。上記直交方向は延在金具の厚み方向であってもよい。
また、上記延在金具は、上記ボルト孔をその延在金具の延在方向に複数有するものであってもよい。
上記ボルト孔を複数設けておくことで、上記プレート部材の、上記延在金具に対する取り付け位置を変更することができ、上記プレート部材を足掛けとしても機能させる場合には、碍子装置本体と鉄塔のアームとの間隔に応じて足掛けとして適切な位置に上記プレート部材を設けることができる。また、詳しくは後述するが、上記プレート部材の取り付け位置を変更することで、この吊上金具を上記碍子装置本体に連結し上記ワイヤ取付部にワイヤを取り付けて吊り上げたときの、上記延在金具が、上記ワイヤから離れる方向に延在する角度、すなわち、上記延在金具の延在方向に延びる中心軸線と金車に向かうワイヤとで挟まれた角度を調整することができる。
また、本発明の吊上金具において、上記固定部は、上記貫通孔が設けられた固定片を、上記延在金具の、上記直交方向両端側のうち一端側にのみ有するものであってもよく、例えば、上記固定部は逆J字状のものであってもよい。
こうすることで、上記ボルトが強固に固定され、上記延在金具に取り付けられた上記プレート部材のがたつきを防止することができる。この結果、上記プレート部材を足掛けとしても機能させる場合には、作業者の移動の際の安全性がより高くなる。
上記目的を解決する本発明の碍子装置は、本発明の吊上金具と、
上記碍子装置本体とを備えたことを特徴とする。
本発明の碍子装置によっても、上記吊上金具が上記ワイヤ取付部を専用に有するため、ワイヤの取り付けが容易になる。
本発明によれば、ワイヤの取り付けを容易にする吊上金具およびその吊上金具を備えた碍子装置を提供することができる。
本実施形態の碍子装置吊上金具が連結された2連耐張碍子装置を示す図である。 図1に示す吊上金具を拡大して示す図である。 図1に示す吊上金具に吊上用ワイヤを取り付けた様子を示す図である。 図1に示す吊上金具に吊上用ワイヤを取り付けて吊り上げている様子を模式的に示す図である。 (a)は図4(a)に示す吊上金具を拡大して示す図であり、(b)はプレート部材がリンク金具の延在方向に3つ並べられたボルト孔のうちライン側のボルト孔を利用して取り付けられた吊上金具を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の吊上金具の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の吊上金具が連結された2連耐張碍子装置を示す図である。
図1に示す碍子装置1は、不図示の既設鉄塔の支持アームに取り付けられるものである。この図1では、図の下側が送電線(ライン)側になり上側が鉄塔(アース)側になる。
図1に示す碍子装置1は、2連耐張碍子装置本体20を有する。この2連耐張碍子装置本体20は、アース側取付金具21、アース側2連ヨーク金具22、アース側アークホーン23、2つの碍子連24、ライン側アークホーン25、ライン側2連ヨーク金具26、およびライン側取付金具27を有する。アース側取付金具21は、直角クレビス金具であり、ライン側がアース側2連ヨーク金具22に接続されている。アース側アークホーン23は、アース側2連ヨーク金具22に取り付けられている。碍子連24は、複数の碍子が延線方向にいくつも連なったものである。この図1では、碍子連24は図の左右方向(横方向)に並んでおり、以下、碍子連24が並んでいる方向を横方向と称することがある。また、図1では、アース側端の碍子241とライン側端の碍子242の間の碍子は図示省略され、複数の碍子が連なっていることを点線で表している。さらに、図の右側に示す碍子連24については、碍子連中心軸を1点鎖線で表し、その中心軸を延長した延長線Gを2点鎖線で表している。碍子連24は、アース側端部にボールクレビス金具243を有し、ライン側端部に直角ソケットクレビス金具244を有する。アース側端に位置する碍子241は、ボールクレビス金具243でアース側2連ヨーク金具22に連結されており、ライン側端に位置する碍子242は、直角ソケットクレビス金具244でライン側2連ヨーク金具26に連結されている。ライン側アークホーン25は、ライン側2連ヨーク金具26に取り付けられている。ライン側取付金具27は直角クレビス金具であり、ライン側2連ヨーク金具26に接続している。
図1に示す碍子装置1は、本実施形態の吊上金具10、平行クレビス金具31、および直角クレビス金具32も有する。2連耐張碍子装置本体20のアース側取付金具21には、吊上金具10が連結されている。したがって、吊上金具10は、2連耐張碍子装置本体20よりもアース側(鉄塔側)に配置されている。また、吊上金具10のアース側端には、平行クレビス金具31を介して直角クレビス金具32が連結されている。
送電線の延線作業によって鉄塔間に送電線が架け渡されると、その送電線を本留めする緊線作業が行われる。この緊線作業では、2連耐張碍子装置本体20、吊上金具10、平行クレビス金具31、および直角クレビス金具32からなる碍子装置1をひとまとまりにして、その碍子装置1を鉄塔のアーム近傍まで吊り上げる。この吊り上げには吊上用ワイヤが使用され、まず、鉄塔のアームに金車を取り付け、その金車に吊上用ワイヤを巻き掛ける。吊上用ワイヤの一端側は、いわゆる玉掛け作業により図1に示す碍子装置1に取り付けられる。
図1に示す吊上金具10は、プレート部材11とリンク金具12を有する。図1に示すように、リンク金具12は、碍子連中心軸の延長線Gに沿って延在したものである。リンク金具12は、長尺の一枚板状のものであり、上記横方向が幅(厚さ)方向Wになる。なお、リンク金具12としては様々な長さのものが用意されている。このリンク金具12は、本発明にいう延在金具12の一例に相当する。プレート部材11は、リンク金具12に着脱自在に取り付けられたものである。このプレート部材11は、リンク金具12の幅よりも広いプレート部110を有するものであり、プレート部110の表面には、スベリ止めとして多数の凹凸が設けられている。また、プレート部110の、アース側であって上記横方向両端それぞれには、ワイヤ取付部111が設けられている。ワイヤ取付部111には、吊上用ワイヤが取り付けられるが、詳細については後述する。
図1に示す碍子装置1が吊上用ワイヤを用いて鉄塔のアーム近傍まで吊り上げられると、碍子装置1の最もアース側に設けられた直角クレビス金具32が、鉄塔アームの取付位置に取り付けられ、図1に示す碍子装置1が鉄塔アームに接続される。また、延線作業によって、鉄塔間に架け渡された送電線の先端は、不図示の圧縮クランプによって把持されている。図1に示す碍子装置1が鉄塔アームに接続されると、この圧縮クランプは、碍子装置1の、ライン側端部に位置する直角クレビス金具27を介して、ライン側2連ヨーク金具26に接続される。
こうして、図1に示す碍子装置1は、鉄塔のアームと送電線との間に配置され、2連耐張碍子装置本体20は鉄塔のアームに取り付けられる。鉄塔のアームに2連耐張碍子装置本体20を取り付けた場合には、リンク金具20は碍子連中心軸の延長線Gに沿って延在する。鉄塔のアームと送電線との間に配置された碍子装置1は、その後の使用に供される。したがって、吊上金具10は鉄塔上にそのまま残される。吊上金具10のプレート部材11は、緊線作業時や点検時やメンテナンス時等に2連耐張碍子装置本体20と鉄塔のアームとの間における作業者の足掛けとして機能する。このプレート部材11のプレート部110は、作業者の足裏の、土踏まずよりもつま先側の部分を載せることができる程度の広さをもっている。そのため、足場としては不十分なものであっても、作業者が2連耐張碍子装置本体20と鉄塔のアームとの間を跨ぐ際に、作業者はプレート部110に片足を置くことができ、作業者の移動の際の安全性を向上させることができる。また、本実施形態のプレート部110の表面には、スベリ止めとして多数の凹凸が設けられているため、安全性が高い。
なお、プレート部110の、アース側の縁110bに沿って天頂方向に突出した足受け片を設けても良い。こうすることで、作業者が2連耐張碍子装置本体20と鉄塔のアームとの間を跨ぐ際に、片足をその足受け片に突き当ててプレート部110に足を置くことができ、より安全性が高まる。特に、延線方向における上下方向の角度であるカテナリ角が設けられている場合には、この足受け片の効果が大きい。
図2は、図1に示す吊上金具を拡大して示す図である。この図2では、リンク金具12が水平に配置されており、プレート部110は水平方向に拡がる水平面110aを有する。この水平面110aは、プレート部110の上面に相当し、上述の滑り止め加工が施されている。以下の図2を用いた説明では、水平に配置されたリンク金具12に対して上方を上側、下方を下側と称することがある。
図2(a)は、図1に示す吊上金具10を横方向から見たときの図である。この図2(a)では、図の左側が送電線(ライン)側になり右側が鉄塔(アース)側になる。
リンク金具12は、ライン側端部12Lに、図1に示すアース側取付金具21である直角クレビス金具の取付孔121を有するとともに、アース側端部12Eに、図1に示す平行クレビス金具31の取付孔122を有する。また、これら両端部に設けられた取付孔121,122の間には間隔をあけて3つのボルト孔123も設けられている。すなわち、本実施形態のリンク金具12は、ボルト孔123をリンク金具12の延在方向に複数有するものである。
図2(b)は、同図(a)に示す吊上金具10をアース側から見たときの図である。この図2(b)では、リンク金具12の幅(厚さ)方向Wは図の左右方向になる。
プレート部110は、リンク金具12よりも上方に設けられたものである。プレート部材11はさらに固定部112を有する。この固定部112は、プレート部110の下面に設けられたものである。固定部112とプレート部110は溶接によって一体化されている。固定部112は、リンク金具12を幅方向Wから挟み込むものであって、図2(b)に示すように上下を逆さまにした逆J字状である。すなわち、固定部112は、リンク金具12の、幅方向W両端側のうち一端側にのみ、幅方向Wに貫通した貫通孔1121が設けられた固定片1122を有し、他端側には、貫通孔1121が設けられていない非固定片1123を有する。固定片1122は、リンク金具12の上下方向の長さ(高さ長)と同じ長さをもった相対的に長い片であるのに対し、非固定片1123は、リンク金具12の上下方向の長さ(高さ長)の1/8程度の長さしかない相対的に短い片である。すなわち、図2(b)に示すリンク金具12の幅方向W一端側では、リンク金具12を挟持する一対の挟持片のうちの一方の片(ここでは固定片1122が相当)が上部から下方にかけて宛がわれ、リンク金具12に設けられたボルト孔123の、幅方向W一端側の開口縁には、固定片1122における貫通孔1121の開口縁が接している。一方、図2(b)に示すリンク金具12の幅方向W一端側では、他方の片(ここでは非固定片1123が相当)が上部のみにしか宛がわれておらず、リンク金具12に設けられたボルト孔123の、幅方向W他端側の開口縁には何も接していない。
プレート部材11をリンク金具12へ取り付けるには、まず、リンク金具12に設けられた3つのボルト孔123のうちいずれか一つのボルト孔123の中心に固定片1122の貫通孔1121の中心を一致させる。次いで、貫通孔1121の中心が一致しているボルト孔123に、リンク金具12の、非固定片1123が位置する側(幅方向W他端側)の他端面120aからボルト118を挿入し、そのボルト118を貫通孔1121に通す。ボルト118の頭部1181がリンク金具12の他端面120aに当接するまでボルト118を押し込むと、ボルト118の先端部分は、固定片1122から幅方向W一端側に突出する。突出したボルト先端部分には、ワッシャ1191を介して2つのナット1192が締め込まれる。この際、ボルト118の頭部1181がリンク金具12の他端面120aに当接した状態でナット1192が締め込まれるため、ボルト118は強固に固定され、リンク金具12に取り付けられたプレート部材11のがたつきが防止される。この結果、プレート部材11を足掛けとして機能させる場合、作業者の足下ががたつかず、作業者はプレート部材11を足掛けとしてより安心して利用することができる。なお、ボルト118の、ナット1192から突出した先端に割りピンを挿入してもよい。
図3(a)に示す吊上金具10では、プレート部材11が、リンク金具12の延在方向に3つ並べられたボルト孔123のうちの真ん中のボルト孔123を利用して取り付けられている。本実施形態のように、ボルト孔123を複数設けておくことで、プレート部材11の、リンク金具12に対する取り付け位置を変更することができ、プレート部材11を足掛けとして機能させる場合に、2連耐張碍子装置本体20と鉄塔のアームとの間隔に応じて足掛けとして適切な位置にプレート部110を設けることができる。
また、プレート部材11は補強板113も有する。この補強板113も、プレート部110の下面に設けられたものであって、補強板113とプレート部110も溶接によって一体化されている。補強板113はプレート部110の厚み方向(下方向)に突出したものであって、固定部112を挟み込むように設けられている。すなわち、補強板113は、リンク金具12の幅方向W両側に設けられたものである。なお、補強板113と固定部112が接する部分を溶接してもよい。補強板113を設けておくことで、プレート部110が補強され、作業者がプレート部110に片足を置いた際の荷重を安定した状態で受け止めることができる。
図3は、図1に示す吊上金具に吊上用ワイヤを取り付けた様子を示す図である。図3(a)は、吊上用ワイヤ40を取り付けた吊上金具10を図2(a)と同じく横方向から見たときの図である。この図3(a)でも、リンク金具12は水平に配置されており、水平に配置されたリンク金具12に対して上方を上側、下方を下側と称することがあり、上下方向の位置を高さ位置とみることがある。また、図3(b)は、同図(a)に示す吊上金具10を上方から見たときの図である。これらの図においても、図の左側が送電線(ライン)側になり右側が鉄塔(アース)側になる。
この図3では、図1に示す耐張碍子装置20、平行クレビス金具31、および直角クレビス金具32は図示省略されている。吊上用ワイヤ40は、ワイヤ部分41の先端を環状にしたものであり、その環状部分には2つのUクレビス金具42が通されている。吊上用ワイヤ40は、これら2つのUクレビス金具42が吊上金具10におけるプレート部110に設けられたワイヤ取付部111にボルト止めされることで取り付けられる。すなわち、図3(a)に示すように、Uクレビス金具42の一端側のボルト孔421は、ワイヤ取付部111の真上に位置し、Uクレビス金具42の他端側のボルト孔422は、ワイヤ取付部111の真下に位置する。ワイヤ取付部111は、リンク金具12の幅方向両側それぞれに設けられた、上下方向(プレート部110の厚さ方向)に貫通した貫通孔であり、ボルト45が、プレート部110の下方から、他端側のボルト孔422、ワイヤ取付部111である貫通孔、一端側のボルト孔421の順に挿入され、上方に突出したボルト先端部分には、ナット46が締め込まれる。このように、本実施形態では吊上金具10に専用のワイヤ取付部111を設けたため、吊上用ワイヤ40の取り付けが容易になる。
ワイヤ取付部111とUクレビス金具42の一端側の部分には上下方向の間隔が設けられており、ワイヤ取付部111とUクレビス金具42の他端側の部分にも上下方向の間隔が設けられている。このため、Uクレビス金具42はボルト45を回転中心軸にして回動自在である。図3(b)の状態から、吊上用ワイヤ40が吊り上げ方向に引っ張られると、リンク金具12の幅方向両側に位置するUクレビス金具42は、互いに近づく方向に向けて回動する。すなわち、Uクレビス金具42の吊り上げ方向先端側は、リンク金具12に向けて回動し、ワイヤ部分41は、鉄塔のアームに取り付けられた不図示の金車に向かって(図3(a)では右斜め上方向に向かって)一直線上に張られる。
なお、本実施形態では、ワイヤ取付部111は、リンク金具12が配置された高さ位置よりも高い位置における幅方向両側それぞれに設けられたものであったが、ワイヤ取付部を、リンク金具12が配置された高さ位置と同じ高さ位置において幅方向両側のうちの一方側にのみ設けてもよい。
図4は、図1に示す吊上金具に吊上用ワイヤを取り付けて吊り上げている様子を模式的に示す図である。
この図4では、図1に示す平行クレビス金具31および直角クレビス金具32は図示省略され、2連耐張碍子装置本体20は、アース側取付金具21のみが示されている。また、この図4には、鉄塔9のアーム91や、そのアーム91に取り付けられた第1金車92と第2金車93が示され、吊上用ワイヤ40のワイヤ部分41が第1金車92に巻き掛けられ、その吊上用ワイヤ40の一端側は、いわゆる玉掛け作業によりワイヤ取付部111にボルト止めされている。また、吊上用ワイヤ40の他端側は、第2金車93に巻き掛けられ、地上の不図示のウィンチに固定されている。
玉掛け作業が終了すると、吊上用ワイヤ40は図示省略したウィンチによって巻き上げられ、図中に示す矢印A方向に引き上げられる。図1に示す碍子装置1は地上から鉄塔9のアーム91の取付点に向けて吊り上げられる。図4では、取付点の辺りを点線の円で囲んで示している。なお、第1金車92も第2金車93も、取付点よりも鉄塔中心軸側(内側)に配置されている。図1に示す碍子装置1が吊り上げられると、吊上金具10のリンク金具12は起立した姿勢になる。すなわち、図3(a)に示す水平に配置されていたリンク金具12は、アース側端部12Eが鉄塔9のアーム91の取付点を向き(図中の矢印B方向を向き)、ライン側端部12Lが下方を向いた姿勢になる。図4には、リンク金具12の中心軸線Lが1点鎖線で示されている。この中心軸線Lは、リンク金具の延在方向に延びるものである。図4では、その中心軸線Lを基準として、金車側にプレート部材11のワイヤ取付部111が位置しており、リンク金具12は垂直方向から反金車側に傾いている。また、リンク金具12に取り付けられたアース側取付金具21は真下を向き(図中の矢印C方向を向き)、ここでは不図示の碍子連24は空中で垂れ下がった状態になる。
図4に示す吊上金具10のリンク金具12と吊上用ワイヤ40のワイヤ部分41との間には間隔Sが生じている。言い換えれば、リンク金具12は、ワイヤ部分41から離れる方向に向かって延在している。ワイヤ取付部111は、こうなるように、リンク金具12の延在方向に延びる中心軸線Lからオフセットした位置に設けられている。なお、ワイヤ取付部111は、金車側とはリンク金具12を挟んで反対側になる位置を除く位置に設けられたものであればよい。本実施形態によれば、碍子装置1を吊り上げる際に、ワイヤ部分41とリンク金具12が擦れてしまうことが防止されている。
図5(a)は、図4(a)に示す吊上金具10を拡大して示す図である。図5(a)に示す吊上金具10は、プレート部材11が、リンク金具12の延在方向に3つ並べられたボルト孔123のうちの真ん中のボルト孔123を利用して取り付けられたものである。
図5(b)は、プレート部材11がリンク金具12の延在方向に3つ並べられたボルト孔123のうちライン側のボルト孔123を利用して取り付けられた吊上金具10を示す図である。ワイヤ部分41のうち、Uクレビス金具42から第1金車92(図4参照)に向けて延在している取付側部分411は、垂直方向に延在している。図5(b)に示すリンク金具12は、図5(a)に示すリンク金具12に比べて、ワイヤ部分41のうちの取付側部分411から離れる方向に大きく傾いている。したがって、図5(a)に示す吊上金具10に比べて、図5(b)に示す吊上金具10では、リンク金具12とワイヤ部分41のうちの取付側部分411との間には大きな間隔Sが生じている。
なお、プレート部材11がアース側のボルト孔123を利用して取り付けられた吊上金具10では、上記間隔Sは狭くなる。
このように、リンク金具12に対する、プレート部材11の取り付け位置を変更することで、吊り上げたときのリンク金具12が、ワイヤ部分41のうちの取付側部分411から離れる方向に延在する角度、すなわち、リンク金具12の延在方向に延びる中心軸線Lとワイヤ部分41のうちの取付側部分411とで挟まれた角度θを調整することができる。
なお、これまでの説明では、プレート部材11は一枚板のリンク金具12に取り付けられていたが、リンク金具12に代えて、図1に示す平行クレビス金具31を延在させたものやアース側取付金具21である直角クレビス金具を延在させたもの等を用いてもよい。この場合には、鉄塔9のアーム91に2連耐張碍子装置本体20を取り付けた場合に碍子連中心軸の延長線Gに沿って延在させた平行クレビス金具や直角クレビス金具を用いればよい。
以上説明した本実施形態の吊上金具10を用いれば、2連耐張碍子装置本体20といった重量物を持ち上げて、隣り合う碍子連の碍子に吊上用ワイヤを巻き付ける必要がなくなり、吊上用ワイヤを容易に取り付けることができる。また、吊上用ワイヤが巻き付けられた隣り合う碍子どうしが傷ついてしまうこともなく、碍子の保護が簡易的なものですむ。しかも、吊り上げ時に、吊上用ワイヤと金具が擦れてしまうこともない。さらに、本実施形態の吊上金具10を用いれば、鉄塔のアームの取付位置にかなり近い位置まで、図1に示す碍子装置1を吊り上げることができ、鉄塔アームと碍子装置1の接続作業が容易になる。
加えて、2連耐張碍子装置本体20の鉄塔取付後は、プレート部110を作業者の足掛けとして利用することができ、作業者が移動しやすくなるとともに、その作業者の移動の際の安全性を向上することもできる。
なお、ここでは、2連耐張碍子装置本体20の例をあげて説明したが、本発明の吊上金具は、V吊懸垂碍子装置本体、直吊懸垂碍子装置本体等の他の碍子装置本体を吊り上げる際にも適用可能であり、本発明の碍子装置は、V吊懸垂碍子装置本体、直吊懸垂碍子装置本体等の他の碍子装置本体を有する碍子装置にも適用可能である。
1 碍子装置
10 吊上金具
11 プレート部材
110 プレート部
111 ワイヤ取付部
112 固定部
1121 貫通孔
1122 固定片
113 補強板
12 リンク金具
123 ボルト孔
20 2連耐張碍子装置本体
40 吊上用ワイヤ
9 鉄塔
91 アーム

Claims (7)

  1. 碍子連を有する碍子装置本体を鉄塔のアーム近傍まで吊り上げて該碍子装置本体を該アームに取り付けるために、該碍子装置本体に連結される吊上金具において、
    前記碍子装置本体よりも鉄塔側になる位置に配置され、
    前記碍子装置本体を前記鉄塔のアーム近傍まで吊り上げるためのワイヤを取り付けるワイヤ取付部を有することを特徴とする吊上金具。
  2. 前記鉄塔のアームに前記碍子装置本体を取り付けた場合に碍子連中心軸の延長線に沿って延在する延在金具と、該延在金具に取り付けられたプレート部材を有し、
    前記ワイヤ取付部は、前記プレート部材に設けられたものであることを特徴とする請求項1記載の吊上金具。
  3. 前記プレート部材は、前記延在金具の幅よりも広いものであることを特徴とする請求項2記載の吊上金具。
  4. 前記ワイヤ取付部が、この吊上金具を前記碍子装置本体に連結し該ワイヤ取付部にワイヤを取り付けて吊り上げたときに、該ワイヤと前記延在金具との間に間隔が生じるように、該延在金具の延在方向に延びる中心軸線からオフセットした位置に設けられたものであることを特徴とする請求項2又は3記載の吊上金具。
  5. 前記プレート部材は、前記延在金具の延在方向に対して直交する直交方向から該延在金具を挟み込む固定部を有するものであって、
    前記固定部は、前記直交方向に貫通した貫通孔を有するものであり、
    前記延在金具は、前記貫通孔に挿入されるボルトが通されるボルト孔を有するものであることを特徴とする請求項4記載の吊上金具。
  6. 前記固定部は、前記貫通孔が設けられた固定片を、前記延在金具の、前記直交方向両端側のうち一端側にのみ有するものであることを特徴とする請求項5記載の吊上金具。
  7. 請求項1から6のうちいずれか1項記載の吊上金具と、
    前記碍子装置本体とを備えたことを特徴とする碍子装置。
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