JP5374915B2 - クレーンのウエイト構造 - Google Patents

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本発明は、クローラクレーンなどのクレーンにおいてカウンタウエイトやカーボディウエイトなどのウエイトを装備するためのウエイト構造に関する。
一般に、クローラクレーンなどのクレーンにおいては、例えば特許文献1に開示されているように、下部走行体上に旋回ベアリングを介して上部旋回体を旋回可能に搭載し、この上部旋回体の前部側にブームの基端を起伏可能に支持する一方、上部旋回体の後部側に、クレーン能力を高めるためのカウンタウエイトを設けている。このカウンタウエイトは、複数のウエイトを上下方向又は前後方向に重ね合わせ、ボルトなどの固定具を用いて固定するように構成されている。
また、クレーンによっては、カウンタウエイトの外に、種々の目的でウエイトを設けることがある。例えばクローラクレーンの場合、下部走行体の重量を上げて安定性を高めるために、下部走行体におけるカーボディの旋回ベアリング付近にカーボディウエイト(間座ウエイトともいう。)を設けたり(特許文献2参照)、下部走行体のクローラフレーム(サイドフレームともいう。)にクローラウエイトを設けたり(特許文献1参照)することがある。
特開平8−188383号公報 特許第3424616号公報
ところで、近年、国内で生産したクレーンは、国内で販売・使用されるだけでなく、外国にも多く輸出されているが、世界各国間では規格が異なることから、同一モデルのクレーンでも、向け先の規格によっては最大吊り上げ能力を出せなかったり、必要な能力、例えば欧州の規格で要求されるサドンリリースの能力を出せなかったりすることがある。このため、向け先によっては、カウンタウエイトの質量を増やしたり、カーボディウエイトやクローラウエイトの質量を増やしたりする必要があり、その分コストが高くなるという問題がある。また、クレーンのカーボディウエイトやクローラウエイトの質量を増やすことにより、クレーンの機体総質量が向け先毎に異なり、クレーンの接地圧や走行牽引力も向け先毎に異なるという問題もある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、カウンタウエイトの一部のウエイトを、カウンタウエイトの外に、カーボディウエイト又はクローラウエイトとしても使用可能にすることにより、コストの低廉化を図りつつ、またクレーンの機体総質量を同一に維持しつつ、向け先の規格に応じて、最大吊り上げ能力や必要な能力を適切に確保し得るクレーンのウエイト構造を提供せんとするものである。
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明は、下部走行体上に上部旋回体が旋回可能に搭載され、この上部旋回体の前部側にブームの基端が起伏可能に支持されている一方、上部旋回体の後部側に複数のウエイトからなるカウンタウエイトが設けられたクレーンのウエイト構造として、上記下部走行体における、平面的に見て上部旋回体の旋回中心を挟んで対称的な2箇所にそれぞれウエイト被取付部を設け、上記カウンタウエイトの少なくとも2つのウエイトを、選択的にカウンタウエイトとは別に上記各ウエイト被取付部に取付可能に設ける構成にする。
この構成では、向け先の規格などを考慮して、カウンタウエイトの2つのウエイトをそのままカウンタウエイトとして使用した場合には最大吊り上げ能力を高めることができ、また、カウンタウエイトの2つのウエイトを、下部走行体の旋回中心を挟んで対称的な2箇所のウエイト被取付部にそれぞれ取り付けた場合には下部走行体の質量を上げて安定性を高めたり、欧州の規格で要求されるサドンリリースの能力を高めたりすることができる。しかも、従来の如くカウンタウエイト専用のウエイトと共に、カーボディウエイト専用又はクローラウエイト専用のウエイトなどを用意する必要はないので、その分コストの低廉化が図られることになる。さらに、クレーンの機体総質量は、カウンタウエイトの2つのウエイトをそのままカウンタウエイトとして使用する場合と下部走行体側のウエイトつまりカーボディウエイト又はクローラウエイトなどとして使用する場合とで変わることはなく、向き先に拘わらず同一になる。
請求項に係る発明は、上述した構成に加えて、上記2つのウエイトを、いずれもカウンタウエイトとして上部旋回体に取り付けるための第1の取付部と、上記ウエイト被取付部に取り付けるための第2の取付部とを有する構成にする。この構成では、兼用される2つのウエイトをカウンタウエイとして上部旋回体に取り付ける場合には各ウエイトの第1の取付部を用いることにより、また、下部走行体側のウエイト被取付部に取り付ける場合には各ウエイトの第2の取付部を用いることにより、取付場所に応じて容易にかつ確実に取り付けることができる。
請求項に係る発明は、請求項1記載のクレーンのウエイト構造として、特にクローラクレーンのウエイト構造に適用するものである。すなわち、上記下部走行体は、外周に各々クローラを装着する左右一対のクローラフレームと、この両クローラフレーム同士を連結しかつ上記上部旋回体を支持するカーボディとを有してなる構成にする。
請求項3及び4に係る発明は、いずれも請求項記載のクレーンのウエイト構造において、上記ウエイト被取付部を特定するものである。すなわち、請求項に係る発明は、上記ウエイト被取付部を、下部走行体のカーボディの前端及び後端からそれぞれ前方及び後方に突出して設けられたカーボディウエイト被取付部とし、請求項に係る発明は上記ウエイト被取付部を、下部走行体の各クローラフレームの外側面に側方に突出して設けられたクローラウエイト被取付部とする。
以上のように、本発明におけるクレーンのウエイト構造によれば、カウンタウエイトの2つのウエイトがカウンタウエイトとは別に、下部走行体側の旋回中心を挟んで対称的な2箇所のウエイト被取付部にそれぞれ取り付けて下部走行体側のウエイトつまりカーボディウエイト又はクローラウエイトなどとしても使用できるので、向け先の規格に応じて、最大吊り上げ能力やサドンリリースなど必要な能力を適切に確保することができる。しかも、従来の如くカウンタウエイト専用のウエイトと共に、カーボディウエイト専用又はクローラウエイト専用のウエイトなどを用意する必要はないので、その分コストの低廉化を図ることができる。また、クレーンの機体総質量は、向き先に関係なく同一になるため、クレーンの接地圧及び走行牽引力を向き先に関係なく同一にすることができる。
その上、上記2つのウエイトをカウンタウエイとして上部旋回体に取り付ける場合には各ウエイトの第1の取付部を、下部走行体側のウエイト被取付部に取り付ける場合には各ウエイトの第2の取付部をそれぞれ用いることにより、取付場所に応じて容易にかつ確実に取り付けることができるので、取付作業性の向上に寄与することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態である実施形態を図面に基づいて説明する。
図1ないし図3は本発明の第1の実施形態に係るウエイト構造を備えるクローラクレーンAの全体構成を示す。このクローラクレーンAは、クローラ1により走行する下部走行体2と、この下部走行体2上に旋回ベアリング3を介して旋回可能に搭載された上部旋回体4とを備えている。
上記下部走行体2は、図4にも示すように、外周に各々クローラ1を装着する左右一対のクローラフレーム6,6と、この両クローラフレーム6,6同士を連結しかつ上部旋回体4を支持するカーボディ7とを有している。カーボディ7は、旋回ベアリング3を取り付けるボディ本体7aと、このボディ本体7aの前部及び後部からそれぞれ左右両側に延びる4つのアクスル部7b,7b,…とからなり、各アクスル部7bは、クローラフレーム6を車幅方向に貫通した状態でクローラフレーム6に固定されている。また、カーボディ7のボディ本体7aの前端及び後端にはそれぞれ後述するカウンタウエイト16の付加ウエイト33を取り付ける前後一対のカーボディウエイト被取付部9,9が前方又は後方に突出して設けられており、この一対のカーボディウエイト被取付部9,9は、それ自体でもカーボディウエイトの機能を発揮するように平面的に見て上部旋回体4の旋回中心Pを挟んで互いに対称的に位置する重量物であって、それぞれ上記付加ウエイト33を載置可能な台座状に形成されている。
上記上部旋回体4の前部側には、ブーム11の基端が起伏可能に支持されているとともに、その支持点(ブームフットという。)の側方にキャブ12が設けられている。また、上部旋回体4の中央部には3つの巻き取りウインチである主巻ウインチ13、補巻ウインチ14及び起伏ウインチ15が前後方向に一列に取り付けられており、上部旋回体4の後部側にはカウンタウエイト16が設けられている。主巻ウインチ13は、ブーム11の先端(ブームポイントという。)から巻上ロープ17を介して吊り下げた主フック18の巻き上げ又は巻き下げを行うものであり、補巻ウインチ14は、同じくブーム11の先端から巻上ロープ19を介して吊り下げた補フック20の巻き上げ又は巻き下げを行うものである。
上記起伏ウインチ15は、上部旋回体4上に設けられたマスト21やガントリ22などと共に、ブーム11を起伏させる起伏装置23を構成している。すなわち、起伏装置23のマスト21の基端は、上部旋回体4に回動可能に支持されており、マスト21の先端部は、ガイライン24によりブーム11の先端部と連結されている。このマスト21の先端部には上部スプレッダ25が設けられている一方、ガントリ22の上端部には下部スプレッダ26が設けられ、この下部スプレッダ26と上部スプレッダ25との間にはブーム起伏ロープ27が巻き掛けられている。そして、このブーム起伏ロープ27の一端が起伏ウインチ15に巻き付けられ、この起伏ウインチ15によりブーム起伏ロープ26を巻き取り又は繰り出すことによって、ブーム11が起伏するようになっている。
また、上記カウンタウエイト16は、図5ないし図7に拡大詳示するように、上部旋回体4の後部側に設けた水平な後部ウエイト31上の左右両側にそれぞれ複数ずつのウエイト32又は33を上下方向に積み重ねて構成されている。このカウンタウエイト16のウエイト32,33のうち、最上層の2つのウエイト33以外のウエイト32は、いずれも形状や大きさが同一に、特に本実施形態の場合平面形状が略正方形状に形成されており、後部ウエイト31上に積み重ねた状態で上下に重なり合う2つのウエイト32,32間ではそれぞれ各ウエイト32の前端面及び後端面に設けた結合フランジ34,34同士を連結プレート35や連結ピン36などを用いて結合することなどによって各ウエイト32が固定されている。
一方、最上層の各ウエイト33は、図8にも拡大詳示するように、平面形状が他のウエイト32の平面形状の略半分の大きさの略長方形状のものである。また、この各ウエイト(以下、他のウエイト32と区別するために付加ウエイトという。)33は、選択的にカウンタウエイト16とは別にカーボディウエイトとして上記カーボディウエイト被取付部9上に載置した状態で取付可能に設けられている。すなわち、各付加ウエイト33には、カウンタウエイト16の最上層のウエイトとして他のウエイト32に固定して取り付けるための第1の取付部として、短辺側の両側面にそれぞれ結合フランジ37が設けられているとともに、カーボディウエイト被取付部9に取り付けるための第2の取付部として、3箇所にそれぞれ貫通孔38が設けられている。そして、各付加ウエイト33をカウンタウエイト16の最上層のウエイトとして使用する場合、図5及び図7に示す如く各付加ウエイト33を他のウエイト32上に載置した状態で各付加ウエイト33の結合フランジ37と他のウエイト32の結合フランジ34とを連結プレート39や連結ピン40などを用いて結合して各付加ウエイト33を固定する一方、各付加ウエイト33をカーボディウエイトとして使用する場合、図4に示し、また図9及び図10に拡大詳示するように、各付加ウエイト33を2つのカーボディウエイト被取付部9,9上でかつ平面的に見て上部旋回体4の旋回中心Pを挟んで対称的な位置に載置した状態で各付加ウエイト33の貫通孔38及びカーボディウエイト被取付部9の貫通孔41に長尺のボルト42を挿入してナット43に嵌め合わせることによって、各付加ウエイト33を固定するようになっている。
尚、図2及び図3では、便宜的に付加ウエイト33をカウンタウエイト16の最上層のウエイトとして使用する場合とカーボディウエイトとして使用する場合の両方の状態を共に表示している。また、図7ないし図10中、46は付加ウエイト33をクレーンなどで吊り上げるためにその表面(上面)に設けられた吊り上げ金具である。
従って、上記第1の実施形態においては、カウンタウエイト16の最上層の2つの付加ウエイト33,33がカウンタウエイト16としての使用の外にカーボディウエイトとして下部走行体2の前後2つのカーボディウエイト被取付部9,9上にそれぞれ載置した状態で取付可能に設けられているため、クローラクレーンAの向け先(つまり国内又は外国)の規格などを考慮して、カウンタウエイト16の2つの付加ウエイト33,33をそのままカウンタウエイト16として使用した場合には最大吊り上げ能力を高めることができ、また、カウンタウエイト16の2つの付加ウエイト33,33を、下部走行体2の前後2つのカーボディウエイト被取付部9,9にそれぞれ取り付けた場合には下部走行体2の質量を上げて安定性を高めたり、欧州の規格で要求されるサドンリリースの能力を高めたりすることができる。
しかも、従来の如くカウンタウエイト専用のウエイトと共に、カーボディウエイト専用のウエイトをも用意する必要はないので、その分コストの低廉化を図ることができる。また、クローラクレーンAの機体総質量は、カウンタウエイト16の2つの付加ウエイト33,33をそのままカウンタウエイト16として使用する場合と下部走行体2側のカーボディウエイトとして使用する場合とで変わることはなく、向き先に拘わらず同一になるため、クローラクレーンAの接地圧及び走行牽引力を向き先に関係なく同一にすることができる。
さらに、上記各付加ウエイト33は、カウンタウエイト16として上部旋回体4の他のウエイト32上に取り付けるための第1の取付部である結合フランジ37と、カーボディウエイトとして下部走行体2側のカーボディウエイト被取付部9に取り付けるための第2の取付部である貫通孔38とを有しているため、各付加ウエイト33をカウンタウエイとして上部旋回体4に取り付ける場合には各付加ウエイト33の結合フランジ37を下側のウエイト32の結合フランジ34に連結プレート39や連結ピン40などを介して結合することにより、また、各付加ウエイト33をカーボディウエイトとして下部走行体2側のカーボディウエイト被取付部9に取り付ける場合には各付加ウエイト33の貫通孔38及びカーボディウエイト被取付部9の貫通孔41にボルト42を挿入してナット43に嵌め合わせることにより、各付加ウエイト33を取付場所に応じて容易にかつ確実に取り付けることができ、取付作業性の向上に寄与することができる。
次に、付加ウエイト33をカウンタウエイトとして使用した場合とカーボディウエイトとして使用した場合の最大吊り上げ能力を表す定格総荷重の差異について、図11を参照しながら説明する。
図11中、W1は機体本体(下部走行体2及び上部旋回体4)の質量、W3は付加ウエイト33をカウンタウエイトとして使用した場合の質量、W4は付加ウエイト33をカーボディウエイトとして使用した場合の質量、Wfはブーム11の質量のブームフット成分、Wpはブーム11の質量のブームポイント成分、Wは定格総荷重、cは上部旋回体4の旋回中心Pから機体本体の重心までの距離、Lは上部旋回体4の旋回中心Pから前側の転倒支点までの距離、fは上部旋回体4の旋回中心PからW3までの距離、kは前側の転倒支点からW4(旋回中心P)までの距離、rは作業半径、aは上部旋回体4の旋回中心Pからブームフットまでの距離である。
付加ウエイト33をカウンタウエイトとして使用した場合、W4=0であり、転倒荷重W0は、日本の規格(移動式クレーン構造規格第14条)によれば、
W0=1.15W+0.15Wp
であることから、定格総荷重Wは、
になる。
また、前側の転倒支点回りモーメントを等しいとすると、下記の式が成立する。
W0×(r−L)+Wp×(r−L)=W1×(L+c)+Wf×(L−a)+W3×(f+L)
この式から、下記の(2)式が求められる。
(1)式に(2)式を代入すると、
になる。
ここで、具体的な数値として、W1=50t、W3=1.5t、Wf=1.455t、Wp=1.795t、c=1.63m、L=1.94m、f=3.55m、r=12m、a=1.1mとした場合、(3)式を用いて定格総荷重Wを求めると、W=14.45tになる。
一方、付加ウエイト33をカーボディウエイトとして使用した場合、W3=0であり、定格総荷重Wは、付加ウエイト33をカウンタウエイトとして使用した場合と同じく、(1)式により求められる。また、前側の転倒支点回りモーメントを等しいとすると、下記の式が成立する。
W0×(r−L)+Wp×(r−L)=W1×(L+c)+Wf×(L−a)+W4×k
この式から、下記の(4)式が求められる。
(1)式に(4)式を代入すると、
になる。
そして、具体的な数値として、カウンタウエイトとして使用した場合と同じく、W1=50t、W4=1.5t、Wf=1.455t、Wp=1.795t、c=1.63m、L=1.94m、k=1.94m、r=12m、a=1.1mとした場合、(3)式を用いて定格総荷重Wを求めると、W=13.99tになる。
付加ウエイト33をカウンタウエイトとして使用した場合とカーボディウエイトとして使用した場合とでは定格総荷重Wの比率は、14.45/13.99≒1.033になり、約3.3%の定格総荷重Wの差異が生じる。
尚、転倒荷重W0は、欧州の規格(ISO4305)によれば、
W0=1.25W+0.1Wp
であることから、定格総荷重Wは、
になる。
付加ウエイト33をカウンタウエイトとして使用した場合の定格総荷重Wは、この(6)式に(2)式を代入して、
になる。
また、付加ウイエイト33をカーボディウエイトとして使用した場合の定格総荷重Wは、(6)式に(4)式を代入して、
になる。
そして、日本の規格の場合と同じく具体的な数値を用いると、付加ウエイト33をカウンタウエイトとして使用した場合の定格総荷重W=13.37tになり、付加ウエイト33をカーボディウエイトとして使用した場合の定格総荷重W=12.94tになる。また、付加ウエイト33をカウンタウエイトとして使用した場合とカーボディウエイトとして使用した場合の定格総荷重Wの比率は、13.37/12.94≒1.033になり、日本の規格の場合と同じく約3.3%の定格総荷重Wの差異が生じる。
続いて、付加ウエイト33を使用しない場合と付加ウエイト33をカウンタウエイトとして使用した場合と付加ウエイト33をカーボディウエイトとして使用した場合とでサドンリリースで決まる定格総荷重の差異について、図12を参照しながら説明する。
図12中、W1は機体本体の質量、W3は付加ウエイト33をカウンタウエイトとして使用した場合の質量、W4は付加ウエイト33をカーボディウエイトとして使用した場合の質量、Wfはブーム11の質量のブームフット成分、Wpはブーム11の質量のブームポイント成分、Wはサドンリリースで決まる定格総荷重、aは上部旋回体4の旋回中心Pからブームフットまでの距離、bは前側の転倒支点と後側の転倒支点との間の距離、cは上部旋回体4の旋回中心Pから機体本体の重心までの距離、eは後側の転倒支点から吊り荷までの距離、fは上部旋回体4の旋回中心PからW3までの距離、kは前側の転倒支点からW4(旋回中心P)までの距離、rは作業半径である。
サドンリリースモーメントMは、欧州の規則によれば、
M=W×0.1×e
であることから、サドンリリースで決まる定格総荷重Wは、
W=M/(0.1×e) ……(9)
になる。
また、付加ウエイト33を使用しない場合、W3=W4=0であり、後側の転倒支点回りのモーメントMは、
M=W1×{(b/2)−c}+Wf×{a+(b/2)}+Wp×e ……(10)
になる。
付加ウエイト33をカウンタウエイトとして使用した場合、W4=0であり、後側の転倒支点回りのモーメントMは、
M=W1×{(b/2)−c}+W3×{{b/2}−f}+Wf×{a+(b/2)}+Wp×e ……(11)
になる。
付加ウエイト33をカーボディウエイトとして使用した場合、W3=0であり、後側の転倒支点回りのモーメントMは、
M=W1×{(b/2)−c}+W4×(b−k)+Wf×{a+(b/2)}+Wp×e ……(12)
になる。
ここで、具体的な数値として、W1=50t、Wf=1.189t、Wp=1.81t、W3=W4=1.5t、a=1.1m、b=3.88m、c=1.63m、e=5.94m、f=3.55m、k=1.94m、r=12mを用いると、付加ウエイト33を使用しない場合、サドンリリースモーメントMは、(10)式を用いて、M=29.87t・mであり、サドンリリースで決まる定格総荷重Wは、(9)式を用いて、W=50.3tである。付加ウエイト33をカウンタウエイトとして使用した場合、サドンリリースモーメントMは、(11)式を用いて、M=27.45t・mであり、サドンリリースで決まる定格総荷重Wは、(9)式を用いて、46.2tである。付加ウエイト33をカーボディウエイトとして使用した場合、サドンリリースモーメントMは(12)式を用いて、M=32.78t・mであり、サドンリリースで決まる定格総荷重Wは、(9)式を用いて、55.18tである。この計算結果から、サドンリリースで決まる定格総荷重Wは、付加ウエイト33をカーボディウエイトとして使用した場合に最も大きく、付加ウエイト33をカウンタウエイトとして使用した場合に最も小さくなり、その比率は、55.18/46.2≒1.19になる。
図13ないし図15は本発明の第2の実施形態に係るウエイト構造を備えるクローラクレーンBの全体構成を示す。このクローラクレーンBの基本的構成は、第1の実施形態におけるクローラクレーンAの場合と同じであり、同一部材・部品には同一符号を付してその説明は省略する。クローラクレーンBにおいて、第1の実施形態におけるクローラクレーンAの場合と異なる点は、カウンタウエイト16の最上層の2つの付加ウエイト51,51が選択的にカウンタウエイト16とは別にクローラウエイトとして左右のクローラフレーム6,6の所定箇所に取付可能に設けられていることである。
すなわち、各クローラフレーム6の外側面には、図16及び図17に拡大詳示するように、カーボディ7の前後2つのアクスル部7b,7bの貫通箇所の中間位置つまり平面的に見て上部旋回体4の旋回中心P(図4参照)を挟んで左右対称な位置に付加ウエイト51を取り付けるためのクローラウエイト被取付部52が設けられており、このクローラウエイト被取付部52は、各々側方に突出する2つのフック部53,53と2組のピン止め部54,54とからなる。
また、上記各付加ウエイト51には、図18に拡大詳示するように、カウンタウエイト16の最上層のウエイトとして他のウエイト32に固定して取り付けるための第1の取付部として、短辺側の両側面にそれぞれ結合フランジ55が設けられているとともに、クローラウエイト被取付部52に取り付けるための第2の取付部56が設けられており、この第2の取付部56は、長辺側の一側面の2箇所にそれぞれ形成した凹部57に架設した取付ピン58と、上記第1の取付部としての結合フランジ55とからなる。さらに、各付加ウエイト51の表面の2箇所にはそれぞれ付加ウエイト51を吊り上げるための吊り上げ金具59が設けられている。
そして、各付加ウエイト51をカウンタウエイト16の最上層のウエイトとして使用する場合、第1の実施形態の場合と同じく各付加ウエイト51を他のウエイト32上に載置した状態で各付加ウエイト51の結合フランジ55と他のウエイト32の結合フランジ34(図7など参照)とを連結プレートや連結ピン(共に図示せず)などを用いて結合して各付加ウエイト51を固定する。
一方、各付加ウエイト51をクローラウエイトとして使用する場合、図19(a)〜(f)に示すように、先ず、付加ウエイト51の吊り上げ金具59にロープ61を通してクレーンなどを用いて付加ウエイト51を吊り上げ、その状態のまま付加ウエイト51の第2の取付部56の各取付ピン58をそれぞれクローラクレーン6のクローラウエイト被取付部52の対応するフック部53に支持させる。続いて、ロープ61を緩めて取付ピン58回りに付加ウエイト51を90度程度回動させる。しかる後、付加ウエイト51の各結合フランジ55をそれぞれクローラクレーン6のクローラウエイト被取付部52の対応するピン止め部54に結合ピン62などで結合し、それと前後して、付加ウエイト51の吊り上げ金具59からロープ61を取り外す。以上によって、各付加ウエイト51がクローラクレーン6のクローラウエイト被取付部52に固定される。
そして、上記第2の実施形態においては、カウンタウエイト16の最上層の2つの付加ウエイト51,51がカウンタウエイト16としての使用の外にクローラウエイトとして下部走行体2の左右一対のクローラクレーン6,6のクローラウエイト被取付部52,52にそれぞれ取付可能に設けられているため、第1の実施形態の場合と同様に、クローラクレーンBの向け先の規格などを考慮して、カウンタウエイト16の2つの付加ウエイト51,51をそのままカウンタウエイト16として使用した場合には最大吊り上げ能力を高めることができ、また、カウンタウエイト16の2つの付加ウエイト51,51を、下部走行体2の左右一対のクローラフレーム6,6の各クローラウエイト被取付部52にそれぞれ取り付けた場合には下部走行体2の質量を上げて安定性を高めたり、欧州の規格で要求されるサドンリリースの能力を高めたりすることができるなどの効果するのは勿論である。
尚、本発明は上記第1及び第2の実施形態に限定されるものではなく、その他種々の形態を包含するものである。例えば上記各実施形態では、上部旋回体4の後部側に設けた後部ウエイト31上の左右両側にそれぞれ複数ずつのウエイト32,33又は51を上下方向に積み重ねてカウンタウエイト16を構成し、このカウンタウエイト16の最上層の2つのウエイト33,33又は51,51を、それぞれカーボディウエイトとして下部走行体2のボディ本体7a側の2箇所のカーボディウエイト被取付部9,9、あるいはクローラウエイトとして下部走行体2の左右一対のクローラフレーム6,6の各クローラウエイト被取付部52に取付可能に設けたが、本発明は、上部旋回体4の後部側に複数のウエイトを前後方向に重ね合わせてカウンタウエイトを構成し、このカウンタウエイトの少なくとも2つのウエイトを、それぞれカーボディウエイトとして下部走行体2のボディ本体7a側の2箇所のカーボディウエイト被取付部9,9、あるいはクローラウエイトとして下部走行体2の左右一対のクローラフレーム6,6の各クローラウエイト被取付部52に取付可能に設けてもよい。その際、取付構造としては、第1又は第2の実施形態の如きものに限定されないことは勿論である。
また、上記各実施形態では、いずれもクローラのウエイト構造として、クローラクレーンA,Bに適用した場合について述べたが、ホイールクレーンなどその他のクレーンにも適用することができる。
本発明の第1の実施形態に係るクローラクレーンの全体構成を示す側面図である。 上記クローラクレーンのブームなどを取り外した状態の平面図である。 同じく正面図である。 図3のX−X線に沿って見た矢視図である。 図1のカウンタウエイト付近の拡大図である。 図2のカウンタウエイト付近の拡大図である。 図3のカウンタウエイト付近の拡大図である。 カウンタウエイトの付加ウエイトを示し、(a)は平面図、(b)正面図、(c)左側面図、(d)は右側面図である。 カーボディウエイト被取付部に付加ウエイトを取り付けた状態を示す平面図である。 図9のY−Y線における拡大断面図である。 付加ウエイトをカウンタウエイトとして使用した場合とカーボディウエイトとして使用した場合の定格総荷重の差異を説明するための模式図である。 付加ウエイトを使用しない場合と付加ウエイトをカウンタウエイトとして使用した場合と付加ウエイトをカーボディウエイトとして使用した場合とでサドンリリースで決まる定格総荷重の差異を説明するための模式図である。 本発明の第2の実施形態を示す図1相当図である。 同じく図2相当図である。 図14のZ−Z線における断面図である。 図13のクローラウエイト被取付部付近の拡大図である。 図15のクローラウイエイト被取付部付近の拡大図である。 図8相当図である。 付加ウエイトをクローラウエイト被取付部に取り付け場合の作業手順を示す作業工程図である。
符号の説明
A,B クローラクレーン
1 クローラ
2 下部走行体
4 上部旋回体
6 クローラフレーム
7 カーボディ
9 カーボディウエイト被取付部
11 ブーム
16 カウンタウイエイト
31 後部ウエイト
32 ウエイト
33,51 付加ウエイト
37 結合フランジ(第1の取付部)
38 貫通孔(第2の取付部)
52 クローラウエイト被取付部
55 結合フランジ(第1、第2の取付部)
56 第2の取付部

Claims (4)

  1. 下部走行体上に上部旋回体が旋回可能に搭載され、この上部旋回体の前部側にブームの基端が起伏可能に支持されている一方、上部旋回体の後部側に複数のウエイトからなるカウンタウエイトが設けられたクレーンのウエイト構造であって、
    上記下部走行体には、平面的に見て上部旋回体の旋回中心を挟んで対称的な2箇所にそれぞれウエイト被取付部が設けられており、上記カウンタウエイトの少なくとも2つのウエイトは、選択的にカウンタウエイトとは別に上記各ウエイト被取付部に取付可能に設けられており、
    上記2つのウエイトは、いずれもカウンタウエイトとして上部旋回体に取り付けるための第1の取付部と、上記ウエイト被取付部に取り付けるための第2の取付部とを有していることを特徴とするクレーンのウエイト構造。
  2. 上記下部走行体は、外周に各々クローラを装着する左右一対のクローラフレームと、この両クローラフレーム同士を連結しかつ上記上部旋回体を支持するカーボディとを有してなる請求項1記載のクレーンのウエイト構造。
  3. 上記ウエイト被取付部は、下部走行体のカーボディの前端及び後端からそれぞれ前方及び後方に突出して設けられたカーボディウエイト被取付部である請求項2記載のクレーンのウエイト構造。
  4. 上記ウエイト被取付部は、下部走行体の各クローラフレームの外側面に側方に突出して設けられたクローラウエイト被取付部である請求項2記載のクレーンのウエイト構造。
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