JPH0340750Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、粘着性プラスチツクフイルム等の巻
き状物を収納して少しずつ引き出しながら切断し
て使用できるようにしたフイルム収納ケースに関
する。

（従来の技術） 従来のフイルム収納ケースはフイルム収納部の
底部に２本のロールを配置し、このロール上に巻
きフイルムを置いてフイルムの引き出しとともに
転がるようにしたものであつたが、フイルムの使
用につれて重量が減少し巻き径が小さくなるた
め、フイルムを引つ張るときにいつしよに引き出
されたりロール間に落ち込んだりしてスムーズな
引き出しができなくなるという問題があつた。

（考案が解決しようとする課題） そこで本考案者は巻きフイルムの中空芯に受け
軸を挿入して支持することにより上記問題点を解
決せんとしたが、回転式の受け軸では軸受部が複
雑になつて高価になり、一方非回転式の受け軸で
は、巻きフイルムの中空芯が曲がつていた時等に
摩擦が大きくなつてスムーズに回転しないという
問題があつた。

（課題を解決するための手段） 本考案は、受け軸に改良を加えることにより上
記課題を解決せんとしたものであり、その要旨は
巻きフイルムの中空芯に挿入する回転しない受け
軸と、巻きフイルム収納部及びフイルムカツター
を備えた本体とからなり、受け軸両端は中空芯内
面に接する摺動面とし、受け軸中央は前記摺動面
より細径の連結部とするとともに本体の収納部の
両側壁には受け軸両端を着脱自在に支持する軸受
部を形成したことを特徴とするフイルム収納箱で
ある。

（作用） そして巻きフイルムの中空芯は回転しない受け
軸両端の摺動面で支持されるので、中空芯の両端
で安定して支持することができ、中空芯は摺動面
より細径の受け軸中央には接触しないので、受け
軸が曲がつている場合でも中空芯が円滑に回転し
巻きフイルムを容易に引き出すことができるよう
にしたものである。

（実施例） 以下、添付図面に基き実施例を説明する。

第１図は本考案のフイルム収納ケースの一例の
開蓋状態を示す斜視図、第２、３図は受け軸のそ
れぞれ正面図及び底面図、第４図は第２図の−
断面図である。

本考案は第１〜４図に示すように、巻きフイル
ム１の中空芯に挿入する回転しない受け軸２と、
巻きフイルム収納部３及びフイルムカツター４を
備えた本体５とからなり、受け軸両端は中空芯内
面に接する摺動面２１とし、受け軸中央は前記摺
動面２１より細径の連結部２２とするとともに本
体５の収納部３の両側壁には受け軸両端を着脱自
在に支持する軸受部６を形成したことを特徴とす
るフイルム収納箱である。このことにより第１図
に示すように巻きフイルム１に挿入した受け軸２
を本体の収納部３に入れて受け軸両端を軸受部６
により支持すれば、巻きフイルム１を回転自在に
収納すことができ、この巻きフイルム１からフイ
ルム端１１を引き出してフイルムカツター４によ
り適当な長さに切断して包装等に使用することが
できる。

一方、必要に応じて受け軸２を取りはずせば本
体５が軽くなるので移動が極めて容易となる。

受け軸２はプラスチツクの射出成形により一体
成形してもよいし、複数部品を組み合せて形成し
てもよい。

受け軸２の形状はたとえば第１〜４図に示すよ
うにその両端は、巻きフイルム１の中空芯内面よ
り僅かに小径の略半円筒状部の内端を、下端を切
り欠いた円盤で閉塞した形状の摺動面２１とし
て、中空芯内面と接して摺動することにより巻き
フイルム１を滑らかに回転するように支持する構
造である。

そして、受け軸２の中央は第２〜３図に示すよ
うに、両端摺動面２１の円盤間をつないで一体の
受け軸２を形成するための連結部２２としてあ
る。この連結部２２は細幅の水平板と垂直板から
構成され、前記摺動面２１より細径となつている
から、第２図に示すように摺動面２１により支持
された中空芯の内面からは離れており、多少中空
芯が曲がつていてもその回転を妨げることがな
い。

なお、前記、摺動面２１に凹凸を形成して中空
芯との摩擦を減らすようにしてもよい。

箱本体５は、プラスチツクの射出成形等により
製造されるもので、たとえば第１図に示すよう
に、収納部３の両側壁に設けた軸受部６下部と蓋
体７に設けた軸受上部６１とにより、受け軸２両
端を上下から挟持して支持するものが採用でき
る。もちろん、蓋体を使用せずに別個の係止部に
より受け軸両端を固定してもよく、要するに受け
軸２が着脱自在で回転しないものであればよい。

第１図に示すように本体５の軸受部６下部の外
側側壁に側壁を外方に屈曲して突出部５２を形成
し、一方蓋体７の軸受上部６１の外側に、蓋体を
閉じた時に本体の突出部５２と係合するように係
合片６２を設けておけば、フイルム使用中やケー
ス全体を持ち上げる際に蓋体が開いてしまうこと
がなく、また、受け軸の両端を強固に支持するの
で巻きフイルムの回転が極めてスムーズに行なえ
る。

容器本体５と蓋体７とはプラスチツクの射出成
形により、薄肉ヒンジ部とともに一体成形するこ
とができる。蓋体７には透明窓７２を設けてもよ
い。

また、蓋体７の上面や引き出し口７３、本体引
き出し口５１にエンボスを施して、フイルムの粘
着を防ぐようにしてもよい。

（考案の効果） 以上、説明したように本考案は、巻きフイルム
の中空芯に挿入する回転しない受け軸と、巻きフ
イルム収納部及びフイルムカツターを備えた本体
とからなり、受け軸両端は中空芯内面に接する摺
動面とし、受け軸中央は前記摺動面より細径の連
結部とするとともに本体の収納部の両側壁には受
け軸両端を着脱自在に支持する軸受部を形成した
ことを特徴とするフイルム収納箱であるので、巻
きフイルムをその中空芯に、一体構造の回転しな
い受け軸を挿入して固定することにより、最後ま
でスムーズにフイルムの引き出しが行なえるとと
もに、受け軸両端の摺動面で中空芯を安定して支
持し、受け軸中央には接触しないので、受け軸が
曲がつている場合でも中空芯が円滑に回転し、フ
イルムを容易に引き出すことできるなど、優れた
効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のフイルム収納ケースの一例の
開蓋状態を示す斜視図、第２、３図は受け軸のそ
れぞれ正面図及び底面図、第４図は第２図の−
断面図である。 １……巻きフイルム、２…受け軸、３……フイ
ルム収納部、４……フイルムカツター、５……本
体、６……軸受部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 巻きフイルムの中空芯に挿入する回転しない受
   け軸と、巻きフイルム収納部及びフイルムカツタ
   ーを備えた本体とからなり、受け軸両端は中空芯
   内面に接する摺動面とし、受け軸中央は前記摺動
   面より細径の連結部とするとともに本体の収納部
   の両側壁には受け軸両端を着脱自在に支持する軸
   受部を形成したことを特徴とするフイルム収納
   箱。