JPH0339582Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、操作によりラツチヘツドを反転没
入させる形式の錠前に関するものである。

〔従来の技術〕

ドアの開放に際しレバー或は握り玉を操作した
とき、同時にレバー或は握り玉を引つ張るので、
受金具の貫孔の縁にラツチヘツドを圧接すること
になる。

このため、ラツチヘツドの円滑なスライドが阻
害されてドアをスムーズに開放させることができ
ず、特に急いでドアを開放させる場合顕著であつ
た。

そこで、実公昭53−47039号公報のようにハン
ドルの操作にともないラツチの反転を阻止してい
た係合機構の係合を解除し、そしてラツチを反転
させながらドアを円滑かつ確実に開放させるよう
にしている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

レバー或は握り玉の場合、回動途中に押したり
或いは引つ張つたりする力を加えるので、二動作
となり、迅速にドアを開放させることができない
問題があつた。

また、ドア面から大きくレバーや握り玉が突出
しているので、廊下の幅が狭くなると共に、衣類
が引つかかる等の問題があつた。

〔問題点を解決するための手段〕

上記の問題点を解決するために、この考案はド
アの両面錠箱を挟む位置に着脱自在にプレートを
取付け、また両プレートの表面に設けてある凹入
部に片側は押しを、残る片側は引つ張りをそれぞ
れ解除すると上記プレートの表面から突出しない
よう復帰する揺動自在の操作板を設け、さらに錠
箱の両側壁前後にそれぞれ二条の並行する縦方向
の長孔を設け、また錠箱内に前後方向に突出する
両翼片が前記前後の長孔内に臨む回動体と、この
回動体の回動によつて反転阻止機構の反転阻止を
解除する連動機構を設け、さらに両操作板の裏面
に片方が長孔に貫通して一方の翼片の下側に係合
するよう臨んだとき残る片方が長孔に貫通して他
方の翼片の上側に係合するよう臨む突出体を設け
て構成したものである。

〔作用〕

ドアの片方からは操作板を押し、ドアの残る片
方からは操作板を引つ張ると翼片に突出体が係合
して回動体を回動させるので、連動機構を介して
反転阻止機構の反転阻止が解除される。

その結果、操作板の操作にともないドアに作用
する開放方向の力によりラツチヘツドが反転する
と共に、ラツチヘツドを押し戻して錠箱内に上記
ラツチヘツドが没入し、ドアを円滑かつ確実に開
放させる。

押し及び引つ張りの解除された操作板は、プレ
ートの表面に突出しないよう復帰回動する。

〔実施例〕

図において、１はドアＡの縦框面から内方に向
け設けてある凹部ａに嵌め込んで取付ける錠箱で
あつて、この錠箱１の前端壁２には、貫窓３が設
けられている。

また、上記の錠箱１内には、貫窓３に先端を一
致させると共に、バネ４により前端壁２に向け押
し出すスライダ５が組み込まれている。

上記のスライダ５は、垂直板６と、この垂直板
６の上下縁から連なつて上記垂直板６の片面側上
下で対向する水平板７とで構成されている。

８は貫窓３に貫通させたラツチヘツドで、この
ラツチヘツド８は、スライダ５の水平板７間に末
端部を嵌入すると共に、垂直のピン９を介して上
記水平板７に末端片方の角部が回動自在に取付け
て連結されている。

１０はラツチヘツド８の反転阻止機構である。

上記の反転阻止機構１０は、図示の場合錠箱１
に組み込んで常にラツチヘツド８の方向に押し出
すスライド枠１１と、ラツチヘツド８の末端ピン
９に近い角に設けた凹入部１２と、この凹入部１
２に嵌入係止するようスライド枠１１の先端に設
けた突起１３とで構成されている。

上記スライド枠１１に付与した押圧力は、図示
の場合スライダ５の突片１４の後面（ラツチヘツ
ド８の反対側の面）にスライド枠１１に軸支した
回動突片１５の前面をバネ１６を介し当接させる
と共に、固着部材１７とスライド枠１１とに両端
を係止させたバネ４によりスライド枠１１と共に
スライダ５を押し出し、スライド枠１１のみの単
独後退により凹入部１２から突起１３が脱出して
ラツチヘツド８の反転阻止が解除されるようにな
つている。

またドアＡの両側には、錠箱１を挟んで対向す
る対のプレート１８，１８´着脱自在に取付られ
ている。

上記プレート１８，１８´の取付けは、図示の
場合室内側プレート１８´の透孔１９に挿通した
ネジ軸２０を室外側プレート１８のネジ孔２１に
ねじ込んで両プレート１８，１８´を互に引き寄
せている。

さらに、両プレート１８，１８´の表面から内
方に凹入する凹入部２２を設けると共に、それぞ
れの凹入部２２内には、片側は引つ張りを、残る
片側は押しをそれぞれ解除すると上記プレート１
８，１８´の表面から突出しないよう復帰する揺
動自在の操作板２３，２３´が設けられている。

上記操作板２３，２３´の取付け方法は、図示
の場合操作板２３，２３´に貫通させた水平のピ
ン２４の両端をプレート１８，１８´に支持さ
せ、また上記ピン２４に巻付けたバネ杆２５の両
端を操作板２３，２３´の裏面とプレート１８，
１８´の裏面に係止させて上記操作板２３，２３
´を復帰回動させると共に、凹入部２２と操作板
２３，２３´とに設けてある係合部２６を係合さ
せて復帰回動した操作板２３，２３´をストツプ
させるようになつている。

また、錠箱１の両側壁に前後二条の並行する縦
方向の長孔２７，２８を設けると共に、錠箱１に
は、前後方向に突出する翼片２９，３０が上記長
孔２７，２８内に臨む回動体３１が組み込まれて
いる。

３２は回動体３１の回動によりスライド枠１１
を引き戻す連動機構である。

上記の連動機構３２は、スライド枠１１の突片
３３に回動体３１の突片３４を当接させて行なわ
れるようになつている。

また、両操作板２３，２３´の裏面には、片方
が一方の長孔２７に貫通して翼片２９の下側に臨
んだとき残る片方が他方の長孔２８´に貫通して
翼片３０の上側に臨む突出体３５，３６が設けら
れている。即ち突出体３５，３６の間隔は長孔２
７，２８の間隔に等しくなつており、かつ上下に
位置を変位させてある。

図中３７は回動体３１の支軸である。３８はラ
ツチヘツド８に復帰回動性を付与するバネであ
る。

この考案に係る錠前は、以上の構成であつて、
ドアＡの片方（屋外）からは操作板２３を引つ張
り、ドアＡの残る片方（室内）からは操作板２３
´を押すと、突出体３５と翼片２９、突出体３６
と翼片３０との係合によつて回動体３１が回動
し、連動機構３２を介しスライド枠１１を引き戻
すので凹入部１２から突起１３が脱出して反転阻
止機構１０を反転阻止が解除される。

その結果、操作板２３，２３´の操作にともな
いドアＡに作用する開放方向の力によりラツチヘ
ツド８が反転すると共に、ラツチヘツド８と共に
スライダ５を押し戻して錠箱１内にラツチヘツド
８が没入し、ドアＡを円滑かつ確実に開放させ
る。

なお、押し及び引つ張りの解除された操作板２
３´，２３はプレート１８，１８´の表面に突出
しないよう復帰する。

また、ドアＡの内開き、外開きによつて両プレ
ート１８，１８´の位置を変更した場合には、翼
片２９の上側に位置するよう長孔２７に突出体３
５が、翼片３０の下側に位置するよう長孔２８に
突出体３６が嵌入する。

〔効果〕

以上のように、この考案に係る錠前によれば、
ドアの両面に取付けたプレートの表面から操作部
材（レバーや握り玉）が突出しないので、衣類の
引つかかりや廊下の幅が狭くなるような不都合を
解消することができる。

また、操作板の押す、引つ張る力をそのままド
アに作用させるので、ラツチボルトにも直接ドア
に加わる力を作用させ、円滑なラツチボルトの反
転を行なうことができる。

さらに、錠箱の両側壁に前後二条の並行する縦
方向の長孔を設け、また錠箱内に前後方向に突出
する両翼片が前記長孔内に臨む回動体を設けると
共に、両操作板の裏面に片方が長孔に貫通して一
方の翼片の下側に係合するよう臨んだとき残る片
方が長孔に貫通して他方の翼片の上側に係合する
よう臨む突出体を設けてあるので、ドアの内開
き、外開きにともない両プレートを変更しても常
に突出体と翼片とを係合させて取付けることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る錠前の縦断側面図、第
２図は同横断平面図、第３図は同側面図、第４図
は同縦断背面図、第５図及び第６図は同上の要部
を示す縦断背面図、第７図はラツチヘツドを没入
させた縦断側面図、第８図は同上の横断平面図で
ある。 Ａ……ドア、ａ……凹部、１……錠箱、２……
前端壁、３……貫窓、４……バネ、５……スライ
ダ、６……垂直板、７……水平板、８……ラツチ
ヘツド、９……ピン、１０……反転阻止機構、１
１……スライド枠、１２……凹入部、１３……突
起、１４……突片、１５……回動突片、１６……
バネ、１７……固着部材、１８，１８´……プレ
ート、１９……透孔、２０……ネジ軸、２１……
ネジ孔、２２……凹入部、２３，２３´……操作
板、２４……ピン、２５……バネ杆、２６……係
合部、２７，２８……長孔、２９，３０……翼
片、３１……回動体、３２……連動機構、３３…
…突片、３４……突片、３５，３６……突出体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 操作部材の操作により錠箱内のスライダ先端に
   設けてあるラツチヘツドの反転阻止機構の反転阻
   止を解除し、ドアに作用する開放方向の力により
   上記ラツチボルトを反転没入させる錠前におい
   て、ドアの両面錠箱を挟む位置に着脱自在にプレ
   ートを取付け、また両プレートの表面に設けてあ
   る凹入部に片側は押しを、残る片側は引つ張りを
   それぞれ解除すると上記プレートの表面から突出
   しないよう復帰する揺動自在の操作板を設け、さ
   らに錠箱の両側壁前後にそれぞれ二条の並行する
   縦方向の長孔を設け、また錠箱内に前後方向に突
   出する両翼片が前記前後の長孔内に臨む回動体
   と、この回動体の回動によつて反転阻止機構の反
   転阻止を解除する連動機構を設け、さらに両操作
   板の裏面に片方が長孔に貫通して一方の翼片の下
   側に係合するよう臨んだとき残る片方が長孔に貫
   通して他方の翼片の上側に係合するよう臨む突出
   体を設けたことを特徴とする錠前。