JPH0338328B2 - - Google Patents

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JPH0338328B2
JPH0338328B2 JP24628887A JP24628887A JPH0338328B2 JP H0338328 B2 JPH0338328 B2 JP H0338328B2 JP 24628887 A JP24628887 A JP 24628887A JP 24628887 A JP24628887 A JP 24628887A JP H0338328 B2 JPH0338328 B2 JP H0338328B2
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corrosion resistance
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wear resistance
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Masao Morishita
Yoji Kawatani
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Kobe Steel Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は耐摩耗合金の製造に係り、例えば、弗
素樹脂などのプラスチツクやゴム等の可塑物の射
出成形機及び押出機用のシリンダー材料に好適
で、特にハロゲンガスに対する耐食性に優れた耐
摩耗合金とその製造方法に関するものである。 (従来の技術及び解決しようとする問題点) 一般に、弗素樹脂等々のプラスチツク或いはゴ
ム等の可塑物の射出成形や押出し成形では、加熱
された可塑物をシリンダー内に充填してプランジ
ヤーにより加圧し成形されるが、シリンダー部材
としては、かなりの高温条件下で成形作業が行わ
れ、且つ加熱された樹脂等の可塑物中のスルホン
基よりSが発生したり或いはハロゲン等の腐食ガ
スが発生するため、耐摩耗性と共に耐食性の優れ
た材料を用いる必要がある。 従来より、この種のシリンダー部材には自溶性
の耐摩耗Ni基合金が一般的に用いられており、
これを遠心鋳造法によつてシリンダー内にライニ
ングして利用されている。また、利用態様は異な
るが、耐食性の優れたNi−Mo−Cr合金も用いら
れており、この合金からなる素材を塑性加工によ
つてシリンダーに成形されている。 しかし乍ら、前者の自溶性耐摩耗合金の場合、
耐摩耗性は優れているものの、腐食ガスに対する
耐食性が充分でなく、特にハロゲンガスのうちで
も腐食性の強いフツ素ガスに対する耐食性が極め
て悪いという問題がある。一方、後者のNi−Mo
−Cr合金は、耐食性は良好であるものの、耐摩
耗性が不充分である。このようにいずれの合金も
耐食性、耐摩耗性の双方を満足できる材料とは云
えない。 これらの問題を解決するため、本発明者は、先
に高耐食性、高耐摩耗性の合金を提案した。本合
金は、Si:1.0〜3.5%、B:0.5〜6.0%、Cr:14
〜24%、Mo:14〜35%及びCu:0.4〜4.0%を含
み、残部が実質的にNiからなる組成の合金であ
る。 本合金の場合、特に、Moを20%以上含むもの
はビツカース硬さが600を超え700〜900の硬度が
得られるため、フツ素樹脂などにガラス繊維、炭
素繊維などを添加して強化した複合材料の射出及
び押出し成形に用いても、耐摩耗性を有してい
る。 しかし乍ら、かゝる合金系でMoを20%以上含
有しているものをガスアトマイズ法によつて合金
粉末を製造する際、多量のMoにより溶湯の融点
が上がり、通常の溶湯温度では溶湯の粘性が高い
ため、アトマイズ用にノズルの詰まりなどアトマ
イズ操業が容易はでなく、焼結性及び組織の均一
性に優れた微粉末の収率が低下するという問題が
新たに生じた。 本発明は、かゝる状況に鑑みてなされたもので
あつて、苛酷な使用条件にも充分耐え得る高耐食
性、高耐摩耗性の新規な合金を提供することを目
的とし、また該合金の製造方法を提供することを
目的とするものである。 (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明者は、従来の
自溶性タイプの合金は自溶性であるが故にMo等
の耐食性向上元素を添加することができないこと
を考慮し、自溶性タイプではなく、従来の固溶体
合金のNi−Mo−Cr合金のような耐摩耗性劣化の
問題を解決できる新規な組成の合金を開発すべく
鋭意研究を重ねた結果、Ni基でMo、Crのほか
Cuを添加して耐食性の向上を図ると共にSi、B
等の添加により耐摩耗性を確保した新規な組成の
合金を見い出し、かゝる合金は特にその製造プロ
セスを規制すれば優れた耐食性、耐摩耗を有する
高性能のシリンダー部材を製造可能であることを
併せて見い出したものである。 更には、Moを20%以上含有する該合金の場
合、Cr及びB共存の下でMoを高含有すると溶湯
の粘性が増大することに鑑みて、該合金の製造方
法に関し、鋭意研究を重ねた結果、Ni−Mo−Si
−Cuを均一に含有する清浄母合金粉末をガスア
トマイズ法で製造し、これにCr、Bを添加混合
し、反応焼結させることにより、高性能な該合金
を得ることを見出したものである。 すなわち、本発明に係る耐食性に優れた耐摩耗
合金は、Si:1.0〜3.5%、B:0.5〜6.0%、Cr:
14〜24%、Mo:14〜35%及びCu:0.4〜4.0%を
含み、残部が実質的にNiからなることを特徴と
するものである。 また、Moを20%以上含有する該合金の製造方
法に係る本発明は、Si:1.2〜4.9%、Mo:23.4〜
49.3%及びCu:0.5〜5.6%を含み、残部がNiから
なる母合金をガスアトマイズ法により粉末化し、
これにCr及びBを添加混合して反応焼結させる
ことにより、Si:1.0〜3.5%、B:0.5〜6.0%、
Cr:14〜24%、Mo:14〜35%及びCu:0.4〜4.0
%を含み、残部が実質的にNiからなる粉末焼結
合金を得ることを特徴とするものである。 以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
る。 本発明合金の化学成分限定理由は以下のとおり
である。 Si:1.0〜3.5% Siは合金表面に緻密なSiO2の皮膜を形成して
凝着摩耗を抑止する作用があり、また合金溶湯の
流動性を高め、脱酸剤としても有効な元素であ
る。これらの効果を発揮させるためには少なくと
も1.0%以上のSi量を必要とするが、3.5%を超え
ると珪化物を生成し、靭性に悪影響を及ぼすの
で、Si量は1.0〜3.5%の範囲とする。 B:0.5〜6.0% BはNi、Cr、Moの硬質の硼化物を形成して耐
摩耗性、特にアブレシブ磨耗の向上に寄与する元
素である。これらの作用を効果的に発揮させるた
めには、Bを0.5%以上含有させる必要がある。
しかし、6.0%を超えると合金の靭性の低下を招
くので、B量は0.5〜6.0%の範囲とする。 Cr:14〜24% Crは合金を不動態化させ、硝酸などの酸化性
雰囲気に対する耐食性を増大させる作用を有する
が、不動態化させるための臨界値は14%以上であ
るので、少なくとも14%以上のCr量が必要であ
る。また、CrはBと共に硬質の硼化物を形成し
て耐摩耗性向上に寄与する作用がある。しかし、
24%を超えると弗酸などの還元性雰囲気に対する
腐食抵抗の低下を招くようになる。したがつて、
Cr量は14〜24%の範囲とする。 Mo:14〜35% Moは弗酸などの還元性雰囲気に対する腐食抵
抗を増大させる作用があり、耐孔食性を維持する
ために14%以上のMo量が必要である。また、
MoはCrと同様、Bと共に硬質な硼化物を形成し
て耐摩耗性向上に寄与する作用がある。しかし、
35%を超えると合金の靭性低下を招き、大気中で
の耐酸化性の低下をもたらすので好ましくない。
また、鉄鋼材料と接合する場合も、Mo両が35%
を超えると熱膨張係数に差異を生じるため好まし
くない。したがつて、Mo量は14〜35%の範囲と
する。 Cu:0.4〜4.0% Cuはマトリツクスに固溶し、耐食性の向上に
著しく寄与する元素である。硼化物のようなセラ
ミツクス粒子をマトリツクスに分散させた場合、
腐食電位の卑なマトリツクスがアノードとなり、
貴なセラミツクス粒子がカソードとなり、局部電
池が形成されるために、マトリツクスが優先腐食
される。そのため、セラミツクス粒子のような第
2相を分散させた場合、マトリツクスの電位を上
昇させて、耐食性を高めなければならない。この
問題を解決するために、本発明が研究した結果、
Cuが有効にマトリツクスの電位を上昇させ、耐
食性を向上させることを見出した。この効果を有
効に発揮させるためには0.4%以上のCu量が必要
である。しかし、4.0%を超えて添加しても、そ
の効果は飽和し、むしろ、合金が軟化して耐摩耗
性を低下させるので好ましくない。したがつて、
Cu量は0.4〜4.0%の範囲とする。 Ni:残部 Niは耐食性の向上に効果のある元素であり、
特にハロゲンガスに対する腐食抵抗が大きい。ま
た、NiはBと共に硬質の硼化物を形成して耐摩
耗性を向上させる効果があるので、残部はNiと
する。 なお、残部のNiには不可避的不純物が随伴さ
れ得るが、それらは本発明の効果を損わない範囲
で許容可能できることは云うまでもない。 上記化学成分を有する高合金は、通常、鋳造合
金として製造され、高耐食性、高耐摩耗性を要す
る種々の部材に使用できる。 しかし、アトマイズ法で急冷凝固により粉末と
し、これをHIP(熱間静水圧プレス)成形するプ
ロセスによれば、上記特性が充分発揮され、高性
能の製品が得られる。この点、従来の大気中溶射
を前提に開発された自溶性耐摩耗合金の場合に
は、製造上の制約(合金成分、特にMoの酸化
等)からこのような高合金化は不可能であるのに
比べ、製品の製造が容易である。 特に、Mo:20〜35%を含有する上記合金の場
合には、以下の製造法によるのが適切である。 すなわち、該合金の場合、耐食性及び耐摩耗性
を付与する硼化物の平衡組成(at%)は(Ni0.09
Cr0.32Mo0.59)B2であるが、このようにCr、B共
存下でMoを高含有すると溶湯の粘性が増大し、
アトマイズが容易でない。そこで、Cr、Bが共
存しないNi−Mo−Si−Cu母合金はMoを含有し
ていてもアトマイズが容易であることを利用し
て、まず、Si:1.2〜4.9%、Mo:23.4〜49.3%及
びCu:0.5〜5.6%を含み、残部がNiからなる母合
金をガスアトマイズ法より製造し、これにCr及
びB又はCrBなどのクロムボライド(その他、
CrB、Cr2B含む)を適量で添加混合した後、適
当な温度に加熱すれば、焼結の進行と同時に、
Cr及びB又はCrBは一旦溶解した後、該母合金粉
末中にCr及びBが拡散し、上記硼化物平衡相が
微細に生成し、微細な組織を有する焼結粉末合金
を得ることができる。したがつて、このようにし
て得られた該合金はプラスチツク、セラミツクス
などの射出成形機及び押出機用のシリンダー部材
に好適である。 なお、上記母合金の成分限定は、最終の焼結粉
末合金を得るために必要な含有量であり、また反
応焼結温度はCr、Bが充分に母合金に拡散する
に足りる温度とすることは云うまでもない。 なお、Moを高含有する母合金にCrBを添加す
る方法は、Niをベースとする合金の製造に適用
されるのみならず、Feベース並びにCoベースで
M3B2相(ここで、M:Ni、Co、Fe、Cr、Mo、
W)を生成する合金の製造に広く適用できる方法
である。 (実施例) 次に本発明の実施例を示す。 実施例 1 第1表に示す化学成分(wt%)を有する合金
を常法により溶解、鋳造した。なお、従来材のう
ち、No.3に示すNi−Mo−Cr系合金は市販のもの
につき低温時効を施して金属間化合物(P相)を
析出させ、硬化させたものである。 得られた各試料について硬さを測定すると共に
耐食性試験及び耐摩耗試験を行つた。なお、耐食
試験片としては6.5mmφ×10mmのものを用い、
これを50℃に保持した10%フツ酸中に24時間浸漬
し、腐食減量を測定して耐食性を評価した。ま
た、耐摩耗試験は、大越式耐摩耗試験機を用い、
相手材SUJ−2、最終荷重6.3Kg、摩擦速度0.94
m/s、摩擦距離400mの条件で行い、比摩耗量
を測定して耐摩耗性を評価した。 これらの結果を第2表に示す。
【表】
【表】 第2表から明らかなとおり、No.1〜No.3の従来
材及びNo.4〜No.11の比較材は、いずれも耐食性、
耐摩耗性の要件の何れかの性能に問題がある。 すなわち、従来材のNo.1は、耐摩耗合金として
著名なNi基の自溶性合金であるが、耐摩耗性は
良好であるものの、製造上、自溶性、溶湯の粘性
などの拘束を受けるためにMoが添加されておら
ず、そのために耐食性が極めて悪い。また、従来
材のNo.2は、耐食性に優れたNi−Mo−Cr合金
で、固溶体合金であるため、耐摩耗性が全くな
く、No.3は、No.2と同じタイプの合金に低温時効
を施して硬さを付与した合金であり、No.2に比べ
て耐摩耗性が若干改善されてはいるが、未だ不充
分である。 一方、比較材のNo.4は、耐摩耗性は良好である
が、Cuを含まないため、硼化物硬質粒子とマト
リツクスとの局部電池作用により、マトリツクス
が優先腐食するため、耐食性が極めて悪い。No.5
はCuを含むが添加量が少ないなで、耐食性が若
干不足しており、逆にCuを過剰に添加したNo.6
は、耐食性は改善されたが、耐摩耗性が低下して
いる。また、比較材のNo.7は、Bの添加量が不足
しているため、耐摩耗性が充分ではなく、No.8
は、Siの添加量が不足しているため、耐摩耗性が
充分ではない。 これらに対し、本発明のNo.14〜No.20は、優れた
耐食性と耐摩耗性を兼ね備えていることがわか
る。 なお、Niの一部又は全部をCoで置換した比較
例No.9〜No.13のうち、No.12〜No.13は耐弗酸性が良
好であるものの、耐フツ素性な問題があることが
確認されている。 実施例 2 第3表中の合金No.FM1に示す化学成分(wt%)
を有する合金粉末をガスアトマイズ法により、作
製した。この合金粉末をNIP(熱間静水圧プレス)
により固化成形し、実施例1と同様の耐食性試
験、耐摩耗試験を行つた。 その結果を第4表に示すように、優れた耐食性
と耐摩耗性を兼ね備えており、特に、アトマイズ
法により急冷した場合、硬質硼化物相が均一微細
に分散したため、同一組成の鋳造合金(第2表、
No.14)よりも硬さ、耐摩耗性が向上した。 また、第5表に示すように、組織微細な急冷粉
末成形体の引張強さ、圧縮強さは、機械構造鋼以
上に高く、また、塑性変形能も有しているので、
射出成形機、押出機用のスクリユー材としても使
用可能である。
【表】
【表】 実施例 3 第3表中の合金No.FM2に示す化学成分(wt%)
を有する母合金の溶湯をガスアトマイズ法により
微粉末とした。 得られたアトマイズ粉末に、第6表に示す化学
成分(wt%)を有するCrB粉末とMo粉末を第7
表に示す配合率にて配合した。配合後の合金組成
を第7表に併記する。配合後、アトライターを使
用して、湿式又は乾式法で混合した、この混合粉
末を熱間静水圧プレスによつて焼結成形した。 焼結後、各合金について、組織の均一性を
EPMAにて元素分析することにより調べると共
に、ビツカース硬さ計により硬度を測定した。こ
れらの結果を第1図並びに第8表に示す。なお、
第1図は元素分析結果を図示したものである。 また、一部のものについて、耐食性を調べた。
その結果を第9表に示す。なお、耐食試験では、
50℃の10%HF腐食液中に6.5mmφ×10mmサイズ
の試験片を100時間浸漬し、腐食減量を測定した。 第8表などより明らかなとおり、No.2〜No.4に
示した比較材は、硬さ及び組織の均一性に問題が
ある。 比較材No.2は、母合金FM2の粉末のみをHIP
法で成形したものであるが、組成的に本発明合金
の範囲外にあるため、硬さが不充分である。 比較材No.3は、母合金FM1の粉末に、Moを高
含有する母合金FM2の粉末を混合した合金であ
る。母合金FM1には、最初から平衡相である
(Ni0.09Cr0.32Mo0.59)3B2相が形成されているた
めに、この母合金FM1粉末と母合金FM2粉末を
混合焼成しても、焼結中に各元素の拡散が活発化
せず、組織が非常に不均質なものとなつた(第1
図a参照)。また、硬さの上昇もみられなかつた。 比較例No.4は、母合金FM1粉末に純Mo粉末を
添加して、高Mo合金を得ようとしたものであ
る。比較材No.3の場合と同様、焼結前から母合金
FM1粉末中に(Ni0.09Cr0.32Mo0.593B2相が形成
されていることや、Moの拡散速度が小さいこと
などから、NIP中に元素の均一化反応が進行せ
ず、粒界にはMc粉末が残留した(第1図b参
照)。そのため、Mo添加による硼化物相の増加
が起こらないため、母合金FM1粉末のみをNIP
処理した比較材No.1と比べても、硬さの上昇が起
こつていない。 これらに対し、No.5〜No.7に示した本発明材の
場合、すなわち、母合金FM2(30.99Mo−3.75Si
−1.11Cu−残Ni)の粉末にCrB粉末を添加混合
し焼結成形した場合は、母合金FM2粉末のみを
成形した比較材No.2に比べ、硬さが顕著に上昇し
ている。この原因は、第1図cのモデル図に示さ
れるように、HIP時に、CrBは平衡相である
(Ni0.09Cr0.32Mo0.593B2相が生成するために一旦
分解し、Moを高含有する母合金FM2粉末中に拡
散してゆき、結果として、最終合金中には5μm
以下の微細な(Ni0.09Cr0.32Mo0.593B2相が析出
し、均一微細な組織が形成されて、硬さの上昇が
起こるものである。 また、耐食性に関しては、第9表に示すよう
に、フツ酸中で耐食テストした結果、本発明材No.
5〜No.7の合金は、耐食性に優れているNo.1(実
施例2に示したHIP合金)とほぼ同等であり、優
れた耐フツ酸性を有していることが明らかであ
る。 なお、Ni−Mo−Si−Cu母合金粉末に、Cr粉
末とB粉末を添加混合した場合も、本発明材No.5
の場合と同様の機構により反応焼結が生じるの
で、同様の結果が得られる。しかし、純B粉末
は、非常に高価なものであるため、工業的には適
した方法であるとは云えない。
【表】
【表】
【表】
【表】
【表】 実施例 4 実施例2に示した合金、及び実施例3において
第8表中のNo.6とNo.7に示した合金について、第
2図に示すように、SCM440等の母材に粉末を充
填し、脱気、真空密封後、950℃、1000気圧の条
件で熱間静水圧プレス(HIP)した。HIP後、シ
リンダー本体1の内周面に本発明合金をライニン
グしたライニング層2を有する複合射出成形機シ
リンダーの断面を調べたところ、本発明合金は均
一に母材に接合していた。 なお、母材はSCM440以外に低炭素鋼、オース
テナイトステンレス鋼などの選択が可能である。 また、実施例2に示した合金について、
SCM440、S25C、SUS304の各母材との接合強度
を調べたところ、第10表に示すように、いずれの
場合も、接合面は強固であるため、母材側で破断
しており、各母材の引張強度に対応する数値を示
した。
【表】 (発明の効果) 以上詳述したように、本発明合金は、Niをベ
ースとし、これに適量のCr及びMoを添加すると
共にSi、B、Cr及びCuを添加した特定の化学成
分に調整されているので、高耐摩耗性で且つ耐食
性に優れ、特にフツ素等のハロゲンガスに対する
腐食抵抗が大きく、したがつて、苛酷な成形条件
で使用されるプラスチツクやゴムなどの射出成形
や押出用のシリンダー材料に好適である。 また、本発明合金は鋳造合金として広く使用で
きるが、Moを高含有する合金の場合には、ガス
アトマイズ法によつて得られた母合金粉末にCr、
Bを添加混合して反応焼結する方法により、焼結
性及び組織の均一性に優れた微粉末が容易に得ら
れるので、上記各特性を充分に発揮でき、更に高
性能の各種部材を製造することが可能となり、そ
れによれば特にフツ素樹脂などにガラスや炭素繊
維などの強化材を添加した複合材料の射出成形や
押出し成形も可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図a,b,cは焼結性の違いのモデルを示
す説明図、第2図は本発明合金をライニングした
複合射出成形機シリンダーの断面を示す説明図で
ある。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量%で(以下、同じ)、Si:1.0〜3.5%、
    B:0.5〜6.0%、Cr:14〜24%、Mo:14〜35%
    及びCu:0.4〜4.0%を含み、残部が実質的にNiか
    らなることを特徴とする耐食性に優れた耐摩耗合
    金。 2 前記Moの含有量が14〜20%であるアトマイ
    ズ粉末を焼結した合金である特許請求の範囲第1
    項に記載の耐摩耗合金。 3 前記合金をプラスチツク、セラミツクス等の
    成形装置用シリンダーの内周面形成に用いる特許
    請求の範囲第1項又は第2項に記載の耐摩耗合
    金。 4 Si:1.2〜4.9%、Mo:23.4〜49.3%及びCu:
    0.5〜5.6%を含み、残部がNiからなる母合金をガ
    スアトマイズ法により粉末化し、これにCr及び
    Bを添加混合して反応焼結させることにより、
    Si:1.0〜3.5%、B:0.5〜6.0%、Cr:14〜24%、
    Mo:20〜35%及びCu:0.4〜4.0%を含み、残部
    が実質的にNiからなる粉末焼結合金を得ること
    を特徴とする耐食性に優れた耐摩耗合金の製造方
    法。 5 前記合金をプラスチツク、セラミツクス等の
    成形装置用シリンダーの内周面形成に用いる特許
    請求の範囲第4項に記載の方法。
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