JPH0336881B2 - - Google Patents

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JPH0336881B2
JPH0336881B2 JP60284945A JP28494585A JPH0336881B2 JP H0336881 B2 JPH0336881 B2 JP H0336881B2 JP 60284945 A JP60284945 A JP 60284945A JP 28494585 A JP28494585 A JP 28494585A JP H0336881 B2 JPH0336881 B2 JP H0336881B2
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JP
Japan
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alloy powder
alloy
amount
filling
less
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JP60284945A
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JPS62142705A (ja
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Nobuyasu Kawai
Hiroshi Takigawa
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Kobe Steel Ltd
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Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Publication of JPS62142705A publication Critical patent/JPS62142705A/ja
Publication of JPH0336881B2 publication Critical patent/JPH0336881B2/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/46Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould
    • B29C45/58Details
    • B29C45/62Barrels or cylinders

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
  • Powder Metallurgy (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明はエポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、
ABS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、
ふつ素樹脂等のプラスチツク材の射出成形或は押
出成形等に使用される、耐食性及び耐摩耗性の優
れたシリンダの製造方法に関するものである。 [従来の技術] 上記の様なプラスチツク材の射出又は押出成形
はかなりの高温条件下で行なわれる為、一部原料
の熱分解は回避しきれず多少の腐食性ガスが生成
することは当然視されている向きもある。特に難
燃化を期してハロゲン含有化合物を配合した場合
には大量のハロゲン含有ガスが発生する。その後
シリンダ内部は常時腐食環境に曝らされることと
なり、シリンダには高レベルの耐食性が要求され
る。しかし成形時に負荷される圧力は相当高く、
且つ強度向上の為に配合されることの多い無機質
充填材は非常に高強度である為、シリンダには高
レベルの耐摩耗性も要求される。 この様な要求特性を一応備えたものとして従来
はSACMやSCM等の窒化シリンダが汎用されて
おり、この素材は低廉で製造が容易であるといつ
た特徴も有している。しかしながら窒化による硬
化層が0.1mm程度と極めて薄い為、必ずしも十分
な耐食性及び耐摩耗性を発揮しているとは言えな
い。そこで上記の様な過酷な使用条件に耐えるシ
リンダとして遠心鋳造によるバイメタリツクシリ
ンダが開発され、これは従来のシリンダに比べて
格段に優れた性能を有しているところから、需要
が急激に増大してきている。ところがこのバイメ
タリツクシリンダにも問題点がない訳ではなく、
下記の様な種々の問題点が残されている。 遠心鋳造法では製法上の制約からライニング
合金の融点に限界があり、1000〜1100℃程度ま
たはそれ以下の融点を有する成分系に限定され
る。 遠心鋳造法では耐摩耗性改善の為WC等の高
硬度物質を強化材として添加するが、これらの
強化材はマトリツクス成分に比べて比重が大き
い為ライニング層の内部へ偏折し易く、摺動面
となる内周表面側の存在量は極めて僅かであ
る。 遠心鋳造工程で溶融した合金は当然のことな
がらバツクメタル(シリンダ本体を構成する鋼
材)と接触するが、合金層にはバツクメタルか
ら相当量の鉄分が混入してくる為期待されるほ
どの耐食性は得られない。 小径のシリンダでは十分な遠心力が得られな
い為、シリンダ本体に対するライニング材の接
合性を十分に高めることができない。 遠心鋳造工程では母材も1200℃程度の高温に
加熱される為、母材の機械的性質が損なわれる
ことがある。 遠心鋳造により形成されるライニング合金層
は鋳造組織である為成分偏折が著しく且つ金属
間化合物はかなり粗大化している。その為ライ
ニング層の強度及び靭性は良好とは言えず、耐
食性や耐摩耗性も不均一である。 [発明が解決しようとする課題] 本発明は上記の様な事情に着目してなされたも
のであり、その目的は前述の如き過酷な成形条件
にも十分適合し得る耐食性及び耐摩耗性並びに靭
性を備えたシリンダの新規な製造方法を提供しよ
うとするものである。 [課題を解決する為の手段] 本発明に係るプラスチツク成形装置用シリンダ
の製造方法は、下記成分組成の合金を10-1torr以
下の真空度で溶解・精錬した後、10〜70Kg/cm2
Arガス噴霧圧力下にガスアトマイズ処理して得
られる100メツシユ以下の合金粉末を使用し、下
記の工程を順次実施するところに要旨を有するも
のである。 合金組成 C:0.1〜2.0%(重量%、以下同じ) Si:0.5〜3.0% B:0.5〜3.0% Cr:10〜40% W:10〜30% Cu:0.5〜3.0% 残部:Ni及び/若しくはCo [] 鋼製シリンダ本体の内部に略同芯状の環状
隙間をあけて内面規制筒状部材を配設する工
程、 [] 上記環状間隙の下端および上端に、下蓋及
び合金粉末充填用パイプを設けた上蓋を取付け
て環状間隙を密閉し、Heリーク量で1×
10-11std・cc/s以下の密封空間を形成する工
程、 [] 該密封空間に上記合金粉末を充填して合金
粉末充填部を形成する工程、 [] 該合金粉末充填部を加熱下に真空脱気して
合金粉末中の残存酸素量を100ppm以下とする
工程、 [] 該合金粉末充填部に熱間静水圧を加えて、
Ar量が0.3ppm以下で引張り強さが130Kg/mm2
以上の強化層を形成する工程、 []内面規制筒状部材を除去する工程。 [作用] 以下、本発明における構成要件設定の理由を詳
細に説明する。 まずシリンダ内周面の合金組成を定めた理由は
下記の通りである。 C:0.1〜2.0% CはCr及びWと炭化物を形成し耐摩耗性を高
めるうえで欠くことのできない元素であり、0.1
%未満では上記の効果が有効に発揮されない。但
しCが多過ぎると耐食性及び靭性が乏しくなるの
で2.0%以下に抑えなければならない。Cのより
好ましい含有率は0.5〜1.5%である。 Si:0.5〜3.0% 本発明に係るシリンダの作製は、後述する如く
所定化学成分の合金溶湯からアトマイズ法によつ
て合金粉を得た後、熱間静水圧加圧法(HIP)等
により所定の寸法・形状に成形することによつて
行なわれるが、Siはアトマイズ処理時における合
金溶湯の流動性を高め粉末粒径を均一化する為の
必須元素であり、0.5%未満ではこうした効果が
有効に発揮されない。しかし多過ぎると靭性に顕
著な悪影響を及ぼすので3.0%以下に抑えなけれ
ばならない。Siのより好ましい範囲は1.0〜2.0%
である。 B:0.5〜3.0% BはCrやWと硼化物を形成し耐食性及び耐摩
耗性の向上に寄与すると共にNi又はCoマトリツ
クスの硬さを高める作用があり、これらの作用を
有効に発揮させる為には0.5%以上含有させなけ
ればならない。しかし3.0%を超えると合金の靭
性が低下するばかりでなく、合金の融点が過度に
低下しアトマイズ作業及びHIP作業が困難にな
る。Bのより好ましい含有率は1.0〜2.0である。 Cr:10〜40% CrはB及びCと硼化物及び炭化物を形成する
と共にNi又はCoマトリツクス中に固溶し、耐食
性及び耐摩耗性を高めるうえで不可欠の元素であ
り、10%未満ではこれらの効果が有効に発揮され
ず、特に耐硝酸腐食性が劣悪になる。しかし多過
ぎると合金の靭性が低くなるので40%以下に抑え
なければならない。 W:10〜30% WはB及びCと硼化物及び炭化物を形成し耐食
性及び耐摩耗性を高める作用があり、10%未満で
はそれらの効果が十分に発揮されない。しかし30
%を超えると合金が過度に硬質化し靭性が劣悪に
なる。 Cu:0.5〜3.0% CuはNi又はCoマトリツクス中に固溶し、特に
耐塩酸腐食性の向上に寄与する。0.5%未満では
その効果が有効に発揮されず、一方3.0%を超え
ると合金の靭性が劣悪になる。 残部成分:Ni及び/若しくはCo マトリツクス成分として最低限の耐食性及び耐
摩耗性を確保する為、残部成分はNi及び/若し
くはCoとする。尚NiやCo或は上記必須合金成分
の配合に伴ない不可避不純物としてP、S、Fe、
Mn、Al等が微量混入してくることがあるが、こ
れらは何れも不純物量(1.0%程度以下)である
限り格別の悪影響を及ぼすことはない。 本発明では上記成分組成からなる合金粉末を
HIP法による内面強化層形成用素材として使用す
る訳であるが、該合金粉末の製造に当たつては清
浄度の高い原料を使用する必要があり、その為に
はメルテイングストツクの精錬条件を適切に制御
しなければならない。即ちメルテイングストツク
の精錬工程では溶湯中の溶存酸素、溶存水素、溶
存窒素等を十分に除去する必要があり、その為に
は少なくとも10-1torrの真空度で溶解・精錬を行
なわなければならず、真空度が不足する場合は脱
ガス不足となつて溶湯及びアトマイズ粉末の清浄
度が低下し、満足の行く性能の内面強化層は得ら
れなくなる。 尚精錬の温度、時間、鋳込み温度は、溶湯の均
質性及び炉耐火物と溶湯の反応性(溶湯の清浄度
低下)等を考慮して適当に決めればよく、好まし
い精錬温度及び時間は1400〜1550℃で15〜30分程
度である。また鋳込み温度は造塊歩留りや注湯ノ
ズルの閉塞防止、鋳型の溶損による清浄度低下等
を考慮して1350〜1450℃の範囲に設定するのがよ
い。 本発明で使用する合金粉末は、上記の様にして
溶製されたメルテイングストツクを用いガスアト
マイズ法により製造されるが、アトマイズ雰囲気
ガスとしては合金粉末の表面が酸化されるのを防
止するという観点から、Arを用いることが必要
である。そして本発明の目的にかなう高性能の内
面強化層を確保する為にはArガスの噴霧圧力
(10〜70Kg/cm2)下でアトマイズしなければなら
ない。しかしてガス圧が10Kg/cm2未満の低圧では
十分な微粉化効果が得られず粗大粒子が多量生成
して歩留りが低下する他形状特性も不良となり、
一方70Kg/cm2を超えてもそれ以上の微粉化効果は
期待できず不経済である。尚アトマイズ時の出湯
温度、タンデイツシユノズル径、アトマイズガス
ノズルの口径や形状等はその都度適正に設定すれ
ばよい。 こうして得た合金粉末は次いで100メツシユ以
下に粒度が調整される。即ち本発明では、以下に
詳述する如くシリンダ本体と内面規制筒状部材に
よつて囲まれる狭い空間に合金粉末を充填し脱
気、HIPによる圧密化を行なつて内面強化層を形
成するものであり、100メツシユを超える粗粒物
が混入していると前記空間への充填率を十分に高
めることができず、HIP処理時に圧密不足となつ
て内面強化層の耐摩耗性、耐食性及び靭性が不足
気味となる。殊にArガストマイズ法を適用した
場合に生成する100メツシユ超の粗粒物の表面に
はミクロな凹凸が多数形成されていること、更に
前述の如く相当な高圧条件下でガスアトマイズが
行なわれる為Ar原子が上記凹凸に強く衝突する
ことなどが原因となり該粗粒物の表面にはArの
付着が多く、このArを付着させたままでHIP処
理を行なつても、Arの存在によつて粉粒体同士
の圧密化が阻害される。従つてHIP処理後も内面
強化層内に空隙が残存することとなり、満足のい
く性能の内面強化層が得られなくなる。従つて上
記付着Arを少なくともHIP処理工程に先んじて
十分に除去する様な手段を講じておく必要があ
る。 次に上記の合金粉末を用いて内面強化層を形成
する方法を工程順に説明する。 [] まず第1図に示す如く鋼製シリンダ本体を
構成するバツクメタル1の内周面側に、略同心
状の隙間Sをあけて内面規制筒状部材(インナ
ーパイプ)2を配設する。 [] 次いで脱気を兼ねた合金粉末充填用パイプ
3を設けた上蓋4及び下蓋5によつて、上記隙
間Sの上・下端を密封する。 尚バツクメタル1としてはSCM440、
SNCM439、SUS304、SUS316等の高強度鋼材を
使用するのがよく、インナーパイプ2、上蓋4、
下蓋5等は安価な軟鋼で十分である。尚これらの
各部材は、隙間Sに面する側を十分に脱脂、清浄
化した後TIG溶接等により組付ければよい。 そして本発明では、次いで行なわれる合金粉末
充填工程に先立つて、密閉状態がどの程度まで達
成されるかを確認する為のHeリークテストが行
なわれる。そして密封状態が不十分である場合は
補修溶接を行ない、Heリーク量で1×
10-11std・cc/s以下の密封空間を形成する様な
調整を行なう。上記の様密閉状態が達成される様
になるということは、その内部に合金粉末を充填
した後の減圧操作によつて十分な減圧を達成する
ことができ、それによつて合金粉末表面付着の
Arを強制的に脱離除去できる様になるというこ
とを意味する。即ち製品中へのAr混入量を減少
させる為にはHeリークテストにおける成果が極
めて重大な意味を有するのである。 ちなみに第3図は、Arの製品中への混入量と
Heリーク量の関係を示したグラフであり、また
下記第1表は製品合金層中のAr含有量と引張り
強さの関係を示したものである。
【表】 しかるに通常のプラスチツク成形装置用シリン
ダに要求される内面層の引張り強さは130Kg/mm2
程度以上であり、こうした引張り強さを満足する
為には内面合金層中のAr量を0.3ppm以下(第1
表)に抑えなければならず、こうしたAr量を確
保する為には、HIP処理に先立つて行なわれる
Heリーク量を1×10-11std.cc/s以下に抑え得
る程度の密閉度が達成されておらなければならな
いことが分かる。 従つてリーク量が多い場合はリーク量が1×
10-11std.cc/分以下となる様に補修溶接を行なう
必要がある。 [] リークテストを終えた後は、粒度調整を終
えた前述の合金粉末を充填用パイプ3から隙間
S内へ万遍なく充填する。充填に当たつては組
立体に適度の振動を加えることにより充填の均
一度を向上することができる。 [] 充填完了後は100〜300℃程度に加熱しなが
ら10-1〜10-5torr程度に真空引きし、合金粉末
中の残存酸素量が100ppm以下となるまで真空
脱気してから、脱気用パイプ(充填用パイプ
3)を密封する。 下記第2表は合金粉末の真空脱気条件と残存酸
素量の関係を調べた結果を示したものであり、ま
た第4図はHIP加工を行なつて得た内面強化層の
腐食減量に及ぼす残存酸素量の影響を調べた結果
を示したグラフである。
【表】 第4図からも明らかな様に内面強化層の耐食性
を十分に高める為には残存酸素量を100ppm以下
に抑えるべきであり、その為には真空脱気の条件
として加熱温度を100〜300℃程度とし且つ真空度
を10-1〜10-5torr程度に限定する必要がある。 [] 次いで第2図に示す如く、金属粉末Mの充
填と脱気・密封を終えた組立体をHIP装置6内
へ装入してHIP処理を行ない、Ar量が0.3ppm
以下で引張り強さが130Kg/mm2以上の内面強化
層を形成する。HIP処理条件としては、 圧力:900〜1100気圧 温度:930〜1050℃ 時間:1〜4hr 程度が適当である。 温度が930℃未満では合金粉末の圧密化が不
十分となるばかりでなく拡散接合状態も悪くな
り、内面強化層の靭性及び耐剥離性が不良とな
る。一方1050℃を超える高温になると、バツク
メタル1の結晶粒度が粗大化して機械的性質が
悪化する。また圧力が900気圧未満では圧密不
足により内面強化層の靭性が乏しくなり、一方
1100気圧を超えても圧密効果はそれ以上向上せ
ず設備費がかさむだけであるので好ましくな
い。また保持時間が1時間未満では圧密不足及
び拡散接合不足により内面強化層の靭性が乏し
くなる他剥離を生じ易くなり、一方保持時間が
長過ぎるとバツクメタル1の結晶粒が粗大化し
機械的性質に悪影響が現われてくる。 ちなみに第5図はHIP材の密度に及ぼす圧力
及び温度の影響を調べた結果(保持時間は何れ
も3時間)を示したものであり、温度を930〜
1050℃、圧力を900〜1100気圧の範囲に設定す
ることによつてほぼ100%の密度比を確保し得
ることが分かる。 [] この様にしてHIP処理を行なつた後は上端
及び下端を切断除去し、更に内周面をBTA処
理及びホーニング等の仕上げ加工に付して内面
規制筒状部材を除去することにより、内面に強
固な合金層の形成されたプラスチツク成形装置
用シリンダを得ることができる。 [実施例] 実施例 1 C:1.0%、Si:2.2%、B:2.08%、Ni:13.75
%、Cr:25.1%、W:16.7%、Cu:1.22%、残
部:実質的にCoからなる合金100Kgを真空誘導溶
解炉で溶製し、1400℃で鋳型に鋳込んでメルテイ
ングストツクとした。このメルテイングストツク
を再び真空誘導溶解炉で溶解し10-3torrの真空度
にて精錬処理した後、Arガスアトマイズ装置を
用いArガス圧:40Kg/cm2でアトマイズ処理し、
100メツシユ(147μm)以下に分級して合金粉末
を得た。 一方第6図に示す如く、SCM440よりなるバツ
クメタル1の内周面側に約5mmの隙間をあけて軟
鋼製の内面規制筒状部材(厚さ:2mm)2を配設
し、下面に下蓋5、上面側に充填用管3付きの上
蓋4を配置してTIG溶接で組付け、該組付体に振
動を加えながら充填用管3から隙間S内へ上記合
金粉末を充填した。次いで300℃に加熱しながら
充填部を10-5torrで1時間真空脱気した後真空密
封した。この組立体をHIP処理装置内へ装入し、
930℃、1000Kg/cm2で3時間のHIP処理を行なつ
たところ、合金粉末充填層は100%の密度で固ま
つて完全に拡散接合し、バツクメタル内面に薄肉
の耐食性合金層が形成された。HIP終了後内面側
にBTA及びホーニング仕上げ加工を施して内面
規制筒状部材2を除去することにより、耐食・耐
摩耗性の優れたプラスチツク成形装置用シリンダ
を得た。 得られたシリンダの内周面側から物性試験用の
試料片を切り出して物性試験を行なつた。 その結果、製品合金層中のAr含有量は
0.2ppm、合金層の引張り強さは130.8Kg/mm2であ
り、通常のプラスチツク成形装置用シリンダに要
求されるに十分な値を示した。また該合金層の酸
素分析を行なつたところ、残存酸素量は65ppmと
低い値を示し、良好な耐食性を期待できるもので
あつた。尚比較のため、従来の代表的なシリンダ
素材である表面窒化鋼(比較例1)、Ni系合金を
内張り材とする遠心鋳造材(比較例2)及びCo
系合金を内張り材とする遠心鋳造材(比較例3)
の性能試験(耐摩耗性及び耐食性)を行ない、本
発明との対比を行なつた。供試材の化学成分は第
3表に示す。 <摩耗試験> 相手材:SUJ−2(HRC 45) 摩擦距離:400m 最終荷重:6.3Kg 室温、乾燥状態 <腐食試験> 50%塩酸、50%硫酸、10%硝酸の各水溶液を用
い、経時的腐食減量により求める。
【表】 第7図は耐摩耗性試験の結果を示したものであ
り、本発明により得た内面強化層は、従来の表面
窒化鋼材はもとよりNi系或はCo系遠心鋳造内張
材に比べても優れた耐摩耗性を有していることが
分かる。 また第8図は耐食性試験結果を示したものであ
り、本発明で得た内面強化層は何れの酸に対して
も卓越した耐食性を発揮する。 実施例 2 第4表に示す化学成分の合金を真空誘導溶解炉
で溶製した後、Arガスアトマイズ法によつて粉
末(100メツシユ全通)とした。溶解・精錬時の
真空度およびアトマイズ時のArガス噴霧圧力を
第4表に併記した。この合金粉末を用いて下記の
条件でHIPによる圧密化を行なつた。尚、バツク
メタル、内面規制部材、上蓋、下蓋等の組付けお
よびHeリークテスト等は実施例1と同様にして
行なつた。このときのリークテスト結果、並びに
得られた内面強化層の残存酸素量、Ar量および
引張り強さも第4表に併記した。得られたシリン
ダの内周面側から物性試験用の試験片を採取し、
次の性能試験に供した。 <HIP条件> 温 度:980℃ 圧 力:1000気圧 保持時間:3時間
【表】 <耐摩耗性試験> 上記で得た各合金を用い下記の条件で大越式摩
耗試験及び硬度測定を行なつた。結果を第5表に
示す。 試験条件 固定試験片:合金No.1〜16 回転試験片:SUJ−2(HRC 45) 摩擦速度:0.63m/sec 摩擦距離:400m 最終荷重:6.3Kg 測定雰囲気:室温、乾燥状態
【表】 <耐食性試験> 16mmφ×20mmの試験片を50%塩酸、30%硫酸、
10%硝酸の各50℃溶液に24時間浸漬し、腐食によ
る減量を測定した。 結果を第6表に示す。
【表】
【表】 <抗折特性試験> 8mmφ×100mmの試験片を使用して支点間距離
80mmにて3点曲げ試験を行ない、破断荷重と最大
たわみ量を測定した。 結果を第7表に示す。
【表】 第4〜7表より次の様に考えることができる。 合金No.12〜14は本発明の規定要件を充足する実
施例であり、耐摩耗性、塩酸、硫酸、硝酸に対す
る耐食性、抗折特性の何れにおいても良好な結果
が得られている。これに対し合金No.1〜11は規定
要件の何れかを欠く比較例であり、何れかの性能
に問題がある。 No.1:C量が不足する為耐摩耗性が極めて悪い。 No.2:C量が多過ぎる為耐食性が悪く且つ靭性
(最大たわみ量)も低い。 No.3:Si量が多過ぎる為抗折特性が低い。 No.4:B量が不足する為耐食性、耐摩耗性共に低
い。 No.5:B量が多過ぎる為靭性が劣悪である。 No.6:Cr量が不足する為耐食性、耐摩耗性共に
劣悪である。 No.7:Cr量が多過ぎる為靭性が低い。 No.8:W量が不足する為耐食性、耐摩耗性共に悪
い。 No.9:W量が多過ぎる為靭性が極めて悪い。 No.10:Cu量が不足する為、特に耐塩酸腐食性が
非常に悪い。 No.11:Cu量が多過ぎる為靭性が低い。 [発明の効果] 本発明は以上の様に構成されており、合金粉末
の成分組成を特定すると共にHIP法による内面強
化層形成条件を厳密に設定することによつて、耐
食性及び耐摩耗性の卓越したプラスチイク成形装
置用シリンダを提供し得ることになつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、バツクメタル(シリンダ本体)と内
面規制部材等の組付け例を示す一部破断斜視図、
第2図はHIP処理状況を示す概略断面図、第3図
はHeリーク量とHIP製品中のAr量の関係を示す
グラフ、第4図は腐食減量に及ぼす浸漬時間と
HIP製品中の残存酸素量の影響を示すグラフ、第
5図はHIP製品の密度比及びHIP圧力及び温度の
影響を示すグラフ、第6図は実施例で採用した組
付構造体を示す断面説明図、第7,8図は実験で
得たシリンダ内面層及び比較材の摩耗試験結果並
びに耐食性試験結果を示すグラフである。 1……バツクメタル(シリンダ本体)、2……
内面規制筒状部材(インナーパイプ)、3……脱
気兼用合金粉末充填用パイプ、4……上蓋、5…
…下蓋。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記成分組成の合金を10-1torr以下の真空度
    で溶解・精錬した後、10〜70Kg/cm2のArガス噴
    霧圧力下にガスアトマイズ処理して得られる100
    メツシユ以下の合金粉末を使用し、下記の工程を
    順次実施することを特徴とするプラスチツク成形
    装置用シリンダの製造方法。 合金組成 C:0.1〜2.0%(重量%、以下同じ) Si:0.5〜3.0% B:0.5〜3.0% Cr:10〜40% W:10〜30% Cu:0.5〜3.0% 残部:Ni及び/若しくはCo [] 鋼製シリンダ本体の内部に略同芯状の環状
    隙間をあけて内面規制筒状部材を配設する工
    程、 [] 上記環状間隙の下端および上端に、下蓋及
    び合金粉末充填用パイプを設けた上蓋を取付け
    て環状間隙を密閉し、Heリーク量で1×
    10-11std・cc/s以下の密封空間を形成する工
    程、 [] 該密封空間に上記合金粉末を充填して合金
    粉末充填部を形成する工程、 [] 該合金粉末充填部を加熱下に真空脱気して
    合金粉末中の残存酸素量を100ppm以下とする
    工程、 [] 該合金粉末充填部に熱間静水圧を加えて、
    Ar量が0.3ppm以下で引張り強さが130Kg/mm2
    以上の強化層を形成する工程、 []内面規制筒状部材を除去する工程。
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