JPH0337806B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、複式加工による閉塞鍛造を実施する
ための閉塞鍛造装置に関するものである。

（従来の技術） 従来、複式加圧による閉塞鍛造では、機械式又
は油圧式複動プレスが使用されるか、或は一般の
単動プレスが使用されている。単動プレス使用の
場合、一プレス動作により閉塞鍛造の複動動作を
得るために、金型等に機械式又は油圧式複動機構
が組み込まれている。機械式複動機構としては、
ウエツジ式、リンク式又はバネ式が知られてい
る。油圧式複動機構としては、スライドの下降動
作により油圧を発生する油圧発生装置と接続され
た油圧シリンダを下ダイホルダ内に設け、そのシ
リンダ圧で下パンチを閉塞型内に突入させるよう
にした油圧式複動機構が知られている（特開昭60
−30545号公報参照）。

（発明が解決しようとする問題点） しかし、複動プレスでは設備費が高くつく。単
動プレスと機械式複動機構の併用では、能力の向
上に限度があると共に、機構が複雑で高価とな
る。単動プレスと油圧式複動機構の併用では、下
パンチの突上げ力は油圧シリンダのピストン径と
作動油圧で決定されるが、下ダイホルダ内では大
きなピストン径を得ることができないため、プレ
ス能力に比してパンチ能力が非常に低いという不
都合があつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明の閉塞鍛造装置は、スライドに装着され
た上ダイホルダ本体に上部シリンダを形成し、該
上部シリンダにより上金型を上下動可能に支持
し、前記上金型内に嵌入可能な上パンチを前記上
ダイホルダ本体に一体となるように設けると共
に、ベツド上に装着された下ダイホルダ本体に、
上部シリンダと同じ受圧面積をもつ下部シリンダ
を形成し、該下部シリンダにより下金型を上下動
可能に支持し、前記下金型内に嵌入可能な下パン
チを前記下ダイホルダ本体に一体となるように設
け、前記上下シリンダを、ピストンが連結ロツド
で連結され、かつ、同一受圧面をもつ油室にそれ
ぞれ対応させて接続したことを特徴としており、
かかる構成により一般の単動プレスを使用してそ
のプレス能力を閉塞鍛造に有効に利用できると共
に、機構が簡単、安価で確実に作動するようにし
たものである。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を鍛造作業時の状態を
示す図面に沿い説明する。

機械式又は液圧式単動プレスのスライド１には
上ダイホルダ本体２が装着されており、該上ダイ
ホルダ本体２の下面には、円筒状のリテーナ３を
上下動可能に嵌入させるために形成された環状の
凹部から成る上部シリンダ４（実施例では油圧シ
リンダ）が設けられると共に、前記リテーナ３を
上下方向に貫通した上ダイホルダ本体２の下端に
は上パンチ５が装着されている。リテーナ３の下
端には上金型６が装着されており、該上金型６に
は、閉塞加圧による金型上動時に上パンチ５の先
端部が突入可能に嵌合している。

一方、ベツド７上には下ダイホルダ本体８が装
着されており、該下ダイホルダ本体８の上面に
は、円筒状のリテーナ９を上下動可能に嵌入させ
るために形成された環状の凹部から成り、上部シ
リンダ４と同じ受圧面積をもつ下部シリンダ１０
（実施例では油圧シリンダ）が設けられると共に、
前記リテーナ９を上下方向に貫通した下ダイホル
ダ本体８の上端には下パンチ１１が装着されてい
る。リテーナ９の上端には下金型１２が装着され
ており、該下金型１２には、閉塞加圧による金型
下動時に下パンチ１１の先端部が突入可能に嵌合
している。

上下シリンダ４，１０には、配管路１３，１
３′よりチエツク弁１４，１４′を介して油補充用
の油圧ポンプ１５と圧力調整用リリーフ弁１６が
接続されており、油圧ポンプ１５の作動による圧
油の供給によつて、上下シリンダ４，１０は、リ
テーナ３，９を加圧方向に移動端位置まで押し出
し保持している。

上下金型６，１２はこの上下シリンダ４，１０
と前記リテーナ３，９との嵌合位置に支持されて
いる。

また、上下シリンダ４，１０は、配管路１３，
１３′を介して配管路１７，１７′で後述のシリン
ダ式同期回路に接続され、該シリンダ式同期回路
によつて同期作動可能となつている。即ち、連結
ロツド１８に２組の径が異なるピストン１９，２
０と１９′，２０′を間隔をおいて設けたものがシ
リンダ２１内に摺動可能に嵌入されて、２組の油
室２２，２２′と気室２３，２３′とが設けられて
いる。一方の気室２３，２３′にはアキユムレー
タタンク２４，２４′が配管路２５，２５′で接続
され、圧力を調整された気体（実施例では窒素ガ
ス）が供給されている。他方の油室２２，２２′
には前記配管路１３，１３′，１７，１７′を介し
て上下シリンダ４，１０が接続されている。

以上の構成において、まず、上下シリンダ４，
１０のリテーナ３，９が移動端位置まで押し出さ
れた状態でスライド１が下降すると、第２図、第
３図に示すように上金型６と上パンチ５とが同速
度で下降し、上下金型６，１２が接触して閉塞型
が構成される。

更に、スライド１が下降すると、第４図に示す
ように上下シリンダ４，１０に対してリテーナ
３，９が同速度で後退動作が行なわれ、該上下シ
リンダ４，１０の油室内圧力が上昇すると共に、
上下シリンダ４，１０から同期回路の油室２２，
２２′内に圧油が送り込まれるため、ピストン１
９，１９′は同時に移動する。

従つて、リテーナ３，９がシリンダ４，１０に
対して後退すれば、それに対応して上下金型６，
１２内に上下パンチ５，１１が突入する。

ところで、ピストン１９，１９′と一体になつ
たピストン２０，２０′には、調整された気体圧
力が作用して、ピストン１９，１９′の移動に抵
抗する力が印加されているから、ピストン１９，
１９′を介して上下リテーナ３，９は、この力と
バランスした力で上下金型６，１２を押しつける
と共に、同量だけ移動する。このため、上下ダイ
ホルダ本体２，８を介してスライド１、ベツド７
に装着した上下パンチ５，１１は前述した如く上
下金型６，１２内に同量突入することになる。

このような閉塞鍛造によつて閉塞型内の素材Ｍ
は加圧成形される。

しかる後、プレスが下死点を通過してスライド
１が上昇すると、同期回路の気室２３，２３′及
びこれに接続されたアキユムレータタンク２４，
２４′内の気体圧力により上下シリンダ４，１０
のリテーナ３，９は前進動作が行なわれ、第５図
に示すように上下金型６，１２は元の位置に復帰
する。

（発明の効果） 以上の通り本発明によれば、上下金型を上下シ
リンダを介してスライド、ベツドに上下動可能に
支持しながら、該上下金型と、スライド、ベツド
に装着した上下パンチとの相対的位置関係を上下
シリンダの同期回路により一致させたため、単動
プレスを使用した複式加圧による閉塞鍛造が行な
える。しかも、上下パンチはスライド、ベツドに
直接的に固定されており、加圧成形にプレス能力
を有効に利用できるから、上記閉塞鍛造を確実に
行なえる。それでいて、機構、作動とも簡単かつ
確実であるから、設備費とメンテナンス費用は安
くて済む。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す概要図、第２
図、第３図、第４図、第５図は作用説明用の概要
図である。 １……スライド、２……上ダイホルダ本体、４
……上部シリンダ、５……上パンチ、６……上金
型、７……ベツド、８……下ダイホルダ本体、１
０……下部シリンダ、１１……下パンチ、１２…
…下金型、１３，１３′，１７，１７′……配管
路、１４，１４′……チエツク弁、１８……連結
ロツド、１９，１９′，２０，２０′……ピスト
ン、２１……シリンダ、２２，２２′……油室、
２３，２３′……気室、２４，２４′……アキユム
レータタンク。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ スライドに装着された上ダイホルダ本体に上
   部シリンダを形成し、該上部シリンダにより上金
   型を上下動可能に支持し、前記上金型内に嵌入可
   能な上パンチを前記上ダイホルダ本体に一体とな
   るように設けると共に、ベツド上に装着された下
   ダイホルダ本体に、上部シリンダと同じ受圧面積
   をもつ下部シリンダを形成し、該下部シリンダに
   より下金型を上下動可能に支持し、前記下金型内
   に嵌入可能な下パンチを前記下ダイホルダ本体に
   一体となるように設け、前記上下シリンダを、ピ
   ストンが連結ロツドで連結され、かつ、同一受圧
   面をもつ油室にそれぞれ対応させて接続したこと
   を特徴とする閉塞鍛造装置。