JPH0337801Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、一つのプレスで絞り成形された成形
品を別のプレスに対して反転した状態でフイード
する装置であるターンオーバ、特にはその金型品
把持部であるターンオーバ用ジヨウの自動退避装
置に関する。

［従来の技術］ 一つのプレスで絞り成形された成型品を別のプ
レスに対して反転した状態で送るターンオーバは
既に公知であり、その１例をあげると実公昭56−
20102号公報のものがある。これは第４図に概略
示されるように、プレスＡとプレスＢとの中間に
ターンオーバＣが配されており、このターンオー
バＣは、プレスＡの金型に対して出退自在の把持
部であるジヨウを含むジヨウアセンブリ２１、こ
のジヨウアセンブリ２１を上部先端に載置固定
し、機枠２２上をプレスＡからプレスＢへの搬送
方向に往復動が可能なキヤリヤ２３、及び機枠２
３の前方両側に用意され、ジヨウ２０が引き出し
た成型品２４を受け取り後方に回転する反転車２
５とからなり、成型品２４の搬送の観点だけでみ
れば、ジヨウ２０の引き出した成型品２４はキヤ
リヤ２３の後退によつてその際前方へ移動してい
るキヤリヤ２３の後方部上に載置され、キヤリヤ
２３上に再置された成型品２４はキヤリヤ２３の
後方移動時にプレスＢの金型上に配置されるよう
になつている。このような機能を有するターンオ
ーバとしては、更にジヨウ自体の伸縮動を排し、
キヤリヤの往復動のみを利用する型式も知られて
いる。いずれの型式のターンオーバにしろ、その
可動要素は全てプレスの行程に対し、カム機構等
によつて連動するよう構成されている。

［考案が解決しようとする問題点］ 上記のようなターンオーバは、各可動部の動き
が、プレスの行程と連動するよう設計されている
から、プレス行程時は、ターンオーバ用ジヨウが
金型と干渉しないが、金型の交換時にムービング
ボルスタを左右方向、即ちターンオーバの長手方
向に直交する方向を移動するものにおいては、逆
にプレスの行程と関連した位置にターンオーバ用
ジヨウが待機している関係から、金型、より詳し
くは上下の金型間のガイドポスト等にジヨウの一
部が干渉するため、従来では金型交換毎にジヨウ
を取外す必要があり、その作業が面倒であつた。
この問題を解決するため、例えば前述の第４図の
従来例のものにおいてジヨウ又はキヤリヤを更に
後退させるようその駆動機構の動作限界を拡大し
ようとしても、これらの運動はプレス行程と連動
するよう構成されているため、構造的に不可能で
あるか、あるいは無理に連動機構に直接関与し、
それらの移動を図るのはプレスとの同期運動に危
険をもたらす恐れがある。本考案はこれらの点を
解決しようとするものである。

［問題点を解決するための手段及び作用］ 左右方向に移動するムービングボルスタ上に載
置された金型に対して直交する方向に配置され、
金型から成型品を取り出すジヨウ、成型品を反転
する反転車、キヤリヤ等を含み、これらの要素の
動きがプレスの行程と連動するように構成された
ターンオーバにおいて、ジヨウ直接的な駆動装置
を含むジヨウアセンブリをキヤリヤの長手方向に
摺動自在に支持させる一方、プレスの行程とは連
動しない駆動機構を配し、このジヨウアセンブリ
をプレスの金型に対し進退動可能に構成すること
により、プレス作業時外において、ムービングボ
ルスタを移動して金型を交換する際は、プレス行
程とは連動しない駆動機構によつてジヨウアセン
ブリそのものをキヤリヤ上で後退させ金型との接
触が一切生じないようにする。

［実施例］ 本考案の一実施例を図に基いて説明する。第１
〜３図に示すように、左右に配置された二台のプ
レスＡ，Ｂの中間に配置されたターンオーバＣ用
の固定機枠の上部水平部材１上にその長手方向
（第１図および第３図の左右方向）に摺動自在に
支持されたキヤリヤ２の上部にサブキヤリヤ３を
長手方向に摺動自在に係合する。即ち、このサブ
キヤリヤ３は平板部材４の底面中央に摺動板５を
有し、摺動板５の左右端はキヤリヤ２上に設けら
れた左右の案内レール６の案内孔７内に摺動自在
に支持される。更に、このサブキヤリヤ３はキヤ
リヤ２上に支持されたシリンダ８のピストン９に
プレスＡと反対側が連結されている。

なお、前記シリンダ８及びピストン９は、本来
のターンオーバの機能の妨げとならないようキヤ
リヤ２の長手方向の中央軸線上であつて、かつキ
ヤリヤ２の上面以上に突出しないように配置する
ことが望ましい。

前記サブキヤリヤ２の上には、ターンオーバ用
ジヨウ１０が取付けられている。上記ターンオー
バ用ジヨウ１０はサブキヤリヤ２上に取付けられ
シリンダ１３のピストン杆先端部に図示しない旋
回機構により回転される爪体が設けられていて、
この爪体に把持された成形品が上記金型１１内で
反転できるように構成されている。

以上のような構成において、サブキヤリヤ３を
除いたターンオーバの可動の各要素、ターンオー
バ用ジヨウ１０、反転車（図示省略）、キヤリヤ
２等は従来例同様、プレスの行程と連動した一定
の動きをなすが、サブキヤリヤ３に連結されたピ
ストン９はプレスの行程中は作動されることはな
い。そして、プレスの停止時、金型を交換するた
めにムービングボルスタ１２を左右方向、即ち、
第１図の紙面に垂直方向に移動するにあたつて
は、プレスＡの金型に対して待機状態のターンオ
ーバ用ジヨウ１０を載置したサブキヤリヤ３をシ
リンダ８の作動によつて、ターンオーバとプレス
の連動位置に関わりなく更に後方へ退避させるこ
とによつて、ムービングボルスタ１２の移動時、
金型１１とターンオーバ用ジヨウ１０の干渉が生
ずる恐れがない。

［考案の効果］ 本考案は以上詳述したようになるので、プレス
の行程と各部が連動するようセツトされたターン
オーバにおいて、プレスの停止時、その各部の駆
動機構とは無関係の駆動源によつてターンオーバ
用ジヨウを退避することができるから、ムービン
グボルスタの移動時金型とターンオーバ用ジヨウ
が干渉することがない。

また、本考案によれば、ターンオーバの各部の
駆動機構と無関係の駆動機構によつてターンオー
バ用ジヨウの完全な退避がなされるから構造が簡
単で安全である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を要部以外は省略
して示す正面図、第２図は第１図のものの−
線の断面図、第３図は第１図のものの要部の平面
図、第４図は従来例の正面図である。 図中１は固定機枠の上部水平部材、２はキヤリ
ヤ、３はサブキヤリヤ、４は平板部材、５は摺動
板、６は案内レール、７は案内孔、８はシリン
ダ、９はピストン、１０はターンオーバ用ジヨ
ウ、１１は金型、１２はムービングボルスタをそ
れぞれ示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右方向に移動するムービングボルスタに載置
   された金型に対して直交する方向に配置され、金
   型から成型品を取り出すジヨウ、成型品を反転し
   て後方に送る反転車、キヤリヤ等を含み、これら
   の要素の動きがプレスの行程と連動するように構
   成されたターンオーバにおいて、このターンオー
   バの案内レール１上の、金型１１の接離方向に移
   動自在なメインキヤリヤ２の金型側端部には退避
   用シリンダ８により作業位置ａより退避位置ｂへ
   移動自在なサブキヤリヤ３を設けると共に、この
   サブキヤリヤ３上に設置したシリンダ１３のピス
   トン杆先端にターンオーバ用ジヨウ１０を設けて
   なるターンオーバ用ジヨウの自動退避装置。