JP2606276Y2 - トランスファプレスのトランスファバー退避装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は金型交換時トランスフ
ァバーを邪魔にならない位置へ退避させるトランスファ
プレスのトランスファバー退避装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来トランスファプレスに装備されたト
ランスファフィーダは、ワーク搬送方向に並設されたト
ランスファバーを有していて、これらトランスファバー
に取付けられたアタッチメントを使用してワークを搬送
するように構成されている。また従来のトランスファプ
レスでは、金型を交換する場合、ムービングボルスタに
よりプレス本体内より金型を搬出する方法と、フォーク
リフトなどを使用して金型を交換する方法がある。しか
し後者のフォークリフトを使用して金型を交換する方法
では、プレス本体内より金型を出し入れする際、トラン
スファバーが邪魔になるため、従来ではプレス本体内に
バーリフタ装置を設けて、トランスファバーを上方へ退
避させるようにしたものが例えば実公平１−１７３８５
号公報で提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしトランスファバ
ーを上方へ退避させるようにした従来のバーリフタ装置
では、トランスファバーを上方へ退避させる際スライド
と干渉しないように、トランスファバーを前方へ大きく
移動させた後、フォークリフトのマストとの干渉を避け
るため高く上昇させなければならないため、トランスフ
ァバーの移動距離が長くなって装置自体が大掛りとなる
と共に、移動に時間がかかるため、金型交換作業に多く
の時間を必要とする不具合があった。この考案は上記不
具合を改善するためになされたもので、トランスファバ
ーが短時間で退避できるようにしたトランスファプレス
のトランスファバー退避装置を提供することを目的とす
るものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この考案は上記目的を達
成するために、プレス本体のワーク搬送方向と平行する
方向に離間するアプライトの対向面に上下方向にガイド
レールを設け、これらガイドレールに、駆動源によりチ
ェーンを介して上下駆動される昇降部材を設け、かつこ
れら昇降部材に昇降時ガイド部材によりプレス本体のワ
ーク搬送方向と直交する水平方向へスライドされるスラ
イドアームを設けると共に、上記各スライドアームの先
端にトランスファバーを下方より支持して、プレス本体
のベッドに形成された凹部へ退避させるバー受け部を設
けたものである。

【０００５】

【作 用】上記構成により、金型交換時トランスファ
バーをベッドに形成された凹部へ退避させることによ
り、トランスファバーがフォークリフトなどと干渉する
ことがないので、金型交換が短時間で容易に行える。

【０００６】

【実 施 例】この考案の一実施例を図面を参照して詳
述する。図１はトランスファプレスに設けられたこの装
置の正面図、図２は同側面図である。これらの図におい
て１はプレス本体で、ベッド１ａ上にボルスタ２が設け
られていると共に、ボルスタ２の上方にスライド３が上
下動自在に設けられている。Ａはトランスファバー退避
装置で、プレス本体１のワーク搬送方向Ｂと平行する方
向に離間するアプライト１ｂの対向面に上下方向にガイ
ドレール４が布設されていて、これらガイドレール４に
上下摺動自在に昇降部材５が支承されている。

【０００７】またガイドレール４の上方には従動スプロ
ケット６が、そして下方に駆動スプロケット７が回転自
在に設けられていて、これらスプロケット６，７にチェ
ーン８が掛合されていると共に、チェーン８の両端は上
記昇降部材５に結着されている。ガイドレール４の下方
に設けられた各駆動スプロケット７の間は駆動軸９によ
り連動されており、駆動軸９に無端状のチェーン１０を
介して接続されたモータなどの駆動源１１により駆動軸
９を正逆回転させることにより、チェーン８を介して左
右の昇降部材５を同期させて上下動できるようになって
いる。

【０００８】一方上記各昇降部材５には、プレス本体１
のワーク搬送方向Ｂと直交する水平方向へスライド自在
にスライドアーム１３が設けられている。これらスライ
ドアーム１３の先端にはプレス本体１内に設けられたト
ランスファバー１４を下方より支持するバー受け体１３
ａが設けられていると共に、上記スライドアーム１３に
ローラ１５が回転自在に支承されていて、これらローラ
１５はアプライト１ａの対向面に上下方向に設けられた
ガイド部材１６のガイド溝１６ａ内に嵌合されている。
上記ガイド溝１６ａは図２に示すように、上端側はボル
スタ２より上方に、また下端側はベッド１ａの前面に形
成された凹部１ｃの下部付近に達しており、中間部には
スライドアーム１３に支持されたトランスファバー１４
がベッド１ａと干渉しない位置まで後退される退避路１
６ｂが形成されている。

【０００９】次に作用を説明すると、トランスファプレ
スの稼働時には邪魔にならないようにスライドアーム１
３は図２の下側の仮想線に示す退避位置に下降されてい
る。次に金型を交換する場合は、駆動源により駆動軸を
介してチェーン８を回転させ、スライドアーム１３を上
昇させる。これによってスライドアーム１３がガイド溝
１６ａに案内されて前後方向へスライドしながら図２の
実線に示す位置まで上昇され、トランスファバー１４を
下方より支持する。そしてこの状態でスライドアーム１
３を下降させると、ガイド溝１６ａの退避路１６ｂに達
したところでスライドアーム１３が退避されるため、ト
ランスファバー１４とボルスタ２及びベッド１ａが干渉
することなく退避位置まで下降させることができる。

【００１０】以上のようにしてトランスファバー１４を
退避させたら、フォークリフト（図示せず）を使用して
金型の交換を行うもので、トランスファバー１４はベッ
ド１ａ前面に形成された凹部１ｃに格納されるので、金
型交換時邪魔になることがない。また金型の交換が終了
したら上記と逆の動作でトランスファバー１４を元の位
置へ復帰させることにより、プレス本体１の運転を再開
することができるようになる。

【００１１】

【考案の効果】この考案は以上詳述したように、金型交
換時トランスファバーをベッドに形成された凹部へ退避
させるようにしたことから、フォークリフトを使用して
金型を交換する場合でも、トランスファバーがフォーク
リフトと干渉することがないため、金型の交換が容易か
つ安全に行える。またベッドとトランスファバーが干渉
しないように後退させてベッドの凹部へトランスファバ
ーを退避させるだけでよいことから、従来のバーリフタ
のように長い距離に亘ってトランスファバーを移動させ
る必要がないため、金型の交換作業が短時間で行えるよ
うになり、これによってプレスの稼働率が上がるため、
生産性も向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例になるトランスファプレス
のトランスファバー退避装置を示す正面図である。

【図２】この考案の一実施例になるトランスファプレス
のトランスファバー退避装置を示す側面図である。

【符号の説明】

１…プレス本体、１ａ…ベッド、１ｂ…アプライト、４
…ガイドレール、５…昇降部材、８…チェーン、１３…
スライドアーム、１３ａ…バー受け部、１４…トランス
ファバー、１６…ガイド部材。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 プレス本体（１）のワーク搬送方向
   （Ｂ）と平行する方向に離間するアプライト（１ｂ）の
   対向面に上下方向にガイドレール（４）を設け、これら
   ガイドレール（４）に、駆動源（１１）によりチェーン
   （８）を介して上下駆動される昇降部材（５）を設け、
   かつこれら昇降部材（５）に昇降時ガイド部材（１６）
   によりワーク搬送方向（Ｂ）と直交する水平方向へスラ
   イドされるスライドアーム（１３）を設けると共に、上
   記各スライドアーム（１３）の先端にトランスファバー
   （１４）を下方より支持して、プレス本体（１）のベッ
   ド（１ａ）に形成された凹部（１ｃ）へ退避させるバー
   受け部（１３ａ）を設けてなるトランスファプレスのト
   ランスファバー退避装置。