JPH0337468A - ディファレンシャル装置の潤滑構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はディファレンシャル装置の潤滑構造、特にディ
ファレンシャル装置の軸受部およびデフケース内部の潤
滑構造に関する。

（従来の技術） 近時、ディファレンシャル装置の潤滑構造においては、
エンジンの高性能化により、あるいは走行性能の向上を
狙いとする機構、例えば差動制限機構の付加により、潤
滑性能のより一層の向上が要求されるようになってきて
いる。このため、潤滑油を効率よく回転部や摺動部に供
給させるようにしたディファレンシャル装置の潤滑構造
が提案されている。

従来のこの種のディファレンシャル装置の潤滑構造とし
ては、特開昭５８−１７０６３１号公報および特開昭５
９−１４０１２８号公報に記載のものが知られており、
前者に記載されたものは第５．６図に示すようなもので
ある。

第５．６図において、リングギア１はエンジンの駆動力
を受けるギア（図示しない）と噛合い、これらのギアに
よりファイナルギア機構が構成されている。リングギア
１はデフケース２と共に回転し、リングギア１に伝達さ
れたエンジンの駆動力は、デフケース２の回転により駆
動されるピニオンギア３およびピニオンギア３に噛合う
サイドギアにより左右のアクスルシャフト５．６に振り
分けられて伝達されるようになっている。ディファレン
シャルギヤ機構はこれらのピニオンギア３およびサイド
ギア４から構成されており、ファイナルギア機構および
ディファレンシャルギア機構ともに潤滑油を貯溜するデ
フハウジング７に収納されている。デフケース２にはギ
ア８が固定されており、ギア８に噛合うスピードメータ
用ギア９の回転速度をデフハウジング７の外部にシャフ
ト１０を介して取り出して車速を検出するようにしてい
る。シャフト１０には羽根車１１が取り付けられており
、デフハウジング７内の潤滑油はりフグギア１に掻き上
げられるだけでなく羽根車１１により掻き上げられるよ
うになっている。この結果、掻き上げられた潤滑油はデ
フケース２の給油孔２ａを介してピニオンギア３および
サイドギア４の噛合い部等の潤滑対象部に供給されるよ
うになっている。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、このような従来のディファレンシャル装
置の潤滑構造にあっては、デフハウジング７の底部に配
置され、デフケース２により駆動される羽根車１１を回
転させ、羽根車１１により撹拌された潤滑油をデフケー
スおよび軸受部にかける構造となっているため、デフケ
ースの自転による遠心力により潤滑油が飛散したり、車
速により潤滑する箇所が変ったりして、効果的な潤滑が
できないという問題点があった。

また、後者に記載されたものは、デフケースの上方に樋
を設け、潤滑油を樋により軸受部等に供給するものであ
るが、潤滑する対象である前記軸受部には潤滑油を樋か
らたれ流すだけであり、強制的には供給されないので、
十分な潤滑ができないという問題点がある。

そこで、本発明は、デフケースにフィンを設け、このフ
ィンの外周に近接してデフハウジング側にケーシングを
設け、フィンにより掻き上げられ、オイル溜りに溜った
潤滑油をデフハウジング内に両端部から強制的に潤滑す
ることにより、潤滑対象部に潤滑油を確実に供給するよ
うにして潤滑性能を向上させることを目的としている。

（課題を解決するための手段） 本発明に係るディファレンシャル装置の潤滑構造は、潤
滑油を貯溜するデフハウジングと、デフハウシングに収
納されエンジン駆動力を伝達されて回転するリングギア
と、リングギアに連結され車速に比例して回転するデフ
ケースと、デフケースに収納されたディファレンシャル
ギヤ機構と、を備え、潤滑油によりデフハウジング内の
各潤滑対象部を潤滑するディファレンシャル装置の潤滑
構造において、デフケースの外周に取付けたフィンど、
フィンの外周に近接しデフハウジング側に固定されたケ
ーシングと、ケーシング内に設けたオイル溜りと、を備
え、オイル溜りの潤滑油によりデフケースの軸受部およ
びデフケースの内部を潤滑することを特徴としている。

（作用） 本発明では、デフケース外周にフィンを設け、このフィ
ンの外周に近接してデフハウジング側にケーシングを設
け、回転するフィンにより掻き上げられてオイル溜りに
溜った潤滑油をデフケースの軸受部およびデフケースの
内部に強制的に潤滑する構造にしているので、回転する
フィンによりデフハウジング内の各潤滑対象部に積極的
且つ、効果的に潤滑油を供給できる。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１〜４図は本発明に係るディファレンシャル装置の潤
滑構造の一実施例を示す図であり、多板摩擦フランチか
らなる差動制限機構材のディファレンシャル装置に適用
した例である。

第１．２図において、２１は潤滑油を貯溜するデフハウ
ジングであり、２１Ａはデフハウジング２１の一部を構
成するリヤカバーであり、２１Ｂは、これらの合せ面で
ある。デフハウジング２１にはファイナルギア機構２２
が収納され、ファイナルギア機構２２は互いに噛合うド
ライブピニオン２４およびリングギア２５から構成され
ている。ドライブピニオン２４はエンジン（図示してい
ない）の駆動力を受けて回転するプロペラシャフト２６
に連結され、リングギア２５はデフケース２７に連結さ
れている。２７Ａはデフケース２７に設けられた孔であ
る。リングギア２５の回転速度はドライブピニオン２４
の回転速度より減速されるようになっており、リングギ
ア２５にドライブピニオン２４を介して伝達されるエン
ジンの駆動力のトルクは増大され、伝達されたエンジン
の駆動力はデフケース２７を介して出力されるようにな
っている。したがって、ファイナルギア機構２２はエン
ジンの駆動力を入力してトルクを増大させながら人力し
た駆動力を出力するものである。デフケース２７はサイ
ドベアリング２８．２９を介してデフハウジング２１に
回転自在に支持されており、デフケース２７内にはディ
ファレンシャルギヤ機構２３が収納されている。２８Ａ
、２９Ａはそれぞれサイドベアリング２８．２９を固定
するヘアリングキャンプである。デフケース２７はピニ
オンシャフト３０を支持しており、ピニオンシャフト３
０にはピニオンギア３１が嵌挿されており、ピニオンギ
ア３１はサイドギア３２およびサイドギア３３に噛合っ
ている。

サイドギア３２はアクスルシャフト３４に支持され、サ
イドギア３３はアクスルシャフト３５に支持されている
。したがって、一対のアクスルシャフト３４．３５はデ
フケース２７からピニオンギア３１およびサイドギア３
２．３３を介してエンジンの駆動力を受ける。

アクスルシャフト３４．３５の回転速度は両シャフトが
受ける路面抵抗の差により速度差が生じるようになって
いる。３６．３７は湿式タイプの多板摩擦クラソチであ
り、多板摩擦クラッチ３６．３７はそれぞれ複数のクラ
ッチディスク３６ａ、３７ａおよび複数のクラッチプレ
ート３６ｂ、３７ｂから構成される。

クラッチディスク３５ａ、３フａはそれぞれサイドギア
３２．３３に支持されており、クラッチプレート３６ｂ
、３フｂはデフケース２７に支持されている。多板摩擦
クラッチ３６．３７のそれぞれの両端はプレシャプレー
ト３８．３９およびバソクアソププレート４０．４１に
よって挟まれており、プレッシャプレート３８．３９は
プレッシャカラー４２．４３に当接可能であり、バンク
アソブプレート４０．４１はサイドギア３２に当接可能
である。プレッシャカラー４２．４３は、油圧ポート４
５．４６に導入されるクラソチ用油圧によって摺動する
ピストン４７．４８にベアリング４９．５０を介して駆
動されて第１図の矢印Ａ方向に摺動する。

すなわち、油圧ボート４５．４６に導入されるクラ・７
チ用油圧の調節によってクラッチディスク３６ａ、３７
ａはそれぞれ独立してクラッチプレート３６ｂ１３フｂ
に締結および解放されるようになっており、アクスルシ
ャフト３４．３５のそれぞれにデフケース２７から伝達
される駆動力のトルクは多板摩擦クラッチ３６．３７の
それぞれの締結および解放度合に対応して調節されるよ
うになっている。

したがって、ピニオンシャフト３０、ピニオンギア３１
′、サイドギア３２．３３および多板摩擦クラッチ３６
．３７は、デフケース２７に収納され、ファイナルギア
機構から出力された駆動力を一対のアクスルシャフトに
振り分けて伝達し、一対のアクスルシャフト３４．３５
の回転速度に速度差を生しさせるディファレンシャルギ
ヤ機構２３を構成している。

本発明におけるデフケース２７の外周にはデフケース２
７から放射方向外方に突出するよう板状のフィン５４が
一体的に取付けられている。５５はケーシングＥであり
、ケーシングＥ５５は、ヘアリングキャノブ２９Ａに取
付けられ、断面形状がデフハウジング２１側から内方に
延在し、フィン５４の側部から離隔してオイル溜り５６
を形成している。またケーシングＥ５５はフィン５４の
放射方向外周に近接するよう屈折するとともに、デフケ
ース２７の回転方向で第２図に示すデフハウジング２１
の底部の潤滑油内から最上部近傍まで半円弧状に設けら
れている。

５８はケーシングＤであり、ケーシングＤ５８はデフハ
ウジング２１に一体的に形成され、断面形状がデフハウ
ジング２１の内壁部から内方にフィン５４の放射方向外
周に近接するよう屈折して突出するとともに、第２図に
示す最上部の近傍で前記のケーシングＥ５５に連結して
左方向に半円弧状にデフハウ０ ソング２１の底部の潤滑油の近傍まで設けられている。

デフハウジング２１の内壁部は第２〜４図にて示すよう
乙こ、オイル溜り５６を形威するよう円周方向に沿って
基準の壁面５９と壁面５９から内方ムこフィン５４の側
部に近接するまで突出した段差６０を有している。段差
６０は、第３図番こ示すように、フィン５４が回転する
方向に沿って、デフハウジング２１の下部位置りで段差
６０は段差上面６０Ａから段差下面６０Ｂまで、すなわ
ち、デフハウジング２１の壁面５９まで減少して、フィ
ン５４との間にオイル溜り５６を形威し、ハウジング２
１の上部を過ぎた上部位置Ｍで段差下面６０Ｂから段差
上面６０Ａまで増加している。

このため、フィン５４の回転に伴って、潤滑油はデフハ
ウシング２１の底部の下部位置りでオイル溜り５６内に
保持され、デフハウジング２１の頂部の上部位置Ｍでオ
イル溜り５６からフィン５４で半強制的に放出され、第
１図に矢印Ｐにて示すように、孔２７Ａを通り多板摩擦
クラッチ３フに、また、サイドベアリング２９に正確に
供給できるようになされてい１す る。

次に、作用について説明する。

車が動き出すと、デフケース２７が回転し、同時にフィ
ン５４も回転する。このフィン５４の回転によリデフハ
ウジング２１の底部に溜った潤滑油は下部位置りからオ
イル溜り５６内に吸い込まれて上部まで運ばれる。運ば
れた潤滑油はデフハウシング２１の上部のオイル溜り５
６に溜り、第１図の矢印Ｐに示す方向に半強制的に供給
される。すなわち、方の潤滑油はデフケース２７の軸受
部であるサイドヘアリング２９側に、他方の潤滑油は孔
２７Ａを通りデフケース２７の内部に入り差動制限を行
う多板摩擦クラッチ３フ等潤滑対象部に確実に車速によ
り変化することなく供給され、これを潤滑にする。

このため、ディファレンシャル装置内の各？ＡＩ　滑対
象部が積極的かつ効率的に潤滑できるので、回転部およ
びデフケース内の焼き付きを未然に防止でき、耐久性の
大幅な向上を計ることができる。

なお、この実施例ではフィンはアクスルシャフト３４．
３５の軸線から放射方向に設けた場合につい２ て説明したが、本発明においてはこの実施例に限らず１
、フィンはアクスルシャフト３４．３５の軸線の放射方
向から傾斜して設け、潤滑効果を向上させることもでき
る。

さらＧこまた、この実施例においては、フィンはりフグ
ギア２５により潤滑油が供給し難い側（図の右側）につ
いてのみ説明したが、フィンは両側にともに設けてもよ
い。

（効果） 以上説明したように、本発明によれば、デフケースにフ
ィンを設け、このフィンの外周に近接してデフハウジン
グ側にケーシングを設け、フィンにより掻き上げられ、
オイル溜りに溜った潤滑油をデフハウジング内にフィン
の両端部から強制的に潤滑することにより、潤滑対象部
に潤滑油を確実に供給するようにして潤滑性能を向上さ
せることができ、回転部およびデフケース内の焼き付き
を未然に防止でき、耐久性を大幅に向上できる。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図は本発明に係るディファレンシャル３ 装置の潤滑構造の一実施例を示す図であり、第１図はそ
の上面断面図、第２図は第１図のｎ−ｎ矢視断面図、第
３．４図はそれぞれ第２図のＩ［ｌ　−ＤＩおよびＩＶ
−ＩＶ矢視断面図である。第５．６図は従来のディファ
レンシャル装置の潤滑構造を示す図であり、第５図はそ
の正面断面図、第６図はその要部断面図である。 ２１・・・・・・デフハウジング、 ２３・・・・・・ディファレンシャルギヤ機構、２５・
・・・・・リングギア、 ２７・・・・・・デフケース、 ５４・・・・・・フィン、 ５５・・・・・・ケーシングＥ、 ５６・・・・・・オイル溜り、 ５８・・・・・・ケーシングＤ０

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 　潤滑油を貯溜するデフハウジングと、デフハウジング
   に収納されエンジン駆動力を伝達されて回転するリング
   ギアと、リングギアに連結され車速に比例して回転する
   デフケースと、デフケースに収納されたディファレンシ
   ャルギヤ機構と、を備え、潤滑油によりデフハウジング
   内の各潤滑対象部を潤滑するディファレンシャル装置の
   潤滑構造において、デフケースの外周に取付けたフィン
   と、フィンの外周に近接しデフハウジング側に固定され
   たケーシングと、ケーシング内に設けたオイル溜りと、
   を備え、オイル溜りの潤滑油によりデフケースの軸受部
   およびデフケースの内部を潤滑することを特徴とするデ
   ィファレンシャル装置の潤滑構造。