JPH0336865Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、収納商品を低温及び低湿に維持可能
な低湿度シヨーケースに関するものである。

〔従来の技術〕

収納商品を低温で維持可能なシヨーケースは一
般に、ケース本体内に設けられた商品収納室と、
該商品収納室と連通して形成された冷風通路と、
該冷風通路内に設置された蒸発器及び蒸発器用送
風機と、商品収納室の温度を検出して冷却を制御
するサーモスイツチと、蒸発器を含む冷却ユニツ
トとから構成されており、商品収納室の温度が所
定の冷却温度より高い場合に冷却ユニツト及び蒸
発器用送風機を作動させて、蒸発器で冷却された
冷風を商品収納室に循環させる一方、商品収納室
の温度が所定の冷却温度以下の場合に冷却ユニツ
ト及び蒸発器用送風機の作動を停止させて、商品
収納室を冷却に適した温度に維持している。

しかし、上述のシヨーケースでは、冷却ユニツ
トと同期して蒸発器用送風機の作動が停止するた
め、その非冷却状態では商品収納室の空気循環が
一時的に停止し、該停止中に蛍光灯や外部からの
熱によつて商品収納室の特に上方部分の温度が高
くなり、商品収納室全体の温度分布が不均一にな
る欠点がある。

上記問題点に鑑み、本出願人は実願昭61−
138093号によつて、撹拌専用の送風機を有するシ
ヨーケースを提案した。

このシヨーケースは、ケース本体内に商品収納
室と連通して形成された撹拌風通路と、撹拌風通
路内に設置された撹拌用送風機とを具備してお
り、また第２図の制御回路図に示すように、蒸発
器用送風機１、凝縮器用送風機２、前記撹拌用送
風機３及び冷却ユニツトのコンプレツサ６を商用
電源４に夫々並列に接続し、送風機１，２と撹拌
用送風機３とを冷却制御用のサーモスイツチ５で
作動切替できるようになつている。

つまり、商品収納室の温度が所定の冷却温度以
下になり、サーモスイツチ５により送風機１，２
及びコンプレツサ６の作動が停止した非冷却状態
では、撹拌用送風機３を作動させて商品収納室に
強制的に空気を循環させ、商品収納室の温度を均
一に保てるようにしている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

しかし、上述のシヨーケースでは、冷却ユニツ
トの作動が停止すると蒸発器表面に付着した霜が
徐々に溶けて水滴が付着することになるので、こ
の状態で冷却が再開されると、水滴の付着した蒸
発器表面を空気が流通して該流通空気の湿度が上
がり、該高湿度空気が商品収納室に送り込まれて
室内の湿度が一時的に上昇するという難点があ
る。

本考案はかかる事情に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、冷却再開時における高
湿空気の流入を防止して、商品収納室の低湿状態
を維持し得る低湿度シヨーケースを提供すること
にある。

〔問題点を解決するための手段〕

上記目的を達成するため、本考案では、ケース
本体と、ケース本体内に設けられた商品収納室
と、ケース本体内に商品収納室と連通して形成さ
れた冷風通路と、冷風通路内に設置された蒸発器
及び蒸発器用送風機と、ケース本体内に商品収納
室と連通して形成された撹拌風通路と、撹拌風通
路内に設置された撹拌用送風機と、蒸発器を含む
冷却ユニツトとを具備し、商品収納室の温度が所
定の冷却温度より高い場合に冷却ユニツトと蒸発
器用送風機を作動させる一方、商品収納室の温度
が所定の冷却温度以下の場合に冷却ユニツトと蒸
発器用送風機の作動を停止させ、且つ撹拌用送風
機を作動させる第１サーモスイツチを備えた低湿
度シヨーケースにおいて、蒸発器の温度が凍結温
度よりも高い場合に蒸発器用送風機を停止させる
第２のサーモスイツチを設けている。

〔作用〕

本考案の低湿度シヨーケースでは、商品収納室
の温度が所定の冷却温度より高い場合には、第１
サーモスイツチによつて冷却ユニツトと蒸発器用
送風機が作動され、蒸発器で冷却された冷風が商
品収納室に循環する。

この冷却によつて商品収納室の温度が低下して
所定の冷却温度以下になると、第１サーモスタツ
トによつて冷却ユニツト及び蒸発器用送風機の作
動が停止される。また、これと同時に撹拌用送風
機が作動され、商品収納室において強制的に空気
循環が行なわれ温度が均一に保たれる。

非冷却状態が続き商品収納室の温度が上昇して
所定の冷却温度より高くなると、まず第１サーモ
スタツトによつて冷却ユニツトのみが作動され、
蒸発器が冷却される。この冷却によつて蒸発器の
温度が低下して凍結温度より低くなると、即ち蒸
発器表面に付着した水滴が凍結する温度まで蒸発
器が冷却されると、ここで第２サーモスタツトに
よつて蒸発器用送風機が作動され、蒸発器で冷却
された冷風が商品収納室に循環する。

〔実施例〕

第３図及び第４図は、本考案が適用された低湿
度シヨーケースの各々縦断側面図及び横断面図で
ある。

この低湿度シヨーケースは、ケース本体１０の
底部、後背部及び上方の一部を断熱壁１１で構成
され、下方に機械室１２を有している。

ケース本体１０の前方開口部には、二枚のガラ
ス引戸１３，１４が横方向にスライド可能に取付
けられている。また、ケース本体１０の内部は商
品収納室１５となつていて、複数の商品棚１６と
商品照射用の複数の蛍光灯１７が設置されてい
る。

商品収納室１５の下方には、吸入口１８及び吹
出口１９を有する冷風通路２０が設けられ、該冷
風通路２０内には冷却ユニツトの蒸発器２１、蒸
発器用送風機２２及び風反射板２３が順に配置さ
れている。

図示を省略したが、機械室１２内には、冷却ユ
ニツトを構成するコンプレツサ、凝縮器及び凝縮
器用送風機等が収容されている。

第４図から分るように、冷風通路２０の両側に
は該冷風通路２０と隔離され、且つ商品収納室１
５と連通する撹拌風通路２４が形成され、該撹拌
風通路２４には撹拌用送風機２５が夫々配置され
ている。

次に第１図を参照して低湿度シヨーケースの制
御回路について説明する。

この制御回路は、商用電源２６、撹拌用送風機
２５、蒸発器用送風機２２、凝縮器用送風機２
７、コンプレツサ２８、第１サーモスイツチ２９
及び第２サーモスイツチ３０とから構成されてお
り、各送風機２５，２２，２７及びコンプレツサ
２８は、商用電源２６に対して夫々並列に接続さ
れている。

第１サーモスイツチ２９は商品収納室１５の温
度を検出して冷却を制御するためのもので、その
共通端子２９ａを商用電源２６側に、一方の切替
端子２９ｂを送風機２２，２７及びコンプレツサ
２８側に、他方の切替端子２９ｃを撹拌用送風機
２５側に夫々接続されている。

一方、第２サーモスイツチ３０は蒸発器２１の
温度を検出して蒸発器用送風機２２の作動を制御
するためのもので、蒸発器２１の表面温度が該蒸
発器２１の表面に付着した水滴の凍結温度（以
下、単に凍結温度という）、本実施例では約−５
℃より高い場合にオフとなり、これ以下の場合で
オンになるものを使用している。

以上のように構成された本実施例の低湿度シヨ
ーケースは、次のように作動する。

商品収納室１５の温度が所定の冷却温度より高
い場合には、第１サーモスタツト２９が切替端子
２９ｂ側に接続され、また第２サーモスイツチ３
０は閉じて、蒸発器用送風機２２、凝縮器用送風
機２７及びコンプレツサ２８が作動する。

これにより、第３図及び第４図に実線矢印で示
すように、吸入口１８から冷風通路２０に入つた
空気が蒸発器２１で冷却された後に風反射板２３
で反射され、吹出口１９から流出して庫内を循環
し、通常の冷却運転が行なわれて商品収納室１５
が冷却に適した温度に冷却維持される。

この冷却によつて商品収納室１５の温度が低下
して所定の冷却温度以下になると、第１サーモス
イツチ２９が端子２９ｃ側へ切替わり、蒸発器用
送風機２２、凝縮器用送風機２７及びコンプレツ
サ２８の作動が停止され、これと同時に撹拌用送
風機２５が作動される。

これにより、第３図及び第４図に鎖線矢印で示
すように、撹拌風通路２４と商品収納室１５との
間で空気が循環し、商品収納室１５の空気が撹拌
されて庫内の温度が均一に保たれる。この非冷却
時には、冷却時に蒸発器２１の表面に付着した霜
が徐々に溶けて水滴になるが、上記の撹拌空気は
蒸発器２１を通らないので、蒸発器２１の表面に
付着した水滴によつてその湿度が上がることがな
い。また、この非冷却状態において、蒸発器２１
の温度が上昇して凍結温度（−５℃）より高くな
つたところで第２サーモスイツチ３０が開く。

非冷却状態が続き商品収納室１５の温度が上昇
して所定の冷却温度より高くなると、第１サーモ
スイツチ２９が端子２９ｂ側へ切替わり、凝縮器
用送風機２７及びコンプレツサ２８の作動が再開
され、蒸発器２１が冷却される。しかし、この冷
却初期では蒸発器２１の温度が未だ凍結温度（−
５℃）より高いので、第２サーモスイツチ３０は
開いており蒸発器用送風機２２は作動しない。

上記の冷却によつて蒸発器２１の温度が凍結温
度（−５℃）以下になると、ここで第２サーモス
イツチ３０が閉じて蒸発器用送風機２２が作動す
る。

これにより、第３図及び第４図に実線矢印で示
すように、吸入口１８から冷風通路２０に入つた
空気が蒸発器２１で冷却された後に風反射板２３
で反射され、吹出口１９から流出して庫内を循環
し、通常の冷却運転が行なわれる。

即ち、冷却が再開された場合でも、蒸発器２１
の温度が凍結温度（−５℃）以下になるまで、つ
まり非冷却時において蒸発器２１の表面に発生し
た水滴が完全に凍結するまで蒸発器用送風機２２
を作動させないようにしたので、送り出される冷
気の中に湿気が含まれることはなく、商品収納室
１５には乾いた冷気が供給されることになる。

〔考案の効果〕

以上詳述したように、本考案によれば、非冷却
状態では冷風通路とは別の撹拌風通路を利用して
蒸発器を通らない空気を商品収納室に送り込むこ
とができるので、蒸発器の表面に水滴が付着して
いる場合でも該水滴の影響を受けない乾いた空気
を循環させることができる。また、冷却が再開さ
れた場合でも蒸発器の表面に発生した水滴が完全
に凍結するまで蒸発器を作動させないようにした
ので、商品収納室に送り込まれる空気に湿気が含
まれることがない。従つて、非冷却状態及び冷却
状態を問わず、常に低湿度の空気を商品収納室に
循環させて、収納商品を低温且つ低湿に維持でき
る利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る低湿度シヨーケースの制
御回路図、第２図は先願考案の制御回路図、第３
図は低湿度シヨーケースの縦断側面図、第４図は
同横断面図である。 図中、１０……ケース本体、１５……商品収納
室、２０……冷風通路、２１……蒸発器、２２…
…蒸発器用送風機、２４……撹拌風通路、２５…
…撹拌用送風機、２８……コンプレツサ、２９…
…第１サーモスイツチ、３０……第２サーモスイ
ツチ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ケース本体と、ケース本体内に設けられた商品
   収納室と、ケース本体内に商品収納室と連通して
   形成された冷風通路と、冷風通路内に設置された
   蒸発器及び蒸発器用送風機と、ケース本体内に商
   品収納室と連通して形成された撹拌風通路と、撹
   拌風通路内に設置された撹拌用送風機と、蒸発器
   を含む冷却ユニツトとを具備し、商品収納室の温
   度が所定の冷却温度より高い場合に冷却ユニツト
   と蒸発器用送風機を作動させる一方、商品収納室
   の温度が所定の冷却温度以下の場合に冷却ユニツ
   トと蒸発器用送風機の作動を停止させ、且つ撹拌
   用送風機を作動させる第１サーモスイツチを備え
   た低湿度シヨーケースにおいて、 蒸発器の温度が凍結温度よりも高い場合に蒸発
   器用送風機を停止させる第２のサーモスイツチを
   設けた、 ことを特徴とする低湿度シヨーケース。