JPH033538Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ネクタイ地をベースとサイドプレス
との間に２つ折りに押圧保持して芯地を縫い付け
るようにしたネクタイの芯付装置の改良に関す
る。

（従来の技術） 従来より、この種のネクタイの芯付装置とし
て、例えば、ベースの前方にサイドプレスを前後
方向に移動自在に配し、該ベース上に一条の長く
伸びる折溝を有するセツト台を前後方向に移動自
在に載置するとともに、前記ベースの上方に、下
方に伸びる差金を装着したネクタイ折機を上下方
向に移動自在に配してネクタイの芯付けを行うよ
うにしたものは知られている。このネクタイの芯
付装置では、ネクタイの芯付け時、前記セツト台
を前記折溝が前記差金の真下に達する位置まで前
方に送つて停止させ、前記ネクタイ折機によつて
前記差金を下方に降ろしてネクタイ地を前記折溝
に沿つて２つ折りにするとともに、前記ネクタイ
地が前記ベースと前記サイドプレスとの間に保持
された状態で、前記ネクタイ地に芯地を縫い付け
るようになされている。

（考案が解決しようとする問題点） ところが、上記の如きものでは、第５図に示す
ように、ネクタイ地ａが、ベースｂとサイドプレ
スｃとの間に２つ折りにされて保持された状態で
は、互いに重なり合うネクタイ地ａの間の差金ｄ
が挿入されるので、該差金ｄの厚さのため、ネク
タイ地ａは、ベースｂとサイドプレスｃとの間で
一方に偏つた状態で保持されることになる。その
ため、ネクタイ地ａに前記一方への偏り等に起因
した癖が生じてしまい、縫製後のネクタイが捩じ
れたりして良好に仕上げることができないという
欠点があつた。

本考案は、上記の点に鑑みてなされたものであ
り、その目的とするところは、ネクタイの芯付け
時、ベースとサイドプレスとの間におけるネクタ
イ地の保持方法を改良することにより、ネクタイ
地に偏りが生じないように押圧保持し、縫製後の
ネクタイを良好に仕上げるようにすることにあ
る。

（問題点を解決するための手段） 上記目的を達成するために、本考案の解決手段
は、ベースの前方に対向して配され前後方向に移
動自在のサイドプレスと、前記ベース上で前後方
向に移動自在に載置され長く伸びる一条の折溝を
有するセツト台とを備える。さらに、前記ベース
の上方に上下方向に移動自在に配され下方に伸び
る差金を装着したネクタイ折機を備え、ネクタイ
の芯付け時、前記差金によつて前方に移動した前
記セツト台に載置されたネクタイ地を２つ折りに
するとともに、前記ベースと前記サイドプレスと
の間に前記ネクタイ地を保持した状態で、前記ネ
クタイ地に芯地を縫い付けるネクタイの芯付装置
を前提とする。

そして、前記ベースの前端面に前記差金に対応
する位置で上下方向に伸びる複数の凹部を設ける
とともに、前記サイドプレスに前記ベース側に付
勢された複数の係止部材を設け、ネクタイ地の２
つ折り時、該ネクタイ地が前記サイドプレスと前
記ベースの前端面との間で前記差金を挟んで両側
に対称に保持されるようにした構成とする。

（作 用） 上記の構成により、本考案では、ネクタイ地に
芯地を縫い付ける場合、予めネクタイ地が載置さ
れたセツト台を、折溝がネクタイ折機の差金の真
下に達する位置まで移動させる。その際、芯地も
前記ネクタイ地とともに所定の位置まで移動す
る。次に、前記ネクタイ折機の差金を下方に降ろ
してネクタイ地を前記折溝に沿つて２つ折りにす
るとともに、サイドプレスをベース側に移動さ
せ、前記ネクタイ地をベースとサイドプレスとの
間に押圧保持する。そして、その際前記ベースの
前端面に前記差金に対応する位置に上下方向に伸
びる複数の凹部を設けるとともに、前記サイドプ
レスにベース側に付勢された係止部材を設けてい
るので、ネクタイ地は、前記差金を挟んで両側に
対称に配された状態で押圧保持される。そのた
め、ネクタイ地が一方に偏ることがなくなるの
で、縫製後のネクタイを良好に仕上げることがで
きることになる。

（実施例） 以下、本考案の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図および第２図は、本考案にかかるネクタ
イの芯付装置１の全体構成を示すものである。こ
れらの図において、２はベースであり、該ベース
２の前端面３には一定の間隔で上下方向に伸びる
複数の凹部４，４…が後方（第１図下方）に凹む
ように形成され、該各凹部４の両側には押圧部５
が突出して形成されている。また、前記ベース２
上に、矩形板状のセツト台６が前後方向に移動自
在に載置されており、該セツト台６は、その中央
に第１図上左右方向に伸びる一条の折溝７を形成
している。前記セツト台６は、上面にネクタイ地
８を所定の位置にセツトするための突状片９を設
ける一方、下面にネクタイ地８を２つ折りにした
ときにネクタイ地８を前記セツト台６の下方に保
持するための弾性体からなる複数の保持部材１
０，１０…を設けている。

また、前記ベース２の上方には、その前端面３
に対応する位置にネクタイ折機１１が上下方向に
移動自在に配されている。該ネクタイ折機１１
は、左右方向に伸び複数のスリツト孔を有する支
持部材１２と、該支持部材１２に頭部錘１３で係
止され前記スリツト孔を介して下方に伸びる複数
の差金１４，１４…とを備えている。一方、前記
ベース２の中央位置には、下端に複数個の芯地押
え１５を装着したメーンプレス１６が上下方向に
移動自在に配されており、該メーンプレス１６
は、芯地１７を下方に押圧して保持する位置と、
運針を行うためにさらに強力に押圧する位置との
２段階で下方に降りるようになされている。

さらに前記ベース２の前方（第１図上方）に
は、サイドプレス１８が前後方向に移動自在に設
けられており、ネクタイ地８を２つ折りにする
際、後方（第１図下方）、即ちベース２側に移動
して前記保持部材１０によつて保持されたネクタ
イ地８を側方より押圧するようになされている。

そして、本考案の特徴として、前記サイドプレ
ス１８の後面１９には、第３図に拡大詳示するよ
うに、該サイドプレス１８内に配された付勢手段
（図示しない）によつて後方、即ちベース２側に
付勢された係止部材２０，２０…が前記凹部４に
対応して一定の間隔で複数個設けられている。前
記係止部材２０，２０…は、それぞれ前記サイド
プレス１８が後方、即ちベース２側に移動する
際、前記凹部４の両側で突出する押圧部５，５…
に向かうようになされている。

尚、第１図において、２１は前記ベース２の側
端部に設けられた運針装置、２２は前記運針装置
２１によつて芯付け用針を図上左右方向に案内す
る通路を有する案内部材である。

次に、上記実施例の作動について説明する。

先ず、セツト台６上に突状片９にそつてネクタ
イ地８を所定位置にセツトし、前記セツト台６を
ベース２上に沿つて前方に送り折溝７が前記ネク
タイ折機１１の差金１４の真下に達する位置（第
１停止点）までセツト台６を移動させる。その
際、予め所定位置にセツトされた芯地１７も、セ
ツト台６とともに前方に送られて芯地当りに当接
する位置で保持される。

次に、前記セツト台６が前記第１停止点で停止
すると、ネクタイ折機１１の差金１４が下方（第
３図実線矢印方向）に降りる。これにより、ネク
タイ地８は、その中央より前記折溝７にそつて前
記差金１４によつて下方に押し下げられて２つ折
りにされる。前記差金１４は、最下点まで降りて
もその状態で停止することなく、逆に上昇して折
溝７から抜け出て元の位置に戻つて停止する。そ
の際、前記差金１４が最下点に達する直前、サイ
ドプレス１８は後方、即ちベース２側に移動しは
じめ、差金１４が最下点に達すると同時に前記係
止部材２０を介してネクタイ地８を側方より押圧
してベース２とサイドプレス１８との間にネクタ
イ地を保持する。よつて、ネクタイ地８は、第４
図に示すように、前記ベース２とサイドプレス１
８との間に強固に保持される。

その後、差金１４が元の位置まで戻ると、セツ
ト台６は後方（第１図下方）に移動して中間点
（第２停止点）で停止する。このとき、前記メー
ンプレス１６は下方に降り始め中間点で停止し、
芯地１７を前記芯地押え１５によつて運針位置で
下方に押圧し保持するとともに、前記芯地当りは
セツト台６の両端の固定金具が解除されて前方
（第１図上上方）に戻る一方、セツト台６は再び
後方に移動し元の位置に戻る。そして、前記メー
ンプレス１６を再び降下させてネクタイ地８と芯
地１７とを強固に下方に押圧し、前記運針装置２
１によつて針を案内部材２２内の通路を介して送
ることによりネクタイの芯付け作業を行う。この
芯付け作業終了後、前記メーンプレス１６および
サイドプレス１８は、それぞれ元の位置に戻つ
て、一連のネクタイの芯付け作業が終了する。

従つて、上記実施例では、前記ベース２の前端
面３に前記差金１４に対応する位置に複数の凹部
４，４…を設けるとともに、前記サイドプレス１
８に前記凹部４に対応してベース２側に付勢され
た複数の係止部材２０，２０…を設け、該各係止
部材２０は、前記サイドプレス１８がベース２側
に移動する際、前記凹部４の両端で突出する押圧
部５に向かうようになされているので、ネクタイ
の芯付け時、前記差金１４が前記ベース２と前記
サイドプレス１８との間に挿入されても、ネクタ
イ地８は、第４図に示すように、前記係止部材２
０によつて差金１４を挟んで両側に対称に押圧保
持され、よつて、ネクタイ地８が一方に偏つたり
するようなことがなくなり、ネクタイの仕上がり
が良好なものになる。

（考案の効果） 以上の如く、本考案によれば、ネクタイ地をベ
ースとサイドプレスとの間に２つ折りにして保持
した状態で芯地に縫い付けるネクタイの芯付装置
において、前記ベースの前端面に上下方向に伸び
る複数の凹部を設けるとともに、前記サイドプレ
スに前記凹部に対応する位置にベース側に付勢さ
れた複数の係止部材を設け、該係止部材と前記凹
部両側の押圧部とを互いに対向させて２つ折りに
されたネクタイ地を押圧保持するようにしたの
で、ネクタイの芯付け時、前記ベースとサイドプ
レスとの間に差金が挿入されても、ネクタイ地は
一方に偏ることなく差金を挟んで両側に対称に強
固に押圧保持され、よつて、ネクタイ地に捩じれ
等の癖が生じず、縫製後のネクタイが捩じれた
り、一方に偏つたりするようなことがなくなつて
良好に仕上げることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の一実施例を示
し、第１図および第２図はネクタイ縫製装置の全
体構成を示す平面図および側面図、第３図は要部
の拡大斜視図、第４図は差金が挿入されてベース
とサイドプレスとの間にネクタイ地が保持されて
いる状態を示す図である。第５図は従来のネクタ
イの芯付装置における第４図に相当する図であ
る。 １…ネクタイの芯付装置、２…ベース、３…前
端面、４…凹部、６…セツト台、７…折溝、１１
…ネクタイ折機、１４…差金、１８…サイドプレ
ス、２０…係止部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ベースの前方に対向して配され前後方向に移
   動自在のサイドプレスと、前記ベース上で前後
   方向に移動自在に載置され長く伸びる一条の折
   溝を有するセツト台と、前記ベースの上方に上
   下方向に移動自在に配され下方に伸びる差金を
   装着したネクタイ折機とを備え、ネクタイの芯
   付け時、前記差金によつて前方に移動した前記
   セツト台に載置されたネクタイ地を２つ折りに
   するとともに、前記ベースと前記サイドプレス
   との間に前記ネクタイ地を保持した状態で前記
   ネクタイ地に芯地を縫い付けるネクタイの芯付
   装置において、 前記ベースの前端面に前記差金に対応する位
   置で上下方向に伸びる複数の凹部を設けるとと
   もに、前記サイドプレスに前記ベース側に付勢
   された複数の係止部材を設け、ネクタイ地の２
   つ折り時、該ネクタイ地が前記サイドプレスと
   前記ベースの前端面との間で前記差金を挟んで
   両側に対称に保持されるようにしたことを特徴
   とするネクタイの芯付装置。 (2) 前記サイドプレスは、前記差金が最下点に達
   する直前に前記ベース側に移動を始めるように
   した実用新案登録請求の範囲第(1)項記載のネク
   タイの芯付装置。 (3) 前記係止部材は、前記差金が最下点に達する
   と同時に前記ネクタイ地を押圧するようにした
   実用新案登録請求の範囲第(2)項記載のネクタイ
   の芯付装置。