JPH0334540Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自立性を有し内外からの強い圧力に耐
性がありながら可撓性であつて、排水管の如く土
中に埋設して使用するような場合或いは縦樋に使
用する様な場合に適したスパイラル管に係る。

（従来技術および問題点） 従来、可撓管としては軟質合成樹脂製管の外周
面上に硬質合成樹脂製の補強線材を螺旋状に捲回
固着してなる合成樹脂可撓管は周知である。しか
しこの物は土木作業用の如く頻繁に移動し形を変
える場合には好都合であるが、定位置で使用する
様な用途には柔軟に過ぎる為に支持体を別に設け
る必要があるなどかえつて不便な場合がある。

（問題点を解決するための手段） 本考案者は定位置に設置する場合の様に設置時
にある程度の柔軟性があればよいという用途のあ
る事に着目し本考案に到達した。

即ち本考案は、ひれ付き中空管であつて、ひれ
は中空管の軸芯よりずれた位置に全長に亘つて両
側に張出して設けられ、両側のひれは略々同一平
面上にあるひれ付き中空管をラセン状に捲回し、
全長に亘つてひれ同志を接合してなるスパイラル
捲管に於て、ひれ付き中空管を軟質プラスチツク
スで構成し、スパイラル管の外周面に接合しスパ
イラル管と同一ピツチで螺旋状に互いに離れて捲
回した帯状の硬質プラスチツクス層を有すること
を特徴とするスパイラル管である。即ち本考案は
基本的には帯状体を螺旋状に捲回して作るスパイ
ラル捲管に属すもので、帯状体がひれ付き中空管
であるものの改良に関わるものである。

次に図面に基ずいて本考案を説明する。

第１〜４図は本考案のスパイラル管の各例の軸
芯を含む切断面の断面略示図である。

本考案のスパイラル管の基本構成単位は第５図
１，２，３，４の如き断面形状の軟質プラスチツ
クス製ひれ付き中空体１であつてその断面形状は
これ以外にも種々ものが使用出来る。通常は製作
上、強度上、製品外観上、台形にするのが好まし
い。このひれ付き中空体１を中空部６が外方に出
る様に螺旋状に捲回しひれ部７，７′を接合して
スパイラル捲管を構成しこれに硬質プラスチツク
ス層４をスパイラル捲管と同ピツチで部分的に捲
回して構成する。又ひれ部７，７′の端同志の接
合形態としては第５図の如く斜面８，８′で接合
する方法及び段９，９′で接合する方法等をとり
うる。

硬質プラスチツクス層４を部分的に捲回す態様
としては第１〜４図の態様が代表的であるが、こ
れに限定されるものではなくこれらの組み合せで
も良いが硬質プラスチツクス層は部分的即ち互い
に離れている事が必要である。但し第１〜４図に
於てはひれ付き中空体１のひれ部７，７′同志の
接合面は図示を省略してある。

第１図は台形の中空部６の側面部２，２′と上
辺の側面寄り部３，３′に硬質プラスチツクス層
４，４′を設けた場合、第２図はひれ７，７′が接
合して形成される谷部５から台形の中空部６の側
面部２，２′にかけて硬質プラスチツクス層４を
設けた場合、第３図は台形の中空部６の全面に硬
質プラスチツクス層４を設けた場合、第４図は谷
部５のみに硬質プラスチツクス層４を設けた場合
である。

各態様のいずれを選ぶかは本考案のスパイラル
管の使用目的に応じて選べば良い。第３図のもの
は耐圧強度が大きく、第２図及び第４図のものは
ひれ部の接合部の強度が大きい。更に第２図及び
第４図のものは第６図に図示し後述する如く、ひ
れ部に透孔１０を設けて使用する場合に軟質プラ
スチツクスのみより強度低下が少なく、透孔の変
型も少ない利点がある。

本考案で軟質プラスチツクスとは例えば軟質塩
化ビニル、高圧法ポリエチレン、硬質プラスチツ
クスとは例えば硬質塩化ビニル、低圧法ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ABS樹脂等であるがこ
れらに限定されない。接合強度、成形性、価格な
どの点から最も好ましい組み合せは高圧法ポリエ
チレンと低圧法ポリエチレンの組み合せである。

本考案スパイラル管の製造方法は帯状体を捲き
回しながら相互に接合してゆくスパイラル捲管の
公知方法が使える。例えば、２台の押出機を使用
し１台は軟質プラスチツクスでひれ付き中空体を
押出してこれをひれ部が接合するように捲き回し
て熱接合してゆき、他の１台からは硬質プラスチ
ツクス帯状体を押出し先行したスパイラル捲管に
重ね合わせて組立ながら螺旋状に捲回し互いに熱
融着により一体的に接合する方法である。具体的
な管の製造装置は特公昭60−4772、特公昭44−
30399、特公昭46−12000、特公昭46−17919、方
法としては実開昭60−14918、特開昭60−18333が
挙げられる。

第１図及び第３図の如くひれ接合部に硬質プラ
スチツクス帯状体を接合しない場合にはこの様に
軟質プラスチツクスのひれ付き中空体と硬質プラ
スチツクス帯状体とを押出成型後組合せるのでは
無く一つ押出口金内で合体させて、合体した帯状
体を口金から押出しこれを重なるように捲き回し
てパイプにする方が好ましい。

本考案スパイラル管は耐圧強度を必要とする土
木工事、建設工事、海洋関係の排水に好適であ
る。例えば道路縦断雨水排水管、道路導水水抜き
桝取付管、林道、作業道、農道造成時排水、下水
道用汚水雨水取付管、トンネル縦断排水、用地造
成時排水、水田畑地潅漑排水、暗渠排水等に好適
である。

又本考案スパイラル管には第６図の如く谷部に
透孔１０があつてもよい。このように透孔を穿設
した場合には例えばゴルフ場、グランド、道路等
の地下水位を調節する吸排水管として、特に耐圧
強度を必要とする造成地等に好適である。農業用
の圃場用暗渠排水管等にも良い。

（発明の効果） 本考案のスパイラル管は柔軟性、気密性、水密
性については軟質プラスチツクスのみから成るス
パイラル捲管によつて構成されているので充分で
あり、強度的性能は主として硬質プラスチツクス
層が負つており、この点従来の可撓管が部分的に
軟質と硬質とが入交じつているのと大いに異なる
点である。又管内面側を平滑にする事も極めて容
易で、液体の流通性が良く、液体中の固形物が堆
積するすることも少ない。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図は本考案スパイラル管の軸心を含む
切断断面略示図、第５図はひれ付き中空体の断面
略示図、第６図は本考案スパイラル管の一例を示
す側面略示図である。 １は軟質プラスチツクス製ひれ付き中空体、４
は硬質プラスチツクス層。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) ひれ付き中空管であつて、ひれは中空管の軸
   芯よりずれた位置に全長に亘つて両側に張出し
   設けられ、両側のひれは略々同一平面上にある
   ひれ付き中空管をラセン状に捲回し、全長に亘
   つてひれ同志を接合してなるスパイラル捲管に
   於て、ひれ付き中空管を軟質プラスチツクスで
   構成し、スパイラル管の外周面に接合しスパイ
   ラル管と同一ピツチで螺旋状に互いに離れて捲
   回した帯状の硬質プラスチツクス層を有するこ
   とを特徴とするスパイラル管。 (2) ひれ付き中空管の中空管部が外方に出るよう
   に捲回した実用新案登録請求の範囲第１項記載
   のスパイラル管。 (3) 中空管が断面略々台形でその底辺の延長上に
   ひれが設けられている実用新案登録請求の範囲
   第１、２項記載のスパイラル管。 (4) 外方に出た中空管部の側面に硬質プラスチツ
   クス層が接合されている実用新案登録請求の範
   囲第１、２、３項記載のスパイラル管。 (5) 外方に出た中空管部全面に硬質プラスチツク
   ス層が接合されている実用新案登録請求の範囲
   第１、２、３項記載のスパイラル管。 (6) ひれ部に硬質プラスチツクス層が接合されて
   いる実用新案登録請求の範囲第１、２、３項記
   載のスパイラル管。 (7) ひれ部から外方に出た中空管部の側面にかけ
   て硬質プラスチツクス層が接合されている実用
   新案登録請求の範囲第１、２、３項記載のスパ
   イラル管。 (8) 軟質プラスチツクスが低密度ポリエチレンで
   ある実用新案登録請求の範囲第１〜７項記載の
   スパイラル管。 (9) 硬質プラスチツクスが高密度ポリエチレンで
   ある実用新案登録請求の範囲第１〜７項記載の
   スパイラル管。