JPH087192Y2 - 螺旋管 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は螺旋管に関し、更に詳
しくは、表面に螺旋状のリブ部分（凸条部分）を有し大
きな耐圧強度を具備しているので、排水管、地下埋設下
水道管、地下埋設一般土木用管、その他耐荷重性一般用
途の大口径プラスチックス管等として土中に埋設して用
いられる螺旋管に関する。

【０００２】一般に螺旋管は、管壁のリブ部分が螺旋状
であり、リブ部分の内部に使用される補強材としては例
えば断面を円形とする合成樹脂製円筒管が挙げられる。
また螺旋凸条が螺旋管に大きな耐圧強度を与えるので、
その螺旋管を土中に埋設して排水管等として用いられて
きた（例えば、特開昭５６−１０１８３２号公報参
照）。更に補強材としては、断面を円形又は半円形と
し、輪状に凸条部を有する可撓性のコルゲート管の使用
が提案されている（実公平２−４３００号公報参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】螺旋管は上述のごとく
排水管として用いられるが、先般より大口径（例えば内
径２００mm〜３０００mm）の排水管の需要が高まってい
る。しかしこの種の排水管は埋設される土中から受ける
圧力（土力）が非常に大きく、従って高強度の螺旋管を
得るには、大量の合成樹脂材料を使用しなければならな
いことから、わずかでも低重量で大きな耐圧強度を有す
る螺旋管の開発が待たれていた。

【０００４】

【課題を解決するための手段及び作用】この考案は表面
に螺旋状のリブ部分を形成し、かつそのリブ部分に可撓
性補強材を内挿した螺旋管において、前記可撓性補強材
が表面に輪状の凸条部を有するコルゲート管からなり、
かつそのコルゲート管の横断面が略角形である螺旋管で
ある。

【０００５】ここでコルゲート管はポリオレフィン系樹
脂、ナイロン系樹脂等の熱可撓性樹脂又はアルミニウ
ム、鋳鉄等の柔軟性の金属で形成されるのが好ましく、
横断面としては略角形、例えば正方形（四角形）、長方
形、三角形、台形を挙げることができ、好ましくは正方
形、長方形を挙げることができる。

【０００６】

【実施例】以下、図に示す実施例に基づきこの考案を詳
述する。なお、これによってこの考案が限定されるもの
ではない。まず図１〜２において、螺旋管としてのポリ
エチレン樹脂製排水管（１）は、表面に一すじの螺旋状
のリブ部分（凸条部分）（２）を有し、そのリブ部分に
は可撓性補強材としてナイロン６樹脂製コルゲート管
（３）を内挿している。なお、（４）は螺旋管の左端に
形成された継手受口部である。

【０００７】そしてこのコルゲート管（３）は、図３〜
５のごとく表面に輪状の凸条部（５）（６）……を形成
し、横断面が略正方形であり、管壁の厚さは全体的に略
同一である。以上の構成を備えた螺旋管（１）は、図６
〜７のごとく、同一の構成の螺旋管（１ａ）と継手受口
部（４）にて接続されて土中に埋設され、従来のものに
比べて高い耐圧強度を発揮できる。

【０００８】ここで、コルゲート管の横断面を略円形と
した従来例との耐圧強度の比較を説明するが、説明をわ
かりやすくするために、コルゲート管（３）の横断面で
ある略正方形の一辺と従来例のコルゲート管の円形の直
径とを同一寸法とし、螺旋管のリブ部分に使用する合成
樹脂量を変えないとすると、コルゲート管（３）の横断
面積が従来例のコルゲート管のそれよりも大きいので、
螺旋管（１）のリブ部分（２）の山頂部分に合成樹脂を
盛り上げることができる（図４において一点鎖線より上
に盛り上げる）。そして螺旋管（１）のリブ部分（２）
の断面二次モーメントが大きくなり、それによって耐圧
強度（偏平強度）を著しく上昇させることができると言
える。

【０００９】発明者の試算によれば、コルゲート管の横
断面を上述のごとく円形から正方形にすることによっ
て、耐圧強度を１．６倍上昇させることができる。な
お、以上の実施例とは異なり、螺旋管のリブ部分の外形
を図８に示すごとく角形とすることもできる。更に螺旋
管のリブ部分を実施例のごとき一すじではなく、２以上
のすじで形成することもできる。

【００１０】ここで参考までに実施例の螺旋管（１）の
寸法、材料仕様例を挙げる。 （ｉ）螺旋管（１）の外径：１２１６mm 同じく内径：１２００mm リブ部分（２）の高さ：２８mm 同じく幅：４６mm 同じく螺旋ピッチ：７０mm 螺旋管（１）の材質：ポリエチレン樹脂 （ii）コルゲート管（又はコアチューブ）（３）の外形：２５mm×２５mm 凸条部（５）の高さ：２mm 同じく幅：２．２mm 同じくピッチ：２．９mm コルゲート管（３）の平均肉厚：０．９mm 同じく材質：ナイロン６樹脂 これらの螺旋管（１）は、図９（ａ）または（ｂ）に示
すように可撓性補強材（コルゲート管（３））を内挿し
た帯状片を常法により回転体に捲回して接溶着すると造
管できる。

【００１１】なお、押出成形によりコルゲート管（３）
を内挿した帯状片を回転体に捲回して帯状片の両端部を
融着させて連続的に螺旋管（１）を製造するとき、断面
が円形状の従来のコルゲート管では巻き締まりにより螺
旋管（１）は軸芯内壁側に沈み易く、即ちコルゲート管
の底部と螺旋管（１）の内壁側の厚みが薄くなり、強度
低下の原因となるが、コルゲート管（３）の断面が略角
形のときは巻き締まりによる沈みが少なく、高強度の螺
旋管（１）を設計通りに得ることができる。

【００１２】

【考案の効果】この考案によれば、可撓性補強材とし
て、表面に輪状の凸条部を有するコルゲート管を用い、
しかもそのコルゲート管の横断面を略角形とすることに
よって、横断面を略円形とする従来例に比べて、著しく
耐圧強度を上昇させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す正面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ部分拡大断面図である。

【図３】図２のＢ−Ｂ部分断面図である。

【図４】図３のＤ−Ｄ断面図である。

【図５】図３のＣ−Ｃ断面図である。

【図６】使用状態を示す参考断面図である。

【図７】使用状態を示す参考斜視図である。

【図８】他の実施例の図２相当図である。

【図９】この考案の実施例に係る造管方法を示す断面図
である。

【符号の説明】

１ 排水管（螺旋管） ２ リブ部分 ３ コルゲート管 ５，６ 凸条部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表面に螺旋状のリブ部分を形成し、かつ
   そのリブ部分に可撓性補強材を内挿した螺旋管におい
   て、前記可撓性補強材が表面に輪状の凸条部を有するコ
   ルゲート管からなり、かつそのコルゲート管の断面が略
   角形である螺旋管。
2. 【請求項２】 コルゲート管の断面が略正方形である請
   求項１に記載の螺旋管。