JPH0334323Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案は自動車の車体に前面、後面などの窓ガラ
スを接着して固定する際に、窓ガラスの縁の回り
を抑えるモールを車体に取付けるための接着式ウ
インドのモール取付装置に関する。

（従来の技術） 従来、自動車の窓ガラスを接着で車体に固定す
る場合、車体には第１図に示す様に窓ガラス１よ
りも一回り大きな窪み２を形成すると共に、この
窪みの底に窓ガラスよりも一回り小さな窓開口３
を開設し、窪みの底の周縁部４上にシーラント５
で窓ガラスの周縁部下面を接着する。そして、窪
みの内周側面２′にはベース部材６を感圧式など
の両面粘着テープ７で一巡する様に固定し、この
ベース部材６にモールデイングクリツプ８を点々
と取付け、モールデイングクリツプ８により窓ガ
ラスの周縁部上面に沿つてモール９を固定するこ
とが知られている。

（考案が解決しようとする問題点） ベース部材６は通常、プラスチツクの押出成形
品で、第１図に示す様なＪ字形断面形状（実開昭
53−72324、同54−122524、同55−2775号各公報）
又はｈ字形断面形状であり、いずれも窪みの内周
側面２′からの突出量ｌが多いため、窪みの底の
周縁部４上に付着させるシーラント５の量に制限
があり、シール性ないし防水性に問題がある。シ
ーラント５はベース部材を窓の内周側面に固定さ
せる機能を果すが、このシーラントが少いとその
固定状態が不安定となり、又、モールデイングク
リツプ８も、従来はベース部材６と同様にプラス
チツクの成形品であるため夏季など自動車の車体
が高温になるとクリツプ８とベース部材６が熱変
形しクリツプがベース部材から外れたり、ベース
部材が内周側面から剥れたりするなどの問題があ
る。

（問題点を解決するための手段） そこで本考案は、背面を両面粘着テープで車体
に固定されるベース部材と、このベース部材に取
付けられ、車体に接着された窓ガラスの周縁部上
面を上から抑えるモールを直接又は間接に取付け
るクリツプとからなる自動車の接着式ウインドの
モール取付装置において、 ベース部材６は車体を覆う弾性に富んだ薄肉の
上部６ａと、厚肉で剛性な下部６ｂとからなる一
体の扁平な板状断面形状を有するプラスチツク押
出材からなり、クリツプ８はＵ字形の金属板製
で、左右に離れて起立する複数の背面片８ｂ，８
ｂと、上記背面片の間隔の前で起立し、前記ベー
ス部材６に下から嵌めたときに上記背面片との間
でベース部材の下部６を挟むと共に、上部にモー
ルを直接又は間接に取付ける鉤部１０を備えた前
面片８ａとからなり、前記ベース部材の下縁に
は、クリツプを下から嵌める位置に前記クリツプ
の溝形の下端部８′を収容する切欠き１１を設け
たことを特徴とする。

（実施例） 第２図は本考案の取付装置の一実施例によつて
モールを取付けた第１図と同様な取付状態の断面
図、第３図、第４図はベース部材６とクリツプ８
の斜視図を示す。

ベース部材６は窪みの内周側面２′の上部を被
覆するために背面に向かつて彎曲した肉薄の弾性
に富む上部６ａと、それよりも部厚で、剛性のあ
る下部６ｂを一体に備えた扁平な板状の断面形状
を有し、プラスチツク、例えば押化ビニールから
押出成形し得る。

クリツプ８は、前記ベース部材の下部６ｂを挟
むために、例えばステンレス薄板からＵ字形にプ
レスで加工した成形品で、左右に離れて起立する
二枚の背面片８ｂ，８ｂと、上記背面片の間隔の
前で起立し、上部に鉤部１０を備えた前面片８ａ
とからなる。前面片８ａを背面片８ｂ，８ｂの間
隔の前に位置して設けたのは、前面片の上部に鉤
部１０を折り曲げて形成するためである。

又、クリツプのＵ字形の下端部８′が窪みの底
の周縁部４の接触するのを防止するため、ベース
部材の下部６ｂの下縁のクリツプ取付位置に図示
の如く切欠き１１を後加工し、こゝにクリツプを
取付けてクリツプの下端部８′をベース部材の下
部の下縁よりも上に位置させるようにする。

そして、ベース部材６は窪みの内周側面にめぐ
らせる必要長さに切断し、その下部６ｂに所要の
間隔で下からクリツプ８を嵌め、クリツプの前面
片と背面片を工具で挟んでベース部材の下部６ｂ
に挟み付かせ、それからベース部材の背面に両面
粘着テープ７を貼着し、粘着テープの他面で窪み
の内周側面２′に沿つて固定し、一巡させる。そ
して、鉤部１０にモール９の外周縁部を引掛け、
モールの内周縁部を窓ガラスの周縁部上面に当接
させる。

図示の実施例ではクリツプの鉤部１０にモール
９を引掛けて直接にモールを保持しているが、鉤
部１０に別のクリツプを引掛け、このクリツプに
よつてモールを間接に保持するようにしてもよ
い。

（考案の効果） この様に本案のベース部材は扁平な板状の断面
形状であるため、製造するための成形が容易であ
ると共に、窪みの内周側面２′からの突出量ｌが
小さいため、窪みの底の周縁部４上に付着するシ
ーラントの量を多くすることができ、又そのまわ
りが良好になり、且つこれを均らす工程の作業も
行ない易いのでシール性は従来のものに較べ格段
と改善される。

又、クリツプは金属製で、ベース部材の厚くて
剛性がある下部６ｂに挟み付けて取付けてあるた
め取付強度は高く、且つ耐熱性も向上する。

そして、ベース部材の背面に位置するクリツプ
の背面片８ｂの厚みは両面粘着テープ７の弾性で
吸収するため窪みの内周側面２′への粘着に何等
の支障を及ぼさないと共に、この両面粘着テープ
は金属のクリツプの背面片が車体の窪みの内周側
面に接触し、塗装を傷付けて発錆するのを防止す
る。

更に、クリツプの下端部８′はベース部材の下
部６ｂの下縁に設けた切欠き１１に収容され、車
体の窪みの底の周縁部４に接触しないので、窪み
の底の周縁部の塗装を傷付けて発錆させることも
ない。

こうして本考案によれば従来の問題点を解消
し、部品コストの低減した自動車の接着式ウイン
ドのモール取付装置を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のモール取付装置の取付状態での
断面図、第２図は本考案の一実施例によるモール
取付状態の断面図、第３図は同上のベース部材の
斜視図、第４図は同じくクリツプの斜視図であつ
て、図中、１は窓ガラス、６はベース部材、６ａ
はその上部、６ｂは下部、７は両面接着テープ、
８はクリツプ、９はモールを示す。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 背面を両面粘着テープで車体に固定されるベー
   ス部材と、このベース部材に取付けられ、車体に
   接着された窓ガラスの周縁部上面を上から抑える
   モールを直接又は間接に取付けるクリツプとから
   なる自動車の接着式ウインドのモール取付装置に
   おいて、 ベース部材６は車体を覆う弾性に富んだ薄肉の
   上部６ａと、厚肉で剛性な下部６ｂとからなる一
   体の扁平な板状断面形状を有するプラスチツク押
   出材からなり、クリツプ８はＵ字形の金属板製
   で、左右に離れて起立する複数の背面片８ｂ，８
   ｂと、上記背面片の間隔の前で起立し、前記ベー
   ス部材６に下から嵌めたときに上記背面片との間
   でベース部材の下部６を挟むと共に、上部にモー
   ルを直接又は間接に取付ける鉤部１０を備えた前
   面片８ａとからなり、前記ベース部材の下縁に
   は、クリツプを下から嵌める位置に前記クリツプ
   の溝形の下端部８′を収容する切欠き１１を設け
   たことを特徴とする自動車の接着式ウインドのモ
   ール取付装置。