JPH0334110Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案の現場において左右組替え自在に組み
立てることができる組立式収納家具に関するもの
である。

〔従来の技術〕

従来、引違い戸を有する収納部と、この収納部
の右側あるいは左側に位置する収納部を有する収
納家具を左右組替え自在にするには側板および中
仕切板等を上下に引つくり返しても使用できるよ
うにすることによつて行なつていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕

従来の構成であれば、側板あるいは中仕切板が
反つたり、その建てつけが悪い場合に側板あるい
は中仕切板と引き戸との間に隙間が生じる恐れが
あつた。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案は上記従来技術の欠点を解消するため
に考案されたものである。すなわち、天板、地
板、背板、側板、中仕切板、引違い戸とからな
り、組み立てられた時に引違い戸を有する収納部
とこの収納部の右側あるいは左側に位置する収納
部とを有する組立式収納家具において、側板の内
側前縁部および中仕切板の引違い戸を有する収納
部側の前縁部に縦方向に沿つて段部を形成し、こ
の段部に、基片の両端縁から内側に延出する延出
片と、上記基片の一端縁から外側に延出し、側板
あるいは中仕切板の前部木口を覆う木口覆い片
と、上記基片の中央部から内側に延出する区画片
とからなる凹溝用部材を取り付けるとともに、こ
の凹溝用部材の一方の凹溝に取り付ける嵌装部材
を有してなる組立式収納家具に係るものであり、
その目的とするところは、左右の組み替えを自由
にでき、かつ側板および中仕切板と引違い戸との
間に隙間を生じないようにした組立式収納家具を
提供することにある。

以下この考案を実施例により詳述する。

第１図は、右側に引違い戸を有する収納部を配
置した収納家具、第２図は左側に引違い戸を有す
る収納部を配置した収納家具で、第３図および第
４図はそれぞれ第１図および第２図の水平断面図
である。

１は組立式収納家具を組み立てた時の本体で、
側板２の内側前縁部および中仕切板３の引違い戸
４を有する収納部５側の前縁部に縦方向に沿つて
段部６が形成されている。この段部６に合成樹脂
製・金属製等の凹溝用部材１４が取り付けられ
る。この凹溝用部材１４は、第５図にも示されて
いるように基片１５と、その両端縁から内側（第
５図上側）に延出する延出片１６と、上記基片１
５の外端縁から外側（第５図下側）に延出し、側
板２あるいは中仕切板３の木口を覆う木口覆い片
１７と、上記基片１５の中央部から内側に延出す
る区画片１８とから形成されている。１９は凹溝
用部材１４の木口覆い片１７に設けられた嵌押片
で、凹溝用部材１４の固定用に使用される。この
凹溝用部が側板および中仕切板の段部６に接着
剤・ビス等により取り付けられるとともに側板あ
るいは内仕切板の木口面に嵌押片１９が嵌押され
て固定される。また延出片１６の凹溝形成側およ
び区画片１８の両側略中央部にはそれぞれ溝２
０，２１が設けられ、頂部にはそれぞれ突起２
２，２３が形成されている。２４は凹溝用部材１
４を取り付ける時に側板２や中仕切板３の段部６
と凹溝用部材１４との間に隙間があかないように
設けられた縁片である。側板２や中仕切板３に取
り付けられた凹溝用部材１４の一方の凹溝７に
は、引違い戸を閉めた時に、引違い戸の端部が嵌
入されるが、他方の凹溝７には、合成樹脂・木
製・金属製等適宜材料からなる嵌装部材８が嵌装
される。この嵌装部材８は凹溝用部材１４の凹溝
の形状と類似しており、凹溝用部材１４の延出片
１６や区画片１８に設けられた溝２０，２１に対
応する位置には突起２５が設けられ、突起２２，
２３に対応する位置には、切欠２６が設けられ、
嵌装部材８を凹溝用部材１４の凹溝７に嵌装した
時に、容易に離脱しないように構成されている。

収納家具の左右の組み替えは、第３図および第
４図に示すようにの位置にある側板２を′の
位置に、の位置にある中仕切板３を′の位置
に、の位置にある側板２を′の位置に、それ
ぞれの側板、中仕切板を上下逆にして取り付け
る。また同時に、各々嵌装部材を上下に摺動させ
て元の凹溝から取りはずし、各々左右逆になるよ
うに嵌装・固定する。このようにした左右の組み
替えを現場で簡単に行なうことができる。９は天
板、１０は地板、１１は前扉、１２は背板、１３
は収納部である。

〔考案の効果〕

この考案は上述のように構成されているので、
現場での組立ての際でも手間をかけずに容易に左
右勝手自在に組立てることができ、しかも側板お
よび中仕切板が反つたりその建てつけが悪い場合
でも、この考案による凹溝用部材を用いれば、側
板や中仕切板と扉との間に隙間が生ずることはな
い。また凹溝用部材には、側板あるいは内仕切板
の前部木口を覆う木口覆い片を有しているので、
側板や中仕切板に凹溝を形成すると同時にそれら
の木口を化粧しており、外観が美麗であると同時
に側板や中仕切板の角部が損傷しにくいという効
果を有する。

さらに、前記嵌装部材は、前記凹溝の形状と類
似しており、凹溝用部材の延出片および区画片に
設けられた溝に対応する位置に突起が設けられて
いるので、前記嵌装部材は強固にしつかりと取り
付けることができ、容易に凹溝から離脱しない。
また、前記嵌装部材は上述のように接着剤を用い
なくても機械的に嵌装・固定される構成をとつて
いるので、前記嵌装部材が引違い戸の開閉時によ
る衝撃で破損しても取り換えが容易となる利点が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は右側に引違い戸を有する収納部を配置
した収納家具、第２図は左側に引違い戸を有する
収納部を配置した収納家具、第３図および第４図
はそれぞれ第１図および第２図の水平断面図、第
５図はこの考案の要部拡大端面図である。 １……収納家具、２……側板、３……中仕切
板、４……引違い戸、５……収納部、６……段
部、７……凹溝、８……嵌装部材、１４……凹溝
用部材。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 天板、地板、背板、側板、中仕切板、引違い戸
   とからなり、組み立てられた時に引違い戸を有す
   る収納部とこの収納部の右側あるいは左側に位置
   する収納部とを有する組立式収納部において、側
   板の内側前縁部および中仕切板の引違い戸を有す
   る収納部側の前縁部に縦方向に沿つて段部を形成
   し、この段部に、基片の両端縁から内側に延出す
   る延出片と、上記基片の一端縁から外側に延出
   し、側板あるいは中仕切板の前部木口を覆う木口
   覆い片と、上記基片の中央部から内側に延出する
   区画片とからなり、上記延出片の凹溝形成側およ
   び区画片の両側略中央部には各々溝が設けられて
   いる凹溝用部材を取り付けるとともに、この凹溝
   用部材の一方の凹溝に取り付ける嵌装部材を有し
   てなり、この嵌装部材は前記凹溝の形状と類似し
   ており、凹溝用部材の延出片および区画片に設け
   られた溝に対応する位置には突起が設けられてな
   る組立式収納家具。