JPH0334013Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、コンピータ、各種電子機器等の入力
装置として用いられ、比較的押圧面の大きなキー
トツプを有するキーボードスイツチに関するもの
である。

〔従来の技術〕

一般に、パソコン、キヤツシユレジスタ等のス
ペースキーやフアンクシヨンキーのように、その
キートツプがキースイツチの数倍の広い押圧面を
有するものでは、キートツプの隅部を押しても確
実にキートツプが上下してキースイツチが開閉す
ることが必要である。このため、キースイツチと
並列にキー案内体を設け、このキー案内体によつ
てキートツプの上下動を案内するようにしたキー
ボードスイツチがある。このようなキーボードス
イツチのキー案内体は、従来、第６図に示すよう
に構成されていた。すなわち、１はプラスチツク
で一体成形されたキー案内体で、このキー案内体
１は、上部にキートツプの案内子を摺動可能に嵌
合または遊嵌する案内孔２が形成され、中間部に
キーボードフレーム３に穿設された取付穴４の周
縁面の上面に当接する上面当接部５が形成され、
下部に水平方向へ弾性変形可能な係止脚６，７が
形成されてなり、この係止脚６，７をキーボード
フレーム３の取付穴４へ圧入係止することによつ
てキー案内体１をキーボードフレーム３に固定的
に取付けていた。

〔考案が解決しようとする問題点〕 このように、従来のキーボードスイツチのキー
案内体１は、キーボードフレーム３に固定的に取
付けられていたので、水平方向の移動ができず、
キー案内体１の案内穴２とキートツプの案内子と
の寸法誤差による位置ずれを吸収できなかつた。
また、案内穴２に多少の余裕があつても、寸法誤
差によるコイルばねの中心軸のずれを吸収できな
かつた。このため、キートツプがスムーズに上下
動し難いという問題点があつた。

また、上述の問題点を解消するために、取付穴
４を若干大きめに穿設し、キー案内体１を前後左
右に移動可能にしたものもあつたが、キーボード
フレーム３の取付穴４は一般に打ち抜き加工で形
成されるため、取付穴４の内側端縁の下側にバリ
３５ができ易く、このバリ３５が接触して、キー
案内体１の前後左右の移動が不良となるという問
題点があつた。

本考案は上述の問題点に鑑みなされたもので、
キー案内体をキーボードフレームの面に平行移動
可能に形成して、寸法誤差による位置ずれまたは
コイルばねの中心軸ずれを吸収し、もつてキート
ツプがスムーズに上下動できるようにしたもので
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、以上のような問題点を解決するため
になされたもので、キーボードフレームに取付け
たキースイツチに、このキーボードスイツチを開
閉するキートツプを設け、このキートツプの前記
キーボードフレームに取付けたキー案内体で摺動
可能に案内される案内子を設けてなるキーボード
スイツチにおいて、前記案内体は、前後左右に移
動可能な余裕をもつて前記キーボードフレームの
取付穴に遊嵌されるとともに、前記取付穴の周縁
面の上下と下面とにそれぞれ摺動可能に当接する
上面当接部と下面当接部とを具備し、この下面当
接部に、取付穴の内側下端縁に臨むバリ逃げ溝を
形成してなるものである。

〔実施例〕

第１図から第５図までは本考案の一実施例を示
すものである。第１図において、１０はプリント
基板で、このプリント基板１０の上部には図示し
ないスペーサを介して鉄板やアルミニウム板のよ
うな金属板で形成されたキーボードフレーム１１
が固定されている。前記キーボードフレーム１１
には、キースイツチ１２の本体１３が固定的に取
付けられ、この本体１３には、コイルばねで上方
向へ付勢されたキーステム１４が摺動可能に取付
けられている。前記キーボードフレーム１１に
は、打抜き加工によつて取付穴１５が穿設され、
この取付穴１５には、プラスチツクで一体成形さ
れたキー案内体１６が前記キーボードフレーム１
１と平行方向に摺動可能に取付けられている。前
記キー案内体１６には、上部に開口した案内穴１
７が形成され、この案内穴１７の底面にはコイル
ばね１８の一側を係合係止するばね係合突起１９
が突設されている。２０はキートツプで、このキ
ートツプ２０の下面には、前記キーシステム１４
の係止突起１４ａに嵌合係止する嵌合爪２１と、
前記キー案内体１６の案内穴１７に摺動可能に嵌
合するボス型状の案内子２２とが突設され、この
案内子２２内には、前記コイルばね１８の他側を
係合する係合凹部２３が形成されている。なお、
前記キートツプ２０の案内子２２は前記キー案内
体１６の案内穴１７に摺動可能に遊嵌するように
形成してもよい。前記コイルばね１８は前記キー
スイツチ１２のキーステム１４を上方へ付勢する
コイルばねと略同一のばね力に設定され、キート
ツプ２０の押圧抵抗が均一化されている。

前記キー案内体１６は第２図から第５図に示す
ように構成されている。これらの図において、２
４は中央部に前記案内穴１７を穿設した有底円筒
状の本体で、この本体２４の外側面中部には、左
右方向に連接され、リブ体部２５，２５によつて
補強された略Ｔ字形の第１連接体１図２６，２６
と前後方向に連接されて略Ｉ字形の第２連接体２
７，２７とが一体に形成されている。前記第１、
第２連接体２６，２６，２７，２７の先端部に
は、下方へ向つて段状に切欠かれ下面を前記取付
穴１５の周縁面の上面に摺動可能に当接する上面
当接部２８，２８，２９，２９が形成されてい
る。前記本体２４の外側面下部の前後には、左右
に翼状に伸設された弾性板体３０，３０の中央部
が連接され、この弾性板体３０，３０のそれぞれ
の両端部には、圧入用突起３１，３１，３１，３
１が一体に突設されている。前記圧入用突起３
１，３１，３１，３１の上部には、上端面が前記
取付穴１５の周縁面の下面に摺動可能に当接する
下面当接部３２，３２，３２，３２と前記取付穴
１５の内側下端縁に臨んで形成されたバリ逃げ用
のバリ逃げ溝３３，３３，３３，３３とが形成さ
れている。前記圧入用突起３１，３１，３１，３
１の下部は、前記取付穴１５の圧入を容易にする
ために、下方へ向つて肉薄に形成されている。

つぎに、前記実施例の作用について説明する。
第２図の状態において、キーボードフレーム１１
の取付穴１５へキー案内体１６を圧入すると、弾
性板体３０，３０は、その圧入用突起３１，３
１，３１，３１が取付穴１５の内側面に押圧され
て第３図一点鎖線および第５図の一点鎖線の矢印
で示すように水平方向に弾性変形し、圧入係合が
完了すると原状に復帰する。このとき、取付穴１
５の内側面とキー案内体１６の側面との間には、
キー案内体１６の水平方向の移動を可能にするた
めの空間３４が形成され、かつキー案内体１６の
第１、第２連接体２６，２６，２７，２７の上面
当接部２８，２８，２９，２９はキーボードフレ
ーム１１の上面に摺動可能に当接し、弾性板体３
０，３０の下面当接部３２，３２，３２，３２は
キーボードフレーム１１の下面に摺動可能に当接
しているので、キー案内体１６はキーボードフレ
ーム１１の面と平行な水平方向にのみ移動可能と
なる。また、弾性板体３０、３０の圧入用突起
（３１、３１）（３１、３１）のバリ逃げ溝（３
３、３３）（３３、３３）内は、取付穴１５の内
側下端縁から下方へ突出してなるバリ３５の逃げ
となつているので、キー案内体１６の水平方向移
動の妨げとならないとともに、圧入組立時の障害
とならない。

前記実施例ではキー案内体は１つとしたが、本
考案はこれに限るものでなく、キートツプの押圧
面がさらに広い場合には２つ以上としてもよい。
例えば、キートツプの押圧面が広い正方形の場合
には、１つのキースイツチと３つのキー案内体と
を正方形の四隅点に配置し、キースイツチと対角
線状に向い合う点にある１つのキー案内体または
３点にあるキー案内体全てにコイルばねを設れて
キートツプの押圧抵抗を均一にするようにしても
よい。

〔考案の効果〕

本考案は以上のように、キー案内体の下面当接
部にバリ逃げ溝を形成したので、キー案内体の取
付穴にバリができていても、キー案内体の前後左
右の移動がスムーズになるという効果を有すもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図から第５図までは本考案によるキーボー
ドスイツチの一実施例を示すもので、第１図はキ
ー案内体について第３図のＡ−Ａ線で切断した一
部切欠き正面図、第２図は第１図のキー案内体の
斜視図、第３図はキー案内体の平面図、第４図は
キー案内体の底面図、第５図は第３図のＢ−Ｂ線
断面図、第６図は従来例におけるキー案内体を示
す一部切欠き正面図である。 １１…キーボードフレーム、１２…キースイツ
チ、１５…取付穴、１６…キー案内体、２０…キ
ートツプ、２２…案内子、２８，２９…上面当接
部、３３…バリ逃げ溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 キーボードフレームに取付けたキースイツチ
   に、このキースイツチを開閉するキートツプを設
   け、前記キーボードフレームに穿設された取付穴
   に取付けたキー案内体で上下に摺動可能に案内さ
   れる案内子を前記キートツプの下面に設けてなる
   キーボードスイツチにおいて、 前記案内体の本体の外側面に前記取付穴の周縁
   面の上面に摺動可能に当接する上面当接部を形成
   し、 前記案内体の本体の外側面であつて前記上面当
   接部の下側に弾性板体を設け、 前記取付穴への圧入の際に、この取付穴の内側
   面に押圧されて前記弾性板体の弾性により退避
   し、圧入の完了により復帰する圧入用突起を前記
   弾性板体の端部に一体に突設し、 この圧入用突
   起の先端部の上部に、上端面が前記取付穴の周縁
   面の下面に当接する下面当接部を上方へ向かつて
   突設して、この下面当接部より前記本体側を取付
   穴の内側下端縁に臨むバリ逃げ溝とし、 この案内体を前後左右に移動可能な余裕をもつ
   て前記キーボードフレームの取付穴に遊嵌してな
   ることを特徴とするキーボードスイツチ。