JPH0333685Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、無端状に連結して水平回転する多
数の棚枠を有する回転棚の出庫装置に関する。

従来の技術 従来、回転棚への物品搬出入には回転棚とは別
体の移載機を用い、回転棚に移載機構を設けなか
つたので、移載機が昇降、旋回、前後進等の物品
搬出入動作を行うことになり、したがつて、移載
機は構造が複雑で高価となる上に、物品１個当り
の入出庫サイクルの短縮が困難であるという問題
があつた。

考案が解決しようとする課題 本案は前記問題を解決した回転棚の出庫装置を
提供することを目的とする。

課題を解決するための手段 上記目的達成のため、本案は、無端状に連結し
て水平循環移動をする多数の棚枠の各々に、棚枠
の外側部分に水平軸をもつて枢着され物品収納位
置より上方へ個別傾動可能の棚板を設け、棚板は
前記傾動により棚板上の物品を滑降排出させるも
のである回転棚の出庫装置の構成を有する。

作 用 回転棚の停止位置において、所定の棚枠の棚板
の前端が搬入用コンベヤと同高に接続し、該コン
ベヤから棚板上に物品が送入される。送入は押し
込み、自重滑降のいずれでもよい。物品送入後回
転棚が回転して搬出用コンベヤの位置に停止し、
これと同高に棚板が接続すると、該棚板の後部を
油圧シリンダが持ち上げて傾斜させる。これによ
り棚板上の物品は滑降して搬出用コンベヤ上に移
乗する。

移乗後棚板が元の物品収納位置に復帰すると、
回転棚は起動し、次の物品の搬出入動作を行う。

実施例 第１図、第２図は本案実施例の回転棚１の概略
構造を示し、固定部材２に固定した水平無端状の
上部案内レール３及び下部案内レール４を互いに
垂直同心状に設け、これらの案内レール３，４に
沿つて転動するローラ５及び車輪６を有する竪形
棚枠７を多列に配列して互いに連動連結し、各棚
枠７から下方に突出する垂直駆動ピン８を駆動ス
プロケツト９及び従動スプロケツト１０に噛合さ
せて、各棚枠７を水平無端状に循環移動させる。

棚枠７は外側面が解放したコ字形水平断面形状
を有し、夫々複数個の棚板１１が適当な間隔をも
つて上下多段状に設けられる。棚板１１は棚枠７
の外側部分に水平軸１２をもつて枢着され、棚枠
７の内側部分に固定した支持台１３によつて棚板
１１が内方へ下傾した物品収納位置に支持される
よう引張ばね１４により付勢される。

上記構造の回転棚１の物品Ｍを搬入するには、
回転棚１の停止位置において各高さの棚板１１の
外端に夫々接続する複数の駆動式搬入コンベヤ１
５を設け、これにより物品Ｍを棚板１１上に送入
する。物品Ｍは棚板１１上を滑降し、当板１６に
当たつて安定に停止される。

回転棚１から物品Ｍを搬出するには、搬入コン
ベヤ１５と同様に棚板１１の外端に夫々接続する
複数の搬出コンベヤ１７を設ける。但し搬出コン
ベヤ１７は非駆動式でもよく、また同じ高さの搬
入コンベヤ１５に対しては例えば第３図のように
水平位置を異ならせて設けられる。

各搬出コンベヤ１７の設置した出庫位置におい
て、該コンベヤ１７と接続する棚板１１の後方下
位に棚板傾動装置１８を設ける。棚板傾動装置１
８は棚枠７より内方において各棚枠１１に対応し
て固定部材に取付けた水平のエアーシリンダ１９
と、そのロツドに固定した垂直のエアーシリンダ
２０及びこれにより昇降するプツシヤ２１とより
なり、プツシヤ２１の先端が棚板１１の下方に進
入して上昇することにより棚板１１の内端をばね
１４に抗して持ち上げて、棚板１１上の物品Ｍを
搬出コンベヤ１７上に滑降させる。該滑降後エア
ーシリンダ１９，２０は原位置に復帰し、棚板１
１は下傾した元の位置に戻る。

上記実施例は１個の棚枠７に複数個の棚板１１
を設けた例であるが、１個の棚板を有する棚枠を
無端状に連結した棚枠群を上下多段状に重ねて各
段ごとに独立して任意の速度で任意の方向に水平
循環する個別駆動型式の回転棚もあり、その構造
は公知であるから詳細な説明は省略するが、上記
の各棚枠群に対し上記と同様に夫々搬入用コンベ
ヤ１５、搬出用コンベヤ１７及び棚板傾動装置１
８を設けることができる。

考案の効果 本案は上記構成を有するため、次の通りの顕著
な効果を有する。

(1) 棚枠自体に移載機構を設けたので、従来の複
雑高価な移載装置が不要で、コンベヤとの間に
直接物品を搬出入させることができて、複数の
搬出口への同時搬出も容易に行うことができ、
装置全体を従来より遥かに安価（1/5〜1/3）に
製作うしうる。

(2) 搬出用エアーシリンダは各搬出位置に２台設
けるだけであるから、搬出サイクルを従来の移
載装置に比して大幅に短縮することができる。

(3) 従来の移載装置の作動サイクルタイムは棚板
の段数が増大すると昇降距離が増して長くなる
が、本案では全段に夫々棚板傾動装置を設ける
から、作動サイクルタイムは段数に関係なく一
定である。

(4) 出庫時以外においては、物品を収納した棚板
が内方へ下傾しているから、回転棚のＵターン
部において物品に遠心力が作用しても棚板上か
ら放下されることなく棚板上に載置保持するこ
とができる。

(5) 棚板傾動装置のプツシヤは、出庫時以外にお
いて棚板後部下位より後方に退動して位置して
いるので、内方に下傾している棚板後部と干渉
することなく、棚板の支障のない回転を確保で
きる。

【図面の簡単な説明】

図面は本案の一実施例を示し、第１図は中間部
を省略した概略平面図第２図は第１図のＡ−Ａ線
拡大断面図、第３図は搬入コンベヤと搬出コンベ
ヤの配置例を示す部分概略平面図である。 １……回転棚、７……棚枠、１１……棚板、１
２……水平軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 無端状に連結して水平循環移動をする多数の棚
   枠の各々に、棚枠の外側部分に水平軸をもつて枢
   着され物品収納位置より上方へ傾動可能の棚板を
   内方へ下傾した物品収納位置に支持されるように
   付勢して設け、出庫位置における棚板の後方下位
   には棚板の後部下位に進退動して昇降動するプツ
   シヤを有する棚板傾動装置を設けた回転棚の出庫
   装置。