JPH0333473B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明はくだもの、野菜および類似の食物を
種々の厚さの小さな棒状あるいは塊に切断する切
断装置に関し、特に、容器と、容器内に容器と同
軸的に延びた駆動軸と、駆動軸に取付けられ駆動
軸と一体的に回転するデイスクと、駆動軸に対し
て偏心して、かつ駆動軸と平行に延びているとと
もに、上記容器内に開口し切断される食物をデイ
スク上に導くホツパーダクトと、を備え、上記デ
イスクが切断された食物を容器の底へ向う通路の
開口を有しているような切断装置に関する。

更に詳細に述べると、この発明は例えば切り刻
む、薄く切る、切断する、押しつぶす、遠心分離
する、混ぜる等の種々の機能を行うための複数の
異なる用具を使用できる言わゆる多機能型の切断
装置に関する。

現在、この種の切断装置は、付帯的用具の数を
増やし、多数の機能を得たせる傾向にある。ま
た、この種の切断装置に最も要求される機能の１
つは、くだもの、野菜、あるいは類似の食物を小
さな棒状あるいは塊状に切断することである。

上記機能を達成するため、食物はデイスクとホ
ツパーダクトの端部との間で、まず、デイスクに
対して略垂直な細片に切断され、次にこれらの細
片は再びホツパーダクトの端部に沿つて切断され
なくてはならない。

上記目的のため、通常、複数の刃を有する器具
が使用され、これらの刃はデイスクに固定され
（あるいはデイスクと一体的に形成されている）
デイスクの一面から突出しているとともに、この
表面上で半径方向に配列されている。各刃は、デ
イスクに対して直角な部分とデイスクと平行な部
分とを有する略Ｌ字形状を成している。刃の内デ
イスクと垂直な部分は食物を細片に切断し、平行
な部分はその細片を更に切断する。

したがつて、刃の垂直な部分は、平行な部分よ
りも早く食物に当たらなくてはならない。

また、得られた棒状あるいは塊状の細片の横方
向寸法は、刃の垂直部分の長さおよびデイスクの
径方向に沿つた各刃間の間隔によつて決められ
る。

そのため、異なる寸法を有する種々の棒あるい
は塊を作り出すためには、刃の垂直部分の長さお
よび／あるいは垂直部分間の距離を変化させるこ
とが必要となる。したがつて、形成される小さい
棒状あるいは塊状細片の種類に応じた多数の器具
（デイスクおよび切断用の刃）を準備する必要が
ある。また、各器具（特にデイスク部分）および
駆動軸は、デイスクをホツパーダクトの端部から
適当な距離だけ離れた位置へ位置決めできるよう
に形成されていなくてはならない。

上述した技術的および経済的問題点を解消する
ため、デイスクの一面上に複数の開口を設け、各
開口内にくし状の切断工具を着脱自在に配設する
ようにしたものが提供されている。特に、各切断
工具は各開口内においてピンの回りで角度位置を
変更可能と成つており、各ピンは切断工具の刃が
デイスクから垂直に突出する作動位置と、刃が開
口内に引き込まれ切断工具の平坦な後面がデイス
クの面と同一平面上に位置する非作動位置との間
を回動可能と成つている。

この提案によれば、形成される棒状あるいは塊
状の細片の寸法は、各工具の刃間の間隔のみによ
つて決められる。

しかしながら、複数の切断工具を有するデイス
クを設けることは難しいとともに高価であり、し
かもデイスクの消耗が早く成つてしまうと言う問
題がある。

実際、食物の切断を行う間、各切断工具の刃は
常に衝撃を受けるため、切断工具を支持している
ピンおよびピンの支持部に疲労が生じる。そのた
め、ピンおよびピン支持結合部が変形し、切断工
具の切断作業あるいはデイスクからの切断工具の
取外しができなくなつてしまう可能性がある。

また、デイスクに形成された開口内に廃物が溜
まり易く、この廃物の除去は注意と時間とを必要
とする。

この発明は以上の点に鑑みなされたもので、そ
の目的は上述した従来の問題点を解消した技術
的、機能的特徴を有する切断装置を提供すること
にある。

上記目的を達成するためこの発明の切断装置に
よれば、デイスクとは別体に構成されているとと
もにアームにくし状に固定された複数の刃を有す
る切断工具を備え、上記アームはモータによつて
駆動される駆動軸に着脱自在に取付けられ、駆動
軸から半径方向へ延出しているとともに、容器内
に開口しているホツパーダクトの端部から上記刃
の長さと略等しい距離だけ離間している。また、
切断装置は、上記駆動軸に軸方向に沿つて移動可
能に取付けられたデイスクによつて規定されてい
るとともに切断工具の対応する刃が貫通している
複数のスロツトと、駆動軸の軸方向に沿つたデイ
スクの位置を調節する手段とを備えている。

更に、切断装置は、ハブに対して横方向および
半径方向へ突出しているとともに上記駆動軸に同
軸的に取付けられて回転するスライス刃を備えて
いることが望ましく、このスライス刃は上記ホツ
パーダクトの端部と略同一平面に位置していると
ともに、この端部に沿つて回転する。

また、切断工具の刃が貫通しているスロツトを
有するデイスクは、切断工具とスライス刃との間
で位置を調節できるように成つていることが望ま
しい。

この発明の切断工具によれば、駆動軸に取付け
られたデイスクの位置を変えることにより、単一
のデイスクおよび単一の切断工具によつて適当な
食物のかつ所望の厚さの小さな棒状あるいは塊状
の細片を作り出すことができる。そのため、従来
の装置に比べて必要とする付属品が少なく、細片
を安価に製造できスペースの削減を達成できると
ともに、付属品の組立てあるいは分解の際作業が
容易と成る。

また、切断工具を駆動軸上の正確な位置に設け
ることにより、作り出される細片の厚さを変化さ
せる際位置を変える必要がない。

そして、この発明の切断装置を多機能型の切断
装置に適用することにより、一層多くの作用効果
を得ることができる。つまり、スライス刃および
複数のスロツトを有するデイスクはくだもの、野
菜および類似の食物の切断に広く使用することが
できる。

以下図面を参照しながらこの発明の実施例につ
いて詳細に説明する。

図に示すように、切断装置は箱状の本体１を備
え、この本体は駆動ユニツトおよびその付属品
（公知であるため図示しない）を収容した収容部
２を有している。収容部２は実質的な支持部、つ
まり基台３に隣接して位置している。基台３の上
部壁４の中央部には、軸方向に延びる貫通孔６を
有する略円筒状の突出部５が形成されている。貫
通孔６内には、モータによつて駆動される駆動軸
７が軸受８を介して回転自在に支持されている。

基台３上には容器９が支持されており、この容
器はその中央部に管状部１１を有する底壁１０を
備えている。管状部１１は容器内方へ軸方向に沿
つて延びている。図示しない公知の手段によつて
容器９が基台３上に取付けられると、管状部１１
は駆動軸７を同軸的に包囲し、それにより駆動軸
は容器内へ同軸的に延出する。

容器９はダクト１３を有する蓋１２によつて閉
塞可能と成つており、このダクトは蓋が容器に取
付けられた際駆動軸７に対して偏心して延びると
ともに、容器内へ開口した端部１４を有してい
る。ダクト１３は、棒状あるいは塊状の細片に切
断されるくだもの、野菜あるいは類似の食物を容
器９内へ供給するために使用される。そのため、
以下ダクト１３をホツパーダクトと呼ぶ。

駆動軸７の基台３から突出した部分には、軸方
向に沿つて延びた貫通孔を有する軸１５が同軸的
に装着されている。軸１５は例えばスプライン結
合手段１６によつて駆動軸７にこれと一体的に回
転可能に取付けられている。また、軸１５は管状
部１１を越えて容器９内へ延びた上端部１７を有
している。

この切断装置には切断工具１８（第７図参照）
が用いられている。この切断工具１８は複数の刃
１９を備え、これらの刃はアーム２０に固定され
略くし状に列べられている。アーム２０は円筒状
のハブ２１に固定あるいはハブと一体的に形成さ
れ、このハブから半径方向へ延出している。ハブ
２１の内壁にはラジアルピン２２が形成されてお
り、ハブはこのラジアルピンにより駆動軸１５の
上端部１７に同軸的かつ着脱自在にバヨネツト係
合され、その結果、駆動軸にこれと一体的に回転
可能に取付けられている。

なお、ハブ２１と軸１５との間の連結、つまり
切断工具１８と駆動軸７との間の連結は、バヨネ
ツト係合に対応する他の公知の手段によつて達成
されてもよい。

アーム２０はホツパーダクト１３の端部１４か
ら刃１９の長さと略等しい距離だけ離間されてい
る。そのため、各刃の上端はホツパーダクト１３
の端部１４に隣接して位置している。

この実施例において、上述した刃１９は一端縁
が鋭く形成されたＵ字形状の部材２３から成り、
これら部材は例えば溶接により、金属性の挿入体
２４に固定されている。挿入体２４は望ましくは
プラスチツクから成るアーム２０およびハブ２１
に埋め込まれている。

軸１５の上端部１７には、デイスク２５が同軸
的にかつ軸と一体的に回転可能に取付けられ、切
断工具１８とホツパーダクト１３の開口端１４と
の間に位置している。デイスク２５は合成プラス
チツクで形成されていることが望ましく、その中
央部に管状のハブ２６を有しており、このハブに
よつて軸１５に取付けられている。デイスク２５
は軸１５の回転軸に沿つて位置を調節できるよう
に成つている。この目的のため、デイスク２５の
ハブ２６はスプライン結合手段２７によつて軸１
５の上端部１７に取付けられている。この実施例
によれば、ハブ２６は軸１５の上端部１７内に同
軸的形成された円筒状のキヤビテイ２８に係合さ
れ、スプライン結合手段２７はこのキヤビテイ内
に形全されている。

デイスク２５は、第６図からよくわかるよう
に、半径方向に沿つて列べられた複数のスロツト
２９を有し、これらのスロツトは切断工具１８の
刃１９が各スロツトを貫通するように位置決めさ
れている。

また、デイスク２５は適当な位置に比較的大き
な開口３０を備えており、切断された食物はこの
開口を通つて容器９の底壁１０上に落下する。

略平坦なハブを形成している環状部３２を有す
るスライス刃３１が、この環状部を介して駆動軸
７にこれと一体的に回転可能に取付けられてい
る。この実施例によれば第２図および第３図に示
すように、４つのコラム３４が軸１５の上端部１
７に形成され、径方向に沿つて互いに対向してい
るとともに上端部１７の軸と平行にキヤビテイ２
８を越えて延びている。また、これらのコラム３
４はデイスク２５に形成された対応する開口３５
（第４図参照）を貫通してデイスクの上方まで延
びている。そして、スライス刃３１のハブ３２は
例えば、ねじ３３によつてコラム３４の上端に固
定されている。

スライス刃３１はホツパーダクト１３の開口端
１４と同一平面上に位置するように延び、この開
口端に沿つて回転する。

駆動軸７の回転軸に対するスライス刃３１およ
び切断工具１８の角度位置は、切断工具の刃１９
がスライス刃よりも早く食物に当たるように設定
されている。

ハブ３２上にはノブ３６が回転自在に取付けら
れ、このノブには、駆動軸７と同軸的に延びる軸
３８の上端部３７が同軸的に固定されている。軸
３８のねじの切られた下端部３９を有し、この下
端部はデイスク２５のハブ２６に同軸的に埋め込
まれた金属性の挿入体４１に形成されたねじ孔４
０にねじ込まれている。

ノブ３６を回転することにより、軸３８の下端
部３９はねじ孔４０内へねじ込まれるかあるいは
ねじ孔から引き出され、その結果デイスク２５が
駆動軸７の軸方向に沿つて移動される。したがつ
て、デイスク２５は切断工具１８とスライス刃３
１との間で自由な位置に設定される。

第９図は変形例に係る切断工具４２を示してい
る。この切断工具４２は中空のハブ４５に固定あ
るいはハブと一体に形成されたアーム４４と、ア
ームに固定されハブ４５の軸と平行に延びる複数
の刃４３とを備えている。第８図に示すように、
刃４３はスライス刃３１の切断輪郭と略等しい輪
郭、例えば回転方向に面した凸状側縁を有するら
旋状部分の輪郭を有する曲線に沿つて配列されて
いる。そのため、刃４３は切断される食物に順番
に当接し、食物を裂いてしまう現象を防止する。
切断工具の全ての刃が同時に食物に当接する場
合、上記現象が起こる可能性がある。

デイスク２５は第８図に示すように、切断工具
４２の刃４３に対応して配列されたスロツト４６
を有している。

上述した切断装置によれば、作り出される棒状
あるいは塊状細片の厚さを自由に変化させること
ができる。つまり、ノブ３６を操作することによ
り、ホツパーダクト１３の端部１４に対するデイ
スク２５の位置を変え、ホツパーダクトから容器
９内へ突出しデイスク上に載置される食物の厚さ
を変えることができる。デイスク２５の位置の調
節は切断工具１８の位置を調節することなく行
え、切断工具は軸１５上の予め決められた位置に
保持されている。

上述した切断装置を多機能型に適用した場合、
他の作用効果が得られる。この場合、スライス刃
３１およびデイスク２５（駆動軸７の軸に対して
位置調節可能な）は、食物を種々の厚さにスライ
スする機能を達成するための工具を構成してい
る。そのため、このような多機能型切断装置にお
いて、３つの付属品（切断工具１８、デイスク２
５、スライス刃３１）のみによつて、２つの基本
的の機能、つまり食物を種々の厚さの細片にスラ
イスする機能および切断する機能を達成すること
ができる。

更に、デイスク２５の位置調節は、蓋１２を外
してノブを操作することにより容易に行うことが
できるという利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例に係る切断装置の
断面図、第２図は上記切断装置の一部を拡大して
示す縦断面図、第３図は第２図に示す部分の平面
図、第４図はデイスクの平面図、第５図は第４図
の線−に沿つた断面図、第６図は食物を切断
するための上記装置の基本的構成部材の平面図、
第７図は切断工具の断面図、第８図は第６図に示
す構成部材の変形例を示す平面図、第９図は上記
変形例に係る切断工具の側面図である。 ７……駆動軸、１３……ホツパーダクト、１
８，４２……切断工具、１９，４３……刃、２５
……デイスク、２９，４６……スロツト。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 容器と、容器内へ軸方向に沿つて延出した駆
   動軸と、駆動軸に取付けられこれと一体的に回転
   するデイスクと、駆動軸と平行にかつ駆動軸に対
   して偏心して延びているとともに容器内に開口し
   た一端を有し、切断される食物をデイスク上へ導
   くホツパーダクトと、を備え上記デイスクは切断
   された食物を容器の底部へ導く開口を有し、食物
   を種々の厚さの細片に切断する切断装置におい
   て、 上記デイスクと別体に形成され、上記駆動軸に
   これと一体的に回転可能にかつ着脱自在に取付け
   られたアームに固定された複数の刃を有し、この
   アームが刃の長さと略等しい長さだけ上記ホツパ
   ーダクトの一端から離間して半径方向へ延びてい
   る切断工具と、 上記デイスクに形成され切断工具の対応する刃
   が貫通している複数のスロツトと、を具備し、上
   記デイスクは駆動軸に軸方向に沿つて移動可能に
   取付けられ、駆動軸に沿つたデイスクの位置を調
   節する手段を備えていることを特徴とする切断装
   置。 ２ 上記駆動軸に同軸的に取付けられたハブから
   半径方向へ延出し駆動軸と一体的に回転するスラ
   イス刃を備え、このスライス刃は上記ホツパーダ
   クトの一端と同一平面上に位置し、この一端に沿
   つて回転することを特徴とする特許請求の範囲第
   １項に記載の切断装置。 ３ 上記デイスクは切断工具とスライス刃との間
   で位置調節可能に取付けられていることを特徴と
   する特許請求の範囲第２項に記載の切断装置。 ４ 上記切断工具の刃およびデイスクのスロツト
   は、切断工具およびデイスクのハブに対して半径
   方向に沿つて配列されていることを特徴とする特
   許請求の範囲第３項に記載の切断装置。 ５ 上記切断工具の刃およびデイスクのスロツト
   は、各ハブに対してら旋状に延びているとともに
   ハブの回転方向へ凸状を成す曲線に沿つて配列さ
   れていることを特徴とする特許請求の範囲第３項
   に記載の切断装置。 ６ 上記駆動軸の軸方向に沿つたデイスクの位置
   を調節する手段は、デイスクのハブに軸方向に沿
   つて形成されたねじ孔内にねじ込まれたねじ付き
   端部を有する軸を備え、この軸の他端部は駆動軸
   に対して所定の位置に回転自在に支持されたノブ
   に固定されていることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項ないし第５項のいずれか１項に記載の切
   断装置。