JPH0547357B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は肉片を小さな寸法に切断する機械、特
に冷凍肉片を立方体（サイコロ状）の肉塊に切断
する機械に関するものである。

従来の技術 先ず、従来タイプの冷凍肉片切断機械を西ドイ
ツ国特許第2719891号に記載のものを用いて説明
する。この特許に記載の冷凍肉片切断機械では、
フレームに支持された水平なカツターシヤフトが
モータで回転駆動される。このカツターシヤフト
には細切り用円盤とナイフ円盤とが取付けられて
いる。押込みコンベアによつて冷凍肉片をカツタ
ーシヤフトに向つて押すと、冷凍肉は細切り用円
盤によつて先ずストリツプ状に切断される。こう
して作られたストツプは次いでナイフ円盤によつ
て立方体に切断される。

このの冷凍肉片切断機械は必ずしも満足のゆく
ものではなく、切断された立方体の肉塊の角がは
つきりせず、切り屑の割合がかなり多い。また、
細切り用円盤の輪郭形状はほぼ円形であるが、フ
ツク状の切断ブレードが細切り用円盤から突き出
ており、この切断ブレードが肉塊の中に食い込む
際には、切断ブレードに非常に大きな物理的負荷
が加わるため、冷凍が強過ぎて冷凍肉片が極めて
固い場合には、細切り用円盤が破損する恐れがあ
る。

発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、公知の冷凍肉片切断機の欠点
すなわち細切り用円盤に高負荷が加わつて破損す
るという危険を無くした冷凍肉片切断機を提供す
ることにある。

本発明の他の目的は冷凍肉片を大量の切り屑を
出さずに立方体の肉片へきれいに切断することが
できる冷凍肉片切断機を提供することにある。

問題点を解決するための手段 本発明の冷凍肉片を立方体の肉塊にスライス・
切断する機械は回転する切断ドラムを備え、この
切断ドラムは互いに平行且つ交互に配置され且つ
一体回転するように取付けられた複数の細切り用
円盤とナイフ円盤とで構成され、細切り用円盤は
切断ドラムの回転時に切断ドラムに向かつて半径
方向に供給された肉片を互いに縦方向に平行なス
トリツプ片にスライスし、ナイフ円盤は上記で得
られたストリツプ片を横方向に切断して個々の立
方体の肉塊とし、細切り用円盤は切断ドラムの回
転方向前方にある細切り用円盤上の先端点から後
端点まで延びたスライス用ブレードを有し、後端
点は先端点よりも細切り用円盤の回転軸から半径
方向外側に離れた位置にあることを特徴としてい
る。

本発明の好ましい実施例では、細切り用円盤が
少なくとも１つの小さい半径の小円弧部分とこの
小円弧部分より大きい半径を有し且つそれと同じ
数の少なくとも１つの大円弧部分とからなる輪郭
形状を有し、先端点は小円弧部分上にあり、後端
点は大円弧部分上に位置あり、小円弧部分と大円
弧部分との間の直線部分がスライス用ブレードに
なる。

ナイフ円盤および細切り用円盤は、その各々が
直径方向反対側にある２つの切断エツジを有して
いるのが好ましい。切断すべき冷凍肉片の供給手
段はスライダーと押え板とで構成するのが好まし
い。また、スライダーおよび押え板に互いに噛み
合つたキーとスロツトとを形成して、ねじれた肉
片や厚さの異なる肉片を正しく供給できるように
するのが好ましい。

供給手段によつて切断ドラムへ向かつて送り込
まれた冷凍肉片は、細切り用円盤のスライス用ブ
レードによつて先ず縦方向のストリツプに分割さ
れ、このストリツプは次いでナイフ円盤の切断エ
ツジによつて横方向に切断されて、立方体の肉塊
となる。

以下、本発明の実施例を説明する。

実施例 本発明の冷凍肉片切断機は切断ドラム７５を有
している。この切断ドラム７５は３つの円盤１
０，１８，２０をシヤフト３０上に取付けて作ら
れる。

第１図はナイフ円盤１０の輪郭形状を示してい
る。このナイフ円盤１０は製造を簡単にするため
に半径の異なる２本の円弧をつなげた螺旋に似せ
た部分と、直線の切断刃部分１２とを有してい
る。ナイフ円盤１０の切断刃部分１２のすぐ隣の
部分１４を研ぐようになつているので、研ぎ直し
操作は簡単である。切断刃部分１２の切断角度は
約20度である。切断刃部分１２と円弧との接続部
分１６は、切断された立方体の肉塊が容易に除去
できるようにアールが付いている。

第２図は第１の細切り用円盤１８を示し、第３
図は第２の細切り用円盤２０を示している。

第１および第２の細切り用円盤１８，２０は同
じような輪郭形状をしており、それぞれスライス
用ブレード２２，２４を有しているが、第２の細
切り用円盤２０は凹部２６を有し、従つて、エツ
ジ２８を有している。このエツジ２８は３つの円
盤１０，１８，２０をシヤフト３０に組み込んで
切断ドラム７５にした場合にナイフ円盤１０のエ
ツジ３２とほぼ同一面となる。各円盤１０，１
８，２０はそれぞれ第１図、第２図、第３図で反
時計方向に回転するようにシヤフト３０に固定さ
れる。スライス用ブレード２２，２４は各々先端
点２２ａ，２４ａと、後端点２２ｂ，２４ｂとの
間に延びている。

第２図、第３図に示すように、先端点２２ａ，
２４ａは切断ドラム７５の回転方向に対してスラ
イス用ブレード２２，２４の前方となり、後端点
２２ｂ，２４ｂは先端点２２ａ，２４ａよりも各
円盤の回転軸から離れた位置にある。

好ましい実施例では、切断操作が相対的に少し
ズレで行われるようにするために、細切り用円盤
１８と２０のキー溝３４を円周方向に互いに約
15゜ズラしてある。

第４図に示すように、各円盤はシヤフト３０上
に10−18−10−20−10−18−10−20の順番で配置
され、全体で切断ドラム７５を構成する。

２枚のナイフ円盤１０とのその間に鋏まれた細
切り用円盤２０の凹部２６とによつて受け空間が
区画される。この受け空間内には、細切り用円盤
２０のスライス用ブレード２４によつて立方体に
切断された２個のサイの目型肉片が収まる。切り
離された２個のサイの目肉片は上記空間にただ収
まつているだけなので、遠心力により容易に外に
放り出される冷凍肉は細切り用円盤によつて先ず
ストリツプ状に切断される。こうして作られたス
トリツプは次いでナイフ円盤によつて立方体（サ
イコロ状）に切断される。

上記の切断ドラム７５は回転アンバランスであ
るので、シヤフト両端に重り（図示せず）を付け
る必要がある。しかし、第６〜８図に示す円盤１
０′，１８′，２０′のように、各円盤の切断エツ
ジの数を２倍にする方がよい。第６〜８図に示す
円盤を備えた切断ドラムは製作費が高くなるが、
製作公差を修正するだけで回転アンバランスを簡
単に無くすことができる。

第５図には図を簡単にするために各円盤は回転
軌跡のみが示してあり、細切り用円盤の軌跡６２
は一点鎖線で、また、ナイフ円盤の軌跡６４は点
線で示してある。

切断される冷凍肉片（図示せず）は台４４に載
せられる。この台は突起４０を有し、これらの突
起４０は細切り用円盤の間の空間まで延びてい
る。台４４の下側には切断された立方体の肉片を
容器（図示せず）へ導くためのシユート４２が固
定してある。台４４上にはスライダ４８が設けて
ある。このスライダは矢印４６の方向へ往復運動
できる。切断される冷凍肉片をこのスライダ４８
を用い台４４に沿つて押して切断ドラム７５の切
断区域へ入れる。スライダ４８にも細切り用円盤
１８，２０の間まで延びた突起５０が設けらてい
る。スライダ４８の上方には矢印５２の方向にバ
ネで付勢された押え板５４が設けられている。こ
の押え板５４にも細切り用円盤１８，２０が通る
スリツトが形成されており、また、細切り用円盤
１８，２０の間まで延びた突起５６が設けられて
いる。台４４と押え板５４の間の差込口は、ゆが
んだ肉片でも押え板５４の下に正しく供給できる
ようにするために、外に向かつて拡大している。
肉片が立方体にほぼ完全に切断された時には、押
え板５４はスライダ４８によつて少し持ち上げら
れている。

櫛板６０は細切り用円盤の上方から各細切り用
円盤の間に挿入されて、遠心力では離れなかつた
立方体の肉を取り除く役目をする。

スライダ４８は前記の西ドイツ国特許に記載の
ような空気シリンダで駆動するか、切断ドラムと
同期した機械ギヤで駆動することができる。

いずれにせよ、本発明の機械を用いると肉塊を
少ない切り屑で立方体に正しく切断することがで
きるということが確認された。

第９図はスライダ４８および押え板５４の改良
された変形例を示してある。

この場合のスライダ４８の上側表面にはキー６
６が設けてあり、各キー６６は押え板５４の対応
する溝６８の中まで延びている。この構造にする
と、極端にねじれた肉片や２枚重ねの肉片でもう
まく押すことができ、また、非常に薄い肉片でも
押え板５４で台上に安全に押え付けておくことが
できる。

発明の効果 本発明の冷凍肉片切断機を用いると、細切り用
円盤が破損する危険が少なくなり、肉塊を少ない
切り屑で角のきれいな立方体に切断することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図はナイフ円盤の輪郭図。第２図と第３図
は細切り用円盤の輪郭図。第４図は肉片を供給す
る方向から見た切断ドラムの部分側面図。第５図
は軸方向から見た本発明の冷凍肉片切断機の断面
図。第６〜８図は切断ブレードを両側に有する各
円盤の第１〜３図と同様な輪郭図。第９図はスラ
イダおよび押え部材の変形実施例の部分垂直断面
図。 主な参照番号、１０…ナイフ円盤、１２…切断
エツジ、１８，２０…細切り用円盤、２２，２４
…スライス用ブレード、４２…シユート、４４…
台、４８…スライダ、５４…押え部材、６０…櫛
板、７５…切断ドラム。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 回転する切断ドラムを備えた冷凍肉片を立方
   体の肉塊に切断する機械において、 切断ドラム７５が、互いに平行且つ交互に配置
   され且つ一体回転するように取付けられた複数の
   細切り用円盤１８，２０とナイフ円盤１０とで構
   成され、 細切り用円盤１８，２０は、切断ドラム７５の
   回転時に切断ドラム７５に向かつて半径方向に供
   給された肉片を互いに縦方向に平行なストリツプ
   片にスライスし、 ナイフ円盤１０は上記で得られたストリツプ片
   を横方向に切断して個々の立方体の肉塊とし、 細切り用円盤１８，２０は切断ドラム７５の回
   転方向前方にある細切り用円盤上の先端点２２
   ａ，２４ａから後端点２２ｂ，２４ｂまで延びた
   スライス用ブレード２２，２４を有し、 後端点２２ｂ，２４ｂは先端点２２ａ，２４ａ
   よりも細切り用円盤１８，２０の回転軸から半径
   方向外側に離れた位置にあることを特徴とする機
   械。 ２ 細切り用円盤１８，２０が少なくとも１つの
   小さい半径の小円弧部分とこの小円弧部分より大
   きい半径を有し且つそれと同じ数の少なくとも１
   つの大円弧部分とからなる輪郭形状を有し、先端
   点２２ａ，２４ａは小円弧部分上にあり、後端点
   ２２ｂ，２４ｂは大円弧部分上に位置し、スライ
   ス用ブレード２２，２４が小円弧部分と大円弧部
   分との間の部分にある特許請求の範囲第１項記載
   の機械。 ３ ナイフ円盤１０′が直径方向反対側にある２
   つの切断エツジを有し、細切り用円盤１８′，２
   ０′も直径方向反対側にある２つの切断エツジを
   有する特許請求範囲第１項または第２項に記載の
   機械。 ４ 各細切り用円盤１８，２０が周方向に所定の
   角度だけ互いにズレている特許請求範囲第１〜３
   項のいずれか一項に記載の機械。 ５ ナイフ円盤１０の切断エツジ３２に対応する
   位置で、切断ドラム７５に取付けた１枚置きの細
   切り用円盤１８，２０に凹部２６が形成されてい
   る特許請求範囲第１〜４項のいずれか一項に記載
   の機械。 ６ 台４４と、切断される肉片を切断ドラム７５
   へ向かつて半径方向に供給するコンベヤ４６とを
   有し、台４４が細切り用円盤１８，２０の間へ延
   びた突起４０を有する特許請求範囲第１〜５項の
   いずれか一項に記載の機械。 ７ コンベヤ４６が台４４に沿つて往復運動可能
   なスライダであり、このスライダが、切断ドラム
   ７５に最も接近した位置に来たときに細切り用円
   盤１８，２０の間に挿入される突起５０を有する
   特許請求範囲第６項に記載の機械。 ８ 台４４およびスライダ４６の上方に台４４に
   向かつてバネで付勢された押え部材５４を有し、
   この押え部材５４が細切り用円盤１８，２０の間
   に挿入される突起５６を有する特許請求範囲第７
   項に記載の機械。 ９ 台４４と押え部材５４との間によつて形成さ
   れる肉片差込口が切断ドラム７５から離れる方向
   に拡大されている特許請求範囲第８項に記載の機
   械。 １０ スライダ４８がその往復運動方向に対して
   互いに平行なキー６６を有し、これらのキー６６
   が押え部材５４の対応する溝の中に挿入されてい
   る特許請求範囲第８項または第９項に記載の機
   械。 １１ 切断ドラム７５から立方体の肉塊を掻取る
   櫛板６０が切断ドラム７５の上方に固定されてお
   り、この櫛板６０の櫛は細切り用円盤１８，２０
   間に延びている特許請求範囲第１〜１０項のいず
   れか一項に記載の機械。