JPH0333370B2 - - Google Patents

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JPH0333370B2
JPH0333370B2 JP62170813A JP17081387A JPH0333370B2 JP H0333370 B2 JPH0333370 B2 JP H0333370B2 JP 62170813 A JP62170813 A JP 62170813A JP 17081387 A JP17081387 A JP 17081387A JP H0333370 B2 JPH0333370 B2 JP H0333370B2
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JP
Japan
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stainless steel
diameter
short fibers
fibers
sintered body
Prior art date
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JP62170813A
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English (en)
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JPS63218225A (ja
Inventor
Hideomi Ishibe
Tadayuki Okajima
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Nippon Seisen Co Ltd
Original Assignee
Nippon Seisen Co Ltd
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、ステンレス鋼からなる短繊維を焼結
することによつて、孔径の分布範囲を縮めるとと
もに、流体通過の圧力損失を低減することにより
濾過性能を向上し、しかも耐熱、耐溶剤性に優れ
る濾過材に関する。 〔従来の技術〕 従来例えば高分子フイルム等の製造ラインにお
いて粒子径5μm以下の微細粒子を溶液中から分
離する為に用いられる濾過材としてメンプレンフ
イルターが知られている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 このものは、通常50μmと極めて薄く又孔径が
均一である等の優れた特性を有している反面、有
機材質であることから耐熱性、耐溶剤性、機械的
強度に劣る等の欠点がある。他方、金属材で作ら
れた濾過材として噴霧法、化学的抽出法、析出法
等によつて得られる粉体の焼結成形体あるいは比
較的長い金属繊維を用いた焼結体があるが、前者
はその粉体の形状が球状に近い為空隙率が小さく
コンタミナントの補集効率と、機械的強度を維持
する為に一定厚さとを必要とすることから流体通
過の圧力損失がかなり大きくなる欠点があり、又
後者は孔径分布の幅が広いという欠点を有する。
従つて耐熱、耐溶剤性、機械強度をメンブレンフ
イルターと略同等の性能を保持し、しかも圧力損
失が少なくかつ口径分布範囲が狭く形成できるこ
とによつて均等に濾過しうる濾過材の出現が期待
されていた。 本発明は、長さ/直径のアスペクト比が特定範
囲にありしかも全長に亘り同径均一なステンレス
鋼からなる短繊維を焼結した焼結体により形成す
ることを基本として、機械強度を金属なみに保持
しつつ耐熱、耐溶剤性に優れかつ従来の金属製濾
過材に比べ圧力損失が少なくしかも均等な濾過が
できる濾過材の提供を目的としている。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は直径が2μm〜20μmで長さ/直径のア
スペクト比が1〜50の範囲でありかつ全長に亘り
同径に形成されるとともに端部にダレを有しない
円柱状のステンレス鋼短繊維を用いて、該短繊維
を焼結することにより形成された焼結体からなる
濾過材である。 前記ステンレス鋼短繊維は、その直径が2μm
より小さいものを焼結した場合、その焼結体は孔
径分布の幅が大きくなり、さらに機械的強度も劣
る問題がある。一方、20μmを越える場合は空隙
率が低下する為好ましくない。次に長さ/直径の
アスペクト比が1より小さい場合には焼結した場
合、その焼結体空隙率が小さくなり一方50を越え
る場合は口径分布の幅が大きくなるため好ましく
ない。 このようなステンレス鋼短繊維を得る製造工程
の一例を説明する。 前記ステンレス鋼短繊維を得るにはステンレス
鋼繊維を結晶粒調整化熱処理を施した後、酸性溶
液中で粒界選択腐蝕する工程を設けている。 ここでステンレス鋼はオーステナイト径ステン
レス鋼、例えば低炭素、17〜19%のクロム、8〜
10%のニツケルが基本組成であるいわゆる18−8
系ステンレス鋼が特に好適に用いられる。次にス
テンレス鋼繊維の直径は2μm〜20μmのものが用
いられる。かかるステンレス鋼繊維は周知であ
る。 2μmより小さい場合酸性溶液中で粒界腐蝕す
る際、酸により粒界腐蝕にとどまらずステンレス
鋼の結晶粒子自体をも溶解するので適当でない。
従つて繊維径の比較的小さいもの(例えば2〜
6μm)を使用する場合は粒界のみを選択的に腐
蝕する酸溶液の種類、温度、濃度及び浸漬時間を
選定する必要がある。一方直径が20μmを越える
場合この方法に基づく粒界腐蝕によつては短繊維
化が困難となる。 次に前記ステンレス鋼繊維の結晶粒調整化熱処
理は900℃〜1400℃の範囲でかつ無酸化雰囲気に
て所定時間行なう。この温度範囲にて熱処理を行
なうことにより、ステンレス鋼繊維の成形時に引
き伸ばされていた結晶はその結晶ひずみの応力が
消失するとともにやがて長手方向に並置された格
子状の結晶が形成されかつ時間の経過とともに格
子の弱い粒界が不明瞭となること等によりその間
隔か広がり、いわゆる長手方向に連続した結晶粒
が成長する。結晶粒調整加熱処理の時間は通常10
分〜5時間範囲で行なわれるが処理時間ととに結
晶粒が成長し、従つて処理温度、処理時間を調整
することにより所望の長さの短繊維を得ることが
できる。濾過材として用いる短繊維は長さ/直径
のアスペクト比が1〜50のものであるがこの場
合、熱処理は通常好ましくは約1100℃で約1〜3
時間行なう。なお熱処理は酸化による物性低下を
防止する為、酸素不存在の雰囲気中、例えばアル
ゴンガスの如き不活性ガス雰囲気中で行う。 なお結晶粒調整化熱処理は、900℃〜1200℃で
行う溶体化処理を含み、又そののち必要により
500℃〜850℃で行う鋭敏化処理を行うこともでき
る。かかる2段の処理はSUS301等の炭素量が
0.08%以上の比較的高炭素のステンレス鋼繊維を
用いる場合に、特に有効となる。 ステンレス鋼繊維を熱処理し、酸性溶液中に浸
漬した粒界の選択腐蝕を行い、結晶粒子間の結合
を切断し、短繊維を生成させる。使用する酸の種
類は硝酸、塩酸、フツ酸等の無機酸の他、硫酸銅
等の酸の金属塩等であるが例えばフツ酸と硝酸の
混合物か好適に用いられる。尚酸の種類は結晶粒
界を選択的に腐蝕するものをステンレス鋼の種類
に応じて適宜調整する。なお浸漬温度は通常20℃
〜50℃の温度範囲で行う。かくして得られた短繊
維は腐蝕に対して安定できしかももとの繊維と実
質的に同じ繊維径である。 次にステンレス鋼短繊維を第1図で示す黒鉛型
を用いて焼結体とすることにより濾過材を形成す
る。図においてFはステンレス鋼短繊維である。
焼結は通常アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中
で、温度1000℃〜1300℃、時間30分〜2時間の加
圧条件下で行なう。その結果前記短繊維同志が接
触点において拡散結合し、強固な焼結体からなる
濾過材が得られる。かくして得られた焼結体は高
い空隙率と幅狭い孔径分布を有している為、濾過
材として用いた場合、圧力損失が少なく、特定の
粒径コンタミナントを効果的に分別できる等の優
れた特性を発揮する。 実施例 1 ステンレス鋼繊維として、SUS304、繊維径8μ
mのものを用いて、1100℃、1時間不活性ガス雰
囲気中で熱処理し、これを4wt%フツ酸と20wt%
硝酸の1:1混合溶液に40℃で10分間浸漬し粒界
選択腐蝕を行なつた。その結果、線径約8μmで
その長さ約5μm程度のステンレス鋼の短繊維が
得られた。 実施例 2 ステンレス鋼繊維としてSUS304、繊維径12μ
mのものを用いて熱処理時間を1、2、3時間と
変え、他の条件は実施例1と同様にして生成する
短繊維の形状を観察した。その結果を50倍拡大写
真として第2図a〜第3図cに示す。図から明ら
かなごとく熱処理時間とともに結晶粒は成長する
ため、生成する短繊維は長くなる。ここで各処理
時間による短繊維長さ/直径のアスペクト比は第
1表の如くなる。
【表】 実施例 3 ステンレス鋼繊維としてSUS304の繊維径を
12、8、6、4μmと変え、他の条件は実施例1
と同様にして生成する短繊維の形状を観察した。
その結果を80倍拡大写真として第3図a〜第3図
dに示す。図から繊維径が小さい程短繊維が長く
なつていることが判る。これはステンレス鋼繊維
製造時、繊維径が小さいもの程延伸度が高く、従
つて結晶単位が長くなつていることに起因する。
ここで各繊維径による生成した短繊維の長さ/直
径のアスペクト比を第2表に示す。
【表】 実施例 4 直径12μmのSUS304のステンレス鋼繊維を
1100℃にて3時間熱処理し、かつ、前記混合液に
10分間浸漬して得られた短繊維を、第1図の黒鉛
型を用いて下記の条件で直径59mm、厚さ1mmの円
板状焼結体からなる濾過材を作成した。 焼結温度:1100℃ 焼結時間:1時間 雰囲気:アルゴンガスによる不活性雰囲気中 焼結時の加圧:10Kg/cm2 形成された焼結体の走査型電子顕微鏡による
400倍表面写真を従来の噴霧法で得られたステン
レス鋼(Cr13%)粉末の焼結体(−400メツシ
ユ)とともに第4図a及び第4図bに示す。本発
明の短繊維を用いた焼結体は噴霧法による場合よ
りも空隙率が大きく、均一な孔径分布を有するこ
とが認められる。又各短繊維の端部は、ダレ等が
生じることなく略直角に綺麗に切断されているの
がわかる。又各短繊維は全長に亘り同径の円柱状
を呈している。 実施例 5 ステンレス鋼繊維としてSUS316Lの繊維径8μ
mのものを用いて1時間後の熱処理を行なつたの
ち混合溶液にて短時間の粒界選択腐蝕をせしめて
得られた短繊維を実施例4と同様に焼結した。そ
の焼結体を走査型電子顕微鏡による300倍の拡大
写真を第5図に示す。図からも明らかなように、
結晶粒界は腐蝕により、ある個所では切断されて
短繊維となり、他の結晶粒界では互いに連結しつ
つ周溝が生じて、各短繊維は有節構造となる。周
溝の深さ、間隔又短繊維の長さは、鋼種、成分、
浸漬時間等を調整することにより種々に設定でき
る。又かかる有節の短繊維を濾過材の素材として
用いるときには被濾過物の付着を容易とし、又表
面積を増大させ例えば触媒として有利に用いられ
る。 実施例 6 実施例2における1時間の熱処理により得られ
た短繊維を実施例4に示した焼結を行ない(但し
焼結時のバインダーとして高温燃焼材を用いるこ
とにより焼結温度をステンレス鋼の融点直下とし
た)得られた焼結体からなる濾過材を第6図に示
す。図から明らかなごとく、短繊維の拡散結合が
進行し、互いに融合し、強固な焼結体を形成して
いる。 実施例 7 実施例3で得られた径の異なつたステンレス鋼
短繊維を用いて実施例4と同様の条件で焼結体を
作成し、夫々空隙率を測定してその結果を第3表
に示す。
【表】 表から通常の金属粉の焼結体の空隙率が約50%
であることからすれば表中の値は高い空隙率であ
ることが判る、しかも繊維径が小さい程空隙率は
高くなる。ここで空隙率とは焼結体の単位体積あ
たり空隙率体積の比率で定義される。 実施例 8 実施例1で生成したステンレス鋼短繊維及び比
較例としてSUS410の噴霧粉末を用いて1100℃、
1時間、焼結時加圧100Kg/cm2、不活性ガス雰囲
気条件で夫々焼結し濾過材を作成した。その性状
及び特性を第4表に示す。
〔発明の効果〕
叙上の如く本発明の濾過材は、ステンレス鋼短
繊維を焼結することにより形成される焼結体であ
るため、従来の有機材からなるブンプレンフイル
ターに比べ耐熱性、耐溶剤性に優れ被濾過材の適
応範囲か広がり、その用途が拡大できる。また短
繊維は互いに強固に結合されているため、機械的
強度が優れる。又ステンレス鋼短繊維は、その直
径を2μm〜20μmに、長さ/直径のアスペクト比
を1〜50範囲に規制するとともに、短繊維は全長
に亘り同径しかも端部にダレを有しない円柱状を
呈するものであるため、焼結体の孔分布が均等と
なり濾過精度を高めるとともに流体濾過の圧力損
失を低減しうるなど優れた効果を奏しうる。
【図面の簡単な説明】
第1図は焼結金型の概略断面図、第2図a〜c
及び第3図a〜dは本発明に用いるステンレス鋼
短繊維の繊維の形状を示す拡大写真、第4図aは
本発明の濾過材の結晶構造を示す走査顕微鏡によ
る拡大写真、第4図bは従来の濾過材の結晶構造
を示す走査顕微鏡による拡大写真、第5〜6図は
本発明の他の濾過材の結晶構造を例示する拡大写
真、第7図は圧力損失と流体速度の関係を示す
図、第8図は空隙率とバブルポイント圧の関係を
示す図、第9図〜10図は圧力損失と流体速度の
関係を示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 直径が2μm〜20μmのステンレス鋼繊維に結
    晶粒調整化熱処理を施しかつ酸性溶液中での粒界
    選択腐蝕によつて切断することによりえられる長
    さ/直径のアスペクト比が1〜50の範囲かつ全長
    に亘り同径しかも端部にダレを有しない円柱状を
    呈するステンレス鋼短繊維を焼結することにより
    形成される焼結体からなる濾過材。
JP17081387A 1987-07-07 1987-07-07 濾過材 Granted JPS63218225A (ja)

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JPH0763571B2 (ja) * 1990-05-18 1995-07-12 麒麟麦酒株式会社 濾過システム

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