JPH0332899A - 転写法とこれに用いる転写シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は平面部だけでなく曲面部を有する被転写体に容
易に絵柄模様を転写できるようにしたことを特徴とする
転写法とこれに用いる転写シートに係るものである。

従来技術 従来より特公昭５７−５０５４７号等に示すように、曲
面部に絵柄を転写するために、水溶性フィルムに特殊イ
ンキで絵柄を施した転写シートを用意し、この転写シー
トを水面に浮かべ、転写シートの上から被転写体を押し
あて、水中に沈めることにより水圧によって転写シート
を曲面形状に沿って付着させ、絵柄模様を被転写体に転
移させるようにした転写法が知られている。

ここで使われている転写シートは、その性質上水面に浮
かべられた時、水溶性フィルムが転写前に溶解して絵柄
模様から離脱するために、転写された状態においては絵
柄が拡大したり、観はゆがんだりして元の絵柄に対して
忠実な再現は難しかった。

又平面部に転写するためのシートとして、プラスチック
・フィルムに離型層を塗布した後に絵柄模様を形成した
転写シートがあるが、これは転写する時に接着剤を介在
させて絵柄模様を被転写体に転移させるようにして使用
している。

前者の場合に比べて、平面部の転写においては、元の絵
柄に対して忠実な再現が可能であるかもしれないが、曲
面部にこれを使用した場合は、フィルムが柔軟性に欠け
るために被転写体の曲面形状に沿って転写シートを馴染
ませるのが困難であり、又転写時に接着剤を介在させる
ことが必要であり、特に被転写体の形状或は大きさが多
様化した場合、作業上煩雑であり問題も多かった。

これらの従来例に対して、本発明の転写シートは平面部
だけでなく曲面部を有する被転写体の表面に、現場で接
着剤を塗布する要無く、忠実且つ容易に絵柄模様を転写
できるようにしたものである。

発明が解決しようとする問題点 本発明は前記水溶性フィルムを用いた水面転写法の如き
転写絵柄模様の再現性を欠如する問題を解決して多様な
絵柄模様を忠実に再現できる高品位の転写が行なえ、又
上記先例の如き熟練技術を要せずに容易に上記転写が行
なえるようにした転写法とこれに用いる転写シートを提
供するものである。

又本発明は後者の先例の如き曲面に対する再現性に難点
がある問題を解決し、被転写体の平面でも曲面でも絵柄
模様の再現性の良好な転写が確実に行なえ、又上記先例
の如き転写シートの設置及び密着に際し接着剤塗布やフ
ィルム除去のための特別な作業を要することなく容易に
転写作業を実行できる転写法と転写シートを提供する。

即ち本発明は、転写シートを被転写体に載せ加熱と加圧
を与えるのみで、被転写体への密着が得られ、又転写後
には単なる引剥しにて絵柄模様から容易にフィルムを除
去できるようにした転写法と転写シートを提供する。

問題点を解決するための手段 本発明は上記手段として、柔軟性を有する塩ビフィルム
の表面に該塩ビフィルムに対し引剥れ性を有するインキ
で絵柄模様層を印刷すると共に、該絵柄模様層に感熱接
着性の接着剤層を層着した転写シートを用意し、該転写
シートを上記接着剤層が被転写体表面に接するように設
置し、次で加熱と加圧を与えて転写シートの接着剤を密
着させつつ、該接着剤を媒体として絵柄模様層を被転写
体表面に密着させ、次で上記塩ビフィルムを引剥して被
転写体の表面に絵柄模様層を残留させ、該絵柄模様層を
適宜保護層等で覆うようにした転写法を提供する。

又本発明は上記転写法に用いる転写シートとして、塩ビ
フィルムの表面に該塩ビフィルムに対し引剥れ性を有す
る樹脂及び溶剤から戒るインキで絵柄模様層を印刷し、
該絵柄模様層の表面に感熱性の接着剤層を形成した転写
シートを提供する。

作用 本発明においては、転写シートを構成する絵柄模様の支
持体として用いた塩ビフィルムが転写シートに印刷適性
を付与すると同時に、柔軟性を付与し、曲面部への転写
に際して極めて馴染み易い特徴を有している。又印刷適
性が良好であるため、木目或は抽象柄等の多様な絵柄模
様を自在にフィルム上に表現することができ、本発明の
目的の一つである付加価値の高い化粧板を得るためには
大変有効である。

又本発明においては塩ビフィルムに印刷によって絵柄模
様を施す時、塩ビフィルムに対し引剥れ性を保有する樹
脂と溶剤とから成るインキを使用している。従って転写
後の塩ビフィルムの除去が極めて容易であり、単なる塩
ビフィルムの引剥し作業のみで絵柄模様が残留でき、煩
雑な作業工程を必要としない。

又絵柄模様の表面には接着剤層を形成するようにしたの
で、曲面部を有する被転写体上に別工程で接着剤を塗布
する工程を要せず密着が行なえる。

この接着剤層は、乾燥皮膜であり転写のための加熱時に
のみ本来の接着作用を発揮するものであるので、被転写
体上に載置して位置決め等をする時にも何ら支障なく、
転写処理時の加熱と加圧によって高良馴性を以って密着
できる。

前記のように加熱によって軟化が増′す塩ビフィルムが
転写シートに良馴性を付与し、加熱温度。

時間等の適切な選択によって転写シートを被転写体の曲
面部の形状に沿って良好に馴染ませることができるので
忠実な絵柄模様の再現が可能となる。

実施例 以下本発明に係る転写法及びこれに使用する転写シート
に関し、その実施例を第１図、第２図に基き詳述する。

第１図及び第２図は上記転写シートを断面図で示したも
のである。第１図においてｌは厚さ８０μの透明な塩ビ
フィルムである。塩ビフィルムを使用したことは、加熱
状態のもとでその柔軟性の故に被転写体の曲面形状に沿
って忠実に密着させるために非常に有効に作用するので
、絵柄模様を被転写体上に忠実に再現できるためである
。

２は塩ビフイルム側から見て正向きに施した絵柄模様層
である。ここでは樹脂成分として硝酸セルロース、溶剤
成分として酢酸エチルとから成るグラビア・インキで多
色刷グラビア印刷機で木目模様を厚さ５μに印刷によっ
て形成したものである。上記インキの樹脂成分は塩ビフ
イルム１に対し相溶性がなく引剥れ性を付与する。印刷
に際しては先ず塩ビフイルム１の表面に導管模様４を印
刷し、次で木理模様５を印刷し、最後に着色ベタ層１６
を印刷したものである。

３は被転写体と接着させるための接着剤層である。樹脂
成分としてポリアミド樹脂２５％、顔料２５％、溶剤成
分としてトロール、ＩＰＡを５０％混合して成る接着剤
を厚さ１５μにグラビア・コーターによって施したもの
である。

第２図において７は厚さ７０μの半透明の塩ビフィルム
である。ｅは第１図のものと同様のグラビア・インキで
抽象柄模様を厚さ３μに印刷によって施した絵柄模様で
ある。この際塩ビフイルム側には抽象柄模様１０を施し
、次で透明なベタ層１１を施しである。９は第１図のも
のと同様の接着剤を厚さ１２μにグラビア・コーターに
よって施した接着剤層である。

以上の構成から成る転写シートを使って被転写体に転写
する場合、例えば家具用部材を被転写体として、先ずこ
れを真空成形装置内に置く、この上に本願の転写シート
を接着剤層と被転写体表面とが接するように重ね、真空
状態中で加熱加圧下で一定時間放置して、被転写体の表
面形状に沿って転写シートを密着させる。その後塩ビフ
ィルムのみを引剥すことにより、被転写体上に絵柄模様
層が残留され転写された化粧部材を得ることができる。

斯様に本願の転写シートは、いたって容易な作業で転写
を行なうことができるものである。

尚接着剤層は乾燥皮膜であり加熱加圧下においてのみ本
来の接着作用を発揮する感熱性接着剤であるので、被転
写体上に載置して位置決めをするために移動しても接着
する心配はない、又通常この転写シートはロール状に巻
きとって保存し、必要に応じ適宜被転写体のサイズに合
わせて裁断しながら使用することができ、その時接着剤
を塗布する必要性は全くないのである。

発明の効果 本発明は以上説明したように、絵柄模様の支持体として
適用した塩ビフィルムが転写フィルムに対し絵柄模様の
印刷適性と、被転写体に対する良馴性を付与し、更には
感熱性接着剤が転写フィルムに対し転写処理時の加熱加
圧を利用した自己密着性を付与する。従って転写シート
は加熱によって柔軟性を増し被転写体の表面に良好に馴
染ませることができ、同時に上記感熱性接着剤により転
写処理時の加熱加圧によって被転写体の表面へ強固に密
着させ名ことができ、特に被転写体への曲面への馴染み
、密着が適性に行なえ高品質の化粧材を生産できる。又
その印刷適性の付与によって多種多様な絵柄模様を自由
に表現して需要に応えることができる。

又本発明は転写シートを被転写体に載せ加熱と加圧を与
えるのみで平面或は曲面への密着が確実且つ容易に行な
えることに加え、絵柄模様の密着後は塩ビフィルムを容
易に剥離でき、単に引剥すのみであるからフィルム除去
が極めて容易に行なえ、転写作業の簡素化を図ることが
でき、高度の転写技術を要することな〈実施でき、転写
コストを安価にできる特徴を有する。

以上の通り本発明は、塩ビフィルムと絵柄模様層と感熱
性接着剤層の各要素が個々の特徴を生かしながら有機的
Ｃ結合し、その相乗作用により被転写体の平面部にも曲
面部にも極めて容易に且つ確実に転写を行なうことがで
きる等、転写法及び転写シートとしての適性条件を満足
し、その工業上の利用価値は極めて大きいものである。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の各実施例を示す転写シート
断面図である。 １・・・透明な塩ビフィルム、２・・・木目の絵柄模様
層、３・・・接着剤層、４・・・導管模様、５・・・木
理模様、６・・・着色ベタ層、７・・・半透明な塩ビフ
ィルム、８・・・抽象柄の絵柄模様層、９・・・接着剤
層、１０・・・抽象柄模様、 １１・・・透明ベタ層。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. （１）柔軟性を有する塩ビフィルムの表面に該塩ビフィ
   ルムに対し引剥れ性を有する樹脂と溶剤から成るインキ
   で絵柄模様層を印刷し、更に該絵柄模様層の表面に感熱
   接着性の接着剤層を形成した転写シートを用意し、該転
   写シートを上記接着剤層と被転写体表面とが接するよう
   に重ね、次で加熱と加圧を与えて転写シートの絵柄模様
   層を接着剤を介して被転写体表面に密着させ、次で上記
   塩ビフィルムを引剥して被転写体の表面に絵柄模様を残
   留させるようにしたことを特徴とする転写法。
2. （２）塩ビフィルムの表面に該塩ビフィルムに対し引剥
   れ性を有する樹脂及び溶剤から成るインキで絵柄模様層
   を印刷し、該絵柄模様層の表面に感熱性の接着剤層を形
   成したことを特徴とする転写シート。