JP2872719B2 - 印写模様を有する金箔及びその製造方法 - Google Patents
印写模様を有する金箔及びその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 この発明は、箔面を文字や絵柄等の模様で加飾した金
箔及びその製造方法に関するものである。
箔及びその製造方法に関するものである。
《従来の技術》 紙やプラスチック等の基材の表面に貼着された金箔に
模様を表す手段としては、金箔の箔面に各種の塗料を塗
着したり、アルミ箔への印刷技術を利用して金箔の箔面
に印刷する方法がある。従来から行われているアルミ箔
の印刷は、印刷インキの接着を高めるために印刷に先立
って箔面にプライマーコートを行い、このコート面に模
様を直接印刷している。プライマーとしてはビニル系の
樹脂が使用され、インキとしてはアミド或いはゴム系の
樹脂が使用されている。
模様を表す手段としては、金箔の箔面に各種の塗料を塗
着したり、アルミ箔への印刷技術を利用して金箔の箔面
に印刷する方法がある。従来から行われているアルミ箔
の印刷は、印刷インキの接着を高めるために印刷に先立
って箔面にプライマーコートを行い、このコート面に模
様を直接印刷している。プライマーとしてはビニル系の
樹脂が使用され、インキとしてはアミド或いはゴム系の
樹脂が使用されている。
《発明が解決しようとする課題》 塗料の塗着により模様を形成する方法は、簡単な模様
しか形成できず、しかも塗着した模様が剥離し易いとい
う欠点がある。一方、プライマーコートへの直接印刷に
よる方法は、模様の剥離を防止できるが金箔の表面に樹
脂光沢が付与されて箔独特の芙しさが失われ、印刷機に
金箔を挿通するときに薄い金箔を損傷する危険があり、
また多品種少量生産には適さないという欠点がある。
しか形成できず、しかも塗着した模様が剥離し易いとい
う欠点がある。一方、プライマーコートへの直接印刷に
よる方法は、模様の剥離を防止できるが金箔の表面に樹
脂光沢が付与されて箔独特の芙しさが失われ、印刷機に
金箔を挿通するときに薄い金箔を損傷する危険があり、
また多品種少量生産には適さないという欠点がある。
本発明は、金箔独特の表面光沢を損なうことなく、箔
を損傷する危険がなく、諧調豊かな多色印刷も可能で、
しかも耐久性のある模様を金箔上に表す方法を提供し、
より装飾性の高い金箔を得ることを課題としている。
を損傷する危険がなく、諧調豊かな多色印刷も可能で、
しかも耐久性のある模様を金箔上に表す方法を提供し、
より装飾性の高い金箔を得ることを課題としている。
《発明の構成》 本発明は、離型紙10に塗着した樹脂膜（転写樹脂膜）
11に静電印写ないし印刷により印写した模様12を金箔２
に塗着した樹脂の未硬化層７に上記樹脂膜11と共に熱転
写して該未硬化層７を硬化させることを特徴とするもの
である。
11に静電印写ないし印刷により印写した模様12を金箔２
に塗着した樹脂の未硬化層７に上記樹脂膜11と共に熱転
写して該未硬化層７を硬化させることを特徴とするもの
である。
即ち、基材シート！に貼着した金箔２の箔面に溶媒で
薄めた樹脂液５を塗布した後常温乾燥して該金箔２の表
面に表面光沢を有しない薄い塗着樹脂の未硬化層７を形
成する。一方、離型紙10に上記金箔に塗布したと同じ樹
脂液５を塗布後乾燥して樹脂膜11を形成し、金箔上に形
成しようとする模様12をこの離型紙に印写して転写紙14
とする。そして金箔２の塗着樹脂の未硬化層７の表面に
転写紙14の印写面を密着させてその背面を加圧加熱する
ことにより、転写紙14上の模様12をその下層の樹脂膜11
と共に金箔上の塗着樹脂の未硬化層７の表面に転写し、
同時に塗着樹脂の未硬化層７を硬化させて印写模様を有
するこの発明の金箔を得る。なお、離型紙10に模様を印
写する手段として複写機による静電印写を利用できる。
薄めた樹脂液５を塗布した後常温乾燥して該金箔２の表
面に表面光沢を有しない薄い塗着樹脂の未硬化層７を形
成する。一方、離型紙10に上記金箔に塗布したと同じ樹
脂液５を塗布後乾燥して樹脂膜11を形成し、金箔上に形
成しようとする模様12をこの離型紙に印写して転写紙14
とする。そして金箔２の塗着樹脂の未硬化層７の表面に
転写紙14の印写面を密着させてその背面を加圧加熱する
ことにより、転写紙14上の模様12をその下層の樹脂膜11
と共に金箔上の塗着樹脂の未硬化層７の表面に転写し、
同時に塗着樹脂の未硬化層７を硬化させて印写模様を有
するこの発明の金箔を得る。なお、離型紙10に模様を印
写する手段として複写機による静電印写を利用できる。
《作用》 金箔２上に塗着された樹脂の未硬化層７は、常温乾燥
されて溶媒が蒸発した状態のままであり、未だ重合反応
が起こっていない。このような未硬化の樹脂層７に転写
紙14の模様12を密着させてその背面を押圧しつつ加熱す
ると、熱により未硬化層７に粘着性が生じ、離型紙上の
模様12及び転写樹脂膜11を未硬化層７側に引き寄せ、転
写樹脂膜11が離型紙10から剥離する。更に熱により未硬
化層７内で重合反応が進行して硬化し、塗着樹脂膜7aと
なり、金箔２と模様12及び転写樹脂膜11とを完全に接着
する。即ち、金箔上に形成した樹脂の未硬化層７が粘着
剤及び接著剤として働き、離型紙上の模様12及び樹脂膜
11を金箔２上に固着するのである。この転写工程の際に
は、離型紙10の背面全体に均等に押圧力がかかるので、
金箔２の箔面が損傷することがない。またこの発明によ
れば、複写機を用いて各種の模様を簡単に印写すること
ができ、カラー印写も可能であり、コストも安い。
されて溶媒が蒸発した状態のままであり、未だ重合反応
が起こっていない。このような未硬化の樹脂層７に転写
紙14の模様12を密着させてその背面を押圧しつつ加熱す
ると、熱により未硬化層７に粘着性が生じ、離型紙上の
模様12及び転写樹脂膜11を未硬化層７側に引き寄せ、転
写樹脂膜11が離型紙10から剥離する。更に熱により未硬
化層７内で重合反応が進行して硬化し、塗着樹脂膜7aと
なり、金箔２と模様12及び転写樹脂膜11とを完全に接着
する。即ち、金箔上に形成した樹脂の未硬化層７が粘着
剤及び接著剤として働き、離型紙上の模様12及び樹脂膜
11を金箔２上に固着するのである。この転写工程の際に
は、離型紙10の背面全体に均等に押圧力がかかるので、
金箔２の箔面が損傷することがない。またこの発明によ
れば、複写機を用いて各種の模様を簡単に印写すること
ができ、カラー印写も可能であり、コストも安い。
《実施例》 第１図はこの発明の金箔を、第２〜４図は製造工程の
一実施例を示したものである。第２図中、１は基材シー
トとなる和紙、２は和紙１に漆３で接着された金箔、４
は吹付ノズル、５はノズル４から金箔２上に噴射された
２液型ウレタンの樹脂液、６は平滑ローラ、７は平坦に
均らされたウレタン樹脂の未硬化層である。樹脂液５
は、下記組成を有するＡ液とＢ液を4:1で混合し、濾過
したあとシンナーを加えて吹きつけ作業に適した粘度に
調製したものである。
一実施例を示したものである。第２図中、１は基材シー
トとなる和紙、２は和紙１に漆３で接着された金箔、４
は吹付ノズル、５はノズル４から金箔２上に噴射された
２液型ウレタンの樹脂液、６は平滑ローラ、７は平坦に
均らされたウレタン樹脂の未硬化層である。樹脂液５
は、下記組成を有するＡ液とＢ液を4:1で混合し、濾過
したあとシンナーを加えて吹きつけ作業に適した粘度に
調製したものである。
Ａ液：トルエン 10〜20重量％ 酢酸ブチル 20〜30 セロソルブアセテート 10〜20 ポリエステルポリオール 60〜30 100 Ｂ液：酢酸エチル 60〜70重量％ 酢酸ブチル 5〜10 TDI 35〜20 100 第３図は転写紙の断面図で、10は離型紙、11は離型紙
10に被着されたウレタン樹脂の膜、12は樹脂膜11上に表
された模様である。ウレタン樹脂膜11は、上記組成を有
するＡ液とＢ液を4:1で混合し、濾過したあとシンナー
を加えてコーティングに適した粘度に調製し、コーター
で均一に塗布して硬化させたものである。この樹脂層11
にPPC複写機で所望の模様12を印写する。このときカラ
ー複写機を用いれば、金箔上に色彩模様を印写できる。
10に被着されたウレタン樹脂の膜、12は樹脂膜11上に表
された模様である。ウレタン樹脂膜11は、上記組成を有
するＡ液とＢ液を4:1で混合し、濾過したあとシンナー
を加えてコーティングに適した粘度に調製し、コーター
で均一に塗布して硬化させたものである。この樹脂層11
にPPC複写機で所望の模様12を印写する。このときカラ
ー複写機を用いれば、金箔上に色彩模様を印写できる。
次に、第４図に示すように、金箔２上の樹脂の未硬化
層７上に転写紙14を載せ、転写紙の背面を加熱ローラ20
で押圧しながら加熱する。この転写工程で転写紙14上の
模様12及びウレタン樹脂膜11がそのまま未硬化層７側に
移転して金箔上に模様12が表される。この際に金箔上に
樹脂の未硬化層７が重合反応して硬化し、塗着樹脂膜7a
となる（第１図）。転写紙14への模様12の印写は、複写
機を用いて簡単に行うことができ、この転写紙からの転
写により金箔２上に模様12が表されるから、金箔自体を
印刷機に通す必要がなく、箔面を損傷することがない。
層７上に転写紙14を載せ、転写紙の背面を加熱ローラ20
で押圧しながら加熱する。この転写工程で転写紙14上の
模様12及びウレタン樹脂膜11がそのまま未硬化層７側に
移転して金箔上に模様12が表される。この際に金箔上に
樹脂の未硬化層７が重合反応して硬化し、塗着樹脂膜7a
となる（第１図）。転写紙14への模様12の印写は、複写
機を用いて簡単に行うことができ、この転写紙からの転
写により金箔２上に模様12が表されるから、金箔自体を
印刷機に通す必要がなく、箔面を損傷することがない。
《発明の効果》 以上のように、本発明によれば、箔面に樹脂光沢がな
く、諧調豊かな多色印刷が可能で、しかも耐久性がある
印写模様を有する金箔を提供することができ、複雑で優
美な模様も簡単に印写することができ、製作も簡単であ
るという効果がある。
く、諧調豊かな多色印刷が可能で、しかも耐久性がある
印写模様を有する金箔を提供することができ、複雑で優
美な模様も簡単に印写することができ、製作も簡単であ
るという効果がある。
【図面の簡単な説明】 図は本発明の一実施例を示したもので、第１図は印写模
様を有する金箔の部分拡大断面図、第２図ないし第４図
は製造工程を模式的に示した断面図である、図中、 1:和紙、2:金箔 5:ウレタン樹脂液、7:樹脂の未硬化層 7a:硬化したウレタン樹脂膜 10:離型紙、11:ウレタン樹脂膜 12:模様、14:転写紙 20:加熱ローラ
様を有する金箔の部分拡大断面図、第２図ないし第４図
は製造工程を模式的に示した断面図である、図中、 1:和紙、2:金箔 5:ウレタン樹脂液、7:樹脂の未硬化層 7a:硬化したウレタン樹脂膜 10:離型紙、11:ウレタン樹脂膜 12:模様、14:転写紙 20:加熱ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) B32B 15/08 B44C 1/14 D21H 1/14
Claims (2)
- 【請求項１】基材シート（１）と、該シートに貼着され
た金箔（２）と、該金箔の箔面に溶媒で薄めた樹脂液
（５）を塗布した後常温乾燥し更に後記熱転写により硬
化させた表面光沢を有しない薄い塗着樹脂膜（7a）と、
該塗着樹脂膜の表面に一体的に熱転写された転写模様
（12）及び転写樹脂膜（11）とで形成され、 上記転写模様及び転写樹脂膜は、離型紙（10）の表面に
溶媒で薄めた樹脂液（５）を塗布後乾燥して形成した薄
い樹脂膜（11）に模様（12）を印写した後該樹脂膜（1
1）と模様（12）とを一体にして前記塗着樹脂膜（7a）
に熱転写されたものである、印写模様を有する金箔。 - 【請求項２】基材シート（１）に貼着した金箔（２）の
箔面に溶媒で薄めた樹脂液（５）を塗布した後常温乾燥
して表面光択を有しない薄い塗着樹脂の未硬化層（７）
を形成する一方、離型紙（10）に溶媒で薄めた樹脂液
（５）を塗布後乾燥して樹脂膜（11）を形成したあと該
樹脂膜に模様（12）を印写して転写紙（14）を形成し、
前記金箔面の塗着樹脂の未硬化層（７）の表面に転写紙
（14）の印写面を密着させてその背面を加圧加熱するこ
とにより、転写紙（14）の樹脂膜（11）及び模様（12）
を塗着樹脂の未硬化層（７）の表面に転写すると共に該
未硬化層（７）を硬化させることを特徴とする、印写模
様を有する金箔の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32024889A JP2872719B2 (ja) | 1989-12-08 | 1989-12-08 | 印写模様を有する金箔及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32024889A JP2872719B2 (ja) | 1989-12-08 | 1989-12-08 | 印写模様を有する金箔及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH03180338A JPH03180338A (ja) | 1991-08-06 |
| JP2872719B2 true JP2872719B2 (ja) | 1999-03-24 |
Family
ID=18119380
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32024889A Expired - Fee Related JP2872719B2 (ja) | 1989-12-08 | 1989-12-08 | 印写模様を有する金箔及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2872719B2 (ja) |
-
1989
- 1989-12-08 JP JP32024889A patent/JP2872719B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH03180338A (ja) | 1991-08-06 |
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