JPH0332768Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、エンジンの吸気通路に燃料を噴射す
る噴射弁と、該噴射弁の先端近傍に燃料の微粒化
を図るための補助空気を供給する補助空気供給手
段とを備えたエンジンの燃料供給装置に関するも
のである。

［従来技術］ 従来より、上記の如く吸気通路に燃料噴射弁
と、該噴射弁の先端近傍に燃料の微粒化を図るた
めの補助空気を供給する補助空気供給手段とを設
けたエンジンの燃料供給装置は公知である（実開
昭59−123661号公報参照）。

この構造の噴射弁は、燃料が噴射に際して微粒
化されるため、燃料の気化、霧化が促進されるの
で、特に燃焼性が良好でない低吸気流量域（低負
荷域）では、燃焼性の向上を図るうえで有効であ
る。

しかしながら、エンジンの高速高負荷域では、
吸気流量が増加して吸気流速も高速となるため噴
射燃料と吸入空気とのミキシングも良好となる。
したがつて、高速高負荷域で、上記のように、燃
料を微粒化して噴射すると、燃料の気化、霧化が
さらに促進される結果、燃料の気化が促進されす
ぎ、燃料の膨張により空気の吸入が阻害されて充
填効率の低下を招来してしまうといつた問題を生
ずる。

［考案の目的］ 本考案の目的は、低吸気流量域では、燃料の微
粒化を促進して燃焼性の向上を図ることができる
一方、高負荷域では、充填効率を高めてエンジン
の高出力化を図ることができるエンジンの燃料供
給装置を提供することである。

［考案の構成］ このため、本考案は、吸気通路の途中に、燃料
を噴射する噴射弁と、該噴射弁の先端近傍に燃料
の微粒化を図るための補助空気を供給する補助供
給通路を備えた補助空気供給手段とを有するエン
ジンの燃料供給装置において、上記補助供給通路
内に設けられ、該通路を流れる補助空気を遮断可
能な遮断手段と、高負荷運転時に上記遮断手段を
作動させる制御手段とを設けて構成したものであ
る。

［考案の効果］ 本考案によれば、低吸気流量域においては補助
空気による燃料の微粒化を促進してエンジンの燃
焼性を良好に確保することができる一方、高負荷
域には補助空気をカツトすることによりエンジン
の充填効率の向上を図つてエンジンの出力向上を
図ることができる。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を具体的に説明する。

第２図に図式的に示すように、エンジンＥの吸
気通路１は、下流において、夫々第１〜第４気筒
＃１〜＃４に至る分岐吸気通路２，２，…に分岐
され、さらに各分岐吸気通路２は、１次Ｐ、２次
Ｓ吸気通路２Ｐ，２Ｓに仕切つて形成され、１
次，２次吸気通路２Ｐ，２Ｓの各々には、第１，
第２燃料噴射弁３，４が夫々臨設されている。

第１図に示すように、１次吸気通路２Ｐに臨ま
せて設ける第１燃料噴射弁３に対しては、そのノ
ズル先端部を囲撓して噴射口５を形成する周壁６
の計４個所に補助空気供給口７を開設し、周壁６
の外周囲に形成したリング状の溝８を補助空気通
路９に連通させ、各補助空気供給口７から補助空
気を供給して、噴射燃料の微粒化を図るようにし
ている。

上記補助空気通路９は、１次吸気通路２Ｐに介
設したスロツトル弁１０の上流に開口させて、ス
ロツトル弁１０上流の新気を補助空気として第１
燃料噴射弁３に供給する。この補助空気通路９の
途中には、電磁ソレノイド作動の遮断弁１１（本
願考案にいう遮断手段）を設け、この遮断弁１１
の作動をマイクロコンピユータよりなる制御回路
１２によつて制御する。

制御回路１２は、第２図に示すように、吸気通
路１の上流に設置したエアフローメータ１３によ
つて検出される吸気量およびエンジンＥのクラン
クプーリ１４に対して設けた回転センサ１５によ
つて検出されるエンジン回転数を基本入力とし
て、上記遮断弁１１の作動を制御する。

この制御は、第３図に制御ブログラムのフロー
チヤートを示すように、一定のタイミングで吸気
量とエンジン回転数（rpm）を読込み（ステツプ
＃１）、読込んだ２つのデータから、現在の運転
領域が高負荷運転域（高吸気流量域）か否かを判
別し、“YES”であれば、遮断弁１１を遮断方向
に作動させて、補助空気通路９を遮断し、補助空
気の供給をカツトする（＃３）。“NO”である場
合には、遮断弁１１を開状態に保持する（＃４）。

かかる補助空気の供給の制御によれば、高負荷
運転域では補助空気が遮断され、燃料の霧化、気
化による急激な膨張が有効に抑制され、第４図に
実線イで示すように、補助空気を遮断しない従来
の場合（点線ロ）に比して、高負荷運転域での充
填効率（第４図では平均有効圧力Peで表示）を
向上することができ、エンジン出力をそれだけ向
上させることができる。

なお、以上の実施例では、第１燃料噴射弁３に
対してのみ補助空気通路９と遮断弁１１を設けた
が、第２燃料噴射弁４に対しても同様の補助空気
通路と遮断弁を設けてもよい。その場合には、例
えば、低負荷運転時には両方の遮断弁を開状態に
保持し、高負荷運転時には両方の遮断弁を閉じる
ようにすることもでき、また、低負荷運転時には
両遮断弁を“開”、中負荷運転以降は、第２燃料
噴射弁側の遮断弁を閉とする一方、第１燃料噴射
弁側の遮断弁は中負荷運転時は“閉”、高負荷運
転域では“開”といつたように制御するようにし
てもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかる補助空気の遮断構造を
示す要部断面図、第２図は本考案にかかる燃料供
給システムを示すシステム図、第３図は制御回路
が実行する補助空気制御のフローチヤート、第４
図は本考案の効果を説明するための平均有効圧力
Peの変化を示すグラフである。 ３，４…第１，第２燃料噴射弁、９…補助空気
通路、１１…遮断弁、１２…制御回路。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 吸気通路の途中に、燃料を噴射する噴射弁と、
   該噴射弁の先端近傍に燃料の微粒化を図るための
   補助空気を供給する補助空気通路を備えた補助空
   気供給手段とを有するエンジンの燃料供給装置に
   おいて、 上記補助空気通路内に設けられ、該通路を流れ
   る補助空気を遮断可能な遮断手段と、高負荷運転
   時に上記遮断手段を作動させる制御手段とを設け
   たことを特徴とするエンジンの燃料供給装置。