JPH033081B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ≪発明の技術分野≫ この発明は、自動車用内装部品の取付用クリツ
プに関し、特に内装部品の裏面に軟質パツドを固
定するのに好適なクリツプに関する。

≪従来の技術とその問題点≫ たとえばリアコーナなどの合成樹脂射出成形体
からなる内装部品にあつては、きしみ音等の内装
部品のこすれあい等に伴う低級音の発生を防止す
るために、裏面に軟質発泡ウレタンスラブ材、フ
エルトなどの軟質パツドを介して、車体パネル面
に装着するようにしている。

軟質パツドの装着手段としては、通常は接着剤
による接着手段か、あるいはホツトメルトフイル
ム、流面接着テープなどの接着媒体を介して接着
を行なつている。

しかし、このような接着手段では、まず塗布手
段や、テープの固定手段あるいはホツトメルトフ
イルムにあつては加熱手段が必要であり、組立に
工数がかかるものとなつていた。

以上の接着手段に対比させるものとして、たと
えば内装部品の裏面にボス部を一体に立設し、ボ
ス部の軟質パツドからの突出端を熱または超音波
によりカシメ付けることによつて固定する手段が
ある。

しかし、このようなカシメ付けによる固定方法
は、固定される相手部品が硬質材である場合には
容易に適合できるが、軟質パツドには全く適合で
きないものとなる。

すなわち、軟質パツドの場合には、かなりの厚
みを必要とすることおよびカシメ付けられた部分
のフランジ面がかなり大きくないと容易に脱落し
てしまうことである。

したがつて、従来は工数がかかるにもかかわら
ず、接着手段により軟質パツドを内装部品に固定
しているのが実状である。

≪発明の目的≫ この発明は、軟質パツドであつても、超音波ま
たは熱カシメ手段によつて内装部品に固定できる
ようにすることを目的とする。

≪発明の構成と効果≫ 前記目的を達成するために、この発明は、合成
樹脂射出成形体からなる内装部品の裏面に軟質パ
ツドを固定するためのクリツプであつて、該クリ
ツプは、内装部品の裏面に突設した中空部の取付
基部と、取付基部の先端に延長され、かつ先端に
向けて縮径する多数のフインとからなり、このフ
インを軟質パツドに形成した取付穴に挿入して押
し広げつつ発熱溶着することにより前記内装部品
に軟質パツドを固定するようにしたことを特徴と
する自動車用内装部品の取付用クリツプを提供す
るものである。

以上の構成によれば、フインの長さが長くて
も、射出成形時における成形体の肉を多くとらな
いので、ひけを生ずることなくフイン長さを長く
することができる。また、カシメ付ける工程で、
フインを取付基部より折り曲げれば、フインは菊
の花状に展開する。これによつて、軟質パツドを
保持する部分の面積が実質的に大きくなり、軟質
パツドの抜けだしを規制することになる。

したがつて、この発明のクリツプによれば、従
来の接着手段に比して工数が削減できる。

≪実施例の説明≫ 第１図はこの発明を適用した合成樹脂射出成形
体からなる内装部品の一部を示し、第２図は同内
装部品に軟質パツドを組付けるための順序を示す
説明用断面図である。

図において、合成樹脂射出成形体からなる板状
の内装部品１の裏面にはクリツプ２が一体に形成
されている。

クリツプ２は内装部品１の裏面に一体に立設さ
れた円柱状の取付基部３ａと、取付基部３ａの先
端に延長された多数のフイン３ｂとからなつてい
る。取付基部３ａの高さは軟質パツド４の厚みに
ほぼ等しく設定されている。

フイン３ｂは互いに先端側に行くにつれてテー
パー状に縮径する形状となつている。

これは、射出成形金型の形状を逆テーパー状に
形成することで先細りの形状を作ることができ
る。

なお、この場合には、金型の突き方法に対しア
ンダーカツトとなるが、各フイン３ｂは夫々薄
く、かつ細長いものであるために、アンダーカツ
ト形状であつても、無理抜きすることにより容易
に脱型でき、脱型した状態で反発弾性により元の
先細り状態に戻ることになる。

以上の構成の内装部品に軟質パツド４を組付け
るには、まず第２図イに示すようにクリツプ２の
外形状よりやや大きな内径の取付穴４ａを形成し
た軟質パツド４をフイン３ｂの先端側から挿通す
る。

この場合には、フイン３ｂは先細りの形状とな
つているために容易に嵌め付けることができる。

次に、第２図ロに示すように内装部品１をテー
ブル６上に設置し、超音波ホーン５の先端部５ａ
を各フイン３ｂの先端によつて形成される円形の
穴内に挿入しつつ加振すれば、各フイン３ｂは径
方向に押し広げられつつ発熱溶融する。

なお、超音波ホーン５の先端部５ａの形状は各
フイン３ｂによつて構成される内径部分より小で
あり、また、ホーン５が挿通された状態でホーン
５の外周部にフイン３ｂの基部が当接するような
状態のテーパー面５ｂに設定されている。

そして、ロに示す状態から更に超音波ホーン５
を下降することによつて、ハに示すようにフイン
３ｂは菊の花状に開ききつた状態で軟質パツド４
の取付穴周縁に接触する。

これにより軟質パツド４の固定が完了すること
になる。

なお、内装部品１としては、リアコーナの他
に、裏面に軟質パツドを固定する必要性のあるも
の全般に適合できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を適用した内装部品およびこ
れに形成されたクリツプを示す要部斜視図、第２
図は同クリツプに軟質パツドを固定する順序を説
明するもので、イはクリツプにパツドを嵌め付け
た状態を示し、ロは超音波ホーンによりカシメ付
けた状態を示し、ハはカシメ付け完了状態を示す
断面図である。 １……内装部品、２……クリツプ、３ａ……取
付基部、３ｂ……フイン、４……軟質パツド、４
ａ……取付穴。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 合成樹脂射出成形体からなる内装部品の裏面
   に軟質パツドを固定するためのクリツプであつ
   て、該クリツプは、内装部品の裏面に突設した中
   空部の取付基部と、取付基部の先端に延長され、
   かつ先端に向けて縮径する多数のフインとからな
   り、このフインを軟質パツドに形成した取付穴に
   挿入して押し広げつつ発熱溶着することにより前
   記内装部品に軟質パツドを固定するようにしたこ
   とを特徴とする自動車用内装部品の取付用クリツ
   プ。