JPH0330473Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はシールド掘進機の排土装置に関する。

従来の技術 一般に、掘削地山が砂礫層の場合には、泥漿式
シールド掘進機が採用されている。この種のシー
ルド掘進機は、そのカツタヘツドで掘削した土砂
をカツタヘツド内に形成された圧力室内に緩く溜
め、その土砂の間〓部に泥漿式（ベントナイト、
粘土などの混合溶液）を加圧注入して、掘削土砂
の堆積土圧で切羽の崩壊土圧に対応させると共
に、泥漿による塑性流動化及び難浸透層を形成し
て泥漿加圧効果を発揮させて、切羽の安定を図り
ながら掘削するものである。ところで、このよう
な泥漿式シールド掘進機における掘削土砂の排土
装置としては、リボン型のスクリユウコンベア式
のものが使用されている。このリボン型のスクリ
ユウコンベア式排土装置は、筒状ケーシング内に
中心軸の無いリボン状のスクリユウ羽根が回転自
在に配設されたもので、このリボン状スクリユウ
羽根によつて圧力室内で泥漿が混入された土砂を
混練しながら（勿論、圧力室内でも混練されてい
る。）排土口側に移送すると共に、排土口付近に
おいて、切羽崩壊土圧に対抗し得るサンドプラグ
を形成しつつ順次掘削された量だけ、排土口より
大気圧室側に排出するものである。

考案が解決しようとする問題点 上記従来の排土装置によると、リボン状スクリ
ユウ羽根は輸送断面積が大きく、且つ中心部が空
洞になつているため、土質によつてはサンドプラ
グの形成が難しく、排土口用ゲートの開放と同時
に水分の多い土砂が一度に流出して、圧力室の圧
力が低下し切羽が崩壊するという危険があつた。

そこで、本考案は上記問題を解決し得るシール
ド掘進機の排土装置を提供することを目的とす
る。

問題を解決するための手段 上記問題を解決するため、本考案のシールド掘
進機の排土装置は、一端部がカツタヘツド内の圧
力室隔壁に開口されると共に他端部に排土口が形
成された筒状ケーシングと、該筒状ケーシング内
に回転自在に配設されたリボン状スクリユウ羽根
と、上記排土口を開閉する開閉ゲートとから成る
シールド掘進機の排土装置において、上記筒状ケ
ーシング内後部に、遊端部がリボン状スクリユウ
羽根の中心穴部内に挿入された棒状体を設けたも
のである。

作 用 上記構成において、圧力室内で泥漿が混入され
た土砂は、リボン状スクリユウ羽根によつて排土
口まで移送されるが、リボン状スクリユウ羽根内
に挿入された棒状体によつて、土砂の急激な流出
が防止される。

実施例 以下、本考案の一実施例を第１図に基づき説明
する。１は一端部がカツタヘツド内の圧力室の隔
壁（図示せず）に接続開口された筒状ケーシング
で、その他端部には排土口２が形成された端板３
が筒状ケーシング１と同径の短管４を介して取付
けられており、またこの端板３には油圧シリンダ
ー５によつて作動させられて上記排土口２を開閉
する開閉ゲート６が設けられている。７は上記筒
状ケーシング１内に回転自在に配設された中心軸
の無い即ち中心穴部７ａを有するリボン状スクリ
ユウ羽根で、その後端部に固着された回転環８を
介して回転駆動される。なお、上記回転環８は筒
状ケーシング１後端部に形成された環状凹部１ａ
内に軸受９を介して支持されると共に、その外周
に固着されたリングギヤ１０を介して例えば油圧
モータ（図示せず）により回転駆動される。１１
は後端部が短管４にブラケツト１２を介して支持
されると共に前端部がリボン状スクリユウ羽根７
後端からその中心穴部７ａ内に挿入された棒状体
で、中心穴部７ａ内周面と棒状体１１外周面との
間には所定の〓間ａを有するようにされている。
なお、上記リボン状スクリユウ羽根７の後端より
後方部分がサンドプラグの形成ゾーンｂとなり、
また本実施例の場合には、短管４の長さだけサン
ドプラグゾーンが長くなつている。

上記構成において、圧力室内で泥漿が混入され
た土砂は、リボン状スクリユウ羽根７によつて撹
拌されながら筒状ケーシング７の後部に移送され
る。後部に移送された土砂は、サンドプラグゾー
ンｂで切羽崩壊土圧に対抗し得るサンドプラグが
形成されると共に、開閉ゲート６が開けられて掘
削した土砂量だけ順次大気圧室１３側に排出され
る。ところで、開閉ゲート６を開けた際、筒状ケ
ーシング１前方からサンドプラグゾーンｂに土砂
が一度に移動しようとするが、棒状体１１挿入区
間では中心穴部７ａを通過する土砂が阻止され
て、リボン状スクリユウ羽根７の回転による移動
だけとなり、サンドプラグゾーンｂにおいてサン
ドプラグがより圧密に形成され、急激な土砂の流
出即ち圧力低下が防止される。

次に、他の実施例を第２図に基づき説明する
と、上記実施例のものにおいては、棒状体を短管
に支持させるようにしたが、この他の実施例のも
のにおいては、短管を設けずに棒状体１１を筒状
ケーシング１に取付けられた端板３に取付板１４
を介して取付けたものである。

考案の効果 上記本考案の構成によると、リボン状スクリユ
ウ羽根の中心穴部内に棒状体を挿入したので、土
砂を筒状ケーシングより排出する際、一度に流出
するのを防止でき、従つて切羽崩壊につながる圧
力室内の圧力低下を防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図、第２
図は他の実施例の断面図である。 １……筒状ケーシング、２……排土口、６……
開閉ゲート、７……リボン状スクリユウ羽根、７
ａ……中心穴部、１１……棒状体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端部がカツタヘツド内の圧力室隔壁に開口さ
   れると共に他端部に排土口が形成された筒状ケー
   シングと、該筒状ケーシング内に回転自在に配設
   されたリボン状スクリユウ羽根と、上記排土口を
   開閉する開閉ゲートとから成るシールド掘進機の
   排土装置において、上記筒状ケーシング内後部
   に、遊端部がリボン状スクリユウ羽根の中心穴部
   内に挿入された棒状体を設けたことを特徴とする
   シールド掘進機の排土装置。