JPH0376400B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はシールド掘進機の排土装置に関する。

従来の技術 従来、できるだけ大きい礫または玉石等を円滑
に排出するために、中心軸のないリボン状スクリ
ユウ羽根を有するスクリユウコンベア式排土装置
を使用されている。

発明が解決しようとする問題点 ところが、上記のリボン状スクリユウ羽根によ
ると、中心軸のない部分即ち中空穴部を通して地
下水が出口に直接に浸透し、例えば地下水圧が高
い場合、または切羽で破砕された礫が角張つてい
る場合には、地下水が浸透しやすくなつて、トン
ネル坑内に噴出する恐れがあつた。そこで、上記
欠点を解消するものとして、リボン状スクリユウ
羽根の幅を半径の長さと同一にして地下水が必ず
螺旋状に浸透するようにすればよいが、その製作
が不可能となる。したがつて、リボン状スクリユ
ウ羽根の中空穴径を最小にしてこの中空穴部に地
下水浸透阻止用の軸体を配置すればよいことにな
る。しかし、上記リボン状スクリユウ羽根を回転
するのに、回転軸がないため羽根自身を捩るよう
に回転させているので、羽根を全幅に亘つて厚く
しなければならず、やはりこの場合も製作上困難
であるという問題が生じる。

そこで、本発明は上記問題を解消し得るシール
ド掘進機の排土装置を提供することを目的とす
る。

問題を解決するための手段 上記問題を解決するため、本発明のシールド掘
進機の排土装置は、一端部がシールド本体の圧力
室隔壁に開口接続されるとともに、他端部に排出
ゲートが設けられた筒状ケーシングと、この筒状
ケーシング内に回転自在に配置された外側リボン
状スクリユウ羽根と、この外側リボン状スクリユ
ウ羽根の内周端に沿つて固着された内側リボン状
スクリユウ羽根と、この内側リボン状スクリユウ
羽根の中空穴部に挿通固定された軸体と、上記外
側リボン状スクリユウ羽根の外周に固定された回
転環を介して、スクリユウ羽根全体を回転させる
回転駆動装置とから構成し、かつ上記内側リボン
状スクリユウ羽根の厚みを、外側リボン状スクリ
ユウ羽根のそれよりも薄くしたものである。

作 用 上記構成によると、スクリユウ羽根、外側およ
び内側リボン状スクリユウ羽根並びに軸体により
構成したので、筒状ケーシング内の断面を略全体
に亘つて塞いだような状態となるため、地下水が
直接真直に排出ゲート側に浸透するのを防止でき
る。しかも、上記内側リボン状スクリユウ羽根の
厚みは、外側リボン状スクリユウ羽根のそれより
も薄くしたので、螺旋状の加工は容易となり、ま
た中央の軸体は回転させるためのものではないた
め、非常に細くでき、したがつて大きな礫の排出
も可能となる。

実施例 以下、本発明の一実施例を第１図および第２図
に基づき説明する。１は例えば泥漿式シールド掘
進機で、そのシールド本体２の前部にはカツタヘ
ツド３が旋回軸受４を介して回転自在に支寺され
るとともに、カツタヘツド３内には圧力室５が形
成されている。なお、上記カツタヘツド３は、シ
シールド本体２内に設けられた油圧または電動式
のモータ６によつて回転される。７は本発明に係
る排土装置で、圧力室５内の掘削土砂を大気圧室
８側に排出するためのものである。この排土装置
７は、一端部が圧力室５の隔壁９に開口接続され
るとともに、他端部に排出ゲート１０が設けられ
た筒状ケーシング１１と、この筒状ケーシング１
１内にしかも後部を除き略全長に亘つて回転自在
に配置された外側リボン状スクリユウ羽根１２
と、この外側リボン状スクリユウ羽根１２の内周
端に沿つて固着された内側リボン状スクリユウ羽
根１３と、この内側リボン状スクリユウ羽根１３
の中空穴部に挿通固定された軸体１４と、上記筒
状ケーシング１１の後部に突出するように形成さ
れた環状凹部１１ａに軸受１５を介して回転自在
に配置されるとともに上記外側リボン状スクリユ
ウ羽根１２の後部外周に固着された回転環１６
と、この回転環１６を介して外側および内側リボ
ン状スクリユウ羽根１２，１３を回転させる回転
駆動装置１７とから構成されている。そして、上
記外側リボン状スクリユウ羽根１２の厚みは、そ
の回転駆動力を伝達できるように十分厚くされ、
また内側リボン状スクリユウ羽根１３の厚みは、
外側リボン状スクリユウ羽根１２の厚みより大分
薄くされており、螺旋状の加工が容易となるよう
にされている。また、内側リボン状スクリユウ羽
根１３の中心穴部を塞ぐ軸体１４は、できるだけ
大きい礫を排出できるように、最小径にされてい
る。上記回転駆動装置１７は、回転環１６の外周
に固定されたリングギア１８と、このリングギア
１８に噛合うピニオン１９と、このピニオン１９
を回転させる油圧または電動式のモータ２０とか
ら構成されている。

したがつて、上記構成において、圧力室５内か
ら掘削土砂を大気圧室８に排出する場合、筒状ケ
ーシング１１内の断面は、外側および内側リボン
状スクリユウ羽根１２，１３並びに軸体１４によ
つて塞がれた状態となり、たとえ地下水圧が高か
つたり、また礫が角張つていても、地下水は螺旋
状に浸透し、真直に排出ゲート１０側に浸透する
ことはない。

ところで、上記実施例においては、外側リボン
状スクリユウ羽根１２の断面形状を長方形状にし
たが、例えば第３図に示すように、前面隅部を傾
斜２１させた台形状にしてもよい。

発明の効果 上記本発明の構成によると、スクリユウ羽根
を、外側および内側リボン状スクリユウ羽根並び
に軸体により構成したので、筒状ケーシング内の
断面を略全体に亘つて塞いだような状態となるた
め、地下水が直接真直に排出ゲート側に浸透する
のを防止できる。しかも、上記内側リボン状スク
リユウ羽根の厚みは、外側リボン状スクリユウ羽
根のそれよりも薄くしたので、螺旋状の加工は容
易となり、また中央の軸体は回転させるためのも
のではないため、非常に細くでき、したがつて大
きな礫の排出も可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の縦断面図、第２図
は第１図の−矢視図、第３図は外側スクリユ
ウ羽根の変形例を示す断面図である。 ２…シールド本体、３…カツタヘツド、５…圧
力室、７…排土装置、９…隔壁、１０…排出ゲー
ト、１１…筒状ケーシング、１２…外側リボン状
スクリユウ羽根、１３…内側リボン状スクリユウ
羽根、１４…軸体、１６…回転環、１７…回転駆
動装置。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 一端部がシールド本体の圧力室隔壁に開口接
   続されるとともに、他端部に排出ゲートが設けら
   れた筒状ケーシングと、この筒状ケーシング内に
   回転自在に配置された外側リボン状スクリユウ羽
   根と、この外側リボン状スクリユウ羽根の内周端
   に沿つて固着された内側リボン状スクリユウ羽根
   と、この内側リボン状スクリユウ羽根の中空穴部
   に挿通固定された軸体と、上記外側リボン状スク
   リユウ羽根の外周に固定された回転環を介して、
   スクリユウ羽根全体を回転させる回転駆動装置と
   から構成し、かつ上記内側リボン状スクリユウ羽
   根の厚みを、外側リボン状スクリユウ羽根のそれ
   よりも薄くしたことを特徴とするシールド掘進機
   の排土装置。