JP2588380B2 - 矩形シールド掘進機 - Google Patents

矩形シールド掘進機

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JP2588380B2
JP2588380B2 JP6414195A JP6414195A JP2588380B2 JP 2588380 B2 JP2588380 B2 JP 2588380B2 JP 6414195 A JP6414195 A JP 6414195A JP 6414195 A JP6414195 A JP 6414195A JP 2588380 B2 JP2588380 B2 JP 2588380B2
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伸一 杉山
耕三 佐古井
毅 中川
隆 三井
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Kajima Corp
Kawasaki Motors Ltd
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Kajima Corp
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  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この出願に係る発明は、矩形状断
面のトンネルを掘削するための矩形シールド掘進機に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、地中にトンネルを形成する機
械としてシールド掘進機が用いられており、通常は、円
形断面のトンネルを掘削する円形シールド掘進機が多用
されている。
【0003】一方、例えば複数車線の道路を形成するた
めの拡幅したトンネルを形成する要望もある。このよう
な要望に対して上記円形シールド掘進機によって掘削す
る場合、複数の円形断面のトンネルを並設して円形掘削
部が重合するように掘削することとなるが、円形を重合
させて所望の拡幅したトンネルを掘削するためには重合
代を大きく取らなければならないため、必要以上に大径
のシールド掘進機が必要となるとともに効率の悪い作業
となってしまう。
【0004】そのため、例えば実公平4−14552号
公報記載の考案のような円形断面以外の特殊断面を掘削
するシールド掘削機を用いて、単一の円形断面掘削用カ
ッタをカッタガイドに沿って移動させることにより、例
えば矩形状断面の横坑を掘削しようとするものがある
(従来例1)。
【0005】また、他の従来技術として特開昭62−2
25694号公報記載の発明があり、この発明は高速道
路(四車線)等の拡幅した掘削断面のトンネルを掘削す
るために、図6のシールド掘進機の前面を示す正面図の
ように、複数個の大径のカッタ50を回転自在に並設
し、これら大径のカッタ50の間に小径のカッタ51を
備え、これらのカッタ50,51による切削域が相互に
重合するように掘削して拡幅した断面形状を有するトン
ネルを掘削しようとするものである(従来例2)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来例1では、単
一のカッタで矩形状の断面を掘削しようとするものであ
るため、カッタをあまり大きくすると角部を矩形状に掘
削することが難しくなるので、カッタを比較的小さくす
る必要がある。しかし、カッタを小さくすると矩形状断
面内に占めるカッタの割合が小さくなってシールド掘削
機前面での山留めができず、掘削時に地山の崩壊の恐れ
がある軟弱地盤等の崩壊性地盤の掘削には不向きで、例
えば泥水加圧式シールド掘進機においては採用できない
構成となり、自立性のある山でないと矩形状に掘削する
ことができないものとなる。
【0007】一方、上記従来例2では、大径のカッタ5
0と小径のカッタ51とである程度矩形状に近い形状の
掘削ができるが、大径カッタ50と小径カッタ51の間
に凹凸状の未掘削部52が残り、この未掘削部52をシ
ールド掘進機の掘進時に機械外郭部53(フードプレー
ト部)で強制的に掘削して進む必要があるため、地山が
硬質地盤であると掘進抵抗が増加して掘進が困難にな
る。また、機械外郭部53で強制的に掘削したとして
も、この機械外郭部53が早期磨耗を生じてシールド掘
進機自体の早期交換が必要となって、費用及び時間を要
する非常に効率の悪い作業となるので、この従来例2も
軟弱地盤でないと掘進が困難になる。
【0008】ところで、上記掘進抵抗を減少させるため
に、仮に、この従来例2のシールド掘進機の機械外郭部
53を大径と小径のカッタ外周を連続させた形状とほぼ
同じ凹凸形状に形成したとすると、その製作上、時間と
費用を要するとともにこのシールド掘進機で掘削した後
には凹凸状の未掘削部52が残ってしまう。
【0009】そのため、このようなシールド掘進機で先
に形成した矩形状のトンネルに別の矩形状のトンネルを
並設しようとすると、通常、先のトンネルを掘削した時
にはセグメントと地山との間にコンクリートの裏込材を
注入してトンネルを形成しているため、後のトンネルを
掘削する時に先のトンネルの裏込材を掘削しながら掘進
して、後のトンネルの裏込材を先のトンネルの裏込材と
結合させるように並設して両トンネルを強固に並設した
い。
【0010】しかし、上記したような凹凸状の未掘削部
52が残ると後のトンネルを掘削する時に先のトンネル
との間の重合代を大きく取らないと掘削できない部分が
残るため、この掘削作業は重合代を大きくした効率の悪
い作業となる。
【0011】しかも、矩形状のトンネルを並設して、例
えば道路トンネルを形成しようとした場合、通常、道路
トンネルは5%程度の勾配で上下して掘削することが多
いため、上記した従来例2のように凹凸状の未掘削部5
2が残ると後行トンネルを掘削する時に先行トンネルの
凹凸状と後行トンネルの凹凸状との間にずれを生じて更
に未掘削部52が多くなる場合がある。従って、このよ
うな場合には重合代を更に大きくした効率の悪い掘削作
業が必要となる。更にこの時、重合代をあまり大きくす
ると後行のシールド掘進機が先行トンネルのセグメント
を掘削してしまう可能性もあるため掘削作業に高度な技
術を要することとなる。
【0012】なお、このような矩形状のトンネルを並設
する場合、両断面を1度に掘削できる大掘削断面のシー
ルド掘進機を製造すればよいが、この場合、例えば、機
械の幅が20m以上もあるシールド掘進機となるため、
その製作上は技術的に困難で、また、輸送上の問題や、
あるいは組立上の問題もあり、不経済で実現するのは非
常に困難である。
【0013】この出願に係る発明は上記課題に鑑みて、
カッターヘッドで凹凸の少ない矩形状断面を掘削するこ
とができる矩形シールド掘進機を提供することを一つの
目的とし、また、複数の矩形状トンネルを効率的に掘削
して並設することができる矩形シールド掘進機を提供す
ることを他の目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に係る矩形シールド掘進機は、シールド掘
進機前面に複数の主カッタヘッドを並設し、該複数の主
カッタヘッドを相互が干渉しない所定距離で軸方向にず
らして設けたシールド掘進機において、前記複数の主カ
ッタヘッドを該主カッタヘッドの半径以上で直径以下の
軸芯距離で並設し、該並設した隣接する主カッタヘッド
の軸芯距離のほぼ中央部に補助カッタヘッドを設け、該
補助カッタヘッドを外周部が前記隣接する主カッタヘッ
ド外周のほぼ長辺方向接線上となる位置に設け、該補助
カッタヘッドを該長辺方向接線に沿って揺動させる揺動
機構を設けて主カッタヘッドの未掘削部を掘削したこと
を特徴とするものである。
【0015】請求項2に係る矩形シールド掘進機は、上
記請求項1の矩形シールド掘進機において、並設した主
カッタヘッドの両端角部に補助カッタヘッドを設け、該
補助カッタヘッドを外周部が前記主カッタヘッド外周の
ほぼ短辺方向接線上となる位置に設け、該補助カッタヘ
ッドを該短辺方向接線に沿って揺動させる揺動機構を設
けて主カッタヘッドの未掘削部を掘削したことを特徴と
するものである。
【0016】請求項3に係る矩形シールド掘進機は、上
記請求項1又は請求項2の矩形シールド掘進機におい
て、補助カッタヘッドを揺動させる揺動機構の回転軸と
同軸上に該補助カッタヘッドを旋回駆動する駆動機構を
設けたことを特徴とするものである。
【0017】
【作用】請求項1〜3に係る矩形シールド掘進機によれ
ば、シールド掘進機前面に相互が干渉しない所定距離で
軸方向にずらして設けた複数の主カッタヘッドで主カッ
タヘッド前面が掘削でき、主カッタヘッドの半径以上で
直径以下の軸芯距離で並設した複数の隣接する主カッタ
ヘッドの軸芯距離のほぼ中央部に設け外周部を隣接する
主カッタヘッド外周のほぼ長辺方向接線上となる位置に
設けて揺動機構によって長辺方向接線に沿って揺動させ
る補助カッタヘッドにより、主カッタヘッド中央部の未
掘削部を掘削することができ、これらによって主カッタ
ヘッド外周の長辺方向接線をほぼ直線状に掘削した矩形
状に掘削することができる。
【0018】特に、請求項2に係る矩形シールド掘進機
によれば、並設した主カッタヘッドの両端角部に設け、
外周部を主カッタヘッド外周のほぼ短辺方向接線上とな
る位置に設けて揺動機構によって短辺方向接線に沿って
揺動させる補助カッタヘッドにより、主カッタヘッド両
端角部の未掘削部を掘削することができ、より矩形状に
掘削することができる。
【0019】特に、請求項3に係る矩形シールド掘進機
によれば、補助カッタヘッドを旋回駆動する駆動機構を
補助カッタヘッドを揺動させる揺動機構の回転軸と同軸
上に設けたため、補助カッタヘッドの揺動に影響される
ことなく補助カッタヘッドを旋回駆動することができ
る。
【0020】
【実施例】以下、この出願に係る発明の一実施例を図面
に基づいて説明する。図1は矩形シールド掘進機の前面
を示す正面図であり、図2は同シールド掘進機の中央部
を示す側断面図、図3は図1に示すA−A断面図、図4
は図3に示すB−B断面図である。
【0021】図示するように、シールド掘進機Sの前部
には複数の主カッタヘッド1が並設されており、この実
施例では3個の主カッタヘッド1が相互に干渉しないよ
う、中央部の主カッタヘッド1Aが両側の主カッタヘッ
ド1Bよりも所定距離vだけ前方に突出するようにずら
して設けられている。
【0022】また、これらの主カッタヘッド1A,1B
の軸芯は、この主カッタヘッドの半径以上で直径以下の
軸芯距離hで並設され、中央部の主カッタヘッド1Aと
両端部の主カッタヘッド1Bとの間が同一の軸芯距離h
に設けられている。これら主カッタヘッド1A,1B
は、図2に示すようにシールド機本体2内に設けられた
駆動機3によって駆動されるピニオン4と噛合したギヤ
5により駆動軸6が駆動されて旋回させられる。なお、
駆動軸6はシール箱7及び軸受8,9によって支持され
ている。また、この実施例では送泥管10と排泥管11
とを用いた泥水式を示している。11aはアジテータで
ある。
【0023】そして、両端部の主カッタヘッド1Bの両
端角部と、隣接する主カッタヘッド1A,1Bの軸芯距
離hのほぼ中央部とには補助カッタヘッド12がそれぞ
れ設けられており、この中央部に設けられた補助カッタ
ヘッド12Aは、その外周部が上記主カッタヘッド1外
周のほぼ長辺方向接線X上となる位置に設けられ、両端
角部に設けられた補助カッタヘッド12Bは、その外周
部が上記主カッタヘッド1B外周のほぼ短辺方向接線Y
上となる位置に設けられている。
【0024】しかも、この出願に係る発明では、図3の
断面図に示すように、上記両端角部の補助カッタヘッド
1Bに短辺方向接線Yに沿って揺動させる揺動機構Wが
設けられている。また、この揺動機構Wと同一の機構が
中央部の補助カッタヘッド12Aにも設けられており、
この補助カッタヘッド12Aは長辺方向接線Xに沿って
揺動させられる。なお、図面上は補助カッタヘッド12
Aに設けられた揺動機構は省略する。そして、これらの
揺動機構Wによって補助カッタヘッド12Aを図におい
て左右方向、補助カッタヘッド12Bを図において上下
方向に揺動させることにより、上記複数の主カッタヘッ
ド1A,1Bの未掘削部を掘削してほぼ矩形断面のトン
ネルが掘削できるように構成されている。
【0025】これらの補助カッタヘッド12A,12B
の内、両端角部の補助カッタヘッド12Bを例にして、
図3及び図4の断面図に基づいて以下に詳述する。
【0026】図3に示すように、補助カッタヘッド12
Bは回転動力を伝達する駆動軸13とこの駆動軸13を
支持するケーシング14とがこのケーシング14が固着
された回転ピン15によってシールド機本体2に支持さ
れている。上記駆動軸13はケーシング14内に設けら
れた図示しない軸受によって支持されており、またこの
駆動軸13とケーシング14との間に設けられた図示し
ないシールによってケーシング14内への切羽側からの
泥水や泥土等の侵入が防止されている。
【0027】そして、この補助カッタヘッド12Bを揺
動させる揺動機構Wは、補助カッタヘッド12Bの旋回
駆動に影響することなく揺動させる機構であり、この実
施例では、補助カッタヘッド12Bを支持する回転ピン
15を機内側に設けた揺動ジャッキ16によって回動さ
せることにより補助カッタヘッド12Bを揺動させるよ
うに構成されている。
【0028】また、この実施例では、上下に設けた補助
カッタヘッド12Bのケーシング14をロッド17で揺
動自在に連結することにより、揺動ジャッキ16で上側
の補助カッタヘッド12Bを揺動させれば、この揺動が
ロッド17を介して下側の補助カッタヘッド12Bを揺
動させることができるようにしている。その上、このよ
うに上下のケーシング14をロッド17で連結して駆動
することにより、上下の補助カッタヘッド12Bの相対
位置が決定されるため揺動時に干渉することもなく、両
補助カッタヘッド12Bが同一方向に揺動しながら掘削
できる。なお、両補助カッタヘッド12Bを相互に干渉
しない位置に配置するか、揺動ジャッキ16の揺動サイ
クルを完全に同期させれば上記ロッド17による連結は
不要となる。
【0029】上記補助カッタヘッド12Bを旋回駆動さ
せる駆動機構Mは、上記揺動ジャッキ16による揺動時
にも旋回駆動できるように補助カッタヘッド12Bの揺
動中心である回転ピン15の回転軸pと同軸上に設けら
れており、図4に示すように、上記補助カッタヘッド1
2Bの駆動軸13の基部に設けられた傘歯車18と噛合
する傘歯車19がこの回転軸p上に設けられ、この傘歯
車19が補助カッタヘッド12Bを旋回させる駆動機2
0の出力軸20aに固着されて旋回駆動できるように構
成されている。この駆動機20は、例えば油圧モータや
電動モータ等が用いられる。上記出力軸20aは、駆動
機20側と先端側とに設けられた軸受21によって上述
したケーシング14に支持されており、このケーシング
14は駆動機20側と先端側とに設けられた上記回転ピ
ン15a,15bからなる回転ピン15を介して軸受2
2によってシールド機本体2に支持されている。また、
上記回転ピン15aには駆動アーム16aが固着され、
この駆動アーム16aの先端に上記揺動ジャッキ16の
先端がピン16bによって回動自在に連結されている。
【0030】更に、上記ケーシング14は機外側oに設
けられ、上記駆動機20は機内側iに設けられているた
め、上記回転ピン15a,15bとシールド機本体2と
の間にはシール23が設けられている。このシール23
により軸受22及び機内側iへの外部水(又は泥水,泥
土等)の侵入が防止される。
【0031】なお、図示していない中央部の補助カッタ
ヘッド12Aに設けられた揺動機構は、上記両端角部の
補助カッタヘッド12Bに設けられた揺動機構Wと同一
の機構を90°設置角度を変更して設けたものであるた
め詳細な説明は省略する。
【0032】以上のように構成された矩形シールド掘進
機Sによれば、以下のように作用して矩形のトンネルを
掘削することができる。
【0033】すなわち、シールド掘進機Sの前面に設け
られた3個の主カッタヘッド1A,1Bで相互に干渉す
ることなく前面の地山を掘削し、これらの主カッタヘッ
ド1A,1Bの未掘削部を後方に設けられた補助カッタ
ヘッド12A,12Bによって掘削する。この補助カッ
タヘッド12A,12Bによる掘削は、駆動機構Mの駆
動機20の動力が出力軸20aから傘歯車19,18を
介して駆動軸13に伝達される通常の旋回駆動ととも
に、揺動ジャッキ16により揺動アーム16aと回転ピ
ン15aを介して補助カッタヘッド12に伝達される揺
動駆動とによって旋回駆動されながら揺動駆動されて主
カッタヘッド1の未掘削部を掘削することとなる。この
時、回転ピン15a,15bが回転しても駆動機20自
体が回転軸pの回りで回転するのみであるため、駆動機
20の動力は回転ピン15a,15bの回転に影響され
ることなく常に出力軸20aから傘歯車19,18を介
して補助カッタヘッド12へと伝達されている。
【0034】このような主カッタヘッド1と揺動する補
助カッタヘッド12とによる掘削は、主カッタヘッド1
の未掘削部も掘削することが可能となり、特に、この実
施例では主カッタヘッド1の両端角部にも補助カッタヘ
ッド12Bを設けているため、より矩形に近い形状で掘
削することができ、この実施例の矩形シールド掘進機S
で掘削したトンネルは、図5の掘削したトンネルの概略
を示す模式図に示すように、コーナ部において滑らかな
円弧状に掘削できるとともに、長辺方向接線X及び短辺
方向接線Yの両部分において未掘削部が極めて少ないほ
ぼ直線状に近く掘削することが可能となる。また、特に
硬質地盤においてはシールド掘進時に未掘削部を機械外
郭部で掘削する時の掘削抵抗が大幅に減少するため、従
来のように機械外郭部を特別に凹凸状にしなくても容易
に矩形トンネルを形成することができる。このように、
この出願に係る矩形シールド掘進機Sによれば硬軟両質
の地山の矩形掘削が可能となる。
【0035】ところで、上述したように従来技術ではカ
ッタの外周にほぼ沿った形状で掘削したとしても凹凸状
の未掘削部52が残ってしまうが、この出願に係る発明
では上記したように滑らかなほぼ直線状に掘削すること
が可能となるため、図5に示すように、先行の矩形シー
ルド掘進機Sで掘削した掘削軌跡a(二点鎖線で表示)
に重合代bをもって後行の矩形シールド掘進機Sで矩形
トンネルを並設して掘削する場合で、例えば、後行の矩
形シールド掘進機Sが勾配をもって掘削したとしても短
辺方向接線Y(図1)を常にほぼ直線状に掘削した掘削
軌跡c(実線で表示)で重合できるため、先行のシール
ド掘進機Sのセグメントdを掘削することなく、このセ
グメントdの外周部に注入された裏込材のみをほぼ直線
状に掘削する程度で後行のトンネルを形成することがで
きる。従って、効率的なトンネルの並設作業ができると
ともに、先行トンネルと後行トンネルのセグメント裏込
材を十分に接合することができ、相互のトンネルの接合
の信頼度が高く、トンネル強度を十分に確保したトンネ
ル形成が可能となる。
【0036】また、この場合、上記実施例で主カッタヘ
ッド1のほぼ長辺方向接線X上まで揺動させている補助
カッタヘッド12Bを、この長辺方向接線X上から更に
突出するように揺動させて掘削すれば、矩形状の両端角
部を更に大きく掘削することができるため、先行トンネ
ルと後行トンネルのセグメント裏込材を更に十分に接合
することができる。
【0037】この補助カッタヘッド12Bは、揺動長さ
を短辺方向接線Yの方向に適当な長さで選択すれば既設
の裏込材との重合代の短辺方向接線Y方向の長さを変更
できるため、強度上あるいは施工上短辺方向接線Yの全
長にわたって接合する必要がない場合等には、この揺動
長さで重合代bの長さを適宜変更することができる。ま
た、補助カッタヘッド12Bは長辺方向接線Xの方向に
揺動可能とすることもできる。
【0038】なお、上記実施例では横長の矩形状トンネ
ルを形成する矩形シールド掘進機Sを例に説明したが、
この矩形シールド掘進機Sで縦長の矩形状トンネルを形
成することも可能である。
【0039】また、上記実施例では掘削ズリの排出に送
泥管10と排泥管11とを用いた泥水式を例示している
が、スクリュウコンベヤを用いた泥土圧式シールド掘進
機、あるいはコンベヤ等を用いたオープンメカニカル式
のシールド掘進機であっても同様の作用効果を奏するこ
とができる。
【0040】更に、上記実施例では補助カッタヘッド1
2の旋回駆動機構Mを回転軸pと同軸上に設けている
が、この駆動機構Mを補助カッタヘッド12のケーシン
グ14内に設けるように構成しても補助カッタヘッド1
2の旋回と揺動とを同時に行うことは可能である。
【0041】
【発明の効果】この出願に係る発明は、以上説明したよ
うに構成しているので、以下に記載するような効果を奏
する。
【0042】請求項1〜3に係る矩形シールド掘進機に
よれば、並設した複数の主カッタヘッドで主カッタヘッ
ド前面が掘削でき、この主カッタヘッドの未掘削部も主
カッタヘッドの軸芯間のほぼ中央部に設けて外周部がほ
ぼ長辺方向接線上に沿って揺動する補助カッタヘッドに
より掘削することができるため、これらにより主カッタ
ヘッド外周の長辺方向接線をほぼ直線状に掘削しながら
矩形状のトンネルを形成することができる。しかも、掘
削地山が硬質の場合であっても、ほぼ機械外郭部に沿っ
て地山を掘削することができるので、機械掘進時に未掘
削地山からの抵抗が少なく掘進することが可能となる。
【0043】特に、請求項2に係る矩形シールド掘進機
によれば、並設した主カッタヘッドの両端角部に設け、
外周部を主カッタヘッド外周のほぼ短辺方向接線上に沿
って揺動させる補助カッタヘッドにより、主カッタヘッ
ド両端角部の未掘削部も掘削することができるため、よ
り矩形状に掘削することが可能となる。また、矩形状の
トンネルを並設する場合、先行するトンネルのセグメン
ト裏側に注入された裏込材を後行する矩形トンネル掘削
機の補助カッタヘッドでほぼ直線状に切削でき、しか
も、接合する重合代を強度上,施工上必要とされる適当
な長さに選択できるので、相互の接合に信頼度の高いト
ンネルを並設することができる。
【0044】特に、請求項3に係る矩形シールド掘進機
によれば、補助カッタヘッドを旋回駆動する駆動機構を
機内側に設けることが容易に可能となるため、保守点検
が容易で信頼性の高い駆動機構を構成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願に係る矩形シールド掘進機の前面を示
す正面図である。
【図2】この出願に係る矩形シールド掘進機の中央部を
示す側断面図である。
【図3】図1に示す矩形シールド掘進機のA−A断面図
である。
【図4】図3に示す矩形シールド掘進機のB−B拡大断
面図である。
【図5】この出願に係る矩形シールド掘進機で掘削した
トンネルの概略を示す模式図である。
【図6】従来のシールド掘進機の前面を示す正面図であ
る。
【符号の説明】
1…主カッタヘッド 2…シールド機本体 3…駆動機 4…ピニオン 5…ギヤ 6…駆動軸 7…シール箱 8,9…軸受 10…送泥管 11…排泥管 12…補助カッタヘッド 13…駆動軸 14…ケーシング 15…回転ピン 16…揺動ジャッキ 17…ロッド 18,19…傘歯車 20…駆動機 21,22…軸受 23…シール S…矩形シールド掘進機 X…長辺方向接線 Y…短辺方向接線 M…駆動機構 W…揺動機構 h…軸芯距離 v…所定距離 p…回転軸 o…機外側 i…機内側 a…掘削軌跡 b…重合代 c…掘削軌跡 d…セグメント
フロントページの続き (72)発明者 中川 毅 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (72)発明者 三井 隆 東京都港区元赤坂一丁目2番7号 鹿島 建設株式会社内 (56)参考文献 特開 昭64−39493(JP,A) 特開 平3−147998(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シールド掘進機前面に複数の主カッタヘ
    ッドを並設し、該複数の主カッタヘッドを相互が干渉し
    ない所定距離で軸方向にずらして設けたシールド掘進機
    において、 前記複数の主カッタヘッドを該主カッタヘッドの半径以
    上で直径以下の軸芯距離で並設し、該並設した隣接する
    主カッタヘッドの軸芯距離のほぼ中央部に補助カッタヘ
    ッドを設け、該補助カッタヘッドを外周部が前記隣接す
    る主カッタヘッド外周のほぼ長辺方向接線上となる位置
    に設け、該補助カッタヘッドを該長辺方向接線に沿って
    揺動させる揺動機構を設けて主カッタヘッドの未掘削部
    を掘削したことを特徴とする矩形シールド掘進機。
  2. 【請求項2】 並設した主カッタヘッドの両端角部に補
    助カッタヘッドを設け、該補助カッタヘッドを外周部が
    前記主カッタヘッド外周のほぼ短辺方向接線上となる位
    置に設け、該補助カッタヘッドを該短辺方向接線に沿っ
    て揺動させる揺動機構を設けて主カッタヘッドの未掘削
    部を掘削したことを特徴とする請求項1記載の矩形シー
    ルド掘進機。
  3. 【請求項3】 補助カッタヘッドを揺動させる揺動機構
    の回転軸と同軸上に該補助カッタヘッドを旋回駆動する
    駆動機構を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項
    2記載の矩形シールド掘進機。
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