JPH0330253Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、タイル等の重量物を入れて運搬する
組立式包装箱に関し、特に一対の側壁部及びその
側壁部間をつなぐ一対の妻面部から成る横断面四
角の箱体の、底面及び妻面が二重になつた構造の
組立式包装箱に関する。

［従来の技術］ 従来、タイル等の重量物を入れる組立式包装箱
は、運搬中に破損しないように底面及び妻面が二
重に形成された頑丈な構造を有していた。例えば
箱体底面と同じ大きさを有する底面フラツプと、
この底面フラツプ内面に重ね合わせ得る内フラツ
プとによつて底面を構成し、かつ底面フラツプに
は箱体の両妻面部内側に重ね合わせ得る側面フラ
ツプを有するものがあつた。ここで妻面部とは、
両側壁部の端部間に連設する両側の壁をいうもの
である。

［解決しようとする問題点］ ところが、上記組立式包装箱は、構造が複雑な
ためにその展開図も複雑になり、裁断時にむだに
なる部分が多く、そのむだになる部分の処理も大
変であつた。更に、展開図の外形に凹凸があるの
で、展開図同志を接近させて配列して、材料の段
ボールを節約することが難しかつた。従つて、所
定の面積の段ボールから少数の組立式包装箱しか
製造できないという問題点があつた。

また、この様な組立式包装箱は構造が複雑でか
つ頑丈なので、使用した後に分解しようとしても
容易ではなく、通常は、そのまま山積みするため
製造作業の邪魔になるという問題点があつた。更
に、積んであつた箱を処理するには踏み潰してい
たが、この様な丈夫な箱を踏み潰すには大変な労
力がいるという問題点があつた。

本考案はこの様な事情を背景としてなされたも
のであり、本考案の目的とするところは、材料の
段ボールを節約するとともに、分解が容易な組立
式包装箱を提供することにある。

［問題点を解決するための手段］ この様な目的を達成するめになされた本考案
は、 一対の側壁部及びその側壁部間をつなぐ一対の
妻面部から成る横断面四角の箱体の、底面及び妻
面が二重になつた構造の組立式包装箱において、 その組立前の展開時の形状として、 上記一方の側壁部の両側に外側手掛け孔を設け
た妻面部を連設し、その側壁部及び妻面部の上端
に各々長方形の上蓋を連設し、その側壁部の下端
には上記横断面とほぼ同形の底面フラツプを連設
し、 該底面フラツプの両側端には、上記妻面部とほ
ぼ同形で上記妻面部の内側に接し得る側面フラツ
プを連設し、かつその側面フラツプには上記外側
手掛け孔と重なる内側手掛け孔を設け、 上記一方の妻面部の側端には他方の側壁部を連
設し、その側壁部の上端には上記上蓋とほぼ同形
の上蓋を連設し、その側壁部の下端には上記底面
フラツプとほぼ同形で上記底面フラツプと折り重
ね可能な内フラツプを連設し、かつその内フラツ
プの端部には分解用の切欠を設けたことを特徴と
する組立式包装箱を要旨とする。

［作用］ 本考案の組立式包装箱は、側壁部と妻面部が交
互に連設されて帯状になつており、更に、各々の
側壁部や妻面部の上端には長方形の上蓋が連設さ
れているので、上蓋の部分も横一列に並んでい
る。

そして、両側が妻面部に連設されている一方の
側壁部下端には底面フラツプが連設され、該底面
フラツプの両側端には、上記妻面部とほぼ同形で
妻面部の内側に接し得る側面フラツプが連接さ
れ、更に、他方の側壁部の下端には上記底面フラ
ツプとほぼ同形で底面フラツプと折り重ね可能な
内フラツプが連設されている。それによつて、底
面フラツプ、側面フラツプ及び内フラツプも横一
列に並んでいる。

一方、各側壁部及び各妻面部の上側には上蓋、
下側には対応するフラツプがそれぞれ配置されて
いるので、縦方向にも整列している。

従つて、この組立式包装箱を展開した形状とし
ては、上記各帯状の部分の左右が揃つたほぼ長方
形の外形となる。

また、内フラツプの端部には切欠が設けられて
いるので、分解開始の位置を明瞭に示し、更に、
切欠に指を掛けて手前に引くことにより、迅速か
つ容易に組立式包装箱を分解することができる。

［実施例］ 以下に本考案の一実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。

第１図の展開平面図に示すように、段ボールが
裁断され、側壁部１２、妻面部１４、側壁部１
６、妻面部１８の順に、それぞれ折り目２０，２
２，２４を介して横方向に連設されている。そし
て、最端部に位置する側壁部１２には、つぎしろ
２６が折り目２８を介して連設されている。

前記側壁部１２，１６の下端には、それぞれ折
り目３０，３１，３２を介して内フラツプ３４と
外フラツプ３６が連設されている。外フラツプ３
６は折り目３２を介して側壁部１６に連設される
底面フラツプ３８と、その両端に折り目４０，４
２を介してそれぞれ連設される側面フラツプ４
４，４６とを備えている。

側面フラツプ４４，４６の第１図の縦巾は妻面
部１４，１８の横巾と同じか若干小さく形成され
る。尚、妻面部１８と側面フラツプ４６との間、
内フラツプ３４と側面フラツプ４４との間は、全
ては切断されておらず、一部がミシン目を有する
連結部４５，４７によつて、それぞれつながつて
いる。尚、段ボールは、その中芯の山の稜線方向
が第１図上の縦向きとなるように裁断されてい
る。

また、妻面部１４と側面フラツプ４４、妻面部
１８と側面フラツプ４６には、組立時にそれぞれ
重なり合う外側手掛け孔４８，５０及び内側手掛
け孔４９，５１が打ち抜かれ、内フラツプ３４に
は半円形の切欠５２が設けられている。

更に、側壁部１２，１６及び妻面部１４，１８
には折り目５４，５５，５６，５７を介して、上
部蓋体を構成する上部外フラツプ５８，６２及び
上部内フラツプ６０，６４がそれぞれ連設されて
いる。

従つて、本組立式包装箱は、第１図に示すよう
に、その組立前の展開したときの形状が、縦４
列、横３列に整列したほぼ長方形状となる。

以上のように構成された組立式包装箱は、側壁
面１２に連設するつぎしろ２６を側壁部１８の内
側に接着剤もしくはステープルにより接合され
る。接合後、折り目２２から２つ折りにされて、
使用現場に運ばれるのが通例である。この場合、
内フラツプ３４と側面フラツプ４４との間、及び
側壁部１８と側面フラツプ４６との間は、それぞ
れの連結部４５，４７によつて一部が連なつてい
るので、運搬時側面フラツプ４４，４６が跳ね上
がつてかさばることがなく好都合である。

次に上記実施例の組立式包装箱の組立方法を説
明する。

上記の様につぎしろ２６が接合された組立式包
装箱は第２図イに示すように、折り目２０，２
２，２４，２８で内側に折り曲げられ、各側壁部
１２，１６及び１４，１８によつて横断面四角形
の箱体本体部が形成される。すなわち、側壁部１
２，１６の内側面は互いに対向する一側面と他側
面とをなし、両側壁部の両端部に連設する妻面部
１４，１８がそれぞれ妻面をなしている。尚、組
立時に、連結部４５，４７はそのミシン目から容
易に切断でき、内フラツプ３４と側面フラツプ４
６とを、それぞれ第２図に示すように切り離すこ
とができる。

ついで、内フラツプ３４を折り目３０，３１か
ら矢印ａ方向に折り曲げて２点鎖線で示すように
側壁部１２の内側に密着させる。折目３０と折り
目３１との間隔を箱材の素材の厚み程度とするこ
とによつて、内フラツプ３４の折り曲げが容易と
なる。

ついで、第２図ロに示すように側面フラツプ４
４，４６を折り目４０，４２で底面フラツプ３８
に重ねて折り畳む。

ついで、第２図ハに示すように折り畳んだ側面
フラツプ４４，４６を底面フラツプ３８と共に折
り目３２で側壁部１６の内面側に対し直角に折り
曲げる。

次に、第２図ニに示すように、折り曲げてあつ
た両側面フラツプ４４，４６を戻し、妻面部１
４，１８の内側面に沿わせる。これによつて、妻
面部１４，１８の外側手掛け孔４８，５０と側面
フラツプ４４，４６の内側手掛け孔４９，５１と
がそれぞれ重なり合い、指を掛けることができ
る。この場合、側面フラツプ４４，４６の巾は側
壁部１２，１６間の内側寸法と同じとされ両側壁
部１２，１６間にはめ込むようになつているの
で、折り曲げ後、その状態を保持できる。

次に、第２図ホに示すように、折り曲げてあつ
た内フラツプ３４を戻し、底面フラツプ３８の内
側面に密着させる。この様にして箱体の底面が形
成され、組立式包装箱の組み立てが完了する。

尚、第３図は組み立てられた組立式包装箱を示
し、第４図はその組立式包装箱を破断して示して
いる。

この様に、本実施例の組立式包装箱は、その組
立前の展開したときの形状がほぼ長方形状である
ので、裁断時に無駄になる部分が少ない。従つ
て、むだ部分を処理するための作業が少なくて済
む。更に、材料の段ボール等に展開図を接近させ
て形成できるので、所定の面積の段ボールから多
くの組立式包装箱を裁断できる。従つて、段ボー
ルの量が節約できる。

また、切欠５２によつて、分解を開始する位置
が容易に解る。更に、その切欠５２に指を掛けて
内側に引き、側面フラツプ４４，４６を内側に折
り畳んで、底面フラツプ３８を押し出せば、容易
に組立式包装箱を分解することができる。従つ
て、組み立てたままで、山積みにする必要がない
ので作業場所を有効に利用できる。その上、この
組立式包装箱は容易に分解できるので、踏んで潰
す必要もなく、そのための労力が大幅に節約でき
る。

また、接着剤やステープル等を使用しないで、
組立式包装箱の組立ができるので、組立が簡単容
易で組立作業の能率を向上させることができ、コ
ストの低減を図ることができる。また第４図に示
すように、組立式包装箱は底面が底面フラツプ３
８と内フラツプ３４とによつて二重底とされ、か
つ底面フラツプ３８は連設する側面フラツプ４
４，４６によつて保持されるので、組立式包装箱
自体の強度及び底面の強度が増大される。従つ
て、底が抜けることを回避できる。

更に、妻面部１４，１８の手掛け孔４８，５０
と側面フラツプ４４，４６の手掛け孔４９，５１
とが重なり合うようにされているので、運搬時に
底が外れたりすることがなく、強度が非常に増大
する。また、組立式包装箱を横向きにし、側壁部
１２，１６が上下になるようにした場合において
も、側面フラツプ４４，４６の中芯の山の稜線方
向が上下を向くことになるので、箱の強度が非常
に大きいという利点がある。

尚、以上は段ボールのの組立式包装箱について
説明したが、他の素材の組立式包装箱について説
明したが、他の素材の組立式包装箱についても本
考案を適用することができる。

以上、本考案の実施例について説明明したが、
本考案はこの様な実施例に何等限定されるもので
はなく、本考案の要旨を逸脱しない範囲におい
て、種々なる態様で実施し得ることは勿論であ
る。

［考案の効果］ 以上詳述したように、本考案の組立式包装箱は
組立前の展開時の形状がほぼ長方形であるので、
段ボールの無駄が少なく、一定量の材料から多数
の組立式包装箱を裁断して製造することができ
る。その上、内フラツプには切欠が設けられてい
るので、分解開始位置が解るとともに、指を掛け
て容易に分解することができるので、使用後の処
理のための労力が大幅に節約できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の展開平面図、第２図
はその組立工程を示す斜視図、第３図ははその組
立状態を示す斜視図、第４図は第３図におけるＶ
−Ｖ断面図である。 １２，１６……側壁部、１４，１８……妻面
部、２０，２２，２４，２８，３０，３１，３
２，４０，４２……折り目、２６……つぎしろ、
３４……内フラツプ、３６……外フラツプ、３８
……底面フラツプ、４４，４６……側面フラツ
プ、５２……切欠。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 一対の側壁部及びその側壁部間をつなぐ一対の
   妻面部から成る横断面四角の箱体の、底面及び妻
   面が二重になつた構造の組立式包装箱において、 その組立前の展開時の形状として、 上記一方の側壁部の両側に外側手掛け孔を設け
   た妻面部を連設し、その側壁部及び妻面部の上端
   に各々長方形の上蓋を連設し、その側壁部の下端
   には上記横断面とほぼ同形の底面フラツプを連設
   し、 該底面フラツプの両側端には、上記妻面部とほ
   ぼ同形で上記妻面部の内側に接し得る側面フラツ
   プを連設し、かつその側面フラツプには上記外側
   手掛け孔と重なる内側手掛け孔を設け、 上記一方の妻面部の側端には他方の側壁部を連
   設し、その側壁部の上端には上記上蓋とほぼ同形
   の上蓋を連設し、その側壁部の下端には上記底面
   フラツプとほぼ同形で上記底面フラツプと折り重
   ね可能な内フラツプを連設し、かつその内フラツ
   プの端部には分解用の切欠を設けたことを特徴と
   する組立式包装箱。