JPH0329594Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） 本考案は横流フアンに使用される防振構造に係
り、特に横流フアンの小径化に対応することの可
能な防振構造に関する。

（従来の技術） 第１図及び第２図は横流フアンを示したもの
で、複数の細長い板状羽根１を環状に配置してな
る円筒形状フアン２の両端に同心円の孔部を有す
る端板３ａ，３ｂがそれぞれ接続され、一端側の
端板３ａの孔部にはシヤフト４が中心軸位置に配
設され、他端側の端板３ｂには防振構造を有して
いる。

第３図は従来の防振構造を示したもので、円筒
状部材の軸芯に軸受孔を有するボス６と、円板形
状でその中心位置に上記ボス６の外径と同径の穴
部と一面側に円状にくぼみを配した調芯部７を有
する防振用ゴム８とからなつている。

上記ボス６には、外部動力軸とボス６とを固定
するための固定用ねじ孔９が設けられている。

この防振構造は外部動力軸と横流フアンの回転
軸が角度を持つて取り付けられた場合、防振用ゴ
ム８の調芯部７が回転中における軸ズレを吸収し
て、横流フアンの振動を防止するものである。

（考案が解決しようとする課題） 上記のような防振構造の場合、固定用ねじ孔９
の最低ピツチ数の確保が必要であるためボス６の
最小外径が制限を受ける。

また、防振ゴム８によつて防振を適性に行うに
は、防振ゴム８に形成された調芯部７を外部動力
軸に極力近付けるようにしなければならない。こ
れは、外部動力軸から調芯部７の距離が遠いほ
ど、調芯部７に生じる力が大きく、且つ力の発生
と調芯部７によるその力の吸収に時間的な差が生
じてしまい、横流フアンの振動の量も大きくなる
からである。

そのため、横流フアンの外径を小さくした場合
には、横流フアンの外径とボス６の最小外径との
制限を受けることによつて防振用ゴム８の有効長
さが小さくなり、所定の調芯性能が得られないと
言つた欠点がある。

仮に、防振用ゴム８の有効長さを十分に取りな
がら調芯部７を外部動力軸に近付けて防振性能を
向上させるためにボス６の外径を小さくした場合
には、ボス６の固定用ねじ孔９部分の強度が弱く
なり、外部動力軸との固定部分の強度を確保でき
ないと言う欠点をも有している。

本考案は上記欠点に鑑みてなされたもので、横
流フアンの外径の小径化に対応して、所定の固定
強度と防振機能を損なうことなく小径化すること
が可能な防振構造を提供することを目的とするも
のである。

〔考案の構成〕

（課題を解決するための手段） 本考案は上記欠点を解決するために、軸芯に軸
受け孔を有する円筒状のボスと、円板の中心位置
に上記ボスの外径と同径の穴部を有し、上記ボス
の一端部に防振用ゴムを接合してなる横流フアン
用防振構造において、上記ボスの防振用ゴムとの
接合部分の外径を小径とするとともに、防振用ゴ
ムのボス大径部分より半径方向内方の部位の一面
側にくぼみによる調芯部を設けた横流フアン用防
振構造からなる。

（作 用） 上記のような防振構造によれば、横流フアンを
小径化しても防振構造における外部動力軸との固
定部分の強度を確保でき、防振用ゴムの有効長さ
を十分に取れると共に調芯部が外部動力軸により
近付いているため防振性能を損なうことがない。

（実施例） 以下、本考案の実施例を第４図を参照し、第１
図乃至第３図と共通する部分には同一符号を付し
て説明する。

第４図は本考案に係る防振構造の一実施例を示
したもので、軸芯に軸受け孔を有するボス６の防
振用ゴム８接合部分は、上記防振用ゴム８の厚み
と同長にわたつて外径を小径としており、この部
分は他の部分に比べ肉厚が薄くなつている。

また、上記防振用ゴム８は一面側に円状にくぼ
みを設けた調芯部７を有する円板の中心部に、上
記ボス６の小径部と同径の穴部を有しており、上
記ボス６には外部動力軸とボス６を固定するため
の固定用ねじ孔９が設けられている。

そして、横流フアンの端板に接合された防振構
造のボス６の軸受け部に外部動力軸を嵌合して、
これを固定用ねじ孔９に螺挿するねじの締め付け
により固定し、外部動力軸の回転により横流フア
ンが回転する。この時、横流フアンに発生する振
動は、防振構造の調芯部７により吸収されるもの
である。

本実施例においては、横流フアン外径の小径化
に伴う、防振構造の小径化に際して、外部動力軸
の固定用ねじ９のピツチ数が確保されており、し
かも、防振用ゴム８が防振構造を有するための必
要最小の長さを確保しているので、固定用ねじ孔
９部分の強度及び、防振用ゴム８の防振機能を損
なうことなく、防振構造の小径化を図ることがで
きる。

例えば、外部動力軸径をφ8mm、ボスの肉厚を
５mm、防振用ゴムの有効長さを10mmとすれば、第
３図に示す従来の防振構造の防振用ゴム直径は
φ38mmとなるのに対して、ボスの小径部分の肉厚
を２mmとした場合、本実施例に係る防振構造の防
振用ゴム直径はφ32mmとなり、６mmの小径化を図
ることが可能となる。

また、調芯部７を横流フアンの外部動力軸によ
り近くすることによつて、横流フアン自体の上下
運動の発生を極力抑え、横流フアン自体のぶれを
少なくし、アンバランス量を増大させることな
く、運転時の動バランスを保つようにして調芯性
能を向上させることができる。

〔考案の効果〕

以上述べたように本考案に係る防振構造は、ボ
スの防振用ゴムとの接合部分の外径を小径とし、
防振用ゴムのボスの大径部分より半径方向内方の
部位に調芯部を設けたので、外部動力軸の固定部
分の強度を確保でき、防振用ゴムの有効長さを十
分に取れると共に調芯部が外部動力軸により近付
いているため防振性能を損なうことなく横流フア
ンの小径化を図ることができる。

また、構造が簡単であるため製作が容易である
等の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は横流フアンの外観を示す正面図、第２
図は第１図の左側面図、第３図は従来の防振構造
を示す正面断面図、第４図は本考案の一実施例を
示す正面断面図である。 ２……フアン、５……防振構造、６……ボス、
７……調芯部、８……防振用ゴム、９……固定用
ねじ孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸芯に軸受け孔を有する円筒状のボスと、円板
   の中心位置に上記ボスの外径と同径の穴部を有
   し、上記ボスの一端部に防振用ゴムを接合してな
   る横流フアン用防振構造において、上記ボスの防
   振用ゴムとの接合部分の外径を小径とするととも
   に、防振用ゴムのボス大径部分より半径方向内方
   の部位の一面側にくぼみによる調芯部を設けたこ
   とを特徴とする横流フアン用防振構造。