JPS6215588Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は電動圧縮機の支持装置に関するもの
である。

従来電動圧縮機のほとんどのものは縦置形のも
のであつた。その場合に広く用いられる支持装置
の一例を示したのが第１図である。図において１
は電動圧縮機、２は２ケの取付穴２ａ，２ｂを有
し、圧縮機１の底面に固着された取付板である。
３はゴム等の弾性を有する防振材で、これを介し
て取付板２は台座４に取付けられている。５は固
定用のボルトである。

このような構成においては圧縮機１に生ずる円
周方向の回転力は主として２つの取付穴２ａ，２
ｂを含む平面内のみに作用するので、このような
２点支持による方法でも充分振動を防止できる。

しかしこの方法を横置形のものに適用すると、
振動板２を厚み方向に振動させる力が働くので２
点支持では振動を充分防止できないばかりか、よ
り強固で複雑な構造にしないと支持部の弛みや、
破壊を生ずる恐れがある。

また従来のものでは、振動を最低に制御するに
はボルト５を所定圧で締付ける必要があつたりし
て、その組立作業は必ずしも簡単なものではなか
つた。

この考案は上記のような事情に鑑み、組立が簡
単で防振効果の大きな横置形にも使用できる電動
圧縮機の支持装置を得ることを目的とするもので
ある。

第２，第３図はこの考案の一実施例を示すもの
で、第２図は部分断面図、第３図は分解斜視図で
ある。図において第１図と同一符号は同一または
相当部分を示す。６は圧縮機１の一側部６１に設
けられた棒状支持部材、７はその他側部７１に設
けられた四角い箱状の支持部材で、箱の底部を圧
縮機側部７１に固定している。８はその内部に配
置されたモータプロテクタ等の電装品、９はその
配線用切欠部、１０は台座４から垂直方向に突出
して設けられた一方の板状取付具で、防振材挿入
穴１０ａが設けられている。１１は台座４から垂
直方向に突出して設けられた他方の板状取付具
で、防振材挿入用切欠１１ａが設けられ、更にそ
の両上側部には水平方向に、取付具１０に向つて
折曲げられた２箇の防振材固定部１１ｂが設けら
れており、それには各々固定スリツト１１ｃが切
られている。１２は取付具１０に取付けられる弾
性を有するゴム等ででき３軸方向を防振する円柱
状防振材で、その外周面には挿入溝１２ａが設け
られており、この挿入溝１２ａを挿入穴１０ａの
縁部とを嵌合して取付具１０に取付けられる。ま
た防振材１２の中心部には棒状支持部材６が挿入
される中心穴１２ｂが設けられている。１３は他
方の取付具１１に取付けられる同じく弾性を有す
るゴム等ででき３軸方向を防振する四角柱状防振
材で、この防振材は、支持部材７内に密に嵌合さ
れるものである。防振材１３の四面には一平面上
に位置するように連続した挿入溝１３ａが設けら
れており、その内３面にある溝１３ａは上記切欠
１１ａの周縁に嵌合される。また防振材１３の圧
縮機側部７１と対向する面には電装品８の入るよ
うな凹部１３ｂが形成されている。この防振材１
３の四隅は圧縮機１に生じた回転力に抗する緩衝
部１３ｃを形成している。１４は防振材１３の上
面にある溝１３ａに挿入される固定具で、その両
端部には上記固定スリツト１１ｃに挿入される固
定足１４ａが各々形成されており、それらには固
定ピン１５が挿入されるピン穴１５ｂが夫々設け
られている。

このようなものを組立てるには先づ円柱状防振
材１３を取付具１０に取付け、支持部材７に角柱
状防振材１３を嵌合した後、棒状支持部材６を挿
入穴１２ｂに挿入し、角柱状防振材１３の溝１３
ａを切欠１１ａの縁部と嵌合させる。その状態で
は圧縮機１は取付具１０，１１に支持されている
ので、後は固定具１４を溝１３ａに挿入するとと
もに、固定足１４ａをスリツト１１ｂに挿入し、
圧力をかけてピン穴１４ｂにピン１５を挿入すれ
ば、簡単な操作で圧縮機１は完全に固定、支持さ
れる。

このような構成のものは支持が確実であるうえ
構造が簡単で、組立てが容易であるばかりでな
く、四角柱状防振材１３の四隅の緩衝部１３ｃで
圧縮機１に生ずる回転力をよく吸収するので運転
中の振動も少くできる。

このように振動を吸収させるには防振材１３の
断面は四角形に限定されるものではなく、他の多
角形でもよいし、第４図イに示したような楕円形
状でも、また第４図ロに示した外周に突出した緩
衝部１３ｃを設けたほぼ円形断面でもよい。

また上記例では防振材１３は支持部材７の内面
と嵌合するようなものについて説明したが、外面
でもよいし、内外面両方に嵌合させても良い。

また防振材１３を圧縮機１の側部７１に設け、
支持部材７を取付具１１の方に設けても類似の効
果が得られる。

この考案は以上説明したように圧縮機の両端部
を弾性的に支持するものにおいて、圧縮機の両端
部を、３軸方向を防振する防振材を介して台座か
ら切り起こされた板状取付具に支持する一方、少
なくとも一方の防振材に支持部材と共働して圧縮
機に生じた両端を結ぶ軸回りの回転力に抗するよ
うな緩衝部を設けた圧縮機の支持装置としたの
で、圧縮機から生じるすべての力と回転力に対し
て防振材によつて該圧縮機の振動を抑制すること
ができ、きわめて優れた支持装置を提供できる。
然も簡単な構造であるから比較的廉価とすること
ができ、更に、横置形にも使用できる利点があ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の縦置形圧縮機の支持部分の断面
図、第２図、第３図はこの考案の一実施例を示す
横置形圧縮機の支持部分の断面図および分解斜視
図、第４図イ，ロは異なる実施例を示す概略図で
ある。 図において１は電動圧縮機、２は取付板、３は
防振材、４は台座、６，７は支持部材、６１，７
１は圧縮機１の両端部、８は電装品、１０，１１
は取付具、１２，１３は防振材、１３ｃはその緩
衝部である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 圧縮機の両端部を弾性的にほぼ水平に支持す
   るものにおいて、圧縮機の両端部を、３軸方向
   を防振する防振材を介して台座から切り起こさ
   れた板状取付具に支持する一方、少なくとも一
   方の防振材に支持部材と共働して圧縮機に生じ
   た両端を結ぶ軸回りの回転力に抗するような緩
   衝部を設けたことを特徴とするほぼ水平に設置
   される圧縮機の支持装置。 (2) 支持部材を角筒状部材としこれを圧縮機に固
   定したことを特徴とする実用新案登録請求の範
   囲第１項記載の圧縮機の支持装置。 (3) 支持部材内に電装品を配置したことを特徴と
   する実用新案登録請求の範囲第１項または第２
   項記載の圧縮機の支持装置。