JPH0328Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は穀稈を刈取脱穀するコンバインの脱穀
装置に関する。

(ロ) 従来例 従来、一番移送螺旋部、二番移送螺旋部及び選
別風路部等の下部の一番受樋又は二番受樋等の底
部を開閉可能にして掃除蓋となしたコンバインに
おける脱穀装置は既に知られている。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 前記既知のコンバインにおける脱穀装置は、機
台の側枠及び側板の下縁全体が水平でクローラと
近接していて側方から手を入れることができない
ので、後方の排塵口から手を入れて前記掃除蓋を
開くと共に掃除していた。

ところが前記一番移送螺旋部等は排塵口から大
きく離れており、無理な姿勢で作業を行なわなけ
ればならず充分な掃除ができなかつた。

しかも、前記排塵口の上部にはカツターを装着
してあることが多いので極めて危険であつた。

また、クローラに付着した泥土を除去する作業
にも前記機台の側枠及び側板が障害になつた。

(ニ) 問題点を解決するための手段 本考案は走行クローラを有する機台上に脱穀装
置を搭載し、該脱穀装置の扱室の下方から排塵選
別室に亘つて揺動選別体を架設し、該揺動選別体
の一番選別部の下部に一番受樋を設け、二番選別
部の下部に二番受樋を設けたコンバインにおい
て、二番スロワと反対側にある側板及び前記機台
の側枠の一番受樋の近傍より後方部分は斜め上方
に向けて傾斜させることにより脱穀装置の一番移
送部及び二番移送部等に側方から手を入れて掃除
し得るようにすると共にクローラの上面を側方か
ら掃除することができるようにして前述の問題点
を解決した。

(ホ) 作用 脱穀装置の一番移送螺旋部、二番移送螺旋部及
び風選部等を掃除する場合、下縁を斜め上方へ傾
斜させた機台の側枠及び側板の下部から手を入れ
ることにより掃除蓋を取外すと共に掃除を行な
る。

また、クローラに付着した泥土を除去する時は
前記機台及び側板の上昇傾斜した部分の側方から
棒その他適宜の掃除具を挿入して付着した泥土を
除去する。

(ヘ) 実施例 本考案の一実施例を図面について説明すると、
１は走行装置２を有する機台３上の一側寄りに搭
載した脱穀装置であつて、他側には前方から順に
操作盤４、操縦席５、穀粒タンク６及びエンジン
を配設してあり、脱穀装置１の前部には分草体７
…、刈刃８、穀稈引起装置９及び掻込体等からな
る刈取装置１０を昇降可能に装着し、後部にはカ
ツター１１又は結束装置等からなる排藁処理装置
を取付けてある。

また、前記脱穀装置１は第２図に示すように扱
胴１２を扱室１３に軸架し、該扱室１３の前部下
方に設けた送風風車１４から排塵口１５に亘る選
別風路に揺動選別体１６を前後揺動するように架
設して構成されており、該揺動選別体１６は前記
扱室１３の受網１７の下面に臨む移送板１８と、
一番移送螺旋１９を内装した一番受樋２０上に臨
む選別網２１と、二番移送螺旋２２を内装した二
番受樋２３上に臨むストローラツク２５と、送塵
口２６の下面に臨む移送板２７とその終端に延設
したストローラツク２８とで構成されている。

更に、一番受樋２０の底板及び二番受樋２３の
底板は掃除蓋２０ａ，２３ａとして開閉自在に螺
着されていて蝶ボルト３０，３０により止着し、
前記送風風車１４の吐出口の下縁から二番受樋２
３の前部上方に亘る底板３１の一番受樋２０と対
向する部位を掃除蓋３１ａとして開閉可能に螺着
し、これを蝶ボルト３０により止着してあり、二
番スロワ３２はフイードチエン３３及び挟扼レー
ル３４と反対側の側板に装着してある。

そして、前記機台３は第１〜３図に示す如くフ
イードチエン３３側の側枠３ａの一番受樋２０と
対応する部位より後方を上昇傾斜させてあり、こ
の側の側板３５の下縁は前記側枠３ａと一致する
ように一番受樋２０と対応する部位より後部を上
昇傾斜させてある。

前述のコンバインにおいて、一番移送部を掃除
する場合は、前記側枠３ａの上昇傾斜した部分及
び側板３５の下縁の下方に側方から手を入れて底
板３１の蝶ボルト３０…を抜き取つて掃除蓋３１
ａを開き、更にその上方の蝶ボルト３０…を抜き
取ると一番受樋２０の掃除蓋２０ａが開くからそ
の状態で一番移送部の掃除を行ない、送風風車１
４から一番受樋２０の下方を経て二番受樋２３上
へ吹き出す風路を掃除する場合は掃除蓋３１ａを
開いて行なう。

なお、一番受樋２０の後方上部を二番受樋２３
の前部の立上部に接続したタイプの脱穀装置にお
いては前記底板の掃除蓋３１ａは省略される。

また、二番移送部を掃除する場合は前記側枠３
ａ及び側板３５の下縁の側方下部から手を入れて
蝶ボルト３０を抜き取つて掃除蓋２３ａを開き、
詰り等を除去する掃除を行なう。

更に、クローラのラグ間に付着して詰つた泥土
を除去する場合も上昇傾斜した前記側枠３ａの下
方から棒その他適宜の掃除具を入れて容易に掻き
落すことができる。

次に、コンバインの輸送時等に用いるバンパー
３６を第４〜７図について説明すると、輸送時又
は路上走行時には前記バンパー３６を第４図に示
すように分草体７を装着してある支持杆７ａ，７
ａの孔３７，３７に折曲した取付枠３７ａ，３７
ａを挿通して割ピン等で係止する。

しかし、刈取脱穀作業中は不必要であるから脱
穀装置１の側面の上部に溝３８を有する掛金３
９，３９を取付け、前記バンパー３６の取付杆３
７ａ，３７ａを上記掛金３９，３９の溝３８，３
８に嵌合して係止しておく。

そして、手刈穀稈を脱穀する場合は前記バンパ
ー３６を取外して第５図に示す如く刈取装置の側
面上部に取付けてある前述と同様な掛金３９と脱
穀装置１の前側の掛金３９とに第６図に示す如く
取付杆３７ａ，３７ａを嵌合係止して架設し、第
７図に示すように穀稈をバンパー３６に載せてフ
イードチエン３３に供給すると稈こぼれを防止し
ながら容易にかつ整然と供給することができる。

また、バンパー３６を取外した時、脱穀装置１
の側面に装着することで圃場や格納庫に忘れるこ
とがない。

(ト) 考案の効果 本考案は前述のように走行クローラを有する機
台３上に脱穀装置１を搭載し、該脱穀装置１の扱
室１３の下方から排塵選別室に亘つて揺動選別体
を架設し、該揺動選別体の一番選別部の下部に一
番受樋２０を設け、二番選別部の下部に二番受樋
２３を設けたコンバインにおいて、二番スロワ３
２と反対側にある側板３５及び前記機台３の側枠
３ａの一番受樋２０の近傍より後方部分は斜め上
方へ向けて傾斜させたので、一番移送部又は二番
移送部若くは選別装置内を掃除する時、機台３の
側枠３ａ及び側板３５の上昇傾斜した部分の下部
に側方から手を入れて近接した部位にある掃除蓋
２０ａ，２３ａを開いて容易にかつ迅速にしかも
安全に掃除することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すものであつて、
第１図はコンバインの一部を破断した側面図、第
２図は要部の縦断面図、第３図は機台の斜視図、
第４図はバンパー取付部の分解斜視図、第５図は
バンパーを側面に装着したコンバインの側面図、
第６図はバンパーを手扱状態に取付けたコンバイ
ンの側面図、第７図は手扱状態を示す平面図であ
る。 １……脱穀装置、３……機台、３ａ……側枠、
２０……一番受樋、２３……二番受樋、２０ａ，
２３ａ，３１ａ……掃除蓋、３５……側板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行クローラを有する機台３上に脱穀装置１を
   搭載し、該脱穀装置１の扱室１３の下方から排塵
   選別室に亘つて揺動選別体を架設し、該揺動選別
   体の一番選別部の下部に一番受樋２０を設け、二
   番選別部の下部に二番受樋２３を設けたコンバイ
   ンにおいて、二番スロワ３２と反対側にある側板
   ３５及び前記機台３の側枠３ａの一番受樋２０の
   近傍より後方部分は斜め上方へ向けて傾斜させた
   こと特徴とするコンバインにおける脱穀装置。