JPH0327026Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は電動チルトステアリング装置の改良
に関するものである。

（従来技術） 本願考案者らはステアリングハンドルの高さを
調整した後でもステアリングコラムのガタツキが
発生しない電動式のチルトステアリング装置を既
に研究開発した。

即ち、車体側のチルドブラケツトにチルト軸を
介して回動自在に枢支されたステアリングコラム
と、途中に自在接手が介装され、かつこの自在接
手の連結中心が前記チルト軸の軸心と一致するよ
うに前記ステアリングコラムに回転自在に支持さ
れたステアリングシヤフトと、前記チルト軸と同
軸にステアリングコラムと一体に設けられたウオ
ームホイールと、前記チルトブラケツトと一体の
ギヤボツクス内に一端部が球面接手を介して揺動
自在に保持されて前記ウオームホイールに対し接
近離反移動し得ると共にこのウオームホイールと
噛み合うウオームと、前記ギヤボツクスに付設さ
れ、かつ前記ウオームの一端側に連結されてこの
ウオームを駆動回転するモーターと、前記ギヤボ
ツクスと前記ウオームとの間に介装され、かつ前
記ウオームを前記ウオームホイールに押し付けて
前記ステアリングコラムのガタ付きを阻止するガ
タ止め用のばね材と、このばね材のばね力に抗し
て前記ウオームを前記ウオームホイールから引き
離すことにより、これらを通常の回転可能な噛み
合い状態へ戻すウオーム揺動駆動手段とを備えた
電動チルトステアリング装置である。

所がこの従来の電動チルトステアリング装置の
場合には、各構成部が複雑多岐に亘つていて調整
組立が簡単容易にかつ確実に行えなく、また故障
時などの調整修理が不便であると共に部品の加工
精度が要求され、精度がラフの場合は組立調整が
至難であつた。

（技術的課題） 従つてこの考案においては、電動チルト装置の
調整組立が容易に確実に行えると共に部品の加工
精度がたとえラフでも調整することができるよう
にすることを技術的課題とする。

（技術的手段） この考案は、上記技術的課題を解決するために
なされたもので、以下図面実施例について詳しく
説明する。

本体側に固設されたチルトブラケツト１には上
ステアリングコラム３がチルト軸２を介して傾動
自在に枢着されている。なお４は下ステアリング
コラムである。また該下ステアリングコラム４内
に回転自在に支持された下ステアリングシヤフト
６の上端と、前記上ステアリングコラム３内に回
転自在に支持された上ステアリングシヤフト５の
下端とは、連結中心がチルト軸２の軸心と一致す
る自在接手７を介して連結されている。そしてチ
ルトブラケツト１に止ねじ２０で一体的に固設さ
れたギヤボツクス８内にはチルト軸２と同軸をな
す枢軸１９によつて枢着されたウオームホイール
１８が収納されている。また上記ギヤボツクス８
内には、前記ウオームホイール１８に接近離反し
得るよう一（左）端部を筒部８ａ内の軸受１０を
介して保持され、前記ギヤボツクス８の筒部８ｂ
とウオーム９との間に介装され、ウオーム９をウ
オームホイール１８に押し付けて前記ステアリン
グコラム３のガタ付きを阻止するガタ止めと、ウ
オーム９をウオームホイール１８から引離してこ
れらを通常の回転可能な噛合状態へ戻すクランプ
モーター２２駆動の偏心筒１３を介装のウオーム
揺動駆動手段とを備えると共に上記偏心筒１３と
は別に他の偏心リング１１を設けて揺動連動の芯
を変位させてウオーム９とウオームホイール１８
の噛合誤差を増すことなく両者の確実な噛合を設
定できるようにしてなるものである。即ち第１，
４図にてギヤボツクス８の筒部８ｂ内周面に、先
ず偏心リング１１が外部から手動回転操作できる
よう嵌合され、該偏心リング１１の内周面には、
軸受１２を介入してウオーム軸９ａと偏心した偏
心筒１３が嵌合され、さらに該偏心筒１３とウオ
ーム軸９ａとの間には軸受１５が介装してある。
なお上記偏心筒１３の先部にはクランプモーター
２２の軸に楔止されたウオームと噛合されたウオ
ームホイール１４が設けられている。また前記ウ
オームホイール１８の突腕部１８ａが上ステアリ
ングコラム３に止ねじ２１で一体固着され、さら
に前記ウオーム９の軸端は伝動機構１７を介して
チルトモーター１６に連結されている。

（作用） 先ずチルトモーター１６の作動でウオーム９が
回転してウオームホイール１８の回動で上ステア
リングコラム３が所定の適正な状態に傾動停止す
る。次にこの状態でクランプモーター２２を駆動
させると、予め位置決めされた偏心リング１１内
で偏心筒（カム）１３が回転してウオーム９をウ
オームホイール１８に押し付けて上記傾動させた
上ステアリングコラム３のガタ付きを阻止する。

（効果） この考案は叙上のように調整組立が容易かつ確
実に行えると共に部品の加工精度がたとえラフで
あつても偏心リングカムの操作で微調整してウオ
ームとウオームホイールの噛み合せを常に安定的
に確実に設定できる優れた効果がある。またウオ
ームをウオームホイールに押し付けるクランプ力
はクランプモーターのトルクとカムのクランプ時
点の位置によつて決まるので、その時カムの上限
近くになると、押し付け力が強くなり、規制され
たモータートルクでは戻らなくなる場合がある
し、また通り過ぎてクランプしなくなる時もあり
動作に確実性を欠くので、この考案の偏心リング
を設けたことによりカムのクランプ時における位
置を常に最良の位置に設定できる効果がある。な
おクランプとアンクランプ時でモータートルクを
夫々に換えてアンクランプ時の方が大きくしてい
るけれども、それは無制限にはできないため前記
偏心リングを必要とするものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は要部縦断の正面図、第２図は正面図、第３図は
一部欠截平面図、第４図は偏心リングを含むウオ
ーム揺動駆動カム機構部の拡大説明図である。 １……チルトブラケツト、２……チルト軸、
３，４……ステアリングコラム、５，６……ステ
アリングシヤフト、７……自在接手、８……ギヤ
ボツクス、８ａ，８ｂ……筒部、９……ウオー
ム、９ａ……ウオーム軸、１０……軸受、１１…
…偏心リング、１２……軸受、１３……偏心筒、
１４……ウオームホイール、１５……軸受、１６
……チルトモーター、１７……伝動機構、１８…
…ウオームホイール、１８ａ……突腕部、１９…
…枢軸、２０，２１……止ねじ、２２……クラン
プモーター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体側のチルトブラケツトに、上ステアリング
   シヤフトが回転自在に支持された上ステアリング
   コラムを、傾動可能に枢着してチルトブラケツト
   側に正逆転可能なチルトモーター及びそれに連結
   駆動されるウオームを設け、また上ステアリング
   コラム側に上記ウオームと噛合し上ステアリング
   コラムを傾動させるウオームホイールを枢着して
   前記傾動作動をなし得る電動チルトステアリング
   装置において、前記ウオームがチルトブラケツト
   と一体のギヤボツクス内で前記ウオームホイール
   に接近離反移動し得るよう一端部を軸受を介して
   保持され、前記ギヤボツクスとウオームとの間に
   介装されウオームをウオームホイールに押し付け
   て前記ステアリングコラムのガタ付きを阻止する
   ガタ止めとウオームホイールから引離してこれら
   を通常の回転可能な噛合状態へ戻すギヤボツクス
   の筒部内周面に嵌合した手動回転操作できる偏心
   リングの内周面に軸受を介入してウオーム軸と偏
   心した偏心筒が嵌合されたクランプモーター駆動
   の該偏心筒を介装のウオーム搖動駆動手段とを備
   えると共に上記偏心リングにより搖動運動の芯を
   変位させてウオームとウオームホイールの噛合誤
   差を増すことなく両者の確実な噛合を設定できる
   ようにしてなる電動チルトステアリング装置。