JPH0249105Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は電動チルトステアリング装置の改良
に関するものである。

（従来技術） 本願考案者らは、ステアリングハンドルの高さ
を調整した後でもステアリングコラムのがた付き
が発生しない電動式のチルトステアリング装置を
既に研究開発した。

即ち車体側のチルトブラケツトにチルト軸を介
して回動自在に枢支されたステアリングコラム
と、途中に自在接手が介装されかつこの自在接手
の連結中心が前記チルト軸の軸心と一致するよう
に前記ステアリングコラムに回転自在に支持され
たステアリングシヤフトと、前記チルト軸と同軸
に前記ステアリングコラムと一体に設けられたウ
オームホイールと、前記チルトブラケツトと一体
のギヤボツクス内に一端部が球面接手を介して揺
動自在に保持されて前記ウオームホイールに対し
接近離反移動し得ると共にこのウオームホイール
と噛み合うウオームと、前記ギヤボツクスに付設
されかつ前記ウオーム一端側に連結されてこのウ
オームを駆動回転するモーターと、前記ギヤボツ
クスと前記ウオームとの間に介装されかつ前記ウ
オームを前記ウオームホイールに押し付けて前記
ステアリングコラムのがた付きを阻止し又前記ウ
オームを前記ウオームホイールから引き離すこと
により、これらを通常の回転可能な噛み合い状態
へ戻すウオーム揺動駆動手段とを具えた電動チル
トステアリング装置である。

所がこの種従来の電動チルトステアリング装置
の場合には、各構成部が複雑多岐に亘つているた
め、組立及び固定が簡単容易には行え難く、また
故障時などの取換えに不便であると共に手動式な
ど他の方式に組み替えることなども容易に行えな
かつた。

（技術的課題） 従つてこの考案においては、電動チルト装置の
組立て及び固定が容易にかつ確実強固に行えると
共に自動式及び手動式の交換が容易に行えるよう
にすることを技術的課題とする。

（技術的手段） この考案は、上記技術的課題を解決するために
なされたもので、以下図面実施例について詳しく
説明する。

車体側に固設されたチルトブラケツト１には、
上ステアリングコラム３がチルト軸２を介して傾
動自在に枢着されている。なお４は下ステアリン
グコラムである。また下ステアリングコラム４内
に回転自在に支持された下ステアリングシヤフト
６の上端と、前記上ステアリングコラム３内に回
転自在に支持された上ステアリングシヤフト５の
下端とは、連結中心がチルト軸２の軸心と一致す
る自在接手７を介して連結されている。そしてチ
ルトブラケツト１に一体的に固設されたギヤボツ
クス８内には、チルト軸２と同軸をなす枢軸１５
によつて枢着されたウオームホイール１４が収納
されている。また同ギヤボツクス８内には、チル
トモーター１２によつてウオーム伝動機構１３を
介して正逆回転駆動されるウオーム９が軸受１
０，１１によつて架設支承され、上記ウオームホ
イール１４と噛合させてある。そして該ウオーム
ホイール１４のアーム状突部１４ａは止ねじ１７
によつて上ステアリングコラム３に固着されてい
る。即ちこの考案では、電動チルトステアリング
装置の構成部品のうち、チルトモーター１２、ウ
オーム９、ウオームホイール１４とそれらを支承
する軸、軸受及び伝動機構などを関連的に一つの
ギヤボツクス８にまとめ、これを本体ユニツトＡ
として前記チルトブラケツト１に止ねじ１６にて
固着でき、はた前記ウオームホイール１４の一部
をこのギヤボツクス８の外にアーム状突部１４ａ
で突出させ付帯部A′として上ステアリングコラ
ム３に止ねじ１７にて固着できるようにしてある
と共に上記ギヤボツクスの代りの手動式など他の
方式の本体ユニツトＢとその付帯部B′も前記固
着手段と同様に固着できるよう互換性をもたせた
ことを特徴とする。

図面第５図は手動式の場合の実施例で、チルト
ブラケツト１に止ねじ１６によつて固着された基
板１８には、前記チルト軸２に同軸をなす支軸２
７によつて枢着された一端に歯部２８を有する揺
動板２６及び上記歯部２８と噛合できる歯部２５
と係合孔２１とを有する支軸２０で枢着の従動板
１９が夫々設けられている。そして上記従動板１
９と揺動板２６との間に引張りばね２９が張装さ
れ、常時歯部２５，２８が噛合するように作用力
が付勢してある。また上記従動板１９の係合孔２
１内には把杆２４の回動操作で枢支軸２２を軸に
回動して従動板１９を支軸２０を軸に揺動させる
カム２３が設けられている。そして揺動板２６の
アーム状突部２６ａが止ねじ１７によつて上ステ
アリングコラム３に固着してある。即ちこの手動
式の場合も本体ユニツトＢが止ねじ１６でチルト
ブラケツト１に、また付帯部B′が止ねじ１７で
上ステアリングコラム３に夫々固着されるように
なつている。

なお作用は、第１〜４図の電動式の場合にはチ
ルトモーター１２の回転でウオーム９が駆動され
てウオームホイール１４が回動し、従つてチツト
軸２を軸に上ステアリングコラム３が傾動する。
また第５図の手動式の場合には、先ず把杆２４を
鎖線位置に回動してカム２３によつて従動板１９
を鎖線位置に回動させて両歯部２５，２８の噛合
を離脱させて置いて上ステアリングコラム３を手
でチルト軸２を軸に適宜傾動させた後、把杆２４
から手を離すとその状態のまゝ再びばね２９作用
で両歯部２８，２５が喰嵌噛合して上ステアリン
グコラム３は設定固定される。

（効果） この考案は叙上のように、構成部品の内チルト
モーター、ウオーム、ウオームホイールとそれら
を支承する軸及び軸受などを関連的に一つのギヤ
ボツクスにまとめ本体ユニツトとしてチルトブラ
ケツトに、同上ウオームホイールの一部を付帯部
として上ステアリングコラムに夫々固着できるよ
うにしたから、組立がきわめて容易に行えると共
に組付け固定が確実強固にかつ能率的に行える優
れた効果がある。

また電動式の代りの手動式など他の方式の本体
ユニツトと付帯部も同じ固着手段で固着できるよ
う互換性をもたしてあるから自動式と手動式の交
換が容易に行えるなどの大きな効果がある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案装置の実施例を示すもので、第
１図は一部を縦断した要部の正面図、第２図は要
部の正面図、第３図は同外観正面図、第４図は一
部を欠截した要部分解の平面図、第５図は手動式
の実施例の正面図、第６図は同要部分解の平面図
である。 １……チルトブラケツト、２……チルト軸、３
……上ステアリングコラム、４……下ステアリン
グコラム、５……上ステアリングシヤフト、６…
…下ステアリングシヤフト、７……自在接手、８
……ギヤボツクス、９……ウオーム、１０，１１
……軸受、１２……チルトモーター、１３……ウ
オーム伝動機構、１４……ウオームホイール、１
４ａ……突部、１５……枢軸、１６，１７……止
ねじ、１８……基板、１９……従動軸、２０……
支軸、２１……係合孔、２２……枢支軸、２３…
…カム、２４……杷杆、２５……歯部、２６……
揺動板、２６ａ……突部、２７……支軸、２８…
…歯部、２９……ばね、Ａ，Ｂ……本体ユニツ
ト、A′，B′……付帯部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 車体側のチルトブラケツトに上ステアリングシ
   ヤフトが回転自在に支持された上ステアリングコ
   ラムを傾動可能に枢着してチルトブラケツト側に
   正逆転可能なチルトモーター及びそれに連結駆動
   されるウオームを設け、また上ステアリングコラ
   ム側に上記ウオームと噛合し上ステアリングコラ
   ムを傾動させるウオームホイールを枢着して前記
   傾動作動をなし得る電動チルトステアリング装置
   において、該装置の構成部品のうちチルトモータ
   ー、ウオーム、ウオームホイールとそれらを支承
   する軸及び軸受などを関連的に一つのギヤボツク
   スにまとめ本体ユニツトとして前記チルトブラケ
   ツトに固着でき、前記ウオームホイールの一部を
   このギヤボツクスの外にアーム状で突出させ付帯
   部として上ステアリングコラムに固着できると共
   に上記ギヤボツクスの代りの手動式など他の方式
   の本体ユニツトと付帯部も前記固着手段と同様に
   固着できるよう互換性をもたせたことを特徴とす
   る電動チルトステアリング装置。