JPH032638Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、常に生布を巻き上げる方向に働くコ
イルスプリングを内蔵した生布巻取ロールによつ
て生布を巻き上げるようにし、生布巻き下げ時
に、所望の位置で該コイルスプリングの力に抗し
て該生布巻取ロールの回転を停止させるストツパ
によつて生布を所望の高さに停止させるようにし
たロールスクリーンに関するものである。

〔考案の背景〕

上記の型式のロールスクリーンにおいてはロー
ルスクリーンを天井あるいは壁等にブラケツトに
よつて装着する際に、生布巻取ロールに内蔵され
たコイルスプリングに所望の強さの弾力を与える
ために初巻きをかけなければならない。ここで所
望の強さの弾力というのは、ロールスクリーンの
生布を生布巻取ロール上に完全に巻上げるに足る
強さのことで、コイルスプリングの力が弱わすぎ
ると、生布をその下端まで完全に巻き上げること
ができなくなり、また、巻き上げ力が強すぎる
と、生布自体あるいは巻上機構の各部に余計な力
が加わつて、生布の損傷あるいは巻上機構の破損
を生じたり、または、正しい巻上げが出来なくな
る、というような欠陥が生ずる。すなわち、生布
の重さに応じて最適な力をコイルスプリングに与
えなければならない。

しかし、ロールスクリーンをブラケツトに装着
する時にこのような最適な弾力をコイルスプリン
グに付与しておくことは難かしく、特に、このよ
うな初巻きをコイルスプリングに付与したまま
で、これをブラケツトにとりつけることは実際
上、極めて困難な作業を必要とする。また、コイ
ルスプリングは生布巻取ロール内に内蔵されてい
るので、生布巻取ロールをブラケツトに装着した
後で、このコイルスプリングに初巻きを与えるこ
とも困難である。

〔考案の目的〕

本考案は、上述のようなロールスクリーンにお
ける欠陥に鑑み、生布巻取ロールに内蔵されたコ
イルスプリングに、その上に巻かれる生布の重さ
に応じた最適な強さの初巻きを与えた状態でコイ
ルスプリングの巻きをロツクし、この生布巻取ロ
ールをブラケツトに装着した後に、上記の巻きの
ロツクを解除することによつて、現場において極
めて容易に最適の初巻きを、生布巻取ロールに付
与できるようにしたロールスクリーンを提供する
ことを目的とするものである。

〔考案の概要〕

本考案によるロールスクリーンは、常に生布を
巻き上げる方向に働くコイルスプリングを内蔵し
た生布巻取ロールによつて生布を巻き上げるよう
にし、生布巻き下げ時に、所望の位置で該コイル
スプリングの力に抗して該生布巻取ロールの回転
を停止させるストツパによつて生布を所望の高さ
に停止させるようにしたロールスクリーンにおい
て、上記のコイルスプリングに初巻きを与えるた
めの初巻き付与ドラムを該生布巻取ロールの一端
に回転自在に装着して、該コイルスプリングの一
端を該生布巻取ロールの内面に係止するととも
に、該コイルスプリングの他端を該初巻き付与ド
ラムに係止し、該初巻き付与ドラムに面する該生
布巻取ロールの端面に、その軸方向に切込んだ溝
を形成し、該初巻き付与ドラムを回転して該コイ
ルスプリングに初巻きを与えた状態でその回転を
停止するために、該初巻き付与ドラムに形成され
た係止部に着脱可能に係合する係止片を上記の溝
に摺動可能に装着したことを特徴とするものであ
る。

〔考案の実施例〕

以下、図面を参照して説明する。

第１図は本考案に係るロールスクリーンを示す
もので、図中、１はロールスクリーン生布、２は
生布巻取ロール、３は生布巻取ロールを支持する
ブラケツトを示す。生布巻取ロール２内に、常に
生布を巻き上げる方向に働くコイルスプリング４
が内蔵され、生布巻取ロール２によつて生布１を
巻き上げるようになつている。また、所望の位置
でコイルスプリング４の力に抗して生布巻取ロー
ル２の回転を停止させるストツパ（図示せず）が
設けられていて、生布を巻き下げた時に該ストツ
パの作用で生布１は所望の高さに停止させる。生
布を再び上げる時には、生布を僅かに下げること
によつて該ストツパは解除されて、該コイルスプ
リングの作用で生布は再び生布巻取ロールに巻き
上げられる。

このようなロールスクリーンにおいては、前述
のように、ロールスクリーンをブラケツトに装着
する時に、コイルスプリング４に適当な初巻きを
与えることが極めて困難であつて、本考案はこの
ような問題を解決するものである。

本考案によれば、上記のコイルスプリング４に
初巻きを与えるための初巻き付与ドラム５が生布
巻取ロール２の一端に回転自在に装着され、コイ
ルスプリング４の一端が生布巻取ロール２の内面
に係止され、且つその他端が該初巻き付与ドラム
５に係止される。図示の実施例においてはコイル
スプリング４は第２図に示すように心棒６の上に
遊嵌され、その一端は心棒６の一端に固定された
デイスク７に係止され、他端は心棒上に回転自在
に装着されたリング８に係止される。然して、リ
ング８は生布巻取ロール２内に固定的に装着さ
れ、リング８から突出する心棒６の軸９が初巻き
付与ドラム５を介してブラケツトに装着される。

初巻き付与ドラム５は心棒６に連結されて、ド
ラム５を回転することによつてコイルスプリング
４に初巻きを与えることができる。然して、この
初巻き付与ドラム５に面する生布巻取ドラム２の
端面に、その軸方向に切込んだ溝１０が形成され
（第３図）、該初巻き付与ドラム５を回転してコイ
ルスプリング４に初巻きを与えた状態でその回転
を停止するために、初巻き付与ドラムに形成され
た係止部（図示の実施例では孔１１）に着脱可能
に係合する係止片１２が上記の溝１０に摺動可能
に装着される。

〔作用〕

上述のロールスクリーンは、組立後、初巻き付
与ドラム５を回転することによつて、コイルスプ
リング４に生布１の重さに応じた適当な初巻きを
与え、その状態で、係止片１２を初巻き付与ドラ
ムの方に押して、その先端を、該ドラムに形成さ
れた係止部に係止させることによつて、初巻き状
態をロツクする。この状態で、生布巻取ロールを
ブラケツトに装着する。その後、係止片１２を引
き出すことによつて、初巻きロツク状態は解除さ
れて、コイルスプリングが有効に働くようにな
る。上記の係止片は、第４図に示すように生布巻
取ロールの外から容易に操作できる位置に設けら
れている。

〔考案の効果〕

本考案によれば、工場において、ロールスクリ
ーンを組立てた後に、上述のようにして、生布巻
取ロールに内蔵されたコイルスプリングに最適の
強さの初巻きをかけ、その状態で初巻き状態をロ
ツクする。この状態で出荷すれば、現場におい
て、このロールスクリーンを所望の位置に装着し
た後、ロツクを解除することによつて、最適の初
巻きをかけたロールスクリーンが得られる。

上述のようにして、本考案によれば、従来極め
て困難な作業を必要とした初巻き付与が現場にお
いて何等の問題なく達成され、且つロールスクリ
ーンを装着して、ロツクを解除するだけで、当該
ロールスクリーンについて最適な強さの初巻きが
得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るロールスクリーンの正面
図、第２図は本考案ロールスクリーンに使用され
るコイルスプリングおよび初巻き付与ドラムの分
解斜視図、第３図は本考案ロールスクリーンの生
布巻取ロールの端部の斜視図、第４図は生布巻取
ロールの端部の側面図である。 １……生布、２……生布巻取ロール、３……ブ
ラケツト、４……コイルスプリング、５……初巻
き付与ドラム、６……心棒、７……デイスク、８
……リング、９……軸、１０……溝、１１……
孔、１２……係止片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 常に生布を巻き上げる方向に働くコイルスプリ
   ングを内蔵した生布巻取ロールによつて生布を巻
   き上げるようにし、生布巻き下げ時に、所望の位
   置で該コイルスプリングの力に抗して該生布巻取
   ロールの回転を停止させるストツパによつて生布
   を所望の高さに停止させるようにしたロールスク
   リーンにおいて、上記のコイルスプリングに初巻
   きを与えるための初巻き付与ドラムを該生布巻取
   ロールの一端に回転自在に装着して、該コイルス
   プリングの一端を該生布巻取ロールの内面に係止
   するとともに、該コイルスプリングの他端を該初
   巻き付与ドラムに係止し、該初巻き付与ドラムに
   面する該生布巻取ロールの端面に、その軸方向に
   切込んだ溝を形成し、該初巻き付与ドラムを回転
   して該コイルスプリングに初巻きを与えた状態で
   その回転を停止するために、該初巻き付与ドラム
   に形成された係止部に着脱可能に係合する係止片
   を上記の溝に摺動可能に装着したことを特徴とす
   るロールスクリーン。