JPS6319520Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は防虫網戸に関するものである。

従来、例えば実開昭56−119898号に示されるよ
うに、ネツトの一端を巻取軸に巻付け、網戸の不
使用時には上記ネツトを巻取部内に巻込み収納で
きるようにした防虫網戸は公知であるが、この種
巻取式の網戸においては、通常、ネツトを建物開
口部の間口より若干長目に構成するため、風圧等
の外力が作用した場合にネツトがさらに引出され
て弛みを生じ、建物開口部枠とネツトとの間に隙
間ができ易いという問題があつた。

本考案は、上述した巻取式の網戸において、風
圧などの作用によつてネツトの弛みが生じないよ
うにすることを目的とし、そのため本考案におい
ては、ネツトの巻取軸に、ネツトを所定の長さ引
出した状態でリングを嵌着し、該リングに巻取軸
上に巻残されているネツトの余長部分を抱持させ
たことを特徴としている。従つて、ネツトを引出
した状態でそれに外力が作用しても、リングによ
つてそれがこれ以上引出されるのが防止され、弛
みを生じることがない。

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に
説明するに、第１図において、１は窓、出入口等
の建物開口部枠であつて左右の立枠１ａ，１ｂ、
上枠１ｃ及び下枠１ｄとからなり、該建物開口部
枠１には防虫網戸２が取付けられている。

上記防虫網戸２は、一方の立枠１ａに取付けら
れた巻取部３と、該巻取部３内に収納、引出し自
在に巻取られるネツト４と、該ネツト４の他端に
取付けられた框５と、該框５を左右に案内するガ
イド杆６と、他方の立枠１ｂに固定された係止杆
７とからなるもので、上記巻取部３は、第２図に
示すように、立枠１ａ上の固定桟８に取外し可能
に連結された筒状カバー９を有し、該カバー９内
にネツト４の巻取軸１０を垂直に支承せしめてい
る。円筒状をなす上記巻取軸１０は、第３図に示
すように、その中心に該巻取軸と固定関係にある
上部キヤツプ１１及びストツプリング１２を介し
てばね巻芯１３を相互に回動可能に内蔵せしめた
もので、該ばね巻芯１３の上端に連結した掛鉤部
材１４をカバー９と一体の軸受部材１５に固定的
に係着せしめることにより、該巻取軸１０をカバ
ー９に対して回転可能に支承させており、該巻取
軸１０内においては、上記ばね巻芯１３の周りに
ばね１６を配設し、該ばね１６の上端を上部キヤ
ツプ１１に止着させると共に、ばねの下端をばね
巻芯１３と固定関係にあるばね受け１７に止着さ
せ、而して、このばね１６のねじりに伴う弾性復
元力を上記巻取軸１０の駆動源とすることによ
り、ネツト４を自動的に巻取るように構成し、さ
らに巻取軸１０の下端は、下部キヤツプ１８に設
けた軸孔１９にカバー９の底板に立設した支軸２
０を嵌合させることにより該支軸２０に支持させ
ている。この場合、カバー９の下端を建物開口部
に合わせて切除し、カバーの底板を改めてカバー
下端に止着することにより、各種寸法の建物開口
部に適合させることができる。なお、図中２１は
ばね１６の振れ止めである。

また、上記ネツト４の一端は、第２図に示すよ
うに、巻取軸１０の側面に縦設した凹溝２２内に
押え部材２３の押込みと共に嵌入挾持させ、ネツ
トの他端はカバー９の側面に縦設した開口部２４
を通じて外部に導出せしめ、該他端に上記框５を
取付けている。

上記框５は、その内部にネツト４の端部を押え
部材２５との間で挾持するホルダ２６を備え、そ
の表裏面に開閉操作のための摘持用突壁部２７を
縦設すると共に、側面に他方の立枠１ｂに取付け
た係止杆７の鉤部７ａに係脱自在の止着部２８を
縦設したもので、これらの止着部２８及び鉤部７
ａはそれぞれ框５及び係止杆７の略全長にわたつ
て形設し、ネツト４の拡張時にはそれらが第２図
に示すように互いに密接状態で係合するようにし
ている。また、框５の上端にはローラ等の走行部
材（図示せず）を取付け、この走行部材をガイド
杆６の側壁内面に対設した走行レール上に移動自
在に載置させることにより、該框５をガイド杆６
に吊下状態で移動可能に支持させている。

而して上記巻取部３においては、第２図及び第
３図に示すように、ネツト４を所定の長さ引出し
た状態で巻取軸１０上に巻残されているネツト４
の余長部分の上から該巻取軸１０にリング２９を
嵌着せしめ、このリング２９に上記余長部分を抱
持させている。このリング２９は、ネツト４が風
圧等の作用によつて不必要に引出されるのを防止
するためのもので、金属や合成樹脂などの弾性素
材によつて一側に開口２９ａを備えた不完全円筒
形に形成し、その開口２９ａを上記巻取軸１０に
側面から押しつけることによつて弾力的に嵌着さ
せ得るようにしている。このリング２９は、適宜
の長さに形成してそれを巻取軸１０の任意の位置
に１個または複数個取付けることができ、その
際、ネツト４と接触する開口縁２９ｂには、ネツ
トに損傷を与えないように丸味をつけておくのが
望ましい。

上記ネツト４及び框５の下端はフリーとし、下
枠１ｄの上面との間に虫が侵入しない程度の間隙
をおいて自由に移動できるようにしているが、下
枠１ｄ上に適当なガイド壁を立設したりガイド溝
を設けてそれらに案内させるようにしてもよい。

上述した網戸２の使用時には、框５を第１図の
右方へ引つ張つて係止杆７の位置まで移動させ、
止着部２８を係止杆７の鉤部７ａに係止（第２
図）させる。この場合、リング２９によつてネツ
ト４のそれ以上の引出しが規制され、従つて該ネ
ツト４に風圧等の外力が作用しても弛みを生じる
ようなことがない。ネツト４の引出し可能長さ
は、リング２９を回動させることにより自由に調
整することができる。また巻取部３においては、
ネツト４の引出しによつて巻取軸１０が回転する
ときにばね１６にねじりが与えられ、ネツトの巻
取りの際に必要なエネルギーが蓄積される。

網戸２の不使用時には、框５を係止杆７から外
して巻取部３側へ移動させ、ネツト４を該巻取部
３内に巻込むが、この巻取りは、上記ばね１６の
弾性復元力によつて巻取軸１０が回転せしめられ
るために自動的に行われる。ネツト４が巻取られ
たときには、框５がカバー９の側面に当接した状
態となつているが、その状態のままでもネツト４
に巻取り力が作用するように、ばね１６に対して
予めねじりを付与しておく。従つて、この状態で
も框５が遊動することはない。

以上に詳述したように、本考案によれば、ネツ
トの巻取軸に、ネツトを所定の長さ引出した状態
で該巻取軸に巻残されているネツトの上からリン
グを嵌着し、該リングにネツトの余長部分を抱持
させたので、風圧などの作用によつてネツトが不
必要に引出されることがなく、そのためネツトの
弛みを確実に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す正面図、第２
図はそのＡ−Ａ断面図、第３図は巻取部の縦断面
図である。 １……建物開口部枠、４……ネツト、１０……
巻取軸、２９……リング。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 建物開口部枠の一側に支承させた回転自在の巻
   取軸にネツトの一端を巻付け、該ネツトを引出し
   及び巻取り自在に構成したものにおいて、上記ネ
   ツトを所定の長さ引出した状態で上記巻取軸にリ
   ングを嵌着し、該リングに巻取軸上に巻残されて
   いるネツトの余長部分を抱持させたことを特徴と
   する防虫網戸。