JPH0326209Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車用ドアチエツカに関するもので
ある。

自動車のドアを開いたとき、該ドアを複数段の
開度位置において節度をもつて保持するようにし
たドアチエツカは、一般にドアヒンジを取付けた
車体ピラーにドア開閉方向に回動可能なるよう軸
着したチエツカアームと、ドア側に取付けられ該
チエツカアームの複数の凹陥部に嵌合するようば
ね支持されたローラ等の係合部材との組合せより
なり、ドアの開作動に伴ないチエツカアームは回
動しつつローラ等の係合部材がチエツカアーム上
を転動若しくは摺動し、ドアのある開度位置にお
いて該ローラ等の係合部材がチエツカアームのあ
る凹陥部に嵌入してその開度位置を節度をもつて
保持し、更にドアを開く方向に力を加えればロー
ラ等の係合部材はばね力に抗してその凹陥部を乗
越えて又ドアのある開度位置にて次の凹陥部に嵌
入し、その開度位置を節度をもつて保持するよう
になつている。

上記のようなドアチエツカにおいて、ローラ等
の係合部材はハウジング内に組込まれ、従来は該
ハウジングの壁面と該係合部材間に圧縮スプリン
グを介装して該ハウジングの中央部を貫通するチ
エツカアームの凹陥部を設けた面に該係合部材を
押しつける構造を採つているのが普通であり（例
えば実開昭55−64371号公報、実公昭57−21984号
公報等参照）、チエツカアームが存在しない状態
ではローラ等の係合部材は圧縮スプリングのばね
力がフリーの係合部材に作用し且つスプリングの
ばね力の作用点がハウジングとなるので、該係合
部材アツシーの組付けが非常に困難となり、部品
点数が多く高価となる等の不具合を有している。

本考案は上記のような従来の不具合を解消する
と共に装置の小型コンパクト化をはかることを目
的とするもので、以下附図実施例を参照して説明
する。

第１図乃至第３図は本考案の第１の実施例を示
すもので、１は両側端縁に複数の凹陥部１１を有
するチエツカアームであり、該チエツカアーム１
の基端部はドアＢのヒンジ取付部側の車体部材Ａ
に軸１２により回転可能に取付けられる。

２はドアＢ内に取付けられるチエツカ本体で、
該チエツカ本体２は、２個のローラ２１，２１′
と、両端縁部に該２個のローラ２１，２１′を滑
動可能に嵌装支持するローラ支持部２２ａ，２２
a′を形成したローラ保持部材２２と、該ローラ保
持部材２２のローラ支持部２２ａ，２２a′に嵌装
した２個のローラ２１，２１′間に掛装した引張
りスプリング２３及びこれらを内部に組込んだハ
ウジング２４とからなり、該ハウジング２４には
前記チエツカアーム１を貫通する為の貫通孔２４
ａ及びドアＢ内への取付固定部２４ｂが設けられ
ている。

ローラ２１，２１′はその両側端面に突出する
軸部２１ａ，２１a′が一体又は一体的に設けら
れ、ローラ保持部材２２のＵ字形切欠き形状をな
すローラ支持部２２ａ，２２a′に該ローラ２１，
２１′をそれぞれ嵌装した状態においてローラ２
１，２１′のそれぞれの軸部２１ａ，２１a′間に
引張りスプリング２３を掛装することにより、該
ローラ２１，２１′はローラ保持部材２２のロー
ラ支持部２２ａ，２２a′に互に引張り合つた状態
にて組付保持され、この状態においてハウジング
２４内に収納することにより、ローラ保持部材２
２の前後端面がハウジング２４の前後壁内面に挾
持されてガタなく組込まれると共に、ローラ２
１，２１′の軸部２１ａ，２１a′の先端面がハウ
ジング２４の両側壁内面に滑動可能に当接若しく
はわずかなクリアランスをもつて対向することに
よりローラ２１，２１′の軸方向のずれが防止さ
れた状態となる。

上記ハウジング２４のチエツカアーム挿通用の
貫通孔２４ａにはチエツカアーム１が嵌通し、該
チエツカアーム１の両側端縁が２個のローラ２
１，２１′に挾まれた状態となるが、上記ローラ
保持部材２２のローラ支持部２２ａ，２２a′はそ
の深さが、チエツカアーム１の凹陥部１１の深さ
よりやや深く構成されており、２個のローラ２
１，２１′はチエツカアーム１の両側端縁を引張
りスプリング２３のばね力にて挾みつけ、該２個
のローラ２１，２１′がチエツカアーム１の凹陥
部１１に嵌つたときも該ローラ２１，２１′はロ
ーラ支持部２２ａ，２２a′の底面部からわずかに
浮き上つて上記引張りスプリング２３のばね力に
よりローラ２１，２１′が上記凹陥部１１内に押
しつけられた状態を保持し得るようになつてい
る。尚図示実施例ではチエツカアーム１の基部附
近の両側端縁間の幅寸法をローラ保持部材２２の
ローラ支持部２２ａ，２２a′の底面間の寸法とほ
ぼ等しく構成することにより、チエツカアーム１
を挿し込み組付ける場合、引張りスプリング２３
のばね力が該チエツカアーム１の両側端縁に作用
せず組付けを容易に行い得るようにした例を示し
ている。

以上の構成において、第１図示のようにチエツ
カアーム１の基部を車体部材Ａに軸１２にて軸着
し、該チエツカアーム１を挿通組付けたチエツカ
本体２をドアＢ内に取付け固定した状態で、ドア
Ｂが全閉状態では第１図実線示の如くローラ２
１，２１′はチエツカアーム１の基部に近い部分
に位置している。

ドアＢをそのヒンジ中心Ｃを中心として開くと
（第１図において時計方向に回動）、チエツカアー
ム１は第１図において時計方向に回動しつつチエ
ツカ本体２との相対位置が変化し、ローラ２１，
２１′はチエツカアーム１の両側端縁上を転動し
第１の凹陥部１１，１１に係合し、開方向への外
力（操作力等）が加わらなければその開度位置を
保持する。

更にドアＢを開くとローラ２１，２１′は第１
の凹陥部１１，１１を越えてチエツカアーム１は
更に回動しローラ２１，２１′はチエツカアーム
１の両側端縁上を転動して順次第２、第３の凹陥
部に嵌合し、その各開度位置にて節度をもつて通
過し、全開状態となる。その全開状態では、チエ
ツカ本体２はチエツカアーム１先端に設けた弾性
材よりなるストツパ１３に当つてそれ以上のドア
Ｂの開方向作動を規制すると共に、最後の凹陥部
１１，１１にてドアの閉方向作動を節度をもつて
規制し、ドアＢは全開状態に保持される。

ドアＢを閉める場合も上記と同様にしてローラ
２１，２１′はチエツカアーム１の回動に伴つて
該チエツカアーム１の両側端縁上を転動し凹陥部
１１，１１に順次嵌入しつつ第１図の実線示の全
閉状態となる。

上記の作動において、２個のローラ２１，２
１′はスプリング２３により互に引き合いながら
チエツカアーム１の両側端縁の凹凸に伴ない互に
離れる方向及び近づく方向に移動するが、該移動
はハウジング２４内に固定されているローラ保持
部材２２のローラ支持部２２ａ，２２a′にガイド
された状態で行われ且つローラ２１，２１′の両
側を２個のスプリング２３，２３でバランス良く
ばね支持しているので、該ローラ２１，２１′が
ガタ付いたり変位したりするようなことは全くな
く、又両ローラ２１，２１′及びローラ保持部材
２２は共に極めて滑性にすぐれた合成樹脂にて構
成されるのでローラ支持部２２ａ，２２a′内にお
けるローラ２１，２１′の転動は非常にスムーズ
に行われる。

スプリング２３の両端のローラ２１，２１′の
軸部２１ａ，２１a′への掛止部２３ａ，２３
a′は、ローラ２１，２１′の転動に伴ない軸部２
１ａ，２１a′上を相対的に滑動することになる
が、前記したようにローラ２１，２１′が滑性の
良好なる合成樹脂にて構成されているので軸部と
掛止部とが突掛るようなことはほとんどなく、又
場合によつてはスプリング２３の掛止部２３ａ，
２３a′の外周面に滑性の良好なる合成樹脂層をコ
ーテイング等にて形成しておけば軸部２１ａ，２
１a′とスプリング掛止部２３ａ，２３a′との間の
滑りは極めて円滑に行われ得る。

第４図及び第５図は本考案の第２の実施例を示
すもので、この例ではローラ２１，２１′の軸部
２１ａ，２１a′に、該軸部２１ａ，２１a′の外径
よりやや大なる内径をもつ筒状のカラー２５，２
５′を遊嵌し、引張りスプリング２３の両端掛止
部２３ａ，２３a′を該カラー２５，２５′上に掛
止めしたものである。

第４，５図において上記以外の構成は第１図乃
至第３図の第１の実施例と同じであり、第１〜３
図と同一の符号は同一の部分を表わしている。

このように構成した第４，５図示の実施例で
は、ローラ２１，２１′の転動時は軸部２１ａ，
２１a′とカラー２５，２５′との間にて滑りが生
じ、カラー２５，２５′とスプリング掛止部２３
ａ，２３a′との間には滑りが生じないので、軸部
２１ａ，２１a′に部分的な摩耗が生じることがな
いばかりか、ローラ２１，２１′の回転力がスプ
リングに一切作用しないのでスプリングの耐久性
は更に向上され得る。

以上のように本考案によれば、２個のローラ
と、該２個のローラを嵌装状態にて案内支持する
ローラ支持部を両側端に形成したローラ保持部材
と、該２個のローラ間に掛装した２個の引張りス
プリングとによりチエツカ本体を構成しているの
で、スプリングのばね力はこれらを内装するハウ
ジングに対し一切無関係となり、チエツカ本体ア
ツシーの組付作業が極めて容易となり、又該チエ
ツカ本体アツシーへのチエツカアームの組付けも
簡単となるばかりか、部品数が少く小型コンパク
トにまとめることができ安価である等の諸利益を
有するもので、実用上多大の効果をもたらし得る
ものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例を示す横断平面
図、第２図は第１図のＸ−Ｘ断面図、第３図は第
１図の要部拡大詳細図である。第４図は本考案の
第２の実施例を示す要部横断平面図、第５図は第
４図のＹ−Ｙ断面図である。 １……チエツカアーム、１１……凹陥部、２…
…チエツカ本体、２１，２１′……ローラ、２２
……ローラ保持部材、２２ａ，２２a′……ローラ
支持部、２３……スプリング、２４……ハウジン
グ、２５……カラー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 車体部材側に基端部をドア開閉方向に回動可
   能なるよう取付けられ両側端縁に複数の凹陥部
   を形成したチエツカアームと、ドア内に取付け
   られ内部に上記チエツカアームの両側端縁に弾
   接して転動する２個のローラを装備したチエツ
   カ本体とからなるドアチエツカにおいて、該チ
   エツカ本体を、ドア内への取付部とチエツカア
   ームの挿通用貫通孔をもつハウジングと、該ハ
   ウジング内に固定され両側端部に２個のローラ
   をそれぞれ嵌装支持するほぼＵ字状の切欠き形
   状をなすローラ支持部を設けたローラ保持部材
   と、該ローラ保持部材のローラ支持部に嵌装さ
   れた２個のローラと、該２個のローラの両側軸
   部に両端をそれぞれ掛装した２個の引張りスプ
   リングとにより構成したことを特徴とする自動
   車用ドアチエツカ。 (2) 引張りスプリングは、その両端の掛止部を、
   ２個のローラの両側端より一体又は一体的に突
   出した軸部に該軸部の外径より大なる内径をも
   つ筒状のカラーを遊嵌して該カラー上に掛装し
   た構造となつていることを特徴とする実用新案
   登録請求の範囲第１項に記載の自動車用ドアチ
   エツカ。