JPH0325689B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、遠心式送風機の吸入口の上流に遮蔽
板を設けた強制送風式燃焼装置に関する。

［従来の技術］ 本出願人は先に、遠心式送風機により燃焼部に
空気を供給する強制送風式燃焼装置において、内
圧の変化を少なくし安定した内圧を得るため、ス
クロールケーシングにノズルホルダーを一体形成
し部品点数および加工工程を減少させるため、さ
らに燃焼装置を小形にするために、フアンを駆動
するモータ側の外側の空間を利用して燃料供給管
を設け、フアンが回転するスクロールケーシング
内に小突起部を形成した燃料噴出用のノズルを設
けたものを提案した。

また、燃焼室内にバーナを配した強制送風式燃
焼装置においては、例えば、着火時の通過抵抗と
定常燃焼時の通過抵抗との変化が大きいこと、送
風機の吸入口における騒音が大きいこと、着火時
と定常燃焼時における固有振動数の変化の割合い
が燃焼部と供給部とで違うことにより発生する騒
音が大きいこと、騒音を減少するために、排気フ
ードの開口を小さくしたりすると、排気フード等
の開口面積と供給側の相当断面積とのバランスの
変化により振動燃焼が発生する等の強制送風式燃
焼に伴うさまざまな問題点があり、こうした問題
点を解決する手段として、送風機の吸入口に遮蔽
板を提案した。

［発明が解決しようとする問題点］ しかしながら、上述のスクロールケーシング内
に小突起部を設けたノズルでは、フアンが回転す
る際に供給される空気が乱れるため、供給部の通
過抵抗に影響があり、騒音源になる。

本発明は、遮蔽板を備えた強制送風式燃焼装置
において、供給空気の乱れをなくし、騒音の低下
を図りつつ燃料を安定して供給し、空気と円滑に
混合することができる燃料供給部とを備えた強制
送風式燃焼装置を提供することを目的とする。

［問題を解決するための手段］ 本発明は、複数の炎口が形成されたバーナを燃
焼ケース内に配し、スクロールケーシング内に羽
根車が配された送風機によつて燃料と燃料用空気
との混合気を前記バーナに供給して全一次空気燃
焼を行う強制送風式燃焼装置において、前記スク
ロールケーシングの吸入口を前記羽根車の内側に
突出して設けるとともに、前記吸入口の上流に前
記スクロールケーシングに対して間隔をおいて遮
蔽板を配して、該遮蔽板と前記スクロールケーシ
ングとの間を前記吸入口との連通路とし、該連通
路内に前記吸入口に向かう突出部を形成して、該
突出部に燃料を供給するための複数の燃料噴出口
を分散して配したことを技術的手段とする。

［作用］ 本発明では、送風機が作動すると燃焼用空気は
遮蔽板とスクロールケーシングとの間の連通路を
通過して吸入口から羽根車の内側へ吸込まれる。

燃焼用空気がスクロールケーシング内へ吸込ま
れるとき、空気はスクロールケーシングと遮蔽板
とによつて制限された空間から吸込まれるため、
供給部としての送風機の実質容積が増え、また送
風機の吸入口の相当断面積を変更できるため、供
給部の固有振動数を燃焼ケースによる燃焼部の固
有振動数に対応したものにすることができる。

従つて、共振等による騒音の発生がない。

また燃料は、複数の燃料噴出口から連通路内へ
分散して噴出されて燃焼用空気と混合され、混合
気としてバーナへ供給される。

［発明の効果］ 本発明では、スクロールケーシングの吸入口に
は遮蔽板が間隔をおいて配されているため、供給
部の固有振動数を燃焼ケース内に対応した固有振
動数を容易に設定することができる。従つて、騒
音が発生しにくい。また、燃料は吸入口に向かつ
て形成された突出部の複数の燃料噴出口から連通
路へ噴出するため、吸入口へ吸込まれる空気が突
出部によつて乱れることがなく、騒音源になるこ
とがない。従つて、騒音の低減を図りつつ燃料と
燃焼用空気との混合が円滑に行われ、燃焼性に優
れた混合気となる。

従つて、複数の炎口を有するバーナよる全一次
空気燃焼を行う場合、各炎口には燃焼用空気と燃
料とが十分に混合した混合気が通過し、炎口毎に
混合のばらつきが非常に少ないため、安定した燃
焼を行うことができる。

［実施例］ 次に本発明を、図面に示す実施例に基づき説明
する。

第１図は本発明の強制送風式燃焼装置をガス瞬
間湯沸器に適用した第１実施例を示す。

本実施例のガス瞬間湯沸器は、湯沸器ケース１
０と、燃焼部をなす燃焼ケース２０と、燃焼用空
気を燃焼ケース２０に供給する供給部３０と、ガ
ス供給路４０と、制御回路５０、水通路６０とか
ら構成される。

湯沸器ケース１０の内部には、燃焼ケース２０
と、供給部３０と、ガス供給路４０と、制御回路
５０と、水通路６０とが収納されている。湯沸器
ケース１０の上部には、燃焼ケース２０と連通し
燃焼した燃焼排ガスを排気するための排気口１１
が設けられ、この排気口１１には図示しない排気
筒が接続されガス瞬間湯沸器の外部に連通してい
る。

燃焼ケース２０は、燃焼室２１を形成するもの
で、その内部下方には取付け金具２２により固定
されたセラミツク製のバーナ２３が設けられてい
る。バーナ２３には燃焼の際の騒音を低下するた
めに相互に異径をなす小火口群２４が備えられて
いる。また燃焼ケース２０の下方には、点火をす
るための点火装置２５と、点火装置２５の作動を
検知する検知装置２６が設けられているとともに
点火装置２５に対応して熱電対からなる感温部材
２７が設けられている。

バーナ２３の上方には、熱交換器２８が設けら
れている。熱交換器２８は水通路６０と接続され
たパイプ２９であり、このパイプ２９には熱交換
を促進させるプレートフイン群２９ａが備えられ
ている。

燃焼ケース２０の下端は開口しており、この開
口部を塞ぐようにして供給部３０が設けられ、燃
焼用空気をバーナ２３に供給する。

供給部３０は、燃焼ケース２０を塞ぐようにし
て設けられた混合室３１と送風機３２とから構成
され、混合室３１はバーナ２３での燃焼を良好、
円滑にするために送風機３２からの空気および燃
料ガスの混合を適度に行うものである。

送風機３２は、第２図および第３図に示すとお
り渦巻き形状を呈し吐出口が混合室３１と連通し
たスクロールケーシング３３とフアン３４と駆動
用モータ３５とから構成される。

スクロールケーシング３３内にはフアン３４が
設けられ、フアン３４は円盤３４ａと回転方向に
対して凹形状をなすように円盤の外周縁に垂直に
固定された板３４ｂとからなる。円盤３４ａの中
心にはボス部３４ｃが設けられ、スクロールケー
シング３３を貫通して設られた駆動用モータ３５
の回転軸３５ａが固定されている。

スクロールケーシング３３の開口部は送風機の
吸入口３３ａとなつており、本実施例ではこの吸
入口３６は第３図に示すようにベルマウス形状を
なしている。

吸入口３３ａの上流には、供給部３０の通過抵
抗の設定、送風機３２による騒音の防止、供給部
３０の固有振動数の設定などのために、この吸入
口３３ａを覆うようにして遮蔽板３７がスクロー
ルケーシング３３と間隔をおいて設けられてい
る。遮蔽板３７は、第４図に示す形状をしてお
り、中央部分が吸入口３３ａに向かつて突出した
円錐形状の突出部３７ａをなしており、取付脚部
３８によりスクロールケーシング３３に固定され
ている。

この結果、遮蔽板３７とスクロールケーシング
３３との間には、吸入口３３ａと外部とを連通す
る連通路３３ｂが形成され、遮蔽板３７の周端と
スクロールケーシング３３とによつて吸込み口３
６が形成される。

本実施例では、この遮蔽板３７に複数のガス噴
出孔３７ｂが設けられ、燃料ガスを供給するため
のガス供給路４０の吐出口となつている。

ガス供給路４０は、上述の通り遮蔽板３７に燃
料ガスの吐出口を備えている。従つて、遮蔽板３
７にはガス管４１を固定するために固定部材４２
が取付けられている。

固定部材４２は、円盤状を呈しスポツト溶接に
より遮蔽板３７に取付けられ、その中央にはガス
管４１を貫通させるための貫通口４３を備えてい
る。貫通口４３の周囲にはガス管４１を固定する
ためのボス部４４が設けられ、本実施例では固定
部材４２にスポツト溶接により固定されている。
ボス部４４の外周にはねじ山４４ａが設けられ、
このねじ山４４ａと整合するねじ山を設けた取付
金具４５が組合わせられる。

一方、ガス管４１には、ボス部４４に固定する
ためのフランジ４１ａが設けられている。そし
て、ガス管４１の先端部が挿入され上述のボス部
４４にフランジ部４１ａが支持された後に金具４
５により固定される。

ガス管４１の上流側には、ガスの流量をその通
電量に応じて制御する比例制御弁４６と、ガスの
供給と遮断とを司る電磁弁４７とが設けられてい
る。

制御回路５０は、検知装置２６、感温部材２
７、図示しない送風量検知装置、使用者により設
定される温度設定手段などを入力信号とし、点火
装置２５、駆動用モータ３４、比例制御弁４６、
電磁弁４７をそれぞれ通電し、所望の空燃比を得
るように制御している。

水通路６０は、熱交換器２８と接続されたパイ
プ６１で、水が供給されると図示しない水流スイ
ツチにより制御回路５０の電源が入り、点火装置
２５が作動を開始する。

以上の構成により本実施例は、使用者が、温度
設定手段で温度を設定し水が供給されると制御回
路５０の電源が入る。すると送風機３２が作動を
始め点火装置２５が作動し、バーナ２３に点火さ
れる。

送風機３２が作動し吸入口３３ａに空気が吸入
されるとき、空気は遮蔽板３７とスクロールケー
シング３３との間の連通路３３ｂを通過し、燃料
ガスは遮蔽板３７に固定されたガス管４１から供
給され遮蔽板３７のガス噴出孔３７ｂから分散し
て連通路３３ｂへ噴出して空気とともに吸入され
る。

従つて、スクロールケーシング３３内には空気
の乱れを発生する突起部がないため、空気は遮蔽
板３７により円滑に導かれて吸入される。

以上のとおり、本実施例では、燃料ガスは遮蔽
板に導かれた空気とともに吸入されるため、安定
して供給され、空気との混合も円滑に行われる。

また、ノズルが遮蔽板に固定されるため、新た
にノズルホルダーを設ける必要がなくなる。

本実施例では、燃料の吐出口に遮蔽板の突出部
に設けたガス噴出孔を使用したが、第５図に示す
ように遮蔽板の突出部に代えてガス供給路のガス
管を貫通させて固定し、ガス管に多数のガス噴出
孔を設けてもよい。

この実施例では、突出部のない遮蔽板３７が使
用され、その中央の貫通口にガス管４１が設けら
れている。このガス管４１は先端が閉じられ、先
端部の周囲に複数のガス噴出孔４１ｂが設けられ
ている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の強制送風式燃焼装置を適用
したガス瞬間湯沸器の第１実施例を示した概略正
面図、第２図は第１実施例のガス供給部を組込ん
だ送風機の正面図、第３図は第１実施例のガス供
給部を組込んだ送風機の平面断面図、第４図は第
１実施例の遮蔽板の斜視図、第５図は本発明の第
２実施例を示すガス供給部を組込んだ送風機の正
面図である。 図中、２０……燃焼ケース、２３……バーナ
（板状バーナ）、２４……小火口群（複数の炎口）、
３２……送風機、３３……スクロールケーシン
グ、３３ａ……吸入口、３３ｂ……連通路、３４
……フアン（羽根車）、３７……遮蔽板、３７ｂ
……ガス噴出孔（複数の燃料噴出口）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 複数の炎口が形成されたバーナを燃焼ケース
   内に配し、スクロールケーシング内に羽根車が配
   された送風機によつて燃料と燃焼用空気との混合
   気を前記バーナに供給して全一次空気燃焼を行う
   強制送風式燃焼装置において、 前記スクロールケーシングの吸入口を前記羽根
   車の内側に突出して設けるとともに、前記吸入口
   の上流に前記スクロールケーシングに対して間隔
   をおいて遮蔽板を配して、該遮蔽板と前記スクロ
   ールケーシングとの間を前記吸入口との連通路と
   し、該連通路内に前記吸入口に向かう突出部を形
   成して、該突出部に燃料を供給するための複数の
   燃料噴出口を分散して配したことを特徴とする強
   制送風式燃焼装置。