JPH0325680Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は主として自動車の座席の表層として使
用するに適切なシートカバーに関するものであ
る。

（従来技術） 表皮と褥材と裏布とを部分的に高周波溶着して
線状等の凹模様を形成したシートカバーは自動車
の座席の表層として広く使用されているが、従来
のものは高周波溶着が容易な塩化ビニル系表皮や
ポリアミド系表皮のような低融点表皮が使用され
ているため、耐光性、耐久性に乏しいうえ高周波
溶着時に低融点表皮は表側にも溶融跡が残される
ので体裁も損われるという問題があつた。さら
に、従来のものは表皮と褥材と裏布とを重ねて部
分的に溶着したものであるため、使用中に表皮が
皺寄り易いという欠点もあつた。

（考案の目的） 本考案は前記のような欠点や問題点を解消して
耐久性に優れているうえ体裁のよいシートカバー
を目的として完成されたものである。

（考案の構成） 本考案は普通ウレタン発泡シートの表面に低融
点の接着材を介してポリエステル系表皮を添着一
体化するとともに該普通ウレタン発泡シートの裏
面に低融点の接着材を介して裏布を添着一体化し
たラミネート表皮材よりなるカバー主体の所要部
分に該普通ウレタン発泡シートが部分的に圧潰さ
れて該裏布と両接着材の溶融により前記ポリエス
テル系表皮の裏面に高周波溶着された線状凹模様
を形成するととももに該線状凹模様の裏側におい
てカバー主体の裏面に吊布を溶着一体化したこと
を特徴とするものである。

（実施例） 次に、本考案を図示の実施例について詳細に説
明すれば、１は通常の高周波溶着法による内部発
熱温度では溶着性のない普通ウレタン発泡シート
であつて、該普通ウレタン発泡シート１の表面に
は通常の高周波溶着法による内部発熱温度で溶着
性を発揮する極く肉薄の低融点ウレタン発泡シー
ト等の低融点の接着材２を介してポリエステル系
表皮３を添着一体化するとともに該普通ウレタン
発泡シート１の裏面にエチレン−酢酸ビニル共重
合体を主材とする接着剤等の低融点の接着材４を
介してポリアミド系不織布等の裏布５を添着一体
化し、このラミネート表皮材を所要形状に加工し
てカバー主体６が構成されている。そして、この
カバー主体６にはその所要部分に前記普通ウレタ
ン発泡シート１が部分的に圧潰硬化されて裏布５
と両接着材２，４との溶融により前記ポリエステ
ル系表皮３の裏面に高周波溶着された線状凹模様
７が形成され、さらに、該線状凹模様７の裏側に
おいてカバー主体６の裏面には吊布８が低融点の
シート状接着材その他低融点の接着材９を介して
高周波溶着法により溶着一体化されている。な
お、ポリエステル系表皮３とはポリエステル繊維
よりなる織布或いはポリエステル系繊維を主材と
してこれにポリアミド系繊維その他の繊維を混織
した織布が強度的にも優れているうえ高周波溶着
時に表側が殆んど目障りとなる溶着跡が残ること
がないので好ましく、また、裏布５としては多数
のエンボス模様１０が形成されているポリアミド
系不織布が高周波溶着性および強度等の点から見
て最適である。

このように構成されたものは、自動車の座席の
表層として従来のこの種シートカバーと同様に使
用した場合、普通ウレタン発泡シート１の優れた
弾力性によつてカバー主体６は快適なクツシヨン
効果を発揮するうえ線状凹模様７が装飾効果を発
揮するものであるが、ポリエステル系表皮３は耐
光性、耐久性に優れているうえこのポリエステル
系表皮３は普通ウレタン発泡シート１の表面に接
着材２を介して添着一体化されているので皺寄る
こともなく、また、普通ウレタン発泡シート１の
裏面にもポリアミド系不織布等の裏布５が接着材
４を介して添着一体化されて普通ウレタン発泡シ
ート１の摩耗を防いでいるので長期耐用できるも
のである。しかも、カバー主体６は普通ウレタン
発泡シート１の表面に低融点の接着材２を介して
ポリエステル系表皮３を添着一体化するとともに
裏面に低融点の接着材４を介して裏布５を添着一
体化したラミネート表皮材よりなるものであるか
ら、通常の高周波溶着手段によつては溶着困難な
ポリエステル系表皮３と普通ウレタン発泡シート
１を使用しているにも拘らずカバー主体６の所要
部分に該普通ウレタン発泡シート１が部分的に圧
潰されて裏布５と両接着材２，４の溶融によりポ
リエステル系表皮３の裏面に対し高周波溶着され
た硬質の線状凹模様７が鮮明に形成され、該線状
凹模様７の保形効果と相俟つて形崩れすることが
ないうえ融点の高いポリエステル系表皮３は表側
に溶融跡が残されることもないので長期間に亘り
体裁が損われることもない。さらに、カバー主体
６の裏面に溶着一体化されている引き込み用の吊
布８は高周波溶着法により形成された前記線状凹
模様７の裏側において溶着一体化されているの
で、強度的に優れていて強い引き込みを行うこと
ができるうえに量産が容易で安価に提供できる。

（考案の効果） 本考案は前記説明から明らかなように、耐光
性、耐久性に優れているポリエステル系表皮に対
し安価ではあるが、高周波溶着が困難とされてい
る普通ウレタン発泡シートを低融点の接着材と裏
布を組み合せることによつて吊布とともに巧妙に
高周波溶着して線状凹模様が形成されている立体
感に富んだ長期間に亘り体裁が損われることのな
いシートカバーとしたもので、量産が容易な利点
と相俟ち従来のこの種シートカバーの欠点を除い
たものとして実用的価値極めて大なものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す一部切欠斜視
図、第２図は同じく要部の一部切欠正面図であ
る。 １：普通ウレタン発泡シート、２：低融点の接
着材、３：ポリエステル系表皮、４：低融点の接
着材、５：裏布、６：カバー主体、７：線状凹模
様、８：吊布。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 普通ウレタン発泡シート１の表面に低融点の接
   着材２を介してポリエステル系表皮３を添着一体
   化するとともに該普通ウレタン発泡シート１の裏
   面に低融点の接着材４を介して裏布５を添着一体
   化したラミネート表皮材よりなるカバー主体６の
   所要部分に該普通ウレタン発泡シート１が部分的
   に圧潰されて該裏布５と両接着材２，４の溶融に
   より前記ポリエステル系表皮３の裏面に高周波溶
   着された線状凹模様７を形成するとともに該線状
   凹模様７の裏側においてカバー主体６の裏面に吊
   布８を溶着一体化したことを特徴とするシートカ
   バー。