JPH0247900Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車の座席や応接椅子その他の座席
の表皮として使用する座席カバーに関するもので
ある。

（従来技術） 表皮材と褥材とをミシンまたは高周波ミシンに
より部分的に縫着または高周波溶着した座席カバ
ーは周知であるが、従来のこの種座席カバーは立
体感に乏しいうえ特に吊り込み部分を設けるとこ
の部分に皺寄りが生じて表面形状が崩れ、長期耐
用できないものであつた。

（考案の目的） 本考案は前記のような問題点を解決して立体感
に富んでいるうえに座席本体に対して皺寄ること
なく適確に被装することができる耐久性のある座
席カバーを目的として完成されたものである。

（考案の構成） 本考案は表皮材とその裏面に添わせた褥材とを
もつて縫製されたカバー主体に多数の屈曲した線
状縫着部を設けて該カバー主体に前記線状縫着部
によつて区画膨出される多数の小膨出部を有する
帯状の連続柄模様を形成するとともに該連続柄模
様の裏側においてカバー主体に吊り込み布を縫着
したことを特徴とするものである。

次に、本考案は図示の実施例について詳細に説
明すれば、１は織布、合成樹脂レザー地、皮革等
任意の材料よりなる表皮材であつて、該表皮材１
の裏面には軟質プラスチツクスフオームや軟質プ
ラスチツクスフオームと繊維質弾性体との合せ材
等のシート状の褥材２が該表皮材１と一体に或い
は別体として添わせてあり、さらに、該褥材２の
裏面には裏布３が該褥材２と一体に或いは別体と
して添わせて所要形状のカバー主体４に縫製され
ている。５は表皮材１とその裏面の褥材２を裏布
３とともに一体に縫着している多数の屈曲した線
状縫着部であつて、該線状縫着部５は特殊なキル
テイングマシンにより互いに接近させて蛇行また
は斜行或いは交叉させて縫着されてていて該カバ
ー主体４の表面に多数の低い小膨出部６が区画膨
出された帯状の連続柄模様７を形成するとともに
褥材２を表皮材１に縫着一体化している。なお、
８は裏布３の裏面に上端の縫付基部をもつて縫着
される吊り込み布であつて、該吊り込み布８は前
記連続柄模様７の裏側に縫付基部を位置させて掬
い縫い、摘み縫い等のインステツチ或いはアウト
ステツチにより縫着一体化されている。

このように構成されたものは、座席本体に従来
の座席カバーと同様被装して使用した場合、カバ
ー主体４の表面には多数の屈曲した線状縫着部５
による帯状の連続柄模様７が形成されているうえ
にこの線状縫着部５により多数の小膨出部６が区
画膨出されることとなり、しかも、吊り込み布８
によつて部分的に吊り込まれているので、全体と
して立体感に富んだ変化のある外観を呈すること
となり、また、吊り込み布８は線状縫着部５を谷
部として多数の小膨出部６が区画膨出された帯状
の連続柄模様７の裏側に縫着されているので、吊
り込み部付近より皺寄ることもなくて長期耐用で
き、さらに、各小膨出部６に小さく区画されてい
るのでクツシヨン性、保形性も良好なものとな
り、しかも、表皮材１と褥材２とが多数の屈曲し
た線状縫着部５において強固に縫着一体化される
ので、強度的にも優れたものとなる。

（考案の効果） 本考案は前記説明から明らかなように、蛇行ま
たは斜行或いは交叉する多数の屈曲した線状縫着
部をもつてカバー主体のうち少なくとも吊り込み
布が裏側に縫着される部分に帯状の連続柄模様を
縫着形成するとともに該線状縫着部によつて多数
の小膨出部を区画膨出させたので、意匠的に優れ
たものとなるうえに吊り込み部分に皺寄ることな
く座席本体に対し適確に被装することができるも
ので、クツシヨン性や保形性にも優れていて長期
耐用できる利点と相まち従来の座席カバーの問題
点を解決したものとして実用的価値極めて大なも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図本考案の実施例を示す一部切欠斜視図、
第２図は同じく要部の部分拡大図である。 １：表皮材、２：褥材、４：カバー主体、５：
線状縫着部、６：小膨出部、７：帯状の連続柄模
様、８：吊り込み布。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表皮材１とその裏面に添わせた褥材２とをもつ
   て縫製されたカバー主体４に多数の屈曲した線状
   縫着部５を設けて該カバー主体４に前記線状縫着
   部５によつて区画膨出される多数の小膨出部６を
   有する帯状の連続柄模様７を形成するとともに該
   連続柄模様７の裏側においてカバー主体４に吊り
   込み布８を縫着したことを特徴とする座席カバ
   ー。